2015/07/18 - 2015/07/20
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2013tomoさん
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写真はSaint-Jean-Pied-de-Portの
カテドラルの横を通って
巡礼に出発する巡礼たち。
門を出てまっすぐ行けばピレネー越えの
ナポレオンルートに
向かう道である。
ところで私のフランス巡礼路のあだ名は
「ムッシュー・エスカルゴ」である。
私はこの名前が気に入っている。
この名前を付けた理由は2つある。
一つ目は私の歩く速度が極端に遅いこと(時速3キロ)。
二つ目は2013の早春にスペイン巡礼路を歩いた時、
一緒に行動を共にしていた
アメリカ人のマリオさん
(キューバ亡命者の子供)の
足のマメが悪化して歩けなくなった。
その時に彼は道脇に座って
「Tomo見てごらんよ。これは僕だ。」と
巡礼路をのろのろと渡ろうとしている
カタツムリを指さした。
私は新美南吉さんの「でんでんむしのかなしみ」を
思い出して、
「そのカタツムリは君であるし、
僕でもあるんだよ。」と言って
二人で次の町までゆっくり歩いた
経験から来ている。
大きなバックパックを担いで歩いている巡礼は
「でんでんむし」の群れに見えることがある。
それに、それぞれの巡礼が自分の課題を抱えて
歩き続けている様子は
「でんでんむしのかなしみ」の話に良く似ている。
17日に宿泊したジット"L'Escargot-Bar(でんでんむしーバー?)
の夕食でステファンさんとセシリアさんに
「でんでんむしのかなしみ」の話をしてさしあげた。
二人は深い意味のある話だと喜んでいた。
ブログでは3回(18・19日、20日、21日)に分けて
インターネットに掲載されていた原文と英訳を参考に紹介したい。
(参考)ーその一
denden mushi no kanashimi
「でんでんむしのかなしみ」
The Sorrow of a Snail
Niimi Nankichi
新美南吉
by Niimi Nankichi
ippiki no denden mushi ga arimasita
一匹のでんでんむしがありました。
Once upon a time, there was a snail.
aruhi sono denden mushi wa taihen na koto ni ki ga tsuki mashita
ある日、そのでんでんむしは大変なことに気がつきました。
And one day he noticed something troubling.
watashi wa ima made ukkari shite ita keredo
「わたしは今まで、うっかりしていたけれど、
“Up until now, I have never been very aware of my surroundings, but…
watashi no senaka no kara no naka ni wa kanashimi ga ippai tsumatte iru de wa nai ka
わたしの背中の殻の中には、悲しみがいっぱい詰まっているではないか。」
…I noticed all of the sadness that I have been bearing on my back shell.”
kono kanashimi wa dou shitara yoi deshou
この悲しみは、どうしたらよいでしょう。
Oh, the grief…what can be done?
denden mushi wa otomodachi no denden mushi no tokoro ni yatte ki mashita
でんでんむしは、お友達のでんでんむしの所にやってきました。
So, the snail went to find another snail friend.
watashi wa mou ikite irare masen
「わたしはもう、生きていられません。」
“I can’t live anymore.”
to sono denden mushi wa otomodachi ni ii mashita
と、そのでんでんむしは、お友達に言いました。
Said the snail to his friend
次回からは私のピレネー越えと困った出逢いについて報告したい。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
写真はSaint-Jean-Pied-de-Portの入口の巡礼門から街への道の様子。
ベビーバギーを押したお母さんが二人散歩していた。
平和な昼下がりである。 -
門から街の中心部に向かって坂が下っていた。
巡礼達が大勢歩いていてこの町は巡礼町として
にぎわっている。 -
カテドラルの横を通り、巡礼路への門を出ると橋があった。
これを越え、前方に見える道をまっすぐ行くとピレネー越えの
ナポレオンルートに向かう巡礼路だ。 -
18日の午後は晴天であった。
川面に映る空の雲や町の建物が美しい。 -
橋の反対側の風景もカメラで写した。
森の緑が美しい。 -
Saint-Jean-Pied-de-Portの町は花が飾られていて
巡礼者の気持ちを陽気にさせる。
まるでお祭りのようだ。 -
巡礼者や観光客用のお土産屋も多い。
巡礼者も買い物客の顔をしてショッピングを楽しんでいた。 -
18日は坂道の途中にある「ラムンチョ」という
ホテルに宿泊した。
1泊79ユーロ
シャワーとトイレ付
ベッドはツインである。
1階にはバーとレストランがある。
おかみさんは少しチャビーなかわいいマダム。
バーで働いている青年の瞳がマダムによく似て
いるので
「あの男前の青年はマダムと一緒の目をしているね。」
と言うと
「私の息子よ。」
と言って喜んでいた。 -
1階のバーでビールやワインを
飲みながら通りを見ていると
巡礼路で顔見知りになった巡礼達が
坂道を下って行く。
私を見て「ようやくたどり着いたぞ!」
と手を振りながら挨拶をする巡礼者もいた。 -
巡礼者たちは巡礼路に向け出口門を通り抜け
出発して行く。
出発する前にはカテドラルで旅の無事を祈る
のが習慣になっているようだ。
朝の8:30と11:00に巡礼者に対するミサが行われる。
後で聞いたところミサはバスク語で行われている
とのことだ。 -
19日朝は私も8:30のミサに参加した。
ミサに参加する前にカテドラル前の店でコーヒーを
飲んでいるとアジア系の女性が歩いていたので挨拶した。
韓国の女性でスペイン巡礼路を往復してコンポステーラから
帰って来たところだと言う。
「お国に帰られても心の中は巡礼が続きますね。」と言うと、
その通りだと笑って答えてくれた。
ミサには一緒に巡礼路を歩いた
フランス人のステファンさんとセシリアさんも
参加していた。
彼らは今日、ナポレオンルートでピレネー越えをする
ということで早速出発して行った。
私は今日はジットでもう1泊して明日の朝に
ナポレオンルートとは別の道でピレネー越え
をする予定である。 -
山の天候は変わりやすい。
雲行きがたちまち怪しくなり
雨が降り始めた。 -
雨のSaint-Jean-Pied-de-Port、
サンジャンピエードポーだ。
ホテルもテラスの椅子をバーの中に片づける。
私もバーの中に場所を移しワインを飲んでいる。
雨を眺めながらゆっくりワインを飲むのも楽しい。 -
町の中を歩いて散歩できないので
巡礼の歴史展示館を訪れた。
昔の男性巡礼者スタイル。
杖は私と一緒で一本だけだ。
バックパックのかわりに
肩からバックを下げている。 -
昔の女性巡礼者のスタイル。
長い日よけがお洒落だ。
昔は大勢の女性巡礼者が
苦しい巡礼路を信仰を杖に
歩いていたという。 -
19日に宿泊するジット「Beilari」は14:00にオープンされる。
ジットの斜め前に巡礼事務局の相談センターがあった。
晴れてきたので巡礼入口門に行ってみた。
すると、そこで15日に別れたドイツ人のステファニーさんに
偶然出会った。
背中に汗をビッショリかいていて苦しそうな顔をしている。
聞くと昨夜は人のいない教会の礼拝堂で野宿をしたそうだ。
昨夜から何も食事をしていないのでお腹が空いている
と言っていた。
まずはミサに参加し、巡礼相談センターで情報を得てから
昼食を食べると言う。
一緒に昼食を食べることにして相談センター前で待ち合わせる
ことにした。 -
12時過ぎに相談センターへ行くとアジア系の女性が
ステファニーさんに熱心に話しかけている。
挨拶すると韓国人のウニュさんという学生さんだ。
現在はフランスのポワチエ大学の心理学大学院で
心療内科医を目指して勉強していると言う。
巡礼路をステファニーさんと一緒に歩いていたが
昨日別れてからとても心配していたそうだ。
彼女は既にフランス巡礼路の別ルートも歩いていた。
いい機会なので彼女も含めて二人を昼食に招待すること
にした。
昼食は私が宿泊していたホテルのレストランで取った。
そこで面白いハプニングが発生した。
食事中に大きな蜂が我々の食卓の周りを飛び始めたのだ。
女性たちは最初は恐怖心で騒いでいた。
私は
「蜂は我々の恐怖心に反応するので驚かさないように
静かにしていよう。」と言った。
それでも蜂は我々の食卓の周りを飛び続け
特にウニュさんの料理に関心を示している。
ウニュさんは暫く蜂の様子を観察していたが、
「蜂が欲しいものが分かった!」と言って
彼女のお皿の肉を少し小皿にとりわけ隣のテーブルに
静かに置いた。
蜂はその小皿の肉の上に止まり
肉汁を舐め始めたではないか。
ウニュさんは
「やっぱり彼はお肉の汁を舐めたかったのね。」
と言う。
私が
「すごいなあ!
ウニュさんは蜂の心理分析をしたのですね。
昆虫の心が分かるくらいだから将来は立派な
心療内科医になれますね。
これはユング心理学でいう
シンクロニシティ(synchronicity:
共時性または意味のある偶然性)かもしれません。」
と言うと、
彼女は「そうかもしれないわ。」と言って
うれしそうに笑っていた。
ウニュさんは別のジットに宿泊するということで
昼食後別れた。
明日は朝早く北部のイルンという町に向け出発すると言う。
しかし彼女とは偶然に明朝又一緒に歩くことになった。。
-
ジットにチェックインすると巡礼路で一緒に歩いていた
フランス人のジャニーヌさんとその友人も宿泊していた。
ステファニーさんがお昼のお礼だとビールとワインと
つまみを買ってきて夕食前のささやかなパーティをジットの
上にある野外テラスで開催した。 -
明朝、彼らはナポレオンルートでピレネー越えをするので
巡礼路を一緒に歩いた仲間で仲良く話すのは今日が最後かも
しれない。
私は別ルートでピレネーを越えるので彼等とは1日遅れで
スペイン巡礼路に入ることになる。
1日の距離差は私の足で短縮することはできない。
明日の朝がきっと最後の別れになるだろう。
「出逢いの数だけ別れがある」ことを
ここでも改めて認識した。 -
Saint-Jean-Pied-de-Portのジット「Beilari」のベッド。
今夜がフランス最後の夜だ。
スペイン巡礼路は日にちが許す限り奥まで
歩いてみる予定である。
ぐっすり寝て明日からのスペイン巡礼路に
備えることにした。
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