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写真はその日に宿泊したPugnalのChambre d&#39;hotes de Pugnal<br />の案内看板(日射しが強くて文字が読めない)。<br />道からは見えないが緑の森の中に<br />大きな館があった。<br /><br />※Chambre d&#39;hotes はジットよりもグレードが高い。<br /> オーナーが住んでいるお屋敷の空いている部屋に<br /> 巡礼を宿泊させてくれる(普通は夕食、朝食付き)。<br />  <br /><br /><今日一日の流れを説明する><br /><br />Moissac駅には鉄道で午後2;30に到着した。<br /><br />駅の南側にはLe Tarn川がながれ、<br />これに沿って緑の美しい水路が走っていた。<br /><br />今日は午後12キロほど歩いて隣町のMalauseで<br />泊まる予定。<br /><br />観光事務所で地図と道順を教えてもらい<br />早速歩き始める。<br /><br />巡礼路は緑の美しい水路沿いに続いていた。<br /><br />依然として暑いが水辺を歩くと心がなごむ。<br /><br />人間には水の風景は欠かせないと思った。<br /><br />途中で運河を離れて山道に入る。<br />住宅やぶどう畑が点在しているので<br />安心して歩いていた。<br /><br />ところがどこで道を間違えたか大きな住宅の庭<br />の中に出てしまった。<br /><br />私の道に迷う行為はいまや日常化してる。<br />これは私の個性かもしれないとあきらめた。<br /><br />仕方がないので住宅を訪ねて道を尋ねた。<br /><br />家の中から上品なマダムが現れ道を教えてくれた。<br /><br />彼女も巡礼の道を何度か歩いたことがあると言っていた。<br /><br />別れ際に「巡礼さん、今日も暑いけれど水は大丈夫?」<br />と優しく声をかけてくれた。<br /><br />笑顔が素敵なマダムである。<br /><br />「メルシーボクー(ありがとうございます)。<br /> オールヴォワール(さようなら)。」<br />と言って彼女と別れた。<br /><br />今日も道に迷ってしまったが<br />こんなさわやかな出逢いが<br />あるとそれだけで幸せな気持ちになる。<br /><br />道に迷うのも良いこと?かもしれない。<br /><br />その後の巡礼路は登り下りを<br />繰り返しながら続いていた。<br /><br />途中で緑のトンネルのような場所を通り抜けた。<br /><br />フランス巡礼路にはこのような場所は何か所かあった。<br /><br />いつもこの緑のトンネルを通り抜けると別世界が<br />あるような不思議な気持ちになる。<br /><br />今日はこの緑のトンネルの向こうに<br />素敵な館が私を待っていた。<br /><br />「私はこの館に招待されたのではなかろうか?}<br /><br /><br />以下でもう少し詳しく説明します。<br /><br /><br /><br />次回は「巡礼路は不思議な磁場ー共鳴する出逢いは繰り返す」<br />について報告します。<br /><br /><br /><br /><br />

還暦一人旅フランス巡礼路(巡礼8日目) 森かげの中に館はあったー出逢いの予感。

22いいね!

2015/07/01 - 2015/07/20

6位(同エリア9件中)

2013tomo

2013tomoさん

写真はその日に宿泊したPugnalのChambre d'hotes de Pugnal
の案内看板(日射しが強くて文字が読めない)。
道からは見えないが緑の森の中に
大きな館があった。

※Chambre d'hotes はジットよりもグレードが高い。
 オーナーが住んでいるお屋敷の空いている部屋に
 巡礼を宿泊させてくれる(普通は夕食、朝食付き)。
  

<今日一日の流れを説明する>

Moissac駅には鉄道で午後2;30に到着した。

駅の南側にはLe Tarn川がながれ、
これに沿って緑の美しい水路が走っていた。

今日は午後12キロほど歩いて隣町のMalauseで
泊まる予定。

観光事務所で地図と道順を教えてもらい
早速歩き始める。

巡礼路は緑の美しい水路沿いに続いていた。

依然として暑いが水辺を歩くと心がなごむ。

人間には水の風景は欠かせないと思った。

途中で運河を離れて山道に入る。
住宅やぶどう畑が点在しているので
安心して歩いていた。

ところがどこで道を間違えたか大きな住宅の庭
の中に出てしまった。

私の道に迷う行為はいまや日常化してる。
これは私の個性かもしれないとあきらめた。

仕方がないので住宅を訪ねて道を尋ねた。

家の中から上品なマダムが現れ道を教えてくれた。

彼女も巡礼の道を何度か歩いたことがあると言っていた。

別れ際に「巡礼さん、今日も暑いけれど水は大丈夫?」
と優しく声をかけてくれた。

笑顔が素敵なマダムである。

「メルシーボクー(ありがとうございます)。
 オールヴォワール(さようなら)。」
と言って彼女と別れた。

今日も道に迷ってしまったが
こんなさわやかな出逢いが
あるとそれだけで幸せな気持ちになる。

道に迷うのも良いこと?かもしれない。

その後の巡礼路は登り下りを
繰り返しながら続いていた。

途中で緑のトンネルのような場所を通り抜けた。

フランス巡礼路にはこのような場所は何か所かあった。

いつもこの緑のトンネルを通り抜けると別世界が
あるような不思議な気持ちになる。

今日はこの緑のトンネルの向こうに
素敵な館が私を待っていた。

「私はこの館に招待されたのではなかろうか?}


以下でもう少し詳しく説明します。



次回は「巡礼路は不思議な磁場ー共鳴する出逢いは繰り返す」
について報告します。




旅行の満足度
5.0
ホテル
5.0
グルメ
5.0
同行者
一人旅
一人あたり費用
10万円 - 15万円
交通手段
徒歩
旅行の手配内容
個別手配

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  • Moissac駅駅から10分程歩くと教会が見えてくる。<br /><br />観光情報事務所はこの教会の横の階段を降りたところにある。<br /><br />どこの事務所もそうだがとても親切に対応してくれる。<br /><br />質問事項を事前に整理して質問すればかれらは効率よく<br />的確な情報や資料を提供してくれた。<br /><br />訪問した街に情報事務所があるときは必ず立ち寄るようにしていた。<br />(英語でコミュニケーションができるという理由もあるが)<br /><br />この事務所の横には給水施設もあるので助かった。

    Moissac駅駅から10分程歩くと教会が見えてくる。

    観光情報事務所はこの教会の横の階段を降りたところにある。

    どこの事務所もそうだがとても親切に対応してくれる。

    質問事項を事前に整理して質問すればかれらは効率よく
    的確な情報や資料を提供してくれた。

    訪問した街に情報事務所があるときは必ず立ち寄るようにしていた。
    (英語でコミュニケーションができるという理由もあるが)

    この事務所の横には給水施設もあるので助かった。

  • 巡礼路は街の運河を越えて右折すれば水路に沿って<br />長く長く続いていた。

    巡礼路は街の運河を越えて右折すれば水路に沿って
    長く長く続いていた。

  • 石造りの家々と緑の水路のコントラストが魅力的だ。<br /><br />日中で歩いている人が少ない。<br /><br />ここは自分の影が私の連れ合いだ。

    石造りの家々と緑の水路のコントラストが魅力的だ。

    日中で歩いている人が少ない。

    ここは自分の影が私の連れ合いだ。

  • 街を離れても緑の水路が続いている。<br /><br />木々の影が水路に映えて涼しげである。<br /><br />時々水路を渡って風が吹くと体いっぱいに風を受け止める。<br /><br />「風立ちぬ いざ歩めやも!」と言いながら前に進んでいった。

    街を離れても緑の水路が続いている。

    木々の影が水路に映えて涼しげである。

    時々水路を渡って風が吹くと体いっぱいに風を受け止める。

    「風立ちぬ いざ歩めやも!」と言いながら前に進んでいった。

  • 木陰で昼寝をすればどんなにか気持ちが良いだろう。<br /><br />頭の中で想像しながら白昼夢状況で歩いていた。<br /><br />こんな時は目が見えているようで実は自分の<br />メンタルスクリーンに<br />映る映像を見ていることが多い。<br /><br />他のフランス人巡礼者も同じようなことを言っていた。<br /><br />ふと気づくと巡礼標識を<br />見過ごして違う道に迷いこむそうだ。<br /><br />それを聞いて私も少し安心した。

    木陰で昼寝をすればどんなにか気持ちが良いだろう。

    頭の中で想像しながら白昼夢状況で歩いていた。

    こんな時は目が見えているようで実は自分の
    メンタルスクリーンに
    映る映像を見ていることが多い。

    他のフランス人巡礼者も同じようなことを言っていた。

    ふと気づくと巡礼標識を
    見過ごして違う道に迷いこむそうだ。

    それを聞いて私も少し安心した。

  • 巡礼路は水路を離れ山道を登りLa Garonne川が見える峠を過ぎる。<br /><br />こんな見晴らしが良い所でも<br />白昼夢状況で歩いている私は道に間違い<br />住宅の庭に迷い込んでしまった。<br /><br />そこのマダムに正しい巡礼路を<br />教えていただき再度歩き始める。<br /><br />道に迷っている自分を<br />もう一人の自分が映像として見ているような<br />気持で歩いていた。<br /><br />これが「霊魂離脱状態」であろうかと考えたが<br />ただ暑さとつかれで<br />ボンヤリしていただけだと思う。<br /><br />私は「歩くという行為」と<br />「脳内モルヒネの分泌」に<br />何らかの関係あるのではと思い<br />帰国後にインターネットで<br />調べてみました。<br /><br />&lt;インターネットの内容&gt;<br /><br /> 歩くことで脳は刺激を受け、活性化します。<br /> これに深く関わっているのが<br />ホルモンの分泌です。<br /> 歩き始めて最初に出てくるのが<br />β−エンドルフィン。<br /> 気分をハイにしてくれる物質で<br />「ランナーズハイ」ならぬ<br />「ウォーキングハイ」を引き起こします。<br /><br /> 次に現れるのがドーパミン。<br /> 意欲高揚を促し、やる気を高めてくれます。 <br /> その効果から、「ときめきホルモン」などと呼ばれたりもします。 <br /> <br />さらに歩き続けると「ハッピーホルモン」<br />「幸せ気分ホルモン」の<br />セロトニンが分泌されます。<br /> その名の通り、幸せ感や満足感をもたらし、<br />晴れ晴れとした心、<br />安らかで安定した気分、<br />優しい気持ちになります。<br /><br />以上の説明と私の状況を照合してみますと、<br />私は専門家ではありませんので<br />確かなことはわかりませんが<br />何か関係がありそうな気がしています。<br />

    巡礼路は水路を離れ山道を登りLa Garonne川が見える峠を過ぎる。

    こんな見晴らしが良い所でも
    白昼夢状況で歩いている私は道に間違い
    住宅の庭に迷い込んでしまった。

    そこのマダムに正しい巡礼路を
    教えていただき再度歩き始める。

    道に迷っている自分を
    もう一人の自分が映像として見ているような
    気持で歩いていた。

    これが「霊魂離脱状態」であろうかと考えたが
    ただ暑さとつかれで
    ボンヤリしていただけだと思う。

    私は「歩くという行為」と
    「脳内モルヒネの分泌」に
    何らかの関係あるのではと思い
    帰国後にインターネットで
    調べてみました。

    <インターネットの内容>

     歩くことで脳は刺激を受け、活性化します。
    これに深く関わっているのが
    ホルモンの分泌です。
    歩き始めて最初に出てくるのが
    β−エンドルフィン。
    気分をハイにしてくれる物質で
    「ランナーズハイ」ならぬ
    「ウォーキングハイ」を引き起こします。

     次に現れるのがドーパミン。
    意欲高揚を促し、やる気を高めてくれます。
     その効果から、「ときめきホルモン」などと呼ばれたりもします。
     
    さらに歩き続けると「ハッピーホルモン」
    「幸せ気分ホルモン」の
    セロトニンが分泌されます。
    その名の通り、幸せ感や満足感をもたらし、
    晴れ晴れとした心、
    安らかで安定した気分、
    優しい気持ちになります。

    以上の説明と私の状況を照合してみますと、
    私は専門家ではありませんので
    確かなことはわかりませんが
    何か関係がありそうな気がしています。

  • 途中で緑のトンネルに差し掛かる。<br /><br />トンネルの入り口は光が溢れているが<br />内部に入ると光は緑の天蓋を透して<br />薄暗くなり別空間を作り出す。<br />

    途中で緑のトンネルに差し掛かる。

    トンネルの入り口は光が溢れているが
    内部に入ると光は緑の天蓋を透して
    薄暗くなり別空間を作り出す。

  • 少年時代にタイムトンネルという外国のテレビドラマを<br />見たことがある。<br /><br />このうす緑色のトンネル内部を<br />歩いているとこの道は<br />どこか異次元の時間空間に<br />つながっているのだという錯覚<br />におちいってしまいそうだ。

    少年時代にタイムトンネルという外国のテレビドラマを
    見たことがある。

    このうす緑色のトンネル内部を
    歩いているとこの道は
    どこか異次元の時間空間に
    つながっているのだという錯覚
    におちいってしまいそうだ。

  • 緑のトンネルを通りぬけてしばらく山道を進んでいくと<br />宿泊案内プレートが見えてきた。<br /><br />「こんな山の中に宿屋があるのか?」と不思議に思った。<br /><br />しかし明るい緑の中に宿屋へ続く小道が見えたので<br /><br />「今日はずいぶん前に進んだし、<br />早めにここにチェックインして<br />洗濯をさせてもらおう。」と本日の宿はここに決めた。

    緑のトンネルを通りぬけてしばらく山道を進んでいくと
    宿泊案内プレートが見えてきた。

    「こんな山の中に宿屋があるのか?」と不思議に思った。

    しかし明るい緑の中に宿屋へ続く小道が見えたので

    「今日はずいぶん前に進んだし、
    早めにここにチェックインして
    洗濯をさせてもらおう。」と本日の宿はここに決めた。

  • 緑の丘の小道を登ると瀟洒な館があった。<br /><br />玄関ドアのチャイムを鳴らすと奥から<br />小柄なマダムがシーツを両手に持って<br />現れた。<br /><br />まず「ボンジュール。マダム」と言ってから<br />私がとても下手なフランス語で<br />「予約をしていませんが一晩空いた部屋はありますか?」<br />と尋ねると<br />「英語は話せるの?」と聞いてきた。<br />「英語の方がコミュニケーションが取れます。」と言うと<br />「私はイギリス人だから英語で話してもいいわよ。」<br />と言うではないか。<br />「でもフランス語で話したかったらそれでもいいわよ。」<br />と言う。<br />「いえ、いえ、英語で行きます。」と返事をしてホッとした。<br />「私のことジェニーって呼んでね。あなたの名前は?」<br />「Tomoです。」<br />「トーマスなの?」<br />「いえ、いえ、ただのTomoと呼んでください。」<br />という会話をしながら何だか<br />とても心地よい気分になってきた。<br /><br />偶然だったがこの館を宿泊先に決めて大正解だった。<br />大満足である。<br /><br />料金は宿泊代、夕食代、朝食代の合計で40ユーロであった。

    緑の丘の小道を登ると瀟洒な館があった。

    玄関ドアのチャイムを鳴らすと奥から
    小柄なマダムがシーツを両手に持って
    現れた。

    まず「ボンジュール。マダム」と言ってから
    私がとても下手なフランス語で
    「予約をしていませんが一晩空いた部屋はありますか?」
    と尋ねると
    「英語は話せるの?」と聞いてきた。
    「英語の方がコミュニケーションが取れます。」と言うと
    「私はイギリス人だから英語で話してもいいわよ。」
    と言うではないか。
    「でもフランス語で話したかったらそれでもいいわよ。」
    と言う。
    「いえ、いえ、英語で行きます。」と返事をしてホッとした。
    「私のことジェニーって呼んでね。あなたの名前は?」
    「Tomoです。」
    「トーマスなの?」
    「いえ、いえ、ただのTomoと呼んでください。」
    という会話をしながら何だか
    とても心地よい気分になってきた。

    偶然だったがこの館を宿泊先に決めて大正解だった。
    大満足である。

    料金は宿泊代、夕食代、朝食代の合計で40ユーロであった。

  • 部屋は空いていた。<br /><br />ただし、ノルウェーからきたアンさんという女性巡礼者と<br />二人の相部屋である。<br /><br />相部屋は4人用の大きなスペースがある部屋であった。<br /><br />しかし、私は女性との相部屋は苦手だ。<br /><br />子どもの頃から内気で口下手で<br />人見知りする性格だった。<br />ましてや夜中にいびきを<br />かいたりして迷惑をかけたら最悪だと緊張する。<br /><br />でも部屋でお会いしてみると<br />アンさんはおおらかな雰囲気の女性であった。<br />アンさんは身長は180センチの長身で大柄である。<br />私のような人間でも快く歓迎してくれた。<br /><br />私は最初から<br />「生活習慣の違いでご迷惑をかけるかもしれませんが<br />その時はごめんなさい。」と<br />お詫びを伝えておいた。<br />彼女からは<br />「それはお互い様よ。」と言われたのでホッとした。<br /><br />洗濯は手洗いでおこなった。<br /><br />濡れたものを干すところは2階の裏庭に面した所にあった。<br /><br />庭の奥の木と滑車でロープを結び、手元で干してロープを手繰ると<br />どんどん干せる方式だ。<br /><br />私がマダムに<br />「この方式だと私をターザンのように干すことも可能ですね。」<br />と冗談を言うと、<br />マダムからは意外にも<br />「このロープは洗濯物を干すためのロープだから<br />あなたがぶら下がってはだめよ。」<br />と真面目な答えが返ってきた。<br />思わず吹き出しそうになりながら、<br />「わかりましたマダム。」<br />と少し残念そうな顔をしてあげた。<br /><br />今晩の夕食もなんだか楽しそう。<br />

    部屋は空いていた。

    ただし、ノルウェーからきたアンさんという女性巡礼者と
    二人の相部屋である。

    相部屋は4人用の大きなスペースがある部屋であった。

    しかし、私は女性との相部屋は苦手だ。

    子どもの頃から内気で口下手で
    人見知りする性格だった。
    ましてや夜中にいびきを
    かいたりして迷惑をかけたら最悪だと緊張する。

    でも部屋でお会いしてみると
    アンさんはおおらかな雰囲気の女性であった。
    アンさんは身長は180センチの長身で大柄である。
    私のような人間でも快く歓迎してくれた。

    私は最初から
    「生活習慣の違いでご迷惑をかけるかもしれませんが
    その時はごめんなさい。」と
    お詫びを伝えておいた。
    彼女からは
    「それはお互い様よ。」と言われたのでホッとした。

    洗濯は手洗いでおこなった。

    濡れたものを干すところは2階の裏庭に面した所にあった。

    庭の奥の木と滑車でロープを結び、手元で干してロープを手繰ると
    どんどん干せる方式だ。

    私がマダムに
    「この方式だと私をターザンのように干すことも可能ですね。」
    と冗談を言うと、
    マダムからは意外にも
    「このロープは洗濯物を干すためのロープだから
    あなたがぶら下がってはだめよ。」
    と真面目な答えが返ってきた。
    思わず吹き出しそうになりながら、
    「わかりましたマダム。」
    と少し残念そうな顔をしてあげた。

    今晩の夕食もなんだか楽しそう。

  • この写真は宿泊者がくつろぐ居間です。<br /><br />奥の冷蔵庫にはジュースやビールが入っていて<br />飲みたいときは1ユーロを箱に入れれば<br />自由に飲むことができます。<br />私はたちまちビールを2本飲んでしまいました。<br /><br />この部屋の向かい側には暖炉もありました。<br /><br />洗濯が終わって夕食が始まるまでこの居間の<br />ソファーに座って<br />(本当は寝転びたかったのですが)<br />持ってきた「奥の細道」なんかを読んでいました。<br /><br />夕食は他の宿泊者が返って来てから7時半ごろから<br />始まりました。<br /><br />他の宿泊者はフランス人ご夫妻と娘さんと<br />奥さまの女友達の4人です。<br /><br />夕食の写真を撮るのを忘れてしまい残念ですが<br />豪華なディナーでした。<br /><br />前菜のサラダ<br /><br />ワインは「赤」、「ロゼ」、「白」が飲み放題<br /><br />主菜のお肉料理数種類<br />(アンさんはお肉はダメなためオムレツを食べていました)<br /><br />チーズの盛り合わせ<br />※フランスでは夕食時に<br /> 必ず数種類のチーズの盛り合わせが出ます。<br /> どれもとても美味しいので少しずつ<br /> 味見しながらみんな味わいました。<br /> 日本の「美味しい上等なお漬物」という感覚です。<br /> <br /><br />デザート(確か「焼きリンゴ」だったと記憶しています)<br /><br />どれもマダムの手作りで心がこもってとても美味しかったです。<br /><br />ディナーの話題も楽しく豊富で<br />私が分からないフランス語はマダムやご主人が通訳<br />してくれました。<br /><br />ただ一つ私が気になったのは<br /><br />他の宿泊者はノルウェーのアンさんを含め<br />正装とは言わないまでも<br />おしゃれな服装で着席しているではありませんか。<br />フランス人の女性たちはネックレスまでしています。<br /><br />私はTシャツと半パン姿です(これしかありませんが)。<br /><br />Chanmbre d&#39;hotes に宿泊されるときは、(特に女性は)何か<br />準備しておいた方がよいかもしれません。<br /><br />私はリュックに入れる服を極力削減したので着たきり雀<br />で通すしかないと考えています。<br /><br />食事が終わって私が食器類を下げるのを手伝っていると<br /><br />ご主人が<br /><br />「奥さんはあなたをよくしつけたなあ」と言って驚くので<br /><br />「ご主人と同じですよ。」と答えたら笑っていた。<br /><br />夜は何度か目が覚めた。<br /><br />何だかこの家全体が命を持っているような<br />感覚がして寝付けなかった。<br /><br />アンさんはよく寝ているように思えた。<br /><br />真夜中に起きだして暗い廊下の奥にある<br />窓辺に座って空を見上げると<br />青い三日月が鋭く光っていた。

    この写真は宿泊者がくつろぐ居間です。

    奥の冷蔵庫にはジュースやビールが入っていて
    飲みたいときは1ユーロを箱に入れれば
    自由に飲むことができます。
    私はたちまちビールを2本飲んでしまいました。

    この部屋の向かい側には暖炉もありました。

    洗濯が終わって夕食が始まるまでこの居間の
    ソファーに座って
    (本当は寝転びたかったのですが)
    持ってきた「奥の細道」なんかを読んでいました。

    夕食は他の宿泊者が返って来てから7時半ごろから
    始まりました。

    他の宿泊者はフランス人ご夫妻と娘さんと
    奥さまの女友達の4人です。

    夕食の写真を撮るのを忘れてしまい残念ですが
    豪華なディナーでした。

    前菜のサラダ

    ワインは「赤」、「ロゼ」、「白」が飲み放題

    主菜のお肉料理数種類
    (アンさんはお肉はダメなためオムレツを食べていました)

    チーズの盛り合わせ
    ※フランスでは夕食時に
     必ず数種類のチーズの盛り合わせが出ます。
     どれもとても美味しいので少しずつ
     味見しながらみんな味わいました。
     日本の「美味しい上等なお漬物」という感覚です。
     

    デザート(確か「焼きリンゴ」だったと記憶しています)

    どれもマダムの手作りで心がこもってとても美味しかったです。

    ディナーの話題も楽しく豊富で
    私が分からないフランス語はマダムやご主人が通訳
    してくれました。

    ただ一つ私が気になったのは

    他の宿泊者はノルウェーのアンさんを含め
    正装とは言わないまでも
    おしゃれな服装で着席しているではありませんか。
    フランス人の女性たちはネックレスまでしています。

    私はTシャツと半パン姿です(これしかありませんが)。

    Chanmbre d'hotes に宿泊されるときは、(特に女性は)何か
    準備しておいた方がよいかもしれません。

    私はリュックに入れる服を極力削減したので着たきり雀
    で通すしかないと考えています。

    食事が終わって私が食器類を下げるのを手伝っていると

    ご主人が

    「奥さんはあなたをよくしつけたなあ」と言って驚くので

    「ご主人と同じですよ。」と答えたら笑っていた。

    夜は何度か目が覚めた。

    何だかこの家全体が命を持っているような
    感覚がして寝付けなかった。

    アンさんはよく寝ているように思えた。

    真夜中に起きだして暗い廊下の奥にある
    窓辺に座って空を見上げると
    青い三日月が鋭く光っていた。

  • アンさんは早朝6時前に出発して行った。<br /><br />私はご主人が準備した朝食を7時ごろ頂いた。<br /><br />「マダムは?」と聞くと。<br /><br />「まだ寝ているよ。<br /> 朝食の準備は私の役目なんだ。」と言う。<br /><br />「よい旦那様ですね。」と言うと微笑んでいた。<br /><br />「もうすぐ家内が目を覚ますからコーヒーの準備を<br />しなくちゃ。Tomo、一人で食べておいてくれ。」と言って<br />キッチンへ戻って行った。<br /><br />仲の良い夫婦である。<br /><br />二人はこの館で人生を助け合って生きていると思った。

    アンさんは早朝6時前に出発して行った。

    私はご主人が準備した朝食を7時ごろ頂いた。

    「マダムは?」と聞くと。

    「まだ寝ているよ。
     朝食の準備は私の役目なんだ。」と言う。

    「よい旦那様ですね。」と言うと微笑んでいた。

    「もうすぐ家内が目を覚ますからコーヒーの準備を
    しなくちゃ。Tomo、一人で食べておいてくれ。」と言って
    キッチンへ戻って行った。

    仲の良い夫婦である。

    二人はこの館で人生を助け合って生きていると思った。

  • 朝食のテーブル。<br /><br />もうすぐフランス人達が起き出してくるので<br />ご主人は食事の準備をしていた。<br /><br />奥の壁に小さな子供たちの写真が飾ってあったので<br />「お孫さんたちですか?」と聞くと<br /><br />「僕たちの子供だよ。<br /> みんなここで大きくなったんだ。<br /> 今は成長して独立しここを出て行ったがね。<br /> 家内は子供たちが巣立って行ったあと<br /> 何もすることがなくて<br /> 寂しくしていたんだが。<br /> 巡礼さんたちをお世話するため僕たちの家を<br /> 宿屋として開放したんだ。<br /> いまはいろいろな所からくる巡礼さんと話が<br /> できると張り切っているがね。」<br /> という話をしてくれた。

    朝食のテーブル。

    もうすぐフランス人達が起き出してくるので
    ご主人は食事の準備をしていた。

    奥の壁に小さな子供たちの写真が飾ってあったので
    「お孫さんたちですか?」と聞くと

    「僕たちの子供だよ。
     みんなここで大きくなったんだ。
     今は成長して独立しここを出て行ったがね。
     家内は子供たちが巣立って行ったあと
     何もすることがなくて
     寂しくしていたんだが。
     巡礼さんたちをお世話するため僕たちの家を
     宿屋として開放したんだ。
     いまはいろいろな所からくる巡礼さんと話が
     できると張り切っているがね。」
     という話をしてくれた。

  • 写真は柔和なご主人。<br />「あなはの英語はいいね」と言って頂いた。<br />ありがとうございます。<br /><br />「僕たちはイギリス人だが<br /> フランスに家を持とうというキャンペーがあって<br /> フランスに移住してきたんだ。<br /> <br /> しかし、なかなか気に入った物件が見つからなくてね。<br /> <br /> 実はこの家は不動産業者が最後まで紹介しなかったものなんだ。<br /> <br /> 理由は場所も不便だし、<br /> 家は古くて廃屋状態で住めないと<br /> 業者は思っていたらしいんだ。<br /> <br /> でも最後に彼らが我々をここに連れてきたとき、<br /><br /> 当時はもっと木が生い茂っていて<br /> 道の向こうからは何も見えなかったのに<br /> <br /> 私の家内は『ここに決めたわ。』と<br /> 言ったんだよね。<br /> <br /> それで僕も即ここに決めたんだよ。」<br /> <br /> という話をしてくれた。<br /><br /> 「この家は長い間、奥さまが来るのを待ていたのですね。」と私が言うと、<br /><br /> 「不思議な話だが私もそう思う。<br /> <br />  それから僕たちは二人でこの家を改装してここまでにして、<br />  僕たちの子供をここで大きくしたんだ。」<br />  <br /> と答えてくれた。<br /><br /> 「私も昨日はこの館に招待してもらった気がしています。」<br /> <br /> と私が言うと、<br /><br /> 「そうかもしれないね。」と喜んでくれた。

    写真は柔和なご主人。
    「あなはの英語はいいね」と言って頂いた。
    ありがとうございます。

    「僕たちはイギリス人だが
     フランスに家を持とうというキャンペーがあって
     フランスに移住してきたんだ。
     
     しかし、なかなか気に入った物件が見つからなくてね。
     
     実はこの家は不動産業者が最後まで紹介しなかったものなんだ。
     
     理由は場所も不便だし、
     家は古くて廃屋状態で住めないと
     業者は思っていたらしいんだ。
     
     でも最後に彼らが我々をここに連れてきたとき、

     当時はもっと木が生い茂っていて
     道の向こうからは何も見えなかったのに
     
     私の家内は『ここに決めたわ。』と
     言ったんだよね。
     
     それで僕も即ここに決めたんだよ。」
     
     という話をしてくれた。

     「この家は長い間、奥さまが来るのを待ていたのですね。」と私が言うと、

     「不思議な話だが私もそう思う。
     
      それから僕たちは二人でこの家を改装してここまでにして、
      僕たちの子供をここで大きくしたんだ。」
      
     と答えてくれた。

     「私も昨日はこの館に招待してもらった気がしています。」
     
     と私が言うと、

     「そうかもしれないね。」と喜んでくれた。

  • 7月9日の朝8時に私は約20キロ離れた<br />Saint-Antoine de Pont-d&#39;Arratzに向けて出発した。<br /><br />今日はどんなドラマが待っているのか<br />わくわくしながら<br />この館の小道を抜け本道に戻り<br />教えてもらった巡礼路を進んでいった。<br /><br />次回はジットで同宿したフランス人、オランダ人と<br />ノルウェー人のアンさんとの楽しい夕食会を報告します。<br /><br />巡礼路は不思議な磁場を持っているようです。<br />共鳴する出逢いは何度も繰り返すことが分かりました。<br /><br /><br /><br /><br />「起きる」→「歩く」→「宿泊する」→「洗濯する」→<br />『みんなで夕食を食べる』 →<br />「寝る」→「そして翌日起きる」→「そしてまた歩き始める」→<br />という巡礼行動パターンができてきました。<br /><br />※今回から『みんなで夕食(酒あり)を食べる』いう<br /> 新しい項目が追加されてきました。<br /><br /> その後は『祭り三昧』という項目も追加されてきますので<br />順次説明して行きます。<br />

    7月9日の朝8時に私は約20キロ離れた
    Saint-Antoine de Pont-d'Arratzに向けて出発した。

    今日はどんなドラマが待っているのか
    わくわくしながら
    この館の小道を抜け本道に戻り
    教えてもらった巡礼路を進んでいった。

    次回はジットで同宿したフランス人、オランダ人と
    ノルウェー人のアンさんとの楽しい夕食会を報告します。

    巡礼路は不思議な磁場を持っているようです。
    共鳴する出逢いは何度も繰り返すことが分かりました。




    「起きる」→「歩く」→「宿泊する」→「洗濯する」→
    『みんなで夕食を食べる』 →
    「寝る」→「そして翌日起きる」→「そしてまた歩き始める」→
    という巡礼行動パターンができてきました。

    ※今回から『みんなで夕食(酒あり)を食べる』いう
     新しい項目が追加されてきました。

     その後は『祭り三昧』という項目も追加されてきますので
    順次説明して行きます。

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