2015/07/18 - 2015/07/22
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binchanさん
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嘉義県を中心にめぐってきた旅もついに最後の観光地となりました。
7月22日水曜日、高鐵駅に荷物を預け、民雄郷をタクシー観光しています。
タクシーの運転手さんには国立中正大学と劉家古樓を見学し、11:00までに高鐵嘉義に到着したい。さらに時間があったら國家廣播文物館見学とお茶屋さんで茶葉を買いたい。そう伝えてあります。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- タクシー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
10:23、國家廣播文物館にやってきました。
下調べでは民雄から高鐵嘉義へは25分ほどかかるので、11:00に高鐵嘉義に行くのはちょっと無理に思えます。時間がなければここには行かなくていい、と伝えたのですが「近いから大丈夫」とのこと。
中正大学からここに行く道中、運転手さんはお得意の演歌を二曲(昔の名前で出ています、と長崎は今日も雨だった)を歌い、私がお返しにテレサテンの「何日君再来」を歌いました。…近くないのでは!?
運転手さんとしては、建物の前で写真を撮るだけ、ぐらいに考えていたらしいです。私もそう思ってました。ところが前に車をつけると、係員の女性(写真の人)が出てきて、駐車場に車を止めるように指示。そして私は拉致られるように中に案内されました。熱心な係員さんが丁寧に説明してくれます by binchanさん国家広播文物館 博物館・美術館・ギャラリー
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入場料50元を支払い、先ほどの方に案内されて中へ。
昭和13年(1938年)に建てられたこの放送所(放送=廣播)は、日中戦争の勃発により台湾と大陸が通信でつながってしまうことを恐れて建造されたものです。急いでいた上、戦時下だったため予算も物資も限られていました。それでも現在まで放送電波を出し続けることができるほどの完成度だそうです。
「時間がないので一番重要なところだけ写真を撮ってすぐ帰りますから」といいましたが、お仕事熱心な係員さんはできるだけ説明をしようとしてくれます。
台湾の重要な技術遺産ですし、なんといっても日本時代に技術の粋を集めて造った施設。日本人観光客にはしっかり見学してほしかったんでしょう。
でも時間がないんですよ。ここはラジエーターの配管だと説明してくれてますが、ごめんなさい、観光ガイドに載ってるあの放送機械だけでいいの! -
ラジエーターの水はこの管を通って二階に行くのだとか。
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放送所の模型。
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中国内陸部まで届くのはもちろん、東南アジアまで電波が届くのだそうです。
のんきに説明を書いてますが、この時案内の方はすごい勢いでジェスチャーを交えての説明。私は90パーセントわからないけど時間がないからひたすらうなずいてました。
その上、案内の方はポイントポイントで一緒に写真を撮ろうといいます。(もう一人の係員さんがカメラを持ってついてきている。)文物館のFBにはこの方が映っている写真が結構あるので、こういった交流が大好きなんですね。この仕事に向いてますなあ。 -
ようやく二階へ。そこに放送設備があるのです。
「日本電気製なんですよ、わかります?今のNECのことですよ」と案内の方。はいわかります。 -
これが見たかった放送設備ですが、もう時間が限界。
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慌てて写真を撮り、階下へ。
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「あ、この人が小林さんですよ」と、案内の人が踊り場にある写真を指さしましたが、誰だよ小林さんって。本当に時間がないのよ、今日帰国なのよ。
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なるほど、当時の台湾総督小林躋造のことか。
だとすると上の写真は小林氏ではありませんね。別の写真を指していたのでしょう。なにせ慌てていたので…。 -
10:33、ようやく外に出られましたが、係員さんは「では建物の前で一枚」と写真タイムを要求。こうなったら私も写真撮っちゃうもんね。
というわけで、運転手さんと一枚。 -
係員さんは駐車場に向かう途中にも、「あれが電波塔ですよ。206メートルの鉄塔です」と説明を続けてくれました。
短い滞在でも結構楽しめたのはあの方のおかげです。時間がなくて申し訳ありませんでした。
國家廣播文物館へ行く方へ。見ごたえありげな展示内容と、やる気に満ちた係員さん。少なくとも1時間は見学時間を用意して向かうべし! -
どう考えてもお茶を買っている時間はないと思うのですが、運転手さんは寄ってくれました。11:00に高鐵に着けますか?と何度も確認しているのに運転手さんは余裕ありげ。
実は私は高鐵嘉義に到着しなくてはいけない時間を30分サバよんで伝えていたので、実際は時間があるんですけどね。
おかげで阿里山茶が買えました。3分で買いました。
嘉義県の旅だから嘉義のお茶が買いたかったんです。 -
大士爺廟。
民雄で最も大きな宮だそうです。車窓から写真だけ失礼いたしました。 -
最後に行ったのは劉家古樓。別名「民雄鬼屋」(鬼屋=お化けの出る家)
民雄から高鐵嘉義へ向かう途中にあります。
運転手さんは、時間がないなら國家廣播文物館ではなくこちらを外すべきと思っていた様子。向かう途中に、「本当に行くの?鬼(幽霊)なんていないよ、ただの廃屋だよ?」と念を押していました。それは知ってますし、本当に幽霊が出るなら行きませんよ、怖がりだもん。
でもあらかじめネットでそういうことは調べ済み。泊まり込みで調査をした研究団体が「ここで恐ろしいのは鬼ではなく蚊である」と結論付けてました。
長ズボン、靴下、アームカバーと首にはスカーフグルグルの装備です。
ここが入り口。キョンシーがお出迎え。台湾四大鬼屋の一つだそうです by binchanさん劉家古宅 民雄鬼屋 史跡・遺跡
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木々が生い茂るアプローチ。恐ろしいのは鬼ではなく蚊、蛇、ムカデかも…。
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これが劉家古樓。うっそうと茂る木々の中にたたずむ姿は、迫力あります。
1929年頃、郷長を務めていた劉氏によって建造された三階建てのバロック様式のお屋敷なのですが、現在ではこのように廃屋となり、いつの間にか幽霊が出るというオカルトスポットになってしまいました。
日軍の宿舎として利用されていた頃、敵と間違えて味方を打ち殺してしまいその兵が幽霊になったとか、国軍兵士が望郷の念に駆られて自殺したとか、お屋敷の主人といい仲になった女中が奥様にいじめられ自殺したとか、さまざまな怨念話がネットでみつかりました。中でももっともらしいのが、出征し戦死してしまった若い当主が霊魂となり屋敷に戻り、遺体が帰ってきた後にも怪異現象は続き、それを恐れた使用人が居つかなくなり屋敷が寂れてしまったというもの。
しかし実際は仕事や学校に通うためにより便利なところへ引っ越していったということらしいです。
戦争当時の機銃掃射の痕も残っているそうで、伝説が生まれる要素たっぷりの廃屋です。 -
墻壁も半分崩れています。建築物を飲みこんで成長するガジュマルが、お化け屋敷感を高めてます。
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女中さんが身投げしたという井戸。
劉家古樓を紹介したブログには建物内部で撮影した写真もよく載っていますが、倒壊の危険はないのでしょうか?実際一番怖いのは鬼でも蚊でもなく、倒壊の危機かもしれません。
幽霊が出ないと信じつつも戦々恐々の私をしり目に、昆虫採集にでも行くような気軽さで古樓に向かう親子連れとすれ違いました。地元では普通に憩いの場なのかも。 -
古樓の隣には「鬼屋カフェ」があります。
劉家古樓は嘉義縣観光旅遊網(嘉義県の公式観光HP)に観光スポットとして紹介されていて、私もそれで存在を知りました。
旅遊網によると、住む人もなく日々朽ちてゆくこのお屋敷を、民雄文教基金會が観光化しようとしたそうです。休憩できる場所やカフェを作り、幽霊探訪ができるレジャースポットにしようと。しかし劉家の方からストップがかかり、カフェの建設にとどまっているとのこと。
鬼をも恐れぬ文教基金の発想がすごいですね。
そもそも個人の邸宅がお化け屋敷扱いで県のHPに載っているのがすごい。今はもう所有が違うのでしょうか。
HPには「夜と農暦7月(鬼月)には訪問を避けるように」と注意書きがありますので、念のため行かれる方はご注意を。
時刻は10:53。高鐵嘉義には何時に着けるでしょう!!?
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