2007/06/03 - 2007/06/03
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SUR SHANGHAIさん
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いつか訪れてみたいと思っていた民話のふるさと遠野。
今回は24時間足らずの訪問で見残した場所も多いけれど、心に描いていた遠野そのものの風景に触れられた小さい旅。
南部曲がり屋にオシラ様、カッパ渕や座敷童子…。
何も無いようで、心に感じる何かが遠野にはあると感じるのは、これまでに読んだ『遠野物語』に影響されているのかな。
遠野の言葉で聞いてみたいと思っていた『遠野物語』も、宿になった≪あえりあ遠野≫の語り部さんから聞けて大収穫だった。
一夜明けてこの日は、もう遠野を去る日。
お名残に、≪あえりあ遠野≫裏手の山にある南部神社にお参り。
その後は遠野駅からJR釜石線で花巻方面へと向かいます。
表紙の画像は、遠野から花巻に向かうJR釜石線沿いの風景
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
-
遠野には昨日の朝に着いて、丸1日足らずの訪問だったけど、民話の里らしい雰囲気が味わえて楽しめた場所。
一晩明けた今日は、午前中に花巻まで移動予定。
ちょっとだけお名残の散歩に行ってみよう。
宿になった≪あえりあ遠野≫の裏手に南部神社の鳥居があるのは昨日のうちに気付いていたので行ってみます。
その前に済ませた≪あえりあ遠野≫の朝食ブッフェはおかずもあれこれ細かくあって大満足。和朝食の方が種類充実。うどんもあるので、先に全体を見渡してから取り始めるのがよし。ガラス容器に入ったヨーグルトは、和食・洋食どちらの方にもお勧めです。
さ、朝の冷たく爽やかな空気の中へ。
この画像の鳥居のすぐ左手には遠野市立博物館もあるんですが、SUR SHANGHAIは時間が合わず見学は無し。 -
南部神社の鳥居をくぐったあとは、石段がちょっと続く。
昨夜雨が降ったのか、それとも朝露なのか、しっとりした空気と地面。
新緑の色と香りも爽やかなこの朝。 -
南部神社へと上っていく石段脇にこの時咲いていたのは白いツツジ。
遠野にある神社、という雰囲気に似つかわしい、その清らかな色。 -
細い枝の先の花二輪。
ひっそりとした中に、命短い純白の華やかさがあるように思える…。 -
石段を上りきった所で見かけたのは、青いカッパの像と、そのそばの湧き水。
碑には『この清水は歴代遠野南部藩主(お殿様)が愛用された水です。』の説明が。
SUR SHANGHAIも手を洗わせてもらったついでにちょっと掬って飲んでみました。
まだちょっと寝ぼけた目と頭にスーーーーッと通る清涼感。
この画像では写っていませんが、水が湧いている岩の上部には注連縄が巻いてありました。 -
まだ朝の7時半を回ったばかりの頃。
早朝の山の香りも含んだ清々しい空気を取り入れようとするかのように、本殿の戸はもう大きく開けられていた。
こういう場所に来ると、信仰心の無いSUR SHANGHAIも敬虔な気持ちになってしまう。
南部神社と書かれた額は、遠野南部家の子孫の方が奉納した物。
遠野にはそういうルーツを持つ人々もいるんだなあ、と改めて感心。
紫の幕に付いているのは、遠野南部家の家紋である双舞鶴紋。昨日、遠野ふるさと村に行った時に見た鹿踊り(ししおどり)の人形の衣装にもあったっけ。
中に置いてある赤黒一対の獅子頭はお神楽の時にでも使うのかな…。 -
お稲荷様を祀った南部神社の一画。
地面に反射した朝の光が、お稲荷様の姿を浮かび上がらせる。
ちょっとミステリアスな光のいたずら。
『遠野物語』や『遠野物語拾遺』には、キツネ関連のお話もありますよ。
キツネに化かされた人間の愉快なお話もありますが、ちょっと怪談めいたお話が多くてドキドキ。 -
南部神社の植え込みの陰で咲いていたアツモリソウ(敦盛草)。
山地の草原に自生するラン科の多年草。
平家物語に出てくる平敦盛に因んで名付けられたこのアツモリソウとは別に、同じラン科でクマガイソウ(熊谷草)というのがありますが、これは敦盛を討った熊谷直実(くまがいなおざね)に因んだものだということです。
どちらもその袋状の花の形が、軍装した時の背中に付ける布製の母衣(ほろ)という装備に似ているのだそう。
そのお話を簡単に言うと、
平清盛の弟、経盛(つねもり)の子だった敦盛は、16歳の時の源平一の谷の合戦で、源氏方の直実に討たれます。
最初、直実は自分の子と同じ年頃の敦盛を不憫に思って助けようとしたらしいのですが、自分が従っている源氏の軍勢が駆けつけて来たので、やむなく首を刎ねたのだそうです。 -
南部神社のさらに上の方には、展望台がある鍋倉公園もあるようなんですが、遠野を出るJR釜石線の時刻が気になり始めたSUR SHANGHAIは、そろそろ石段を下りて行きます。
朝の散歩にやって来たらしい地元の人が見える頃。 -
石段の途中に脇道があったので、ちょっとだけ行ってみると、小さい公園風スペースの片隅には優しい色の藤棚。
そしてその下には…、 -
…また水が湧き出す場所があって、すっかり苔むしたカッパの像が膝を立てて座る姿。
この湧き水の守り神になったのかな。 -
南部神社の鳥居そばには遠野市立博物館があって、その外側には鹿踊り(ししおどり)の像が。
昨日、遠野ふるさと村で見た展示と同じように、幕をつまんで踊るという幕踊り系の姿をしています。
頭には、遠野南部家裏家紋の九曜紋が付いた飾り。
花巻あたりの鹿踊り(ししおどり)は、太鼓を打ち鳴らして踊る太鼓踊り系。
よくテレビなどで紹介されるのは太鼓踊り系のようで、その姿が頭にあったSUR SHANGHAIには、この幕踊り系の装束はちょっと違和感が。 -
宿になった≪あえりあ遠野≫の植え込み。
白いツツジと赤いシャクナゲが一緒に咲く季節。
居心地の良かった≪あえりあ遠野≫。
チェック・アウトのあとは、そのまま遠野駅へ歩いて10分足らず。 -
遠野駅⇔≪あえりあ遠野≫の道筋には、昔話をテーマにしたモニュメント多数。
パッと見て、『遠野物語』のどの題材か分かる物もありますが、この画像のモニュメントを見た時には、
「ん? 女の子やスズランやクルミが出てくる話が『遠野物語』にあったっけ? (・・?」
と思ってしまったSUR SHANGHAI。
出ていたタイトルは『親指姫』。
女の子の顔立ちとか、ちょっと親指姫のイメージと違うんだけどなあ。 -
民家の白壁に映る植え込みの影。
いいお天気、いい旅立ちの朝。 -
遠野では、マンホールの蓋にも≪民話のふるさと遠野≫の文字が。
これはヤマドリとリンドウの花の絵柄かな。
遠野駅前の側溝の長方形の蓋には、やっぱり≪民話のふるさと遠野≫の文字と、萱葺きの家を背にした可愛いカッパが1匹、それにリンドウらしき花がたくさん付いてました。
ほかにもまだあるかもです。探してみては? -
遠野駅前にある池には、カッパの像も思い思いの格好で立ったり座ったり。
この3匹のカッパの顔はちょっと怖い。
小さな子が見たら泣いちゃうかもです。
そばにある大きな木の影も落ちるその池の面。 -
この日の朝も、のんびりした感じのJR遠野駅。
日曜の8時半前だからなんだろうけど。 -
遠野駅構内の売店脇には、6月初めなのにまだ石油ストーブが置かれていた。
まだ朝夕は必要なくらいに冷えるのかな。
昨日の夜は、宿になった≪あえりあ遠野≫でのんびりくつろいだから気付かなかった。 -
花巻行きのJR釜石線に乗るまでにもうちょっとだけ時間があったので、お土産コーナーを覗いてみる。
これは蚕の繭で作った繭人形。263円也。
カッパ、フクロウ、金のベゴッコなんかを一つずつでも買えるし十二支で揃えるのもOK。
いっぱい置いてあると可愛いけど、一つだけだと寂しい。
南部鉄器のカッパもいろいろ。文鎮はあっても仕方ないなあ、楊枝入れが実用的?
う〜ん、今ひとつ、かな…。
『遠野物語』関連本もあれこれあったので、お好みに合わせてどうぞ。 -
これはお土産品ではありません。
遠野市商工会女性部の方たちが手作りした作品で、遠野駅構内に展示してありました。
こういう小さいことから、遠野の人々の繋がりが見えてきそう。
う〜ん、どれもお上手! (*^。^*) -
改札口が開いたので、花巻方面のホームに出たSUR SHANGHAI。
駅員さん、お疲れ様です。
お客さんは数えるほどでちょっと寂しい。
ホームに出ていたのは、昨日到着した時にも見た
『歓迎 よ〜ぐおでんすたなす 民話のふるさと遠野さ』
よ〜ぐおでんすたなす=よくいらっしゃいました。
ハハハ…、SUR SHANGHAIはこれから出て行くんだけどね。(^^ゞ
そして、カッパになりきって写真を撮りたい方向けの立て看板。
こういうのは一人で撮ってもらってもつまらないのでパス! -
岩手県の内陸の花巻と、沿岸の釜石を結ぶJR釜石線は全長90.2km。
花巻出身の宮沢賢治の『銀河鉄道』に由来する銀河ドリームラインの愛称もあって、駅名にはすべてエスペラント語の別名もあるほど凝っています。
エスペラント語は、1887年に当時ロシア領だったポーランドのユダヤ人眼科医ザメンホフという人物が世界共通語として考案した人工の言語のこと。
SUR SHANGHAIの知り合いも習っていたことがあるようです。
遠野駅のエスペラント語名は、この画像に出ているようにフォルクローロで、≪民話≫を意味しているのだそう。
JR釜石線全線の駅名とエスペラント語名を知りたい方は下記のサイトでどうぞ。
それぞれの意味、命名の理由も出ています。
http://www4.airnet.ne.jp/anemo/anemoscope/kamaishiline/kamaishiline.html -
遠野の最初の旅行記でもご紹介しましたが、JR釜石線の詳細情報のサイトもあって、観光情報が満載です。
ご参考にどうぞ。
http://www.jreast.co.jp/localline/local_line/kamaishi/index.html
●注: 東北新幹線乗り換え駅は、花巻駅ではなく新花巻駅なのでご注意を。
あ、花巻行きが来た来た! (*^0^*)
…と騒ぐほどお客さんもいない2両編成なんですが…。(^^ゞ -
JR釜石線の沿線風景。
田植えが済んだばかりの水田に光が満ちる、風が渡る。
いい景色だ〜。 -
JR釜石線の沿線風景。
横からだけじゃなくて、こんどは進行方向の窓の所に陣取って、行く先を見つめる。
遠野駅から五つ目の柏木平駅のあたりまでは、猿ヶ石川にほぼ沿って進む。
直線がカーブに差し掛かると、それまでのタカタンタカタンが、タカタン、タカタンに変わる音も楽し。 -
また直線になると、勢いが付いてタカタンタカタンタカタン…になるJR釜石線。
でも、その響きには、♪せ〜んろはつづく〜よ〜、ど〜こまでも〜♪の楽しげな感じが無い。
なんとはなしに郷愁+物悲しさを感じるその響き。
線路脇で農作業をしているどこかのおばあちゃんのそばを通り抜ける。 -
田んぼの中に立って、農作業をしている人影も見えるJR釜石線の沿線風景。
夏の濃い緑とカエルの声、秋の黄金色と虫の声もいいだろうなあ。
畦道を歩いた時に感じる、稲の甘い匂いが鼻の奥に甦る。 -
カーブが近づいて、タカタン、タカタン、ピーーーーッ。
あの曲がって行った先にはどんな風景が? -
JR釜石線の運転手さん。
まっすぐ背を伸ばして前方を見つめるお仕事振り。
安全運転してくれてありがとうございました〜。m(__)m
もうすぐ、東北新幹線乗り換えの新花巻駅。 -
JR新花巻駅到着。
東北新幹線の駅舎と乗り場は、地下道を出た所に。
駅舎の前に咲いていた赤い手毬のようなシャクナゲの花。
ああ、短かったけど想い出に残りそうな遠野旅。
これで遠野の小さい旅のお話もおしまいです。m(__)m
どんどはれ〜。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Rockyさん 2008/04/01 11:05:20
- 表紙の画像
- SUR SHANGHAIさん、おはようございます
お気に入りさんが80人と凄い数ですね。
その中での訪問有難う御座います。
このような風景に出会いたい....と思います。
心を和ませる良い風景!...で1票。
最近キャノンのレンズ,50-300を検討中。どうも今のでは満足いきません。
相変わらず良い写真、特に構図と色合いが素晴らしい...と感嘆です。
- SUR SHANGHAIさん からの返信 2008/04/02 08:14:55
- RE: 表紙の画像
- おはようございま〜す。(*^0^*)
>お気に入りさんが80人と凄い数ですね。
いえいえ、同数の方に登録していただいて、うれしくありがたく思っておりまする。
遠野は鄙びた風情がよかったと思います。
機会があれば、周辺ももっと見て回るのもいいと思いました。(*^。^*)
>最近キャノンのレンズ,50-300を検討中。
すると総重量はどのくらいになりますか。
それほど大きいレンズは使った事がありませんし、持ち歩く時には大変そうですね。男の方は力があるから苦にはならないかもしれませんが…。
この旅行記で使ったのは、ニコンD70でレンズは18〜70mm。
最近、新しいカメラをゲットして16〜85mmのレンズを付けてみたんですが、これが自分にとっては持ち歩きの限度かも。
肩や首が凝ってどうしようもありません。 コリコリ…
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