2007/06/02 - 2007/06/02
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SUR SHANGHAIさん
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これまでずっと行ってみたいと思っていた民話の里、遠野。
佐々木喜善が語り、柳田国男が編集した『遠野物語』で知られたこの町を、一度は訪れてみようと思い続けた年月。
遠野は、岩手県の内陸の花巻と沿岸の釜石を結ぶJR釜石線の途中にある小さい町。(注:行政上は遠野市になっています。)
その半端な立地が災いして、これまで幾度訪れるのをあきらめただろう。
SUR SHANGHAIにとっては何かのついでに遠野に行くというのは難しそうなので、今回は一時帰国した当初から遠野を目指しての訪問。
ピーーーーッ、タカタン タカタン…とJR釜石線に揺られて行ってみます。
花巻⇔釜石間を走るJR釜石線の詳細情報は、JR東日本の次のサイトでどうぞ。
http://www.jreast.co.jp/localline/local_line/kamaishi/index.html
表紙の画像は、遠野ふるさと村の敷地内
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
JR釜石線の様子は、このあと花巻・仙台へ行く時の旅行記でご紹介する事にして、これはJR遠野駅を正面から見たところ。
ちょっと洋風のレトロな駅舎の2階は、フォルクローロ遠野というホテルになっています。
そう言えば、遠野駅の別名もフォルクローロ遠野。
フォルクローロというのは、エスペラント語で民話の意味。
民話の里、遠野にあやかって付けた名前なんだろうけど、遠野といえば日本の農村風景が思い浮かぶSUR SHANGHAIにとってはちょっと違和感が…。
この駅と同じ並びやその周辺には、旅行者にとって必要な場所が一通り揃っています。
下記の遠野倶楽部のサイトには、遠野の情報が盛りだくさんです。遠野に行こうと思っている方は目を通してみるといいですよ。
http://homepage.mac.com/nanshoji/tono.club.index2.html
表紙でもご紹介したJR釜石線の詳細情報のサイトにも、観光情報が載っています。
http://www.jreast.co.jp/localline/local_line/kamaishi/index.html -
この日の朝、JR遠野駅に到着したSUR SHANGHAI。
宿は、駅から徒歩で10分足らずの≪あえりあ遠野≫を予約済み。
チェック・インにはまだ早すぎる時刻だし、荷物はコイン・ロッカーに入れて、早速遠野の数ヶ所を見て回る事に決定。
まずは駅と同じ並びにある観光案内所で、遠野を走る早池峰(はやちね)バスの時刻表やその他の資料をゲット。
遠野物語関連の書籍やお土産もあったので、寄ってみるといいですよ。 -
これは、07年(平成19年)の6月上旬には有効だった早池峰(はやちね)バスの時刻表のうち、旅行者に有用と思われる土淵(つちぶち)線と附馬牛(つきもうし)線。画像をクリックして元画像で見てみるとはっきり表示されます。
●注 : この旅行記を書いている08年の3月下旬にも有効かどうかは未確認です。
早池峰(はやちね)バスのTEL・FAXは、0198(62)6305
この路線はどちらも、普段の本数が少ないのでご用心。
曜日や祝日によって、さらに本数が減るようです。
青い線は、折り返し点です。
この縦になっている時刻表で、左手の時刻表が伝承園、水光園、デンデラ野、山口の水車、ダンノハナ方面へ行く土淵(つちぶち)線。
それぞれの見所への下車停留所と歩行時間が画像の一番右手に出ています。
右手の時刻表が伝承園、福泉寺、遠野ふるさと村方面へ行く附馬牛(つきもうし)線。
附馬牛(つきもうし)線だと、伝承園へは足洗川停留所下車。
この時刻表だと、遠野駅10:28発の附馬牛(つきもうし)線利用で先に伝承園やカッパ渕に寄り、伝承園でお昼を済ませてから13:21のバスで遠野ふるさと村に行くのが帰りのバスも確保できてよし。
SUR SHANGHAIはこの順番を間違えてしまい、先に行った遠野ふるさと村から動きが取れなくなったので、呼んでもらったタクシーでデンデラ野へ行き、最後に伝承園で降ろしてもらって4千円でした。(^^ゞ
個人での遠野周辺観光は、車で行くのが一番いいような気がします。
時間と体力に余裕のある方はレンタル自転車、滞在時間が短い方はタクシーを組み合わせてみては。
上の画像の観光案内所にはレンタル自転車あり。
遠野駅から遠野ふるさと村へは約12kmで50分、途中にある伝承園へは約5kmで25分くらいの道のりだそうです。
タクシーはJR遠野駅前で客待ちしているほか、遠野ふるさと村、伝承園では呼んでもらえます。
ふるさと村⇔伝承園の片道1700円くらい。 -
同じくJR遠野駅と同じ並びにある交番。
カッパの顔になっているのが可愛い。(*^△^*)
上記の早池峰(はやちね)バスも、このそばから出ていました。 -
これも同じくJR遠野駅と同じ並びにある休憩所。
ここでは≪いろり火の会≫の語り部さんたちが、ボランティアで遠野物語を聞かせてくれるということです。
4〜10月は9:30〜16:30、
11〜3月は10:00〜16:00。
定休日は無いとのことですが、12月29日〜1月3日はお休みだそうです。
この日はもうオープンしていましたが、SUR SHANGHAIは先に遠野のあちこちを見てきます。
このほかにも遠野物語を聞ける所がありますよ。
この遠野旅行記シリーズの中でご紹介しようと思います。 -
さて、SUR SHANGHAIはJR遠野駅から遠野ふるさと村に向かうべく、早池峰(はやちね)バスの附馬牛(つきもうし)線に乗っております。
駅から遠野ふるさと村まで、30分ほどで500円位だったと思います。 -
早池峰(はやちね)バスの附馬牛(つきもうし)線で着いた遠野ふるさと村。
これはその入口になるビジターセンター。お土産屋さんや食堂もこの中に入っています。
遠野ふるさと村と言うのは、南部曲り家や付属の建物を、小川や森、池や田んぼもある農村風景の中に移築した場所。移築したとは思えないほど周辺になじんでいて、文字通りふるさとの村を感じさせる風景になっています。
所在地:遠野市 附馬牛(つきもうし)町 上附馬牛5−89−1
9:00〜17:00(入場は16:00まで)
入場料520円 注:07年6月上旬のお値段です。
ワラ細工、染物などの制作、餅つきやそば打ち体験も出来るプログラムもあるようです。
下記の遠野ふるさと村のサイトで詳細をご確認ください。
http://www.tono-furusato.jp/ -
遠野ふるさと村全体の絵地図。
画像をクリックして元画像で見てみると、はっきりと表示されます。
この絵地図だと、上の画像のビジターセンターは左手にあります。
南部曲がり屋や農村風景が広がる敷地内は、ざっと見るだけなら1時間でも足りそうですが、のどかな田舎の風景を楽しみたい方はもう少しお時間を取ってもいいと思います。
これと同じ絵地図と説明が、遠野ふるさと村の次のサイトにも出ています。
http://www.tono-furusato.jp/ennai/index.html
ビジターセンターから奥に向かって全体が緩い上り斜面になっていて、車椅子を押してもらって訪れる人もいました。
この日(07年6月2日)は、敷地内の南部曲がり屋の中でNHKのドラマ『どんど晴れ』のロケも行われていました。 -
ビジターセンターで入場料を支払った後は、遠野ふるさと村の中へ。
小道は舗装されていないので、歩くための靴でどうぞ。
緑滴る、という言葉がすぐに連想される新緑の色。 -
イチオシ
SUR SHANGHAIは見学ルートから外れた道も歩いてみました。
木の多いちょっと湿地のようになった場所には、板を渡した小道が。
緑の匂いと水気の多い空気…。思わず深呼吸。 -
遠野ふるさと村の見学ルートではない道も、別に歩いてはいけないという規則も無いようなので、この日本の農村風景を楽しむためにもう少し先まで行ってみます。
同じ新緑と言っても、木の種類によってその色も違う、と言うのがよく分かる遠くの木立と山の眺め。
聞こえるのは、砂利を踏みしだいて歩く自分の足音と風にそよぐ木の葉の声…。 -
小花の上をチラチラ飛びまわる小さい蝶々は、なかなかジッとしてくれない。
まだ遠い、もうあと数歩…、という所まで近寄れただけ。 -
田植えが終わったばかりの田んぼ。
その水面に映る春の空と白い雲。しみじみといい景色だと思う。
田んぼ脇にある木立や民家も映る朝。 -
芝桜の植え込みがある民家の脇。
農作業に使うらしい車が壁に立てかけてあるのがオブジェのようにも見える。 -
あれ、ちょっと遠野ふるさと村の敷地の外に出てしまったみたい…。
今来た道を戻ればいいだけだから、慌てず騒がず。
日本の田舎を旅すると、道端でよく見かけるのはさまざまな石碑。
この画像の三本のうち、右側の小さい石碑には『山神塔』と彫ってあります。このほかにも『山神塔』はあちこちで見かけました。
昔、遠野の人が山神に出会ったり、山神の祟りを受けたという場所に立てたと言う碑は、妙にリアリティのある怖さを秘めている気がする…。
山神は『遠野物語』によく出てきますが、背が高く赤顔で目が輝いている男、という描写が多いようです。 -
遠野ふるさと村の敷地内へ戻る道筋の農家。
この屋根の形が独特。 -
遠野ふるさと村の敷地内の野原と木立。
新緑と小花が春の光の中でさざめくひと時。
こういう風景の中にあるのは…、 -
…移築されたという南部曲がり屋。
南部曲がり屋というのは、旧南部藩に多く見られる農家の建築スタイルで、岩手県内陸の盛岡、岩手郡、上閉伊(かみへい)郡、遠野周辺に分布しています。
内厩式曲屋とも呼ばれるように、東南に向いた厩(うまや)が母屋から突き出して、L字型になっているのが特徴。
家にいながらにして馬の様子が見え、冬には母屋や土間で焚く火が厩も暖めるという構造で、馬に対する愛情が形になって表れた建築スタイルなのだそう。この画像では、厩はここからは見えない位置にあります。
遠野ふるさと村内ではありませんが、遠野の千葉家は、国の重要文化財に指定された最大規模の南部曲がり屋だそうです。岩手日報の次の記事でご覧ください。アクセス地図も付いています。
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20071020_3 -
そんな南部曲がり屋の外壁には、あとで薪になるらしい木が積んであった。
上の画像と同じこの一軒(上の方に出した遠野ふるさと村の絵地図で弥十郎どん、の表示が付いているお宅だったと思います…)は、この時NHKのドラマ『どんど晴れ』のロケが行なわれているようで、中は見学できず。
弥十郎どんは、文化9年築で、10926坪あるのだそう。
…ということは、築200年近く!(◎o◎)
遠野ふるさと村内の別の南部曲がり屋へ行ってみます。 -
遠野ふるさと村の奥のほうには鎮守の森もあって、小さい鳥居をくぐって行くようになっていた。
この時はこの鳥居の手前から道がぬかるんでいて、足がめり込むほどだったので奥までは行かず。 -
鎮守の森からちょっと先には水車小屋も。
水が跳ね上がる車部分。
ゴトン、ゴトンの音も景気よく車は回る。
水力を使って穀物の粉を引かせるなんて、誰がどういう風に考え付いたんだろう。 -
イチオシ
これは、遠野ふるさと村では一番奥にあって一番大きな肝煎りの家(江戸末期築 11108坪)。
肝煎りと言うのは庄屋の事だそうです。
今では結婚式場としても貸し出しているとか。
う〜ん、古風な式が挙げられそう。
その内部の板敷きの間。
SUR SHANGHAIのおばあちゃんの家も萱葺きで、これほど大きくは無くても似た雰囲気の部屋があったっけ。
内にこもったようなほの暗さ。
障子に子どもの影が映ったら、『遠野物語』に出て来る座敷童子かと思ってしまいそうな不思議な空間。
座敷童子のお話は、『遠野物語』のほかにも、その続編的な『遠野物語拾遺』の中にも色々と出ています。
座敷童子は男の子とは限らず、女の子の時もあるようです。 -
同じく遠野ふるさと村内の肝煎りの家の縁側。
その黒ずんだ天井に付いている傘付き電球が懐かしい! -
同じく肝煎りの家の馬釜。
土間に直に造り付けられていて、煙突も付いています。
冬にはここで馬に温かい餌をやるために煮たりしたのだそう。
厩はこの土間から地続きで、竈の火の熱気が馬を冬の寒さから守ったのだそうです。 -
また遠野ふるさと村の中を歩いてみます。
ほの暗い南部曲がり屋の中とは違って、春の陽気が満ちる屋外。 -
肝煎りの家から見ると一段低い所に、こびるの家(宝暦12年築 3758坪)があります。そうすると、弥十郎どんより50年も古い!(◎o◎)
こびると言うのは漢字で書くと小昼で、おやつの事。
屋内や縁側で食事やおやつが摂れる所で、店先には画像のように焼おにぎりや団子類が売られています。
民芸品や持ち帰り用の漬物なども置いてあるので覗いてみては?
食事としては、ひっつみ定食800円などがありました。漉し餡入りで卵形のゆで団子の≪けいらん≫(310円)も名物だそうです。
ひっつみは、簡単に言うと、野菜や鶏肉が入った醤油仕立ての汁に練った小麦粉の小片を入れた物でスイトンのような感じ。
これは次編で行く伝承園で食べてみたので、後ほどご紹介。
ここでは味噌味の焼おにぎり(100円)と、味噌餡入りの焼きもち(100円)を試してみたSUR SHANGHAI。
味付けはちょっと甘めかな。でも素朴な味がおいしい一品。
焼きもちは中の餡が柔らかいので、ちょっと皮を噛み切って餡を吸い出しながら食べるのがいいですよ。 -
イチオシ
縁側でちょっと休憩させてもらった後は、そのこびるの家をあとにするSUR SHANGHAI。
道の途中でちょっと振り向いてみたこびるの家は、どこか懐かしい表情。 -
こびるの家からまた一段低い場所には大きな池。その向こうには田んぼもあるから灌漑用の池なんだろうな。
春の空の薄青さが映る水の面。 -
遠野ふるさと村の一角にあった木。
これは四季を問わずに赤い葉を付ける品種なんだろうけど、新緑と一緒の風景の中にあるのでおもしろい眺め。 -
藤の花もちょうど見頃だった遠野の春。
-
遠野ふるさと村には、大野どん(明治初期築 8520坪)という南部曲がり屋もありましたが、これはその下手にある川前別家(江戸末期築 6368坪)ではなかったかと思います。
間違っていたらお許しを。m(__)m
川前別家は、歪んだり曲がったりした木材を故意に使って建てたという、大工さんの腕前が知れる南部曲がり屋。 -
縁側に置いてあった古民具。
昔、蚕の繭から糸を取る時に使ったものに違いない。
このほかにも古くからのさまざまな道具類が展示してある遠野ふるさと村。 -
これは、遠野ふるさと村の大工どん(明治中期築 8860坪)と名の付いた南部曲がり屋の馬釜。
ここにも土間に直に据えられた竈に釜が据えられてあって、実際に火が焚かれていました。
その横の木の壁の上の方に掛かっているのは、煤で真っ黒になった火男の面。
火の神様なんだそうです。 -
大工どんには、岩手県内陸部でよく見かける鹿踊りの装束展示がありました。
鹿踊りは≪ししおどり≫と読んで、同じ岩手県内でも幕踊り系と太鼓踊り系があるのだそう。
遠野の鹿踊りは太鼓は持っていないようなので、幕踊り系のようです。
これは豊作祈願を込めた踊りで、幕踊りというのは幕をつまんで踊るのだそう。
これまでSUR SHANGHAIがテレビなどで見たのは太鼓を打ち鳴らして踊る姿だったので、それは花巻あたりの太鼓踊り系だったのではないかと思います。
この画像では小さい鹿の衣装に遠野南部家の家紋である双舞鶴紋が付いていて、大きい方の鹿の衣装に遠野南部家裏家紋の九曜紋が付いています。
ちょっと話はそれますが、宮沢賢治の『注文の多い料理店』には、『鹿踊りのはじまり』というお話しがあります。花巻あたりの方言だらけで分かりにくいかもしれませんが、主人公の嘉十が残した手拭いと栃の団子を巡る鹿たちの会話が愉快なので、読んでみて下さい。(*^。^*) -
遠野ふるさと村の大工どんには、雨風祭の際に使うという人形をモデルにして作った藁人形もありました。
これは高さが3mあるそうです。
そばに出ていた説明によると、雨風祭というのは二百十日前の8月下旬に行なわれる行事。等身大の男女二体の藁人形を作り、『二百十日雨風祀』と書いた旗を立てて、太鼓や鉦で村はずれまで送り出したのだそう。
二百十日の頃は台風がよく襲来するので、農作物を台風の被害から守る厄除け行事だったようです。
『遠野物語』の109話にも、お話の細部は多少違いますが、雨風祭について載っています。
この藁人形を真ん前から見たこの画像では分かりにくいのですが、横から見てみると…、 -
…身体の一部が誇張された作りになっていて、なぜかコインがたくさん差し込まれていました。
見学に来た人たちが、この人形にあやかろうと思ってお賽銭のように置いていったのかも。(^^ゞ -
そろそろ遠野ふるさと村の出入り口になっているビジター・センターに向かいます。
この旅行記ではご紹介しませんでしたが、遠野ふるさと村には炭焼き小屋や南部曲がり屋付属の建物、染物や焼き物、木工などの工房になった建物もありますよ。
数人以上のグループで訪れるなら、カルチャー体験をしてみるのもおもしろいと思います。 -
木立に絡みついた藤の花で、ほんのり上品な色に染まる新緑の頃。
-
遠野ふるさと村のビジター・センター裏手にある小さい沢。
あまりに水が透明なので、水が無いようにも見える。
このあとは、この旅行記の出だしでも言ったように、バスでの移動が出来なかったので、ビジター・センターでタクシーを呼んでもらうはめに。
今も早池峰(はやちね)バスの本数は少ないと思うので、見所を回る時には組み合わせにご注意を。
ビジター・センター内の食堂やお土産屋さんは結構充実していました。
食堂は手頃な麺類から定食まで、お腹の空き具合でいろいろ選べるようでした。SUR SHANGHAIは、伝承園で食べようと思っているので、ここはパス。
売店には『遠野物語』テーマのお土産のほか、≪明がらす(あけがらす)≫という遠野名物のお菓子も置いてありました。これは米の粉にゴマ、クルミを入れて作ったお菓子で、切り口に見えるクルミの形が夜明けの空を飛ぶカラスのように見えるので、この名が付いたようです。歯応えがラクガンのようでもあり、お餅っぽい食感もあるほんのり甘い和菓子。お気に召したらお土産にもどうぞ。 -
うっかりミスのお陰で、遠野ふるさと村からデンデラ野へはタクシーで行ったSUR SHANGHAI。(^^ゞ
タクシーの運転手さんは「デンデラ野って何も無いよ。すぐに見終わるだろうから待ってるね。次は伝承園へ行くんでしょ。」
それまで舗装されていた道の脇に≪デンデラ野0.1km≫の標識があって、そこから上は未舗装道。
その標識の横に≪熊が生息しています。…音が出るものを携帯して注意してください。≫の標識もあってギョッ。
観光で来たらしい人が自転車を押して下りて行くのとすれ違ったデンデラ野脇の緩い坂道。 -
イチオシ
自転車を押していたその人も、今度はスイッとまたがって、坂を下りて行く風景。
遠く霞む山、道には木立の影も落ちて…。
いいなあ、この雰囲気。
運転手さんが言うように何も無い場所だけど、こういう小学校唱歌やちょっと昔の日本を感じさせてくれる遠野のデンデラ野。
そのデンデラ野にはちょっと怖い話があって…、 -
…昔は60歳を越えた老人は全てこのデンデラ野に追いやられたのだそう。
民話の里にもこういう風習があったのかと思うと、現実の農村社会の裏に潜んでいたドロドロとした怖さを感じてしまう。
『遠野物語』の説明によると、それらの老人たちは日中は里に下りて、自給自足分の農作をしていたので、朝農作業へ出ることをハカダチ(墓立ち)、夕方になって農作業から帰る事をハカアガリ(墓上がり)と呼ぶようになったらしいです。
『遠野物語』の111話に、このお話が出ています。
デンデラ野という名前も、元は蓮台野と呼ばれていたのが訛ってデンデラ野になったのだとか。
SUR SHANGHAIは、それらの話からもっとだだっ広く荒涼とした人里遠く離れた場所を想像していたら、民家もそれほど遠くないし、思いがけずのどかな場所に見えたデンデラ野。 -
イチオシ
デンデラ野脇の道から、下に広がる水田と向こうに低く連なる山を見る。
ここにも遠野の春の色が溢れる景色。 -
車道から上って来たトラクターのおじさんとすれ違う。
-
デンデラ野の下の車道沿いも明るい春。
冬に来ればまた違った表情を見せて、自然の厳しさを思い知らせてくれるに違いない。
その時に見るデンデラ野が姥捨て山的な話にはふさわしいのかも。
そういう思いを抱いて、次編へと続く伝承園とカッパ渕、そして遠野の町へ。
「運転手さん、お待ち遠さま〜。伝承園までお願いしま〜す。」
…という訳で、ここはひとまず、どんどはれ〜。
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この旅行記へのコメント (4)
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- naniwa ladyさん 2008/03/30 09:24:16
- おはようございまーーす。 8(*^o^*)8サザエ
- 遠野、見せたいただきました。
SHANGHAIさんの魔法にかかって、すごーーくいい雰囲気が、かもしだされています。なんでもない田んぼまでが。。不思議です。素晴らしい感性ですね。
SHANGHAIさんの横で、べったりたとあなたに貼りついて、その撮影方法をじっくり観察したいです!!!
- SUR SHANGHAIさん からの返信 2008/03/31 19:53:51
- RE: おはようございまーーす。 8(*^o^*)8サザエ
- こんばんはーーーーーっ! (*^0^*)
…と、いつも元気なnaniwa ladyさん風にご挨拶。
いえいえ、遠野の風景が良かったんですよ。
わたくしめには魔法など使えません。(^^ゞ
-
- アル中さん 2008/03/29 22:17:05
- 日本の田舎はいいですね〜
- 遠野の写真きれいですね。
修学旅行で遠野に行ったことがあります。
当事はこういった綺麗な景色の良さが分かりませんでしたが、
写真を見ていたら無性に遠野に行きたくなりました。
早く草木の色が綺麗な季節にならないかな。
日本の田舎の風景っていいですよね。
再認識しました。
- SUR SHANGHAIさん からの返信 2008/03/30 08:33:03
- RE: 日本の田舎はいいですね〜
- そうですね。うんと若い時期は誰でも刺激的な都会の方に魅力を感じるものですね。
…という私もそうでした。(^^ゞ
ふと気付くと、心和む風景がここにもあったという感じの遠野。
ぼ〜っとこれらの風景を眺めにまた戻って行きたいなあと思います。
私が行った去年の6月初めには、新緑や藤の花がきれいでした。(*^。^*)
GWの人ごみを避けてその頃にいらっしゃってみるのもいいかもしれませんね。
まだアップはしていませんが、あえりあ遠野というホテルの裏山に咲いていた白いつつじもよかったですよ。
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