はちのすけさんのクチコミ(52ページ)全3,564件

　門前に掲げられた寺伝によると、本能寺の変が起こった時、この寺を開創した清玉上人は僧徒を引き連れて現地に駆け付けたが、信長は既に自害。結局、その場で火葬し遺骨を法衣に包んで持ち帰ったという。そうした伝説に基づき、境内には「信長の墓」がある。門前にも碑があり、訪れる人々の目を奪っていた。周辺は寺院が建ち並ぶエリアで、落ち着いて参拝ができる。

　異彩を放つ本堂だ。浄土宗のお寺だが、相次ぐ火事に悩まされており、仮普請で本堂を運営していた。1993年に現代建築デザインによる本堂を再建し、現在に至る。医師として知られる曲直瀬道三の墓があり、山門前には墓の存在を知らせる石碑がある。

　鴨川に架かる葵橋西詰めから西に入ると、寺院が連続して建ち並ぶエリアがある。このお寺はその一角にある浄土宗寺院だ。山門脇の説明版によると、平安時代の開創で、京都御所近くにあったが、豊臣秀吉の命でこの地に移転した。この日は門が閉まっており、拝観できなかったが、落ち着いたたたずまいの寺院だ。

　葵橋西詰めから西に入ったところにある日蓮宗のお寺だ。庭が広く、しだれ桜やぼたん、紅葉など植わっており、それぞれの名所として季節季節に参拝客でにぎわうという。屋外は参拝自由だが、堂内は公開されていない。付近には塔頭寺院が並んでおり、ちょっとした寺町のようなエリアだ。

　京都の食の特性は「加工」がその一つだと思っていた。京都に多彩な産物があるわけではなく、各地から運ばれてきた産物を京都で加工することによって京料理に変身する。京都は加工地であり消費地でもある。そのルートの一つがこの石碑辺りをゴールとする「鯖街道」だ。福井・小浜辺りに揚がるサバを地元に卸すことなくせっせと京都に運んだルートだ。ルートは複数あったらしいが、スタートとゴールは一つだ。一度、街道をドライブしたことがあるが、さばに関する郷土料理が根付いていた。

　下鴨神社の摂社で糺の森にある。摂社と言っても社のようなものではなく、威風堂々とした社殿だ。鴨長明ゆかりの神社としても有名。神武天皇の母親で女性の美の神様として知られるタマヨリヒメを祭っており、絵馬は手鏡の形だ。普段使用しているメイク道具で顔を描き、裏に願いを書いて奉納する。女性に人気の観光スポットで、奉納された手鏡の絵馬の数には圧倒されそう。寒い時季に参拝したので茶店で温かい花梨水をいただいた。とても健康的な味がする。

　下鴨神社の境内摂社だが、社殿が井戸の上に建つため、「井上社」の別名を持つ。この井戸から湧き出るのが御手洗川となるため、川の水源地に建つ神社ともいえる。災難厄除けのご利益があるが、社殿前の御手洗池で様々な神事が行われることでも有名だ。池はさらさらと浅く、開放的な雰囲気があり、参拝客が絶えない。京の七不思議のひとつで、ここには水泡が湧き出るが、それをかたどったのがみたらし団子の始まりとされる。

　南向きの楼門を糺の森の方角へ出ると、右手に見える摂社が相生社だ。男女の縁などあらゆる縁結びにご利益があるから、参拝客に大人気の社だ。すぐ横には「京の七不思議」の一つで二本の木が一本に結ばれている「連理の賢木」も。近くでは源氏物語にちなんだ「縁結びおみくじ」や「えんむすび絵馬」なども売られている。これで人気が出ないわけはなかろう。絵馬の奉納には右回り左回りなど作法があり、これもまた人気のルーチンだ。

　現地の説明版には、比叡山山ろくの八瀬御蔭山から神霊を本社へ迎える御蔭祭の折に御神宝を奉安する神殿とある。橋殿は上賀茂神社にもあることから古いしきたりにのっとっての社殿なのだと想像がつく。ちょうど御手洗川の上にかかる橋のように建てられており、あらゆるものを流れで清めてから標の内へ持ち込む舞台なのかもしれない。

　高梁市の旧川上町エリアの特産品や野菜を直売する施設だ。ホームページによると、全国と冠されているのは、川の源流に位置する全国六つの川上町と村が地域おこしについて語り合ったことが起源だという。販売スペースも広く、旧川上町で栽培される高原野菜が中心だ。観光案内所のほか、食堂も併設されており、地元の味が楽しめる。

　吹屋ふるさと村の入り口にあるショップだ。ベンガラそのものだけでなく、和紙やストール、センター、ハンカチなどベンガラ染物などベンガラ関連の品物がずらりとそろう。レターセットやしおり、帽子、カバンなど発展形も。店構えも紅く、いかにもベンガラの店という感じだ。

　マンガ絵ぶたまつりは、高梁市の旧川上町で行われるイベントだ。２０２０年はコロナ禍で中止となったが、毎年８月に青森の「ねぶた」を模した「マンガ絵ぶた」が街中を練り歩く。このイベントで優秀作品に選ばれたマンガ絵ぶたは公園にある展示館で一年間飾られる。あまり説明がないので第一印象は何だろうという感じだが、よく知れば住民の思いが感じられる場所だ。

　広兼邸にほど近い所にある。子宝、安産、縁結び、性病、さらには商売繁盛にも霊験があるとされている金精神を祭る神社だ。ちょっと人目をはばかるためか、急な石段を上った場所にあり、参拝するのにひと苦労といった感じだ。具体的に表現するのはやめておくが、色々と奉納されている。

　急峻な山から国道484号で高梁市に向かう場所にあるループ橋の展望台だ。駐車場がついた展望台とループ橋の途中にあるループ橋展望公園の二つがある。展望台の方が高地にあり、高梁の街を一望できる。典型的な盆地で、街の借景のように山並みがあり、高梁川が流れ、街が川に沿うように広がっている。一方、公園には和風の庭が整備されており、公衆トイレも。ループ橋がダイナミックに横たわっており、ここはここで面白い風景だ。

　都市と地方の格差が拡大し始めた昭和末期から平成にかけて「地域活性化」が各地で盛んに叫ばれ、アイデアを競い合った。この美術館がある旧川上町が標榜したのが、マンガ文化のまちづくりだ。「マンガによる地域活性化推進要綱」を設置して取り組みを始めたが、その象徴がこの美術館だ。その後、川上町は高梁市に統合され、何となくそのコンセプトは薄れているが、美術館が存続しているのはすごい。

　反対側にある旧片山家と共通のチケットで入場する展示館。ベンガラ産業で主要な役割を果たしていた商人の家だ。吹屋の町並みの特徴である宮大工による建築物で、１８７９（明治１２）年に完成した。宮大工の建築で町並みの外観をそろえるという先進的な試みの一つの好事例でもある。

　古代から採掘されていた吹屋銅山の中でも比較的現代に近い時代に掘られていた鉱山で、いまは観光用鉱山として整備され、公開されている。内部はマネキン人形を使い、当時様子を再現。過酷だが、一攫千金だった当時の様子を浮き彫りにしている。

　吹屋の町並みから少し離れた場所にあるが、豪奢な建物だ。山腹の斜面に建築されており、駐車場に車をとめると、立派な石垣に圧倒されるような迫力がある。山腹にわざわざ横に長い建物を設けたのは、防災（暴風暴雨対策）のほか、ここから見る景色が素晴らしいからだろうか。見渡す限りの土地が自分のもの、という優越感が実感できる。

　岡山県が国の伝統的建造物群保存地区制度よりも早くスタートした面的な保存施策「ふるさと村」。その中でも特に成功した例としてインパクトを残しているエリアだ。島根県大田市の石見銀山にも似た雰囲気があるが、何といってもベンガラで統一された町並みはここならではの魅力がある。また、旦那衆が〝うだつを競う〟のではなく、宮大工を招いて町並みの統一性を図ったという現代的な取り組みが、今にマッチしている。今回、１０年ぶりに訪れたが、進化の度合いがゆっくりしていて無理がない点にも感心した。せかせか歩き回るよりもゆっくりお茶をしたり、食事をしたりするのが似合う。日本遺産にも選ばれており、新しいストーリーに期待だ。

　井原市美星町の高原地帯にある直売所だ。周辺には美星夢が原、美星天文台、ペンションなどのほか、同じ敷地内にはアイスクリーム店、蕎麦店、土産物店、観光案内所などが集中的に整備されている。直売所はとても広く、野菜、山菜のほか、加工品、肉製品、乳製品など高原地帯の直売所ならではの品ぞろえが充実している。