はちのすけさんのクチコミ(51ページ)全3,564件

　ＪＲ岡山駅西口に隣接するビルの四、五階にある岡山市立の美術館だ。屋根がついた通路で駅とアクセスされており、本当に「駅チカ」美術館だ。美術館は郊外の豊かな敷地に庭園も含めてプロデュースされる例が多いが、ここは完全に市中の施設。常設展は岡山の歴史と文化を様々な切り口で紹介、企画展は全国巡回展を誘致しており、2021年4月に「ムーミンコミックス展」を鑑賞に行った。女性が多かったが、気軽に鑑賞しやすい駅チカ美術館の本領発揮という感じだ。

　豊臣秀吉の軍師として名をはせた黒田官兵衛に代表される黒田家ゆかりの城としてその存在を知られる。福岡市の地名の起源はここだ。現在は周辺が河川敷のゴルフ場になっており、城跡の碑も河川敷にある。一帯の町は鎌倉から室町時代にかけて山陽道一の宿場町だったという。併せて吉井川の水運で商業が盛んになり、福岡城の城下町としても発展した。江戸時代に入り、求心力は衰え、明治以降は農村となった。ただ、ところどころに大型民家が残存しており、往時の隆盛をしのばせている。

　真庭市にある「あぐりガーデン」内に店舗を構えるコーヒーショップだ。テイクアウト専門店だが、アグリガーデンのいす・テーブルが点在しているので、実質的にイートインも可能だ。自家焙煎だが、あまりくせはなく、幅広い趣向に応える味だ。他のショップからフードを買ってきてもよし、渋くコーヒーをその場で満喫してもよし。

　吉備津神社の北側鳥居近くにある大きな岩で、いわゆる温羅伝説の舞台の一つだ。吉備津神社の祭神である大吉備津彦命は人々を困らせる温羅を退治するために出征し、温羅が射掛けた矢を空中でつかみ取り、置いた場所が矢置岩だという。この伝説にちなんで、岩に供えた弓矢を東西南北に一斉に放ち、四方の悪魔をはらって健康と招福を祈る「矢立の神事」が現地では行われる。神社周辺にはこうした大吉備津彦命VS温羅の激戦の伝説がちりばめられているが、ゆかりの場所をたずねるのも楽しい。温羅は鬼ノ城に本拠を構え、大吉備津彦命は楯築遺跡に陣を構えたとされるし、命と温羅が互いに射た矢が空中で衝突し、その矢が落ちた場所が総社IC近くの矢喰神社だとされる。スペクタクルの舞台が神社周辺には点在しているのだ。

　平安時代、任命された国守はその国の定められた神社を詣でるのが慣習だったが、やがて一カ所でお参りがすむよう各神社の祭神を勧請して「総社」を創建するようになった。ここは備前の総社として創建されたものの、平成4年に放火で社殿を焼失。多くの支援で平成27年に再建を果たした。その際、社殿は全国で唯一、平安時代の様式にのっとって再建されたという。再建後は時代を反映していろいろな取り組みをやっている。再建時のプロジェクションマッピング、デザイン性の高い授与品、境内には備前焼のグッズがついたガチャガチャのおみくじ、近隣で生産されるパクチーの祭りなど。再建された社殿は背後にきれいな山を抱えており、とてもさわやかな場所だ。

　ちょうど赤磐市方面に桜の花見に出かけた時に市内各地で観賞できるのが、桃の花だ。低木にインパクトのあるピンク色の花が控えめに広がっている。密集度はないが、点々と広がっており、遠くから見ると一帯をピンクに染め上げているようだ。エリアは旧山陽町地域が多いだろうか。他の花のように観賞用の手段を講じてもいいぐらい見栄えがすると思うが、押し寄せた花見客の影響で肝心要の桃の収穫に影を落としては本末転倒だ。静かなブームぐらいがちょうどいいのかもしれない。

　ＪＡびほくの直売所がある。昔は農協の支所か何かだったのかもしれない。いかにも農協の建物らしい外観と構造の奥行きのある建物で、結構な量の野菜や果物が直売されていた。店頭のテントではよくイベントをやっているという。

　海沿いにあり、観光協会と物産販売所と前島行き定期船の待合所になっている。販売所ではオリーブやカキをテーマにした特産品が豊富だし、隣接した案内所では多様なパンフレットが入手できる。牛窓は映画のロケ地としても有名だが、ここに展示物があり、参考になる内容だった。

法然上人ゆかりの誕生寺横に広がる散策型公園だ。約２０００坪の敷地に１００を超える歌碑が林立している。中央には川が流れ、ほたる祭りが開催されるという。自然を愛でながら石碑を詠みながらゆっくり巡ると、時間の経過を忘れるような楽しさがある。

　備前焼の工房や店舗が集中している備前市伊部地区。そんな陶芸の里のＪＲ駅前にある都市公園が、この「いんべ駅前公園炎の里」だ。備前焼の長い歴史を紹介するモニュメントやあずまやなどが整備されており、町並みを散策する前に立ち寄るとこの町のことが自然とわかるような気がする。

　北山通りと北大路通りの間をつなぐ大宮通り沿いにのびる京都市で一番長い商店街だ。実際は北山通りよりも北側にも商店が伸びている。今宮神社や大徳寺など観光資源も近い。昔ながらのエリアで、八百屋や肉屋、食堂などなど多種多様な専門個店が軒を連ねる。南行きの一方通行で、いかにも昔ながらの商店街だ。

　高松城は山陰と山陽を結ぶ交通の結節点にある城だ。城の周囲は低湿地帯で、これらが天然の堀の役割を果たしていたが、その長所を水攻めに逆用された。本能寺の変と相まって有名なこの水攻めを特集しているのが、高松城址公園資料館だ。水攻めに至った地形をパノラマで説明しているほか、古代に吉備国が権勢をふるったことで知られる一帯から出土した文化財などが展示されていた。

　高梁川、旭川と並んで岡山県三大河川と称されている。鏡野町から津山市を経て、和気町から岡山市東区で児島湾にそそぐ。江戸時代は河川が長距離交通を担ったが、吉井川も上方往来の一部を担い、沿岸の町は大いに栄えたという。

　備中国分寺跡、備中国分尼寺跡、こうもり塚古墳、造山古墳など貴重な遺跡が集中する吉備文化の象徴的なエリアだ。とくに国分寺跡はとてもいい。シンボリックな五重塔を中心に田園地帯が広がっており、いにしえもこんな風景だったのではないかと思わせる。散策に向いたエリアで、ゆっくりと時間消費できる。また、造山古墳は歩いて登れる古墳としては日本一の規模だ。

　日本では首級が重んじられ、それを祭った首塚は大切にされるが、胴塚はあまり重視されない。戦の勝者が首級を勝利の証として喧伝する一方で、胴は敗者のもとに送られ、あるいは打ち捨てられ、ひっそりと埋葬されてきたからではないか。高松城落城の折、その責を一身に背負って切腹した清水宗治。首級は勝者の実検に持ち去られたが、胴は城兵のもとに送り返された。その遺体を丁寧に葬ったのが、この胴塚だ。ひしひしと悲しみが伝わる。

　吉備国平定のために大和朝廷から派遣された吉備津彦命と鬼の温羅が繰り広げたスペクタクル的な戦闘の伝説が残る場所だ。この場所は温羅が投げた岩と吉備津彦命が射た矢がぶつかり落ちた場所で、矢喰宮と呼ばれる神社が建立されている。境内には吉備津彦命の矢とぶつかったとされる大小の岩がある。

　白村江の戦いで敗れた大和朝廷は唐・新羅の侵攻に備え、西日本各地に〝国営〟の防御施設を築造する。そのうちの一つが鬼ノ城だ。「城」と名のつく施設はイコール武将の拠点というイメージがあるだけに、異彩を放つ。瀬戸内海を進み、機内を直撃する外敵を防御するのだろうが、それにしては内陸にある。当時はかなり海が内部まで入り込んでいたのだろうか。そう言えば、眼下に秀吉の水攻めで高松城址があり、低地であることが納得いく。有名な古代の遺構にしてはかなり手が入った整備をしており、城郭の復元や情報センター、３キロ弱の散策路など観光的にも時間消費ができる。

　総社（岡山県総社市）と神辺（広島県福山市）間を走るのが井原線だ。電車を運行するのは第三セクターの井原鉄道。過疎地を走ることが多い第三セクターは移動だけでなく「電車に乗ること」そのものを観光資源化して生き残りを図るケースが多いが、のんびりとしたこの電車は地域民からも愛されているようだ。平成３０年７月豪雨で線路や駅舎が水没する被害に遭ったが、現在は復活している。

　鬼ノ城の駐車場そばにある施設だ。山頂が城を巡るウオーキングルートになっており、そのための休憩施設と、鬼ノ城について説明するガイダンス施設で構成する。鬼ノ城は全容が解明されていない「古代の山城」だけに、模型や図面で存在を説明してくれるガイダンス施設は必須。場所も城へ行くルートの「入り口」にあるので必ず立ち寄るのをお勧めする。

　鬼ノ城を訪れる際に立ち寄った。鬼城山の山すそを流れる砂川沿いを整備した公園だ。メイン施設はキャンプ場で、炊事棟やトイレを完備。冬に訪れたが、キャンプ場には数多くのテントが張ってあり、結構にぎわっていた。コロナ禍もあり、屋外のバイキングで昼食を楽しむ家族連れが多いのだろうと想像する。修景用施設として植えられた桜や花ショウブ、紅葉などがあり、夏以外も季節折々に楽しめる場所だ。