【パレスチナ上空から、平和を祈念して】ライアンエアー パフォス（キプロス）→アンマン（ヨルダン） 搭乗記

2025/05/03 - 2025/05/03

ライアンエアーに乗って、キプロス島南西部の観光都市パフォスからヨルダンの首都アンマンへ飛びました。
このフライトのルートの特徴は、キプロス島を出て地中海を通り、イスラエルやパレスチナ（ヨルダン川西岸）上空を飛行すること。

この地域を安全に飛行できることを幸運だと感じていましたが、なんと搭乗日から1か月後、イスラエルがイランに攻撃を仕掛けたことで両国間でミサイルを打ち合う事態になり、この空域は一気に情勢が悪化。この便も6月14日以降欠航が続いている状態です。

＜フライト情報＞
搭乗日：2025/5/3
便名：FR3404
発着地・時刻：パフォス（PFO）6:05（*6:11）→アンマン（AMM）7:25 (*7:05)
所要時間：54分
機材：B737MAX（EI-IJX）
フライト代：71.69ユーロ（≒11,980円）
　内訳：44.01ユーロ（プライオリティ＋機内持込×2）＋27.68ユーロ（10kg預入れ荷物）

*実際の出発到着時刻

エリア パフォス(キプロス)

午前3時半ごろ、パフォス中心部のホステルから空港へ向かいます。
たまたま同じく朝の便を利用する宿泊客がいて、宿の親切な管理人が彼らと取りつないでくれたのでした笑

このため彼らとタクシー代を折半し、15ユーロで空港まで行けました！
（空港は町から15kmほど離れており、とてもスーツケースを引いていけるような距離ではなかったので助かりました）

およそ15分で空港に到着！
彼らはライアンエアーのテルアビブ便に乗るとのことで、ここでお別れ。

パフォス空港はライアンエアーの拠点空港の一つで、この通り出発案内はほぼライアンエアーだらけ！
キプロスという場所柄、行き先は地中海周辺が多めです

今回は預け入れ荷物オプションつきの「プライオリティ」で予約。

手荷物を預け入れようとすると、体重計のような機械に案内されました。この機械、単に荷物の重量を計るだけでなく、ちょっとハイテク。

インターネットとBluetoothをオンにして、機械に表示されているQRコードを読み取るように言われます。カメラに表示されたURLをクリックすると自動的にアプリの手荷物預け入れ機能に移り、無事チェックインできたのでした！

ライアンエアー、ここまで進化していたんですね…！！

それでは手荷物検査へ。ざっと30人ほど列が出来ていましたが、レーンが3列あったのでスムーズに進みました

続いて国境審査は「ALL PASSPORT」の方へ。こちらはカウンター2つ、進みが悪く待っている間に3,40人ほどの列が後ろに。

トータル15分ほどで通過し、時刻は4時27分。そのままラウンジへ。
プライオリティパスアプリでは5時からと表示されていましたが、既にオープンしていました

5時15分、搭乗口へ向かうと既にボーディング開始していました。
プライオリティなので長蛇の列に並ぶことなく優先レーンでスイスイ

バス搭乗かなと思いきや、歩きで機体まで移動。
ライアンエアーあるあるですね笑

途中機体に案内される前に待機するスペースがあり、ここに水の自販機がありました。水が一本0.6ユーロと、空港にしてはかなり良心的な価格設定！

そしてこの自販機、なんとよく見ると、、、

「販売中」「売切」などの表示があり、明らかに日本製の中古の自販機でした笑

仕組み上はクレカのタッチ決済が使えそうだったのですが、エラーがおきてしまい結局買えず、、

こちらが今回乗る機体。
ライアンエアーは全機種をB737シリーズに統一することで、整備や訓練にかかるコストを抑えています

早朝時間帯に複数の便が集中しているため、ライアンエアーの機体がずらりと並んでいます
欧州LCCの王者らしい風格です笑

それではタラップを昇って機内へ！

プライオリティの有料座席エリアなので、幸いにも横一列貸切でした笑

LCCなので当然ですが、シートピッチは狭め。
身長180cmの私だと前の席にひざがついてしまいます

安全ガイドと軽食の案内をチラシにせず座席に貼り付けるスタイル、ライアンエアーらしくて好きです笑

6時ちょうど、プッシュバック開始

カタール航空のビジネスジェットが停まっていました

誘導路から滑走路へ
ちょうど日の出のタイミングです

テイクオフ！
滑走路から海がすぐそばに見えます

小ぶりの雨が降っていたからか、虹が見えました！

キプロス南岸のエメラルドグリーンの浅瀬が、朝陽に照らされて美しく映ります笑

そのまま穏やかな地中海上空を飛行していきます

離陸から35分、イスラエル上空に差し掛かりました

機体は東へ向かっており、今見えている景色は南側なので、写真奥にはガザ地区が広がっているはずです

イスラエルの空の玄関口、ベングリオン空港が見えます

スマホの望遠レンズで見ると、どのエアラインか特定できそうなくらい飛行機がよく見えました

人口の集中する海沿いから、山岳地帯へ。
この辺りからパレスチナ（ヨルダン川西岸地区）に入ります。

山岳地帯の北側にある住みやすい低地はイスラエルによる入植が進んだ一方、この住みにくい山地はパレスチナの領地となっています

地図で見るとさらに分かりやすいです。

地中海沿いからガリラヤ湖、聖地エルサレムにかけての住みやすい場所はユダヤ人の入植がどんどん進んだ結果イスラエル領となり、逆に入植に向かない残りの山地などがパレスチナ側に残ったという訳です
（それでもなお、パレスチナ領域におけるユダヤ人の入植地は拡大し続けています）

ヨルダン川上空。奥に見える、ヨルダン川が注ぐ湖は有名な死海です

川を挟んで写真右側（西側）はパレスチナ（ヨルダン川西岸地区）、左側（東側）はヨルダンです。

ヨルダン滞在中、ペトラに住むパレスチナ避難民2世の青年と話す機会があったのですが、ヨルダン人やパレスチナ人は同じ民族でありながらこの川を自由に渡ることができず、「いつの日か父祖の地であるパレスチナに行きたい」と、遠い目をしながら語ってくれました

ヨルダンに入ってからも山岳地帯が続きます

首都アンマンに近づくにつれ、緑や宅地が見えるようになりました！

幹線道路とインターチェンジがくっきり見えます

アンマン・クイーンアリア空港はアンマン市街から南西の郊外にあり、空港に近づくにつ景色は再び荒野になりました

離陸から1時間もせずに着陸！
遠いようで案外近い距離です

ヨルダン・アビエーションという、初めて見る機体

ターミナルそばに駐機している緑の機体は、なんとイラク航空！
他所では滅多に見れなそうな機体です。

イラクはヨルダンの西隣の国ですが、なかなか渡航困難な国の一つです、、

黒の機体は、ヨルダンのフラッグキャリア・ロイヤルヨルダン航空！

スポットに到着。
隣にも別のロイヤルヨルダン航空機が停まっていました

ここでもタラップで降機

タラップで降りると機体全体が見渡せるので、私は好きです笑

ターミナル内に入った先でも、ガラス張りの窓から機体が見渡せました

アンマン・クイーン・アリア国際空港のロゴでしょうか、洗練されたおしゃれなデザインです笑

クイーン・アリアとは前国王の第3王妃・アリア王妃から採っています。
社会福祉の向上に尽くした立派な方でしたが、空港建設の6年前に惜しくもヘリコプター墜落事故で亡くなってしまい、それを悼んで命名されたという経緯があります

さて、入国審査へ向かいます。

ヨルダンの主要空港といえばこのクイーン・アリア国際空港ですが、南部の港湾都市アカバにも空港があり、"Transfer to Aqaba" という名指しの表示もありました

ヨルダンを代表する観光地が、これから始まる旅への期待を高めます笑

入国審査はあっさり完了し、7時20分には手荷物受取へ

クイーン・アリア国際空港はスカイトラックス四つ星評価だそうです
たしかにターミナル内はどこも清潔・ピカピカで綺麗です笑

中東の首都空港としては混んでいる様子もなく、かなり快適で使い勝手が良いと感じました笑

制限エリア外へ出てきました。
今回ヨルダンではレンタカーを利用するため、ここで私の名前を掲げたレンタカー会社のスタッフがいるはずなのですが、見当たらず、、

仕方ないので、到着フロアのスタバで休むことに

このときはスタバがあることに特に驚きませんでしたが、レンタカー旅の道中一度も見かけなかったので、実はヨルダン国内では貴重なスタバでした笑
（調べたところ首都アンマンにはそれなりに店舗数がありましたが、今回は首都近郊に立ち寄らなかったので一度も見かけなかったのでした）

ヨルダンご当地マグ、買っておけばよかったな～と少し後悔...笑

上段真ん中の "ドラゴンココナッツ" というリフレッシャーズ（清涼飲料）を選んでみました
トールで4.35 JOD（≒890円）、グランデで4.65 JOD（≒950円）と、日本より高めの価格設定です

ちなみに調べたところ、ヨルダンの平均年収は2024年時点で11,242 JOD（≒230万円）と日本の平均（426万円）の半分ほどで、相対的に高級嗜好品ということになります

ココナッツが効いた南国風味の味で美味しかったです笑
コンセントもあるので助かりました

（ヨルダンがかつてイギリスの委任統治領だったからか、コンセントのタイプは英国式のBFです）

ちなみにヨルダンを出国する際もこの空港を利用しましたが、プライオリティ・パスが利用可能なラウンジが3つもあり、しかもその全てが豪華だったので驚きました...！
「ロイヤルヨルダン航空 アンマン→ドバイ 搭乗記 （PPラウンジ大充実のアンマン空港レポも！）」
https://4travel.jp/travelogue/11986575　

この後は無事レンタカー会社のスタッフと合流し、ヨルダンの砂漠と荒野を巡りました！

その様子はこちらの旅行記で紹介しています！

「ヨルダンの砂漠＆荒野をレンタカー旅！～大渓谷を駆け抜けビザンツ帝国と十字軍の遺跡を探訪！～」
https://4travel.jp/travelogue/11980690　
「ペトラ遺跡 ～インディ・ジョーンズだけじゃない、絶景と歴史とロマンの遺跡探検！～」
https://4travel.jp/travelogue/11985404　
「ヨルダンの砂漠＆荒野をレンタカー旅！～天変地異の大豪雨のなかペトラ遺跡からワディ・ラムの大砂漠へ…！～」
https://4travel.jp/travelogue/11985434　
「ワディ・ラム ～ヨルダンの紅く美しい砂漠に魅せられて～」
https://4travel.jp/travelogue/11985517　
「ヨルダンの砂漠＆荒野をレンタカー旅！ ～煌めくアカバ湾と夕陽の死海沿いを快走！～」
https://4travel.jp/travelogue/11981214　
「ロイヤルヨルダン航空 アンマン→ドバイ 搭乗記 （PPラウンジ大充実のアンマン空港レポも！）」
https://4travel.jp/travelogue/11986575　

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今年4月から5月にかけて、コーカサス三国（ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン）、キプロス、ヨルダン、UAEを巡りました！

美しい山々、大自然の砂漠と荒野、煌めく海、高層ビルだらけの大都市など、それぞれ魅力ある旅先を以下の時系列で旅行記をまとめています！
（往復に利用した中国南方航空の搭乗記と経由地でのトランジット観光も！）

【中国（往路）】
中国南方航空 羽田→北京大興 搭乗記
https://4travel.jp/travelogue/11972958　
北京大興空港から万里の長城へトランジット観光！
https://4travel.jp/travelogue/11979669　
中国南方航空 北京→ウルムチ 搭乗記 ～絶景の天山山脈を大満喫！～
https://4travel.jp/travelogue/11979482　
中国南方航空 ウルムチ→トビリシ 搭乗記
https://4travel.jp/travelogue/11983520　
※この他、ウルムチでのトランジット観光も投稿予定！

【ジョージア 1回目】
初めてのジョージア、憧れのトビリシを散策！
https://4travel.jp/travelogue/11992048
ジョージア屈指の高原リゾート・ステパンツミンダで雪山の絶景を満喫！
https://4travel.jp/travelogue/11991186
ジョージア航空 トビリシ→エレバン 搭乗記
https://4travel.jp/travelogue/11990851　
※この他ムツヘタ、ジョージア軍用道路の旅行記を投稿予定！

【アルメニア】
聖地アララト山を拝みにアルメニアの辺境へ① 観光ルートから外れた田舎町でアルメニア地方部の生活を体感！
https://4travel.jp/travelogue/11975430
聖地アララト山を拝みにアルメニアの辺境へ② 世界遺産ホル・ヴィラップ修道院へ
https://4travel.jp/travelogue/11982175
【コーカサス周遊】アルメニア首都・エレバンの子供鉄道を探訪！
https://4travel.jp/travelogue/11990834
フライワン・アルメニア エレバン→ラルナカ（キプロス） 搭乗記
https://4travel.jp/travelogue/11988214　
※この他、首都エレバンの旅行記も投稿予定！

【キプロス】
地中海の島国キプロスで世界史を辿る旅 ～港町ラルナカ編 ①豊かな海沿いとギリシャ正教会を散策～
https://4travel.jp/travelogue/11988256　
欧州最後の分断首都・ニコシア探訪 ～「分断」は必ずしも悪いことなのか…？～
https://4travel.jp/travelogue/11988871　
地中海の島国キプロスで世界史を辿る旅 ～港町ラルナカ編 ②古代ギリシャの遺跡と芸術品を堪能！～
https://4travel.jp/travelogue/11989098　
ラルナカ→パフォス ～キプロス島の煌めく地中海を車窓から満喫！～
https://4travel.jp/travelogue/11989099　
【パレスチナ上空から、平和を祈念して】ライアンエアー パフォス（キプロス）→アンマン（ヨルダン） 搭乗記
https://4travel.jp/travelogue/11986014　

【ヨルダン】
ヨルダンの砂漠＆荒野をレンタカー旅！～大渓谷を駆け抜けビザンツ帝国と十字軍の遺跡を探訪！～
https://4travel.jp/travelogue/11980690　
ペトラ遺跡 ～インディ・ジョーンズだけじゃない、絶景と歴史とロマンの遺跡探検！～
https://4travel.jp/travelogue/11985404　
ヨルダンの砂漠＆荒野をレンタカー旅！～天変地異の大豪雨のなかペトラ遺跡からワディ・ラムの大砂漠へ…！～
https://4travel.jp/travelogue/11985434　
ワディ・ラム ～ヨルダンの紅く美しい砂漠に魅せられて～
https://4travel.jp/travelogue/11985517　
ヨルダンの砂漠＆荒野をレンタカー旅！ ～煌めくアカバ湾と夕陽の死海沿いを快走！～
https://4travel.jp/travelogue/11981214　
ロイヤルヨルダン航空 アンマン→ドバイ 搭乗記 （PPラウンジ大充実のアンマン空港レポも！）
https://4travel.jp/travelogue/11986575　

【UAE】
朝のドバイをメトロの車窓から観光！
https://4travel.jp/travelogue/11987000
～ドバイで世界を巡る～ イブン・バットゥータ・モールを探訪！
https://4travel.jp/travelogue/11986962
ドバイのスパイス・スークで価格交渉 & ゴールド・スークと旧市街を探訪！
https://4travel.jp/travelogue/11987632
フライ・ドバイ ドバイ→バクー（アゼルバイジャン） 搭乗記
https://4travel.jp/travelogue/11987319　

【アゼルバイジャン】
「まるで西欧みたいなアゼルバイジャンの首都バクーを散策！」
https://4travel.jp/travelogue/11980249　
「アゼルバイジャンの夜行列車でバクーからジョージア国境を目指して」
https://4travel.jp/travelogue/11983645　
「アゼルバイジャン→ジョージア 国境越え」
https://4travel.jp/travelogue/11985396　

【ジョージア 2回目】
「ジョージア正教の聖者ゆかりの町・風光明媚なシグナギへ！」
https://4travel.jp/travelogue/11979493

最後にまとめですが、この1か月あまり後、イスラエルがイランに先制攻撃をしかけ、この空域一帯が戦場になってしまっため、今回利用したFR3404便も6月14日以降欠航が続いています。

ヨルダン川上空を眺めたとき、この空域を安全に飛行できることが当地の人々にとっては決して当たり前のことではないのだと感じてはいましたが、まさか1か月ほどでそれを実感させられるとは思ってもみなかったです。

ヨルダン自体は情勢が落ち着いていて旅行先としてオススメできるものの、イスラエル、パレスチナ、シリア、イラク、そしてその西にイランと政情不安な国に囲まれている以上、渡航に際してはこれら周辺国の影響を受けてしまいます。
情勢を見計らいつつ、「行けるときに行く」のが中東旅行の鉄則です。