2024/06/06 - 2024/06/06
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この旅行記のスケジュール
2024/06/06
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「ケロアン/カイルアン(Kayrawan)」を出発したバスはさらにチュニジアを南下していきます。チュニジアの幹線道路であるA-1高速道路で「エル・ジェム(El Djem)」に向かいます。ここに来たいと思ったのはもう30年以上前のことで、1カ月かけてイタリア半島とシチリアを旅した最後にこの先の人生でどこを旅しようと考えた時でした。まずは西へ行ってイベリア半島、次にバルカン半島から東を目指し、地中海を渡って北アフリカを旅するという構想を練りました。その後30年かけてようやく念願の北アフリカの古代ローマを訪ねることが出来ました。その当時はこれほど時間がかかるとも思いませんでしたし、ましてやツアーで来ることになるとも考えませんでした。あっけないほど簡単にツアーバスは円形闘技場の近くまで連れてきてくれました。それでも実際に目にして歩いたローマ時代の遺跡は素晴らしいものでした。アルルの円形闘技場を皮切りにローマのコロッセオ、ポンペイ遺跡、数々の劇場も見てきましたが、その集大成のように思えて感慨深いものがありました。実際にはまだまだ行きたいローマ遺跡はいくらでもあるのですが。長年の夢だった割にはあっという間の見学が済んで、近くのホテルで食事を摂った後は再びバスに乗ってさらに南にある「マトマタ(Matmāta)」に向かいます。マトマタはスター・ウォーズの映画のロケ地だったこともあり、ここへ来るのも長年の夢でした。60歳を過ぎてから残りの人生を考えると行きたいと思ったところには行っておこうという気持ちがさらに強くなった気がします。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 観光バス 徒歩
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
- 利用旅行会社
- JTB
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「ケロアン/カイルアン(Kayrawan)」を出発したバスはさらにチュニジアを南下していきます。町を出るとすぐに牧草地が広がっていきます。ちょうど刈り入れ時で、四角くまとめられた牧草が積み上げられています。
カイルアン 旧市街・古い町並み
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緑濃い畑も広がり、新しい耕運機も元気に走り回っています。そんな風景からもチュニジアの農業の質の高さや収入の高さを感じます。
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たまに通りがかる小さな村の肉屋の店先には半身で吊るされたヤギや羊の姿が見えます。静岡県出身の妻から「子供のころには魚屋の店先にイルカが三枚におろして売っていたわよ。」という話を思い出しました。
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午前中に「エル・ジェム(El Djem)」の円形闘技場の観光まで終えなければなりません。バスでの移動は約1時間になります。
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移動販売のバンかと思いましたがD17はチュニジア郵便の顧客向けのモバイル決済アプリのことでした。このアプリでユーザーはe-dinarのアカウントを管理することができ、残高の確認やアカウントの更新が出来るようです。こうやって地道に拡大を進めているようです。
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都市部には郵便局もあるのでお客が来るのを待てばよいのでしょうが、こういった地方の小さな集落では一番効率がいいのかもしれません。まだまだロバが荷車を牽いているのをよく見掛けます。
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肉屋さんの店先の木陰ではゲージに入れられた生きたニワトリが売られています。店で潰して下処理してくれるのかまでは分かりませんが、一番新鮮な鶏肉が手に入るのは間違いなさそうです。
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屋台ではジェッバ(Jebba)と呼ばれる民族衣装のような女性のワンピースが売られています。こういった店も街道沿いではよく見掛けました。隣では干した豆が売られています。
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チュニジアのロバはモロッコに比べて大切にされているような気がしました。荷車が体に食い込まないようにネックピローのようなクッションが当てられています。モロッコでは勝手に移動しないように前脚同士を紐で結んでいましたが、チュニジアでは普通に歩けるように見えました。
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露店の帽子屋もいろいろな町で見掛けました。共通していたのはどこもおじさんが店番をしていて、商売熱心ではないところです。
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ストローハットは一定の需要があるようで、男性でも被っている人が多かったです。ストローハットは麦藁帽子のことですが、以前にどこかの美術館で19世紀の額装したインスタレーションの作品を見たことがありました。その作品の中には紙筒に入れられたストローが貼り込まれていましたが、そのストローは紛れもなく麦わらでした。現在はプラスチックが当たり前ですが、昔は本当に麦わらだったのだと驚いたことがありました。最近はSDGsから紙製のものが増えてきていますが、いつか麦わらまで原点回帰しないかと楽しみにしています。
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ピックアップトラックに積んだスイカやメロンもよく見掛ける風景でした。スイカ好きの妻にねだられなければいいなと思いました。以前中国で大きなスイカを丸ごと1個買ったことがありました。1玉15元で当時の日本円で50円くらいだったことを覚えています。
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近隣の農家の人が村に持って来て売っているのだと思います。一日売ってどれくらいの収入になるのでしょうか。
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旅行の前に日本各地でリュウゼツランの花が咲いたというニュースを何度か見ていました。日本では1本裂いてもニュースになりますが、チュニジアでは絶対にニュースにならないだろうなと思いました。
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1時間ほどバスで入ったところで「エル・ジェム(El Djem)」の町に入りました。通りの突き当りの円形闘技場が見える路肩でバスを降りました。近くまではいけないのでしばらく歩くことになります。
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荒物屋のような店が多く並んでいる通りでしたが、「クスクーシエ(Couscoussier)」と呼ばれるアルミ製のクスクス鍋が売っていました。伝統的なダブルチャンバーフードスチーマーです。これは前から妻が欲しがっていたものなので値段を確認してから買い求めます。
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ガイドさんは「これでクスクスを蒸すんですよ。」と説明している横で値段交渉されたので驚いていました。元々が安いのでいくばくかしか値引いてもらえませんでしたが、日本で買う1/3くらいの値段でした。
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チュニジアで見掛けるピックアップトラックの多くが「いすゞ自動車」のものでした。いすゞ自動車は昭和57年6月にチュニジアに「インダストリ メカニク マグレビン(IMM)」を設立して現地でこのタイプのピックアップトラックを組み立てています。
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この円形闘技場の存在を知って、来たいと思ったのはもう30年近く前のことです。妻とイタリアのサレルノからマルタ島へ向かうフェリーでチュニス近郊のラ・グレット港に停泊した際もこの闘技場と「バルドー美術館」のことを思い出しました。
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観光用のラクダが休憩していましたが、近づいて写真を撮ったらお金を請求されるだろうと感じました。実際我々の後ろから学校の行事で来たらしい若者の団体が写真を撮り始めるとラクダの持ち主が前に立ってしまいました。
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モロッコの旅ではバスの車窓からは見掛けたけど、目の前で見るのは初めてだったデザート・ローズ(Desert Rose)がお土産物屋の店先に積み上げられていました。デザートローズとは鉱物の名称ではなく、砂漠から発見されるバラの形をした石のことです。地底から染み出した水が周囲のミネラル分を溶かして形成した石で、砂でできた薔薇のような形状をしています。小さめできれいなものを2個で5TNDにしてもらいましたので250円ほどでした。
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お昼近くになるとさすがに暑さを感じるほどの気温になってきたので、ファンベストを着込んでいます。手には「クスクーシエ」と「デザート・ローズ」を持っての見学になりました。他人だったら近寄りたくない雰囲気です。
エル ジェムの円形闘技場 史跡・遺跡
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長年の夢だった円形闘技場の前に立ちました。思っていたよりも来るのが遅くなってしまったのと、ツアーで来ることになるとは思いもしませんでした。
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エル・ジェムはチュニジアのほとんどすべてのローマ人居留地と同様にカルタゴ人の居留地の上に構築されました。 ローマ時代2世紀のティスドルス(Thysdrus)は今日ほど乾燥していない気候の下で、輸出のために製造するオリーブオイルの中心地として繁栄しました。
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3世紀はじめの円形闘技場が構築された頃のティスドルス(Thysdrus)はカルタゴに続くローマ帝国の北アフリカの第2の都市の座を現在のスースであるハドルメタム(Hadrumetum)と競っていました。
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ガイドさんの説明では通常の円形競技場や劇場はローマ帝国で建設されますが、この競技場はティスドルス(Thysdrus)のこの競技場はオリーブの輸出で財を成した地元のベルベル人の篤志家が費用を負担したそうです。
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観客席35,000人の円形闘技場(アンフィテアトルム)より大きいものは役5,000人収容したローマのコロセウムおよびカプア(現在のカゼルタ)の荒廃した闘技場だけでです。この円形闘技場は238年頃に皇帝と歓呼して迎えられた総督ゴルディアヌス1世下のローマ人によって構築されました。
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ガイドさんから聞いた17世紀まで闘技場はほぼ原型を保っていたという話は驚きでした。17世紀から闘技場の石材はエル・ジェムの近くの村の家屋を建設するためや、先ほど見てきたケルクアンの「ウクバのモスク(Mosque of Uqba)」のために使用されました。後のオスマン帝国との戦闘において、トルコ人は円形闘技場から敵を追い出すために大砲を使用したために破壊が進んでいるということです。
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17世紀まで原形を保っていたのは1階辺りまで土の中に埋まっていたことが理由だそうです。さすがにチュニジアで30年日本語ガイドをしてきた人の説明は分かりやすいです。
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競技場の北側はかなり本格的に修復がされています。修復というよりも新たに作られたようになっています。この競技場は現在もイベントで使われているそうです。
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競技場の中央部分は地下にも構造物があり、その部分は金網で覆われて上から見ることが出来ます。地下には戦士の控室や猛獣を入れておく織などがあります。ほとんど映画「グラディエーター」の世界です。
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映画「グラディエーター」のロケ地はモロッコのアイト・ベン・ハッドゥで、円形闘技場があった跡も見ましたが、言葉通り跡形もない状態でした。
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現在の闘技場の地面は土ですが、大理石で造られた排水口がいくつか残っていました。元々は全面が大理石張りだったようです。
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ガイドさんの説明を受けた後はフリータイムになり、上階に上がったり地下に行くことが出来ました。
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まずは上階への階段を登って周囲を見渡してみます。周りに立つ建物はどこも2階から3階建てで、目障りになるような近代的なビルはありません。
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元々はこの上に大理石が張られていたと思うとその高度な建築の精度に感嘆します。現在は下地として隠れてしまう部分だけが残されていますが、それだけでも美しさを感じます。
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18世紀のイタリアの画家で建築家でもあったジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージの版画を思い出させます。ヴェネツィアで石工職人の息子に生まれ、母方の叔父から建築と製図を学んでいます。1740年にローマに出て、古代の遺跡に興味を持ち、さらに版画を学び、ローマの古代遺跡や都市景観を「ローマの古代遺跡」「ローマの景観」などを刊行しました。
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ピラネージの描く「牢獄」シリーズのエッチングの中に迷い込んだような気分です。ローマを旅していると彼の版画のレプリカを買うことが出来、何枚かを自宅にも飾っています。スリランカを旅した際にはジェフリー・バワの「No,11」や「ルヌガンガ」の母屋の中にピラネージのエッチングを見つけたときは感動しました。
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円形闘技場の周りには何本かの街道が見え、この町がその中継地点であるということが分かります。オリーブの生産以外にも交易の中心地として栄えたというガイドさんの説明が実感できます。
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修復された観覧席と古代の遺跡エリアとは明確に分かれているように思えます。20代後半でアルルの闘技場、30歳の時に初めてローマのコロッセオを見て感動したことは今もよく覚えています。
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それ以降ヨーロッパ各地やトルコでも訪れる機会はありましたが、ようやく北アフリカのローマ遺跡にたどり着いた気分です。
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時間があればスケッチの1枚でも絵が来たいところですが、妻と一緒のツアーではそんな願いも叶いません。30代までの一人旅が懐かしく思える時がありますが、この時もそんな気分でした。
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今は妻と一緒に旅が出来ることが一番だと思います。
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地下通路への階段も降りてみました。こんな地下通路にまで入れるとは思いませんでした。通路を抜けると時代が古代ローマになって、戦わなければならなくなるような状況にならないことを願います。
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こんなトイレまで残されていました。
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気分は剣闘士なのですが、鎧も楯も無いので、買ったばかりのクスクス鍋を被ってみました。
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今回の旅もずっと天気が良かったのでありがたかったです。まだ真夏の暑さにはなっていませんが、日差しはとても強かったです。
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外壁が一番きれいに残っているのはトイレの周辺でした。敷地の広さもあるので少し離れた場所から俯瞰することが出来ます。
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遺跡の見学が終わった後は少し時間があったので敷地内にあったお土産物屋を覗いてみます。
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マグネット好きにはたまらないですね。ここでは地図2TND、絵葉書が10枚で3TNDと安かったです。
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売り物のマットの上に子猫が昼寝をしていました。チュニジアでは猫がとても大切にされています。これは預言者ムハンマドが猫好きだったことに由来するようです。インドでは犬は大切にしますが猫は嫌われています。イスラム教とヒンドゥー教の一番の違いかもしれません。
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レプリカのモザイクもとても魅力的に見えてきます。今回のツアーを選んだ最大の理由は2023年に再オープンした「バルドー国立博物館(Bardo National Museum)」の見学が含まれていたからです。
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世界三大モザイク博物館の1つと言われ、22年ほど前にはトルコとシリア国境近くのアンタクヤ(ハタイ)の「ハタイ考古学博物館(Hatay Archeology Museum)」に行ったときから次はここだと決めていました。
ハタイ考古学博物館:https://4travel.jp/travelogue/10364782 -
残りの博物館はやはりトルコのガズィアンテップにある「ゼウグマ モザイク博物館(Zeugma Mosaic Museum)」なのですが、2021年にオープンしています。2023年には近くまで行っていたにもかかわらず、ツアーだったので行けなかったのが今でも残念です。
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裏側をFRPの樹脂で固めたお土産用のモザイクは表から見ると本物のような肌触りです。この後の旅の道中でも何度も見掛け、最後には小さなものを買ってしまいました。
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遺跡の見学が終わりバスに向かいますが、降りた場所とは反対側まで歩くことになります。観光バスの駐車場への道中もいろいろなお土産物屋が並んでいます。チープなタオルケットですが、値段は25TNDくらいと吹っ掛けられます。
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白い夾竹桃の花を見ていると20代で初めて行った南仏の旅を思い出しました。その時に行ったアルルの円形闘技場とエル・ジェムの闘技場のイメージが重なったのかもしれません。
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ガイドさん曰く北側からのこのアングルが遺跡が一番きれいに見えるということでした。確かに街の中側から眺めるよりは古代に思いを馳せることが出来そうです。
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本当はこちら側から往復するのが本来の観光ルートのように思えました。でも、町中の商店街を歩くのも悪くはありませんでした。
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ようやく駐車場に着きました。あっという間のエル・ジェムの観光でしたが、長年の夢が叶って満足です。
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町を出てオリーブ畑越しに眺めた遺跡が一番美しく思えました。
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バスはしばらく走った後「ホテル・クラブ・エル・ジェム(Hotel Club Ksar El Jem)」に立ち寄って昼食になりました。
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ビール小瓶は1本7TNDで350円ほどです。
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まずは冷たいビールで乾杯です。
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まずは巨大な餃子のような「ブリック(Brik)」が出てきました。具材と生卵を皮で包んで揚げる料理で、中から卵の黄身がとろ~っとあふれだすところが醍醐味です。
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メインはクスクスに乗ったローストチキンです。チキンはほろほろになるまで煮込んであるので、身をほぐした後に野菜と一緒にクスクスといただきます。シンプルな料理ですが、味が染みていてとても美味しいです。今日は「クスクーシエ」も買うことが出来たので家で再現できそうです。
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デザートはカットしたメロンと小さなアンズでした。バスの中から眺めていたメロンにありつけました。杏子は小ぶりですがしっかりと甘くてとても美味しかったです。
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このホテルはリゾートホテルのような印象で、高校生くらいの団体がプールで遊んでいました。
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レストランの表はパティオのような庭園になっていて、ブーゲンビリアがとてもきれいです。
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巨大な鳥籠が置かれてありましたが、中に小鳥はいませんでした。同じようなものを見た記憶があるのですが、それg阿スリランカだったのかインドだったのか記憶が定かではありません。
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ロビーにはステンシルが美しいベンチとテーブルが置かれてありました。こういうところにはその国や地方の特産のものが置かれてある場合が多いので目を離せません。
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壁にはレプリカですが巨大なモザイクが嵌め込まれてあります。これは「バルドー国立博物館」に収蔵されている「ディオニュソス/バッカスの勝利」のモザイクです。
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これはエル・ジェム(ティスドルス)にあったアフリカの家のモザイク「アフリカの女王」です。
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こちらも「エル・ジェム博物館(El Djem Museum)」に収蔵されているモザイクのレプリカです。レプリカを見ているだけでも「エル・ジェム博物館」がツアーの中に含まれていなかったことが悔やまれます。
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昨年沖縄の海洋博公園で貰って来たブーゲンビリアは旅行にばかり出掛けている我が家では育てることが難しく友人に託してしまいました。うちのベランダでは瀕死の状態でしたが、友人宅では大きく枝を伸ばし何度も花が咲いています。
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昼食が終わった後は高速道路でさらに南部の「マトマタ(Matmata)」に向かいます。
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途中でトイレ休憩もあり、サービスエリアでバスが停まります。「merhaba」はトルコ語で「こんにちは」の意味ですが、チュニジアでは「welcome」のいみだそうです。
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真新しいサービスエリアの内装デザインは日本のそれよりも進んでいるように思えます。変なPOPなども無く大人の雰囲気です。
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イートインコーナーもこんな感じで、デザイン的には日本はチュニジアにも負けているなと感じます。
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ガイドさんがマグレブの国々の中ではチュニジアが一番発展していると自慢げでしたが、モロッコと比べても実際にそう感じました。
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炭酸入りのアップルジュースを買って表で飲んでみましたが美味しかったです。トイレは有料のようでしたが、男性用は特に有料とは思えませんでした。
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チュニジアの移動はこのアトランティス・ヴォヤージュのバスでした。車体も新しくドライバーさんも安全運転だったので安心して乗っていられました。
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ガソリンスタンドを併設したサービスエリアはどこもこんな感じでした。
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オリーブの実は12月から2月が収穫の時期で、その収穫には北部から南部へ戻る遊牧民が働くそうです。一緒に移動している家畜にはオリーブの葉が与えられ、働いている間は無償で土地が使えるそうです。昔は収穫の1/5が相場でしたが、現在は日当が1日2,000円ほどだそうです。30日働くと6万円になり、チュニジアの平均月収くらいになるそうです。
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オリーブの木は最低15メートルは離さなければならないそうです。チュニジア人は1年で25リットルのオリーブオイルを消費するとのことでした。地面は砂のようで風紋がとてもきれいです。
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高速道路が海岸線に近いところを走っているようで、望遠レンズに替えると海が見えました。この先にはマルタ島があると思うとフェリーで旅した時のことを思い出します。
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全く家の無いような場所でも羊の放牧が行われています。こんな荒れ地でどれだけの餌があるのだろうかと思います。
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かなりの望遠で撮影しているので水平線が蜃気楼のように揺らいでいます。
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まだまだこの辺りは地中海性気候の中にいると感じられる風景は続きます。
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全く人が住んでいる気配も感じられないところをベルベルの女性が歩いています。大きな荷物を持ってこの先どうやって移動するのでしょうか。
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いつの間には海岸線を離れて荒涼とした中をバスは走り続け、周囲は礫砂漠のような風景に変わりました。
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何となくマトマタに近づいているのだろうという期待感が膨らんできます。
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この料金所のデザインが気に入り、何枚も写真を撮ってしまいました。
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道の分岐点にあるロータリーには必ず道路標識があります。聞いたことも無い地名ばかりですが、A1高速道路上だということが分かります。A-1高速道路はチュニスとベンゲルダンを結ぶ659キロの道路で、カイロからダカールまで到達する予定のトランス・マグレブまたはトランス・ノース・アフリカ・ハイウェイの一部です。日本橋を起点とするアジアハイウェイと同じような構想が北アフリカにもあります。
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夕方になって仕事終わりのトラクターを見掛けるようになります。どうやら幹線道路から外れたようです。
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この後は「マトマタ(Matmata)」に向けてラストスパートです。
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