2024/02/24 - 2024/02/24
98位(同エリア212件中)
まりも母さん
特徴的な空間の食堂と応接間 チューダー様式が随所に感じられる1階を堪能し
2階のお部屋を見に行きます。
2階も見どころ満載でした。ガラッと変わる 2階のお部屋。
しかし、甚吉邸は あれこれ盛りだくさんのテイストがありながら
1人のデザイナーの美意識の高さが それを 違和感なくまとめあげているのでした。
本当に素晴らしい建物
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- その他
-
階段をあがった先はとても複雑なフロアーのホールでした。
建物の中心部になり このホールから各お部屋へアクセスできるようになっています。
それにしても 玄関ホールからの階段、女中部屋前からの階段、玄関ホールが見える吹き抜けと
床はスキップする段差もありとても複雑です。
彫刻のある柱に手すり、デザインされた照明器具と
ここも見るべき箇所が多すぎる程です。 -
はつりと彫刻だらけの柱と梁。
これらの部材は 構造には関係なく 意匠的に使われたものです。
見た目の為にそこまでこだわる 設計者、デザイナー、そして 実際その計画を実現させた山本拙郎の3人のこだわり
こういう住宅は現代ではありえないのでしょうねぇ。 -
玄関ホールが見下ろせるカーブした手すりの前には
今和次郎デザインのシャンデリア。
その向こうには 1階から見上げた紋章デザインのステンドグラス。 -
ホールの壁面に シャンデリアと揃いっぽいデザインのブラケットも
-
吹き抜けのシャンデリアは6灯タイプで
ホール階段上の同デザインのシャンデリアは3灯タイプ。
これらの照明器具 今和次郎の描いたスケッチも現存しています。
実物の現存が少なく 幻のデザイナーと言われた 今和次郎の
貴重なデザイン画+現品が多数残っている 甚吉邸 それも重要なポイントなのです。 -
手すりの彫刻にチューダーローズが見えます。
親柱の所には四つ葉のモチーフも。 -
ホールからステップや短い廊下ですべての部屋へ繋がるレイアウトは
当時かなり画期的な気がします。
それも和室への動線もある訳で。
階段脇から更に少し上がった先に 和室が見えます。
その入口の前に腰壁があるのは 彫刻の多い洋風なホールから いきなり畳の和室が見えない配慮でしょうか。
その壁部分にも 美しいレリーフが飾られているのです。 -
その和室はこんなお部屋。「客間」とあります。
床の間のある まさしく八畳の和室。
(炉が切ってあるのは 今後の利用を考えてのもの)
窓下の地袋内にはラジエーターが設置されていたそう。
障子は下半分が上にあがる 雪見障子の造り。
面皮の丸太や竹の床柱。モダンな数寄屋風の床の間です。 -
客間の隣に廊下を挟んで畳敷きの小部屋が見えます。
その先には更にお部屋も。 -
ホール側から廊下を見るとこうなっています。
左が客間 右が着付け室。
廊下にもドアがあり 和室が見えにくい工夫がされています。 -
廊下の手前右(着付け化粧室側)には目立たない扉があり
そこを開けると急な木製階段がありました。
3階にあたるドーマーの更に上に屋上展望台もあり
白金御料地(現自然教育園)が見渡せたそう。
階段より先は立入禁止でした。
壁の向こうは和室。和室の壁は竹小舞に土、塗り壁の伝統的な工法であり
展示用に可視化されています。 -
廊下を挟んだ先の小部屋は4畳の着付け室である「化粧室」
この隣は主寝室であり 内装のテイストがガラッと変わる事から
化粧室が間に入る事で 客間の和空間とのギャップを和らげる意味合いもあろうと。 -
ここにも狭いながら床の間が設えられていました。
-
着付け室から主寝室へのドア。
一見床の間のような板敷の先にドア。
和室側と寝室側それぞれから違和感が無いようにデザインされていました。 -
ホール側から見た主寝室。
ドアは内と外 全く違った仕上げになっています。 -
ガラッと印象の変わる「寝室」
いきなり象牙色の明るいお部屋が現れました。
(天井に見えるフック状のものは 蚊帳を吊るすための金具だそう。
良く見るとかわいいデザイン金具
照明器具は 後年設置したものです) -
壁やドアに美しいレリーフのあるエレガントなお部屋。
いきなりのロココ調。
この建物は新婚夫婦の為の家であった事からも 新婦向けの優美さだったのでしょう。
ドアの形もエレガントです。
このお部屋のレリーフはアスベストの含有が疑われた為
シリコン型枠から再生した復原です。 -
作り付けのキャビネットもなんとも美しいデザイン。
施主と設計者のこだわりは チューダー様式でしたが
この寝室は 全く異なるテイストのロココ調です。
今和次郎は ロココへのこだわりも持っていた方であるそう。
寝室は 様式を変えて・・・と言うのは今和次郎の推しなのかも。 -
寝室のブラケットランプ。
こちらも今和次郎デザイン。
エレガントなお部屋にはエレガントな照明器具。 -
鏡のはめられたドアも。
こちらもお部屋に合わせたオリジナルデザイン。
取っ手がかわいらしいのですが・・・ -
バルコニーへの引き戸の取っ手もS型のデザイン。
それも引き戸用は窪んだ中にも装飾があります。
扉が二枚あるのは、ガラス戸と網戸なのです! -
バルコニーへ出てみます。(11月時バルコニーは室内から見るだけでした)
内側は象牙色に塗られていた扉。バルコニー側はハーフティンバーの材と同じブラウンに。
折れ戸の雨戸もありました。雨戸には四つ葉の彫刻。 -
バルコニーに敷き詰められたのはもちろんの泰山タイル。
ここのタイルは植物っぽい柄のエンボス。
移築の際 割れてしまうのが心配でしたが、損傷した物は少なく
ほとんどがオリジナルがだそう。 -
雨樋の留め具すら美しい。
樋のパイプを壁に留める金具もそうですが、こういうの現代にもあっても良いのに。 -
主寝室には「入込」とされる小部屋が付属しています。
ちょうど1階の居間脇イングルヌックの真上になる場所で
ここにもマントルピースがありました。
上下階で同じ煙突を使う事ができ、この2つの暖炉は実際に火が入れられました。
タイルはこちらも泰山タイル。
壁のブラケットは 今和次郎デザインかは不明ですが 古い写真にも写っています。 -
主寝室隣の「夫人室」
壁にたんすと引き出しが造り付け。 -
窓のあるのは出窓部分
外観で玄関前ポーチの上に見えたチューダー様式のあの部分です。
床はここだけ寄木細工に。 -
夫人室の天井もかわいらしい装飾。
四つ葉のモチーフの流用なのか?木瓜紋とも言えそうなゆったりしたシンプルな天井飾り。 -
夫人室から廊下へ出るとバスルーム。
ピンクの浴槽に壁と床もピンク系の大理石。
洗面台もありました(もちろん輸入品でしょうねぇ) -
浴槽の上部大理石壁の上にはこんな飾りも。
浴室ですし、ここまで装飾をいれるのか!
ドア脇にも石の装飾がありました。
バスルームと大理石貼りの壁を隔てて トイレも。
当然 水洗式様式トイレ。 -
バスルーム 浴槽の手前に小さなラジエーターカバー。
つまり・・・お風呂場にも暖房が供給されていると言う事でしょうか?
贅沢すぎる~。 -
主寝室前のラジエーターカバー。細部は違います。
-
ホールに戻り2階のトイレへ。
1階同様泰山タイルの明るいトイレが見えました。 -
ドアは木製。丁番のデザインが素敵ですね。
こういう所も一切手抜き無しなのです。 -
ここにはトイレの他 もう一つお風呂がありました。
こちらは泰山タイル張りのバスルーム。
ブルーっぽい色のタイルが採用されていました。 -
浴槽の前にデザイン格子。これもラジエーターカバーでしょうか?
中にパイプなどは見えませんが。 -
建物西側にあと寝室が3つあります。
それらは、家族と親族の為の居室です。
「第一寝室」 作り付けのたんすがあります。
(造り付けのたんす どの寝室にあります。それぞれ異なるデザイン) -
「第二寝室」こちらも基本的には板敷の床であり 洋室ですが
ここだけは日本的な仕上げとなっています。
腰壁は檜の節のある板。
移築前 壁は白く塗られていたそうです。しかし解体時 砂漆喰が認められたそうで
移築時に再現したそう。
そういえば、GHQは壁や柱をとにかく白に塗りたがるのが多かったと聞きます。
接収時代に色の砂壁が塗られてしまったのかもしてませんね。
窓前にある小さなキャビネットは 渡辺家からの寄贈品でオリジナル品だそう。 -
和室の襖の取っ手も凝っていました。
それぞれデザインが異なるのです。客間などと3種類あったようです。
この取っ手は 良く見ると中の平らな部分に三つ葉をアレンジしたような柄が。 -
飾り棚も和風ですし 押し入れもあります。
畳敷きでないのが不思議な位の和テイスト。
窓は障子のような格子入りで 応接室脇から外に降りられる階段を向いています。
他のお部屋では見なかった 紅葉(ヤツデのようでもある)の葉っぱの型ガラス。
この窓は外部には接していませんから 和テイストでも構わなかったように思いました。 -
「第三寝室」3つの寝室廊下側のドアは同じものでした。
ここは天井にアールがついています。
飾り棚とたんすが造り付け。
飾り棚の下部にラジエーター。
カバーは四つ葉とチューダーアーチのデザインされたものでした。 -
作り付けのたんす。
ここにも四つ葉のデザイン。
造り付けの家具類はすべてオリジナルデザインのようですね。 -
3つの寝室に近い場所から出入りできる外への階段。
2階のドアはスイングドアです。
左に見える窓は 第二寝室の紅葉柄ガラスの窓です。 -
階段室に下がるグローブランプ。
ガラスのシェードは普通ですが、
チェーンのデザインがすばらしいではありませんか。
これも今和次郎のデザインではないかと思いますが~。
確認出来てはいません。 -
ほぼ時間いっぱいまで見せて頂きました。
一度は解体の危機にあいながら 全くゆかりの無い場所でも
こうして前田建設のICIセンター内に移され
保存されて本当に良かったです。
レベル的には 重要文化財に指定されてもおかしくないと思いますが、
まだまだ 未整理の資料などもあるそうですし
そんな 新たな発見も期待し 興味の尽きない建物でした。 -
甚吉邸 素晴らしい建物でした。
戦前 最後の豪華な職人技が余すところなく発揮された 総合芸術作品とも言える貴重な建物だと思います。
真似で始まった西洋建築が 日本独自の解釈と職人技術で極みに達した時代の建物であったのだろうなと。
とても1度の見学会では見切れず 2度目を終えても まだまだ見尽くしてはいない感。
もう一回 今度はカメラ無しで 時間の許す限り見に行きたい建物です。
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