2021/10/02 - 2021/10/02
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FUKUJIROさん
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長く埼玉県に住んでいますが、飯能戦争という歴史を知りませんでした。
渋澤栄一翁の人気沸騰に煽られて深谷市の史跡を訪ねた折りに飯能戦争という出来事を知りました。飯能市に仕事がありましたので、ちょっと寄り道しました。
飯能戦争の舞台の一つが、能仁寺です。
寺伝によれば、文亀元年(1501年)、武蔵国高麗郡加治(現在の飯能地域)の豪族・中山家勝が曹洞宗通幻派の斧屋文達を招聘して創建したとあります。その子・中山家範が父の菩提を弔うために堂宇を建て、中山家の菩提寺になりました。そんな繋がりから、能仁寺は中山さんのルーツの一つとも云われています。
江戸時代には徳川幕府の庇護を受けて多いに栄えたようですが、幕末の戊辰戦争において、彰義隊脱退者で結成した振武隊が能仁寺に本陣を置いたことから飯能戦争の舞台となり、堂宇を焼失しました。
本堂の裏手には日本の名園百選に選ばれた池泉回遊式の蓬莱庭園が残されています。桃山時代末期に造営された蓬莱庭園は、背後にそびえる天覧山の南斜面を取り入れ、枯滝を組み、下部を池泉とした典型的な上下二段式庭園になっています。面積は約324坪、庭園の拝観料は300円。
◆天覧山に登ったときの記録もどうぞご覧ください。
https://4travel.jp/travelogue/11722259
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 徒歩
PR
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まずは飯能戦争のことを知るために、飯能市立博物館を訪れました。
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飯能市立博物館。
こちらの内部が展示室になっています、 -
飯能市立博物館の入り口。
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飯能市立博物館の入り口。
入場無料、コロナ禍ですが、特別なチェックはありませんでした。 -
西川材の展示。江戸時代、度々大火に見舞われた江戸市中、江戸の町が焼けると飯能の木材が大量に出荷されたそうです。江戸から見て西方からやって来るので西川材と呼ばれました。筏を組んで川を流しました。
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木材の標本。桐と欅では、触ってみればその違いが分かります。
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吾野水力発電所付近模型。吾野は飯能市北部の集落で、その先の正丸トンネルを越えると秩父です。
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歴史展示室の入り口です。
西川材を使っています。 -
歴史展示室。縄文時代から展示されていました。
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縄文時代の土器。いいですね。
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智観寺の板石塔婆(複製)。仁治3年(1242年)の作。
智観寺も飯能戦争の際には振武軍120名が立てこもりました。 -
明治以降の農具。
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明治末~大正期の飯能中心部。西から東を見る。
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明治末~大正期の飯能中心部。東から西を見る。
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北側左の建物が銀河堂(現在はアンティークカフェ)、北側右端の建物が中清米店(現在も米店)です。
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ここから飯能戦争のコーナーです。
彰義隊を離れ、振武軍(しんぶぐん)を結成した渋澤喜作(成一郎)=左、渋澤(尾高)平九郎=右のパネル。渋澤平九郎は能仁寺の戦いからの敗走途中で自刃、一方の渋澤喜作は函館まで敗走するも逮捕されますが、出所後は商人となり、東京商品取引所理事長等の重職を歴任しています。 -
飯能戦争のコーナーです。
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振武軍の旗。
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大砲玉箱。
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大砲玉と銃弾。
慶応4年5月23日、夜明けを待って新政府群(3,500人)は攻撃を始め、大量の砲弾を振武軍(1,500人)の本陣である能仁寺に打ち込み、戦いはわずか半日で終わりました。 -
木刀。
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軍荼利明王立像(ぐんだりみょうおうりゅうぞう)。10世紀頃。
飯能市の北部、高山不動尊(常楽院)に伝わる重要文化財。
高さ228.8cm。一本の檜材から彫り出され、埼玉県最古の木彫仏。 -
雲版(うんばん)。全国3番目に古い正和2年(1313年)の紀年銘があります。重要文化財。
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切り出した西川材を運び出す様子。
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展示の準備をしている部屋です。
どんな展示をするのでしょうか。 -
飯能市のジオラマ。街の中心部でもなく、アピールポイントが謎ですが、天覧山のPRかな。左から右へ入間川が流れ、飯能市街地は枠外の右下にあります。
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右下が飯能河原、入間川の左岸に飯能市立博物館、その北に能仁寺が見えます。能仁寺の北に天覧山があり、振武軍の見張台が造られました。
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博物館専用駐車場。無料です。隣接する飯能市市民会館や中央公園にも大きな駐車場があります。
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博物館の奥に大きな看板が見えています。
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諏訪八幡神社と飯能恵比寿神社の看板でした。
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同じ境内に祀られています。
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鳥居。正式な参道は神社の東側にあり、こちらは裏口に当たる場所です。
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境内の東から西側の拝殿方向です。
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記念碑とありますが、詳しくは分かりません。
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大きな石碑がありました。詳しくは分かりません。
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吉良蘇月の句碑です。昭和63年(1988年)建立。
稲架とれて
野に幻想の
獅子の笛
吉良蘇月は、「天覧山」や「名栗川」といった句集を出していますので、地元の歌人みたいです。 -
丹生大明神(にうだいみょうじん)。
御神体は享保雛。丹生姫は伊邪那岐神と伊邪那美神の子ながら、厄年に産まれたために捨てられてしまうという境遇を負っています。そのため天照大御神よりも先に生まれていながら、妹という謎の立場です。土と水の神様で、生命の根元を司っています。 -
中央の樹が丹生樹(たんしょうじゅ)。
別名「抱擁樹」と呼ばれる樫の御神木です。 -
創祀は永正13年(1516年)。 建御名方命(諏訪神)を勧請して諏訪神社と号し、後に信州から八幡神(誉田別命)を勧請して諏訪八幡神社となりました。
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諏訪八幡神社の拝殿。明治20年(1887年)にこの地に遷り、現在の社殿は平成28年に改修されました。
諏訪八幡神社 (飯能市) 寺・神社・教会
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諏訪八幡神社の扁額。
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諏訪八幡神社の拝殿内部。
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奥が御本殿。
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神楽殿。秋祭りでは、天下泰平、国土安穏を祈願し、獅子舞が奉納されています。
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社殿の後ろには摂末社が並んでいます。左から、愛宕神社、山祇神社、荒神神社、御嶽神社、○○神社(文字が薄くて読めません)、白山神社。
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加能神社(かのうじんじゃ)。一般的には叶神社。
智恵、吉凶福、除災、富貴、夫婦和合、子宝の御利益があります。 -
加能神社の扁額。
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恵比寿神社。武蔵野七福神の一社で恵比寿様が祀られてています。
昭和48年建立。 -
恵比寿神社の内部。
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恵比寿大神縁起です。
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飯能市市民会館と駐車場。
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駐車場に若山牧水の歌碑があります。昭和36年建立。
大正9年に若山牧水が飯能を訪れた際に詠んだ歌です。
しらしらと
流れて遠き杉山の
峡のあさ瀬に
河鹿鳴くなり -
こちらが中央公園の駐車場、無料でとても広い。コロナ禍のため使用禁止でしたが、歩くのは自由。画面の中央奥に向かって行きます。
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これを見に来ました。
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右の木は、21世記念植樹の枝垂れ桜。
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鉄腕アトム像。平成15年に移設されて来ました。
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手塚治虫先生が公認した世界で唯一の鉄腕アトム銅像です。
昭和58年の落成式には手塚治虫先生も参加しました。
アトムの身長は135cm、体重は30kgです。重さはともかく、ほぼ設定大です。 -
さて、能仁寺に来ました。
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能仁寺。
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仁王門の右手、日陰になっていますがお地蔵様が立っています。
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一番大きなお地蔵様。
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能仁寺の仁王門。
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仁王門には武陽山の額。
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向かって左側に阿形。
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日本彫塑会会員・鏡恒夫氏が製作しました。
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吽形。普通のお寺とは配置が逆になっています。
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筋骨たくましい姿です。
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参道。左右には芝増上寺から移設された石灯籠が並んでいます。
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男坂、御名坂。別名、モミジ坂とも呼ばれます。
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能仁寺の中雀門。夜間は閉じられます。
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中雀門の正面に本堂、左側に開山堂(位牌堂)が建てられています。
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能仁寺本堂。
慶應4年5月23日、飯能戦争で焼失、昭和11年(1936年)に再興されました。 -
紅炎魂コロナと名づけられた彫刻です。2009年の作品。コロナウイルスを炎で消し去ってほしいものです。
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能仁寺本堂。
曹洞宗。山号は武陽山。御本尊は毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)です。能仁寺 (能仁寺庭園) 寺・神社・教会
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能仁寺の額。
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本堂の内部。
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本堂再建記念碑。
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開山堂。
開山した斧屋分達大和尚座像を安置しています。 -
唱義死節の碑。昭和12年(1937年)に振武隊を弔うために建てられました。
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座禅堂。土日は座禅体験ができます。
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境内に併設されている墓地への門です。
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不動堂がありました。
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開運青不動と呼ばれて信仰を集めています。
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大庫院。
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境内に佇む小坊主さん。
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鐘楼堂。
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梵鐘は人間国宝・香取正彦氏が鋳造しました。
蓬莱庭園は紅葉が素晴らしいと聞いたので、改めて訪ねようと思います。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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