9万５千円で２週間、タイの遺跡やラオスを巡り、東南アジア初心者のシニア婦人たちをエスコートする旅（14/22）コラートへのバス

2019/08/25 - 2019/08/26

　ムクダハンタワーからの帰りも歩きだ。
　この日は既に1万歩l以上歩いている。
　「海外に来れば歩くのが当然」と思えばそれほど苦にはならないもので、
　暑さもそう。
　暑い国だと思えば、エアコンなしでも平気で過ごせる。
　歩いていればむだな間食もしないし、筋肉も衰えないし、良いことだらけだ。

エリア ムクダーハーン(タイ)

• 交通手段: 高速・路線バス

　屋上に円盤型の展望台のある、この町では一番の高いビル。
　何のビルかと思ったら、リバーシティーホテルだった。
　『すごい！』と記念撮影。
　どんなお金持ちが泊まるホテルなのかと調べたら、安い部屋は3000円程度で泊まれそう。
　でも私たちには、親切なオーナーのいるゲストハウスの方がお似合いかな・・

リバー シティー ホテル ホテル

　また雨が降ってきた。
　雨にたたられるムクダハンとサワナケート。

　「あっ！」
　サワナケートの布屋さんの女将さんだ。
　こんなところで会えるなんて！
　雨の中でも嬉しいことが起こる。

　「そろそろお土産を買わなくては・・」
　とデコちゃんは石鹸をたくさん買う。
　タイの香りのする石鹸だ。
　「重くなるけど、買いたいものがある時に買っておかなきゃ・・」
　その通りです。

　ヨッコは旅行用のバッグを探す。
　持参したポリカーボネート製のキャリーケースは中央開きで、使いにくい。
　ファスナーも不調となってきている。
　というわけで、ちょっと大きめのバッグに買い替えることにした。
　値段を聞くと1200バーツ（4200円）。
　それを1100バーツに値切り、自分の力で値切れたことに大満足。
　「日本で同じものを買うと、1万円以上はするんだよ。」
（品質に心配はあったが、何の支障も出ずに使えてます。）　

　一夜明けて、ピマイに移動する日。
　昨夜からの雨は、まだ降りやまない。
　トゥクトゥクに乗ってバスターミナルに向かう。
　バイクと軽トラを合体させた乗り物は、ガーガーとけたたましい音をたて、路面のおうとつをじかに拾ってガタゴタと走る。

　こんな乗り物だけど、今の日本ではできないことで、
　タイまで来たことを身体のすみずみが覚える体験だ。

　目的地のピマイは、遺跡のある小さな田舎町で、大都市コラートを経由して行くことになる。
　コラート行きのバスは１日６本だ。

　8:45のバスを待つ。
　何もしないでぼんやり待つことも旅で、

　小雨の降りしきる中を、トラックの荷台に揺られて走り去っていく家族や、

　大きな荷物の中身を確かめているおばさんや、
　目を細くして迎えを待っているお婆さんや、
　くしゃくしゃになった袋の中から、たばこをさぐるお爺さん、
　欲しそうなお菓子があっても、親を困らせないようじっとしている子どもたちを観察していると、

　コラート行きのバスがやって来た。
　コラートの正式名称はナコーンラチャシーマ。
　略してナコンとも言うが、昔の名称コラートが今も親しまれている。
　このバスはナコンチャイ・ツアー会社のバスだ。
　コラートまでの料金は400バーツ（1400円）。
　この料金だと、ローカルバスではなく高速バスのはず。

　乗り込むと、リクライニングできるシートで、トイレも備わっていて、もちろんエアコン車だった。
　水とおやつが配られた。

　「この車掌さん、オネエ系だね・・」
　とヨッコがささやく。
　物静かな喋り方、おしとやかな所作、目の動き・・
　タイは寛容の国だ。
　と言うか、周囲の人を、ああだこうだと批評しない。
　オネエ系にも何のこだわりもなく市民権があって、違和感を持つ人もいなく、就職にも差し障りがないようだ。
　車掌さんにはオネエ系の人が多い。

　コラートまでは390km。
　ずっと平原を走って、所要時間は７時間か。

　丸一日の長い移動になることを覚悟して、窓の外を眺める。
　あの大きな鳥のオブジェは何？
　ライチョウ？　
　キジの雌？
　町のシンボル？

　各町にバス会社の営業所があって、車掌さんは立ち寄って帳簿に記入する。

　空席が目立っていた車内もほとんど埋まってきた。
　これらの人は、どんな用事があって出掛けるのだろうか。
　みんな大きな荷物を持っている。

　バスの走る道路沿いには、池や沼があったり、

　川があり、

　町には寺院や仏像が建っていて、こんな名も知らぬ小さな町で途中下車をして、ブラブラと過ごすことも面白そうだと思うけど、
　それだけの余裕と勇気はなく、思うだけで素通りしてしまう。

　周囲はほとんどが何もない草原だ。

　そんな中に草を食む牛がいると、なぜか嬉しくなる。

　見渡す限り稲が広がる田の中で、一人で農作業をする人もいた。

　小さな子供が立ったり座ったり、こちらを見て笑ったりして遊んでいるが、

　

　同じような景色に飽きたのか、二人は居眠りを始める。

　牛を満載したトラックがバスを追い越していく。

　道端には黙々と草を食む牛の群れ。
　それほど遠くない日に、トラックに乗せられてしまうはずの牛。
　牛舎の中に閉じ込められている牛より、幸せに違いない。

　突然現れる大きな建物は何だろう。
　倉庫？　集荷施設？　加工工場？

　赤い荒野が続くこともある。

　これら不毛の地を、田畑に変えてきた人々の苦労をしのびながら、
　人と共に汗を流してきた水牛たちを眺める。

　スマホで現在位置を確かめると、バスは目的地のピマイの近くを通りそう。
　途中で下車できれば、往復２時間は節約できそうだ。　

　誰かその付近で降りないかな？
　都合の良いバス停はないか？
　と様子を探っていたが、その機会を見いだせず、
　

　そのまま乗り続けしまった。
　ノンカイとコラートを結ぶ鉄道を渡る。
　コラートは近くだ。
　

　コラートのターミナルに到着したのは、４時近くだった。
　例の車掌さんが、すごく丁寧に荷物を渡してくれた。

ナコンラチャシマ 第2バスターミナル バス系