
2019/08/19 - 2019/08/19
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motogenさん
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ジャングルの中に埋もれていた寺院や仏塔が、永い時を経て、突然日の目を浴びてここにある。
当時の人々の思いや夢が、残像となって石柱の陰に浮遊しているようだ。
そうならば、物見遊山で駆け回るのではなく、当時の人々をしのび、それなりの見識を持って接すべきなのに、
ガイドブックをいくら読んでも、分かったようで分からないことばかり。
この地域に栄えてきた民族・部族の歴史や、彼らの文化・伝統・宗教を深く学ばないと、遺跡の価値や意味が理解できず、彼らに申し訳なく思う。
彼らに謝って、今日は絵のような公園の景色を楽しもう。
広々とした梢の間を自転車で走り回り、身体を動かす爽快感を味わおう。
「スコータイは、良かったね・・」
と言えるように、ここにやって来た意味を見つけよう。
- 交通手段
- 自転車
-
目の前に、ずらりと並ぶカラフルな自転車の群れ。
スコータイは想像以上の観光地なのだ、感嘆する。
レンタル料は一日30バーツ(100円ほど)
「安い!」 -
こんなにたくさんの自転車があれば、短足の我々が乗れる自転車もあるはずだ。
おばさんたちは子供用の自転車を見つけた。
サドルも下げてもらう。
しかし妻のヨッコの運転技術は、思いのほか劣り、走り始めや降車ではグラグラとふらついて、危なくて見ていられない。 -
人のいない場所で練習する。
「この自転車、真っ直ぐ走らない!」
「誰か、自転車、交換してあげて・・」
「この自転車も、だめ!」
自転車も良くないが、技術に問題があるんです。 -
それでも何とか乗れるようになり、
入場チケットを買って、
(100バーツ+自転車持ち込み10バーツ)
入口に向かう。
-
池を挟んで遺跡が見えた。
『マハタート遺跡』。
200m四方の堀に囲まれた、王宮を兼ねる寺院で、
18の聖堂と185基の仏塔が集まる、スコータイ最大の遺跡だ。ワット マハータート 寺院・教会
-
最初にお目にかかる遺跡は、とりわけ新鮮で、
「凄い!」
と自転車から降りて、カメラを構える。 -
ヤーコは草の斜面をズルズルと滑り降りて、池に近づいて行く。
遺跡をバックに蓮の花を撮るんだと言う。
こんなやんちゃな人だったのか!
思いたったら少々の危険をかえりみない一面を見て、彼女のたくましさに驚いた。 -
撮った画像を見せてもらう。
『蓮の花とワット・マハタート遺跡』
アルバムを作成して、Lineで配布するのだと言う。
彼女はLineも得意である。 -
欧米人のツアー客たちが歩いていた。
欧米人は個人旅行が主流だが、現地ツアーに参加することも好きだ。
スペイン人が主流の一団だった。 -
私たちもその遺跡に登って、
-
仏像を間近に眺める。
マハタート遺跡を代表する、スリランカ様式の仏像だ。 -
13世紀前のこの地方は、アンコールワット寺院を建てたクメール帝国の支配下にあり、ヒンズー教の遺跡が数多く造られた。
そのクメール帝国が弱体化すると、この地にタイ族初のスコータイ王朝が成立した。
スコータイ王朝は、スリランカから伝来した仏教を尊重し、スリランカ様式、北部タイ様式(チェンマイ)、南部タイ様式(アユタヤ)など、様々な様式の仏塔や仏像を建立する。 -
スリランカ様式の仏像の特徴は何だろう?
それが良く分からない。
顔が長方形に近く、目の形も独特で、
肩幅が広くて腰が小さくてしまっていて、
手や足などが細長く、
全体的に直線的で、衣服のヒダも直線的・・
ふくよかな日本の仏像との違いは分かるが、タイ様式との違いは微妙で、私にはよく分からない。 -
仏像に比べると仏塔の違いは分かりやすい。
この仏塔はスコータイ様式で、最上部が蓮のつぼみ型になっている。 -
基盤にはたくさんの遊行仏が並んでいた。
なよなよした仏像が、スコータイ様式の特徴だ。
遊行仏は、アンコールワット遺跡で舞い踊るアプサラ(踊り子)に、どこか似ていて、
仏教寺院でありながら、ヒンズー教の影響を受けている。 -
とんがり帽子にぷっくらした胴体の仏塔が、スリランカ様式だ。
東南アジアの仏教は、スリランカを経由して伝わってきたため、スリランカ様式が多い。
釈迦の生誕はインドだが、身分差別の厳しいカースト制度のインドでは、平等思想の仏教は普及しなかった。
仏教はスリランカで隆盛して東南アジアへ、一方で中国を経て日本へと伝わり、その土地の風土や風習、時代の要請に合わせて変化してきた宗教だ。 -
「おっ!」
「アンコールワットと同じみたい!」
仏教寺院なのに、ヒンズー教が各所に顔を出す。
スリランカ様式、スコータイ様式、ヒンズー教・・
ここは様々な様式がごった返している。 -
様式や伝統だとの、ややこしいことはほっといて、
おばさんたちは各自好みの記念写真を撮ろうと頑張っている。
ま、これはこれで良いことでしょう。 -
そして、広い公園内を自転車で走り回り、若かりし頃を思い出す。
健康のありがたさを実感する。
何と気持ちの良いこと!
子供用の自転車も、可愛いではないか。 -
『ワット・シーサワイ』の前に立った。
クメール人が造った、れっきとしたヒンズー寺院。
ここは全てがアンコールワットと同じだ。
あれ!
塔の前に人だかりができている。
https://youtu.be/9IYlME5RWk4ワット シー サワイ 寺院・教会
-
繭型の仏塔に近づいてみる。
仏教寺院に改装されたというが、 -
まだあちこちにヒンズー教の神々や、踊り子のレリーフが残っている。
このあいまいさがアジアの面白いところ。
アンコールワットを思い出し、
「こんなのあったよね・・」
「これ、守り神だよね・・」
と妻のヨッコは興味をもって眺めている。 -
ここにいると、仏教について考えてしまう。
釈迦の悟りは、
「苦悩は煩悩から発する」もので、
釈迦はその煩悩をなくす修練に励んだのだ。
宗教というよりも思想だった。
釈迦の教えには、神も如来も菩薩もなく、寺院もなく、死後の世界もない。 -
ところが釈迦が歿して数百年経つと、「釈迦の教えだ」と称して、勝手勝手に経典を作成する弟子たちが現れた。
経典は莫大な数に増え、中国語や他国の言葉にも翻訳される。
が、どれが真の釈迦の教えだったのか、訳が分からなくなり、
中国に渡った空海や最澄は、迷ったあげく、その中から自分に合うものを日本に持ち帰ったという。 -
日本の仏教は、己だけでなく他人の苦悩をも救おうとする大乗仏教だ。
中国を経由しているうちに、菩薩、如来、明王、天部などの偶像崇拝が入り込み、
「果たしてこれは、仏教なのか?」
と異議を唱える学者もいるほどになる。 -
タイやラオスに伝わった上座仏教は、釈迦の教えに忠実だと言われるが、
輪廻転生・因果応報など、ヒンズー教やそれまでの文化風習を取り込んだため、民衆に指示され広まった。
功徳を積めば来世は幸せな人生を送れると、貧しくてもお布施に精を出している。 -
大きな池にやって来た。
『銀の池』と呼ばれる池で、池の中に浮かぶのが、
『ワット・トラバングーン』遺跡となる。ワット トラパン ングン 寺院・教会
-
足を曲げて色気のあるポーズをとる仏像が、芝生のど真ん中にあった。
スコータイ様式の仏像は、なぜこんな色気があるのか?
疑問が増えていくが、
おばさんたちは「イケメンで素敵!」と気に入っているようだ。 -
小島に渡ると、
-
『ワット・トラバングーン』の本堂の跡があった。
-
「この仏塔も、上が蓮の実なんだよね・・」
「時代が進むと、木製の部分が増えていくんだって・・」
などと学習していると、 -
お姉さんに声をかけられた。
スコータイについての口答アンケートだった。
アンケートと言っても雑談で、つたない英語とタイ語の、憶測混じりの受け答えだ。
しかしこのお姉さんが良い人で、ついつい長話となり、別れる時には一人一人とハグを繰り返す。
現地の人とのこうした交わりが、旅に出ると何よりの楽しみで、おばさんたちもすっかり元気になる。 -
日差しが強まり、じわじわと肌を焼く。
遺跡巡りは道半ば。
まだ見学していない遺跡があるが、さらさらとそれらを回り、 -
スコータイの英雄・ラムカムヘン大王の、
ラームカムヘン大王記念碑 モニュメント・記念碑
-
凛々しいお顔を拝見して、ここらへんで城壁内は終わりとする。
-
冷たいアイスクリームをなめて、一休み。
昼食時間が近づくが、公園内にはレストランはない。
西の丘陵まで足を伸ばし、その途中で食事にしようと、ペダルを漕ぎだした。
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