9万５千円で２週間、タイの遺跡やラオスを巡り、東南アジア初心者のシニア婦人たちをエスコートする旅（3/22）市場の臭い・出会う人たち

2019/08/18 - 2019/08/19

　７時間のバスの旅で到着したスコータイ。
　ソンテオから降りると目の前に、立派なゲストハウスが建っていた。
　この路地に泊まったのは10年前だが、
　当時、こんなゲストハウスがあっただろうか？
　素朴さと田舎臭さを期待してやって来たが、半分嬉しい誤算となった。
　
　　
　

エリア スコータイ(タイ)

　ＴＲゲストハウス。
　600バーツ（2100円/１部屋）と田舎町のゲストハウスにしては高めだが、
　観光地はこんなものだろう。

TRゲストハウス ホテル

　玄関前には食事や休憩をする場所もある。
　この宿に3泊して遺跡巡りをする予定だ。
　

　チェックインで、4人全員のパスポートコピーを求められた。
　対応してくれたのは、ざっくばらんなお兄ちゃん。
　ゲストハウスのこの気さくさが好きだ。

　昨夜とは違う奇麗なお部屋だった。
　とたんにおばさんたちの顔がゆるむ。
　タオルも花型に飾られていて、
　「崩すのはもったない・・」
　と崩した後で、真似してたたんでみるデコちゃんで、
　「あれっ、意外と簡単だよ！」

　シャワーとトイレとの仕切りがあって、水はけも良好。
　華美なバカンス旅行を期待しない私たちは、
　多少狭くても、大理石でなくても、バスタブがなくても、ヘアドライヤーがなくても、これで充分です。

　おばさんたちは、こんなものにもカメラを向ける。
　「可愛らしさ」は日本人のおばさんをも虜にしている。

　敷地は奥の奥まで続いていて、洗濯干し場や、10台以上も車が入るガレージがあった。
　バイク旅のアメリカ人が、転倒したバイクの修理をしている。
　１年の半分はアジアを走り回っているとかで、大きなバイクに巨大な身体。
　映画の悪役のような風采だが、話すと愛嬌ある人だった。
　人は見かけでは分からない。

　ガレージの奥にバンガローが並んでいる。
　バイクの男性はここに泊まっているようだ。
　洗濯干し場の許可を得て、洗濯することにした。
　手洗いと手しぼりで手が痛くなる。
　便利さとは無縁の生活こそが、アジアの旅だ。

　タイの気分をもっと感じてみよう。
　おばさんたちを連れ出して田舎町を歩く。
　空は曇りがちで、気温は３０℃。
　日本よりも涼しく感じる。

　「まあ、この川、まっ茶色よ！」
　赤土を含んだヨム川は、レンガ色に濁り、あふれんばかりに水をたたえて、ゆっくりゆっくり流れている。
　傾斜のないタイならではの川だ。
　川岸には派手なワットが建っている。

　日本の都市は鉄道駅を中心に出来上がったが、タイやラオスでは、街の中心は今でも川だ。
　駅やバスターミナルは郊外にある。
　新市街も川のほとりにできていて、2階建てや3階建てのビルが建ち、官公庁も集まっている。

　生鮮市場にやってきた。
　朝のような活気はないが、それでもたくさんの店が開いていて、
　市場特有の海産物や生肉類や乾物の臭いが鼻につく。
　その生臭いこと。
　衣服にまで付着するようだ。

　ドカンとする暑さの中に、野菜や魚肉が並べられている。
　見るからに不衛生。
　ヤーコとデコちゃんには初の市場体験で、
　顔をしかめて逃げ出すかと心配したが、そんなこともないようだ。
　珍しい野菜や果物を前に、ああだこうだと言い合っている。

　女３人寄れば元気そのもので、
　そのものおじしない姿は、観光客の枠を超えて、いっぱしのアジアの旅人になっている。

　大きな魚をぶった切っている現地のおばちゃんとも、アハハハと笑い合って、気持で交流。
　言葉は通じずとも、通じるものがあるのです。

　夕食は、安くて美味しいと評判の『Pooレストラン』に出掛けた。

プー レストラン 地元の料理

　私たちには小奇麗過ぎるレストランで、今夜は少し贅沢を楽しむ。
　英語で書かれたメニューもあって、注文もスムースにできた。

　4人だと、たくさんの品数を注文できるのが嬉しい。
　グリーンカレーにオムレツに、
　野菜炒めに海老の炒め物。
　そしてチャーハン。
　最後は各種果物シェイク。

　「美味しい，美味しい！」
　「こんなカレーは、初めて。」
　と舐めるようにたいらげて、大満足の顔、顔、顔。
　これだけ食べて総額635バーツ（2300円）で、
　「安～い！」
　今夜は楽しく眠れそう。

　一夜明けて、起床は４時半。
　涼しいうちに遺跡見学をしようと、６時前にゲストハウスを飛び出す。
　「夕べね、地震だ！とびっくりして目を覚ますと、トイレに起きたヤーコが、ベッドにドカッと座ったり、寝返りうったり・・ベッドが大揺れで・・」
　デコちゃんのそんな笑い話で、バス停に向かうと、

　托鉢の坊さんに出会った。
　お釈迦様の説いた徳の一つが「辱めに耐える徳」
　お釈迦様は恥に耐える乞食生活を、一生続けたという。
　これが托鉢の根本思想だ。
　しかし今は、「来世は幸せに」と頭を下げてタンブンするのはおばさんで、坊さんは「頂くのが当然」とお経を唱えている。

　おや？
　バス停（ソンテオ停）の目の前で朝市が開かれているぞ。

　急遽、朝市を見学することにした。

　並べられた巨大なナマズやら、名前の分からない魚たちが、
　時々ピクピクと動いている。
　新鮮な魚たちだが、姿がグロテスクだ。

　タイに慣れてきたデコちゃんとヤーコさんが、
　覚えたての「サワディーカー」を連発すれば、
　店のおばさんも笑顔で応え、手ぶり身振りで相手になってくれる。

　デコちゃんたちの可愛らしくて、くったくのないキャラクターは、みんなの心を和ませて、楽しい会話（？）が繰り広げられる。
　おばんたちを誘って来て本当に良かったと、嬉しくなってしまう一コマだ。

　そんなこんなで時間の経つのを忘れしまい、

　急ぎバス停に戻ってきたが、ソンテオはなかなかやって来ない。
　しびれを切らして待っていると、
　バイクで送って来てもらった高校生が、降り際に、親にちょこんとワイをして感謝している。
　それを見たデコちゃんが、
　「ウチの子どもなんて、あの歳の頃は、そっぽ向いて・・・」
　と愚痴を言うが、それは我が家でも同じことで、
　「タイの人たち、心が豊かなんだね・・」
　と二人で感心しきり。

　ソンテオがやって来たのは30分後。
　庶民の足となっている乗り合いソンテオを体験する。
　

　ギューギュー詰めで身動きできない車内。
　しかし若者は女性や老人に席を譲り、後部の手すりにつかまって、ぶら下がっている。
　危険この上ないのに、この国では誰も文句を言わない。
　生きることは危険との隣り合わせ。
　そんな生き方もいいなあ・・と思える場面だ。

　学校の近くで学生たちが降りてしまうと、

　足を伸ばせ、回りの景色を楽しめるようになったのに、どこか寂しくなる私たち。

　新市街に入り、堀や城壁の跡を通り過ぎると、歴史公園の入り口前となった。
　ここからが今日の本舞台だ。
　張り切ってソンテオから飛び出した。
　今来た道路を動画で振り返ります。
　https://youtu.be/B2cDDrM4Q0I