9万５千円で２週間、タイの遺跡やラオスを巡り、東南アジア初心者のシニア婦人たちをエスコートする旅（1/22）まずはバンコクへ

2019/08/17 - 2019/08/17

　グルメやショッピング、エステや絶景、豪華ホテルやリゾートとは無縁の旅の私たちシニア夫婦。
　そんな貧相な旅の楽しさを知ってほしいと、妻の従妹のおばさん２人を誘い（正式にはお婆さんかな？）、男1人・女３人の４人旅。
　４人とも健康状態に課題を抱え、医者の処方箋薬を携えて、遺跡とメコンを見に出掛けます。
　華麗なツアー旅行に慣れたおばさんたちは、果たしてどんな反応を示すのか？
　それがこの旅行記のテーマです。
　

エリア バンコク(タイ)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 航空会社: ベトナム航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

　朝の5時半、中部国際空港行き直通バスに意気揚々と（昨夜は興奮して睡眠不足なのに）乗り込む私たち。
　主役のご婦人（おばさん）たちを紹介すると、
　左は妻で愛称はヨッコ、続く従妹たちは左からデコちゃん、ヤーコです。
　このバスの往復料金は6,600円、航空代金は51,680円で、国内移動で68,280円。
　現地での予算は1人当たり36,720円となります。
　この予算で2週間、頑張るぞ！！

　空港に到着するとターミナル内は大混雑。
　2日前の台風で、欠航が相次いだため、待たされていた人たちなのでしょうか？

　チェンクインカウンターの手続きが終了し、
　バッグの行方を心配そうに見守るおばさんたち。
　いいなあ・・・
　海外初の旅行を思い出します。

　最近の出国審査は電子機器が取り仕切り、顔認識に指紋取得、パスポート審査はみな機械。
　出国スタンプは押されない。
　「えっ！　これで終わり？」
　とそのあっけなさに驚き、　　
　「あの青い飛行に乗るのね・・」とスマホを構える。

　登場案内を待っていると、清々しい若者の一団がやって来た。
　岐阜市の教育委員会が募った「カンボジアの子供との交流」に出掛ける中学生たち。
　カンボジアには5泊するそうだ。
　自分たちを見直す良い体験になるといいね。
　カンボジアは良いところですよ。

　「ベトナム航空って、映画が見れない・・」
　と嘆く妻のヨッコを裏切って、今回は立派なディスプレイが備わっていた。
　USB充電端子まである。
　Ａ350－900で、横9列でちょっと大きめの機体。

　ルート案内はグーグルマップ似の3D画像。
　どこを飛んでいるのか一目瞭然。
　私はこれをずっと見続けた。

　おばさんたち3人は並んで座り、映画を観たりお喋りしたりで、いつもの二人旅とは違って妻のヨッコは楽しそう。
　ハノイまでの4時間半も退屈しなかったでしょう。

　ハノイに到着。
　空はどんより曇り、路面には水溜まりができている。
　雨が上がったばかりのようだ。

　ほとんどの乗客は出国手続きの列に並ぶが、私たちは再び荷物検査を受けて、

　遠くの山並みを眺めながら、

　出発ロビーで一休み。
　待ち時間は3時間のあるが、お喋りしていればそれほど長くもなく、 　

　ちょろちょろとしか水の出ない給水機にへばりつき、今夜の宿までの水をなんとか確保して、

　ハノイを発つ。

　あれっ？
　バスだ。
　「ベトナムの空気を吸えるから、これも嬉しい！」
　

　白髪のままやって来たヨッコは、すぐに席をゆずられて、
　「髪の効果、あったじゃない！」
　と2人に言われて、にんまり。

　タラップ使うなんて、そうそうできるものでなく、

　ターミナルビルをこんな場所から見るのも、貴重な体験で、

　飛び立てば、下界を撮影します。

　ハノイからバンコクまでは１時間30分。
　機内食を食べたり、出入国カードを書いたりすると、あっという間。
　出入国カードの記入は四苦八苦で、焦る焦る。
　（タイの出入国カードは、いつの間にか新型となり、用意していたカードが使えない）

　着陸間際のヤーコの写真は、空港近くの高速道路までくっきり撮れている。
　さすがGALAXYだ。

　着陸時のガバッと開いたフラップは、メカ好きの私には一押しの画像。

　混雑を心配していた入国審査場は空き空きで、手荷物も順調に出てきたが、それでも長い通路と手続きに40分はかかり、

スワンナプーム空港駅 (ARL) 駅

　シティラインに乗れたのは7時過ぎ。
　外はもう真っ暗になっている。

　終点一つ手前のラチャプラロップ駅で降車して、

ラーチャプラーロップ駅 駅

　人の気配のない駅舎内を、出口を探して、エスカレータを乗り換え乗り換え、
　不安だらけの小さな冒険で、

　「どうやって出るの？」
　コインのようなトークンに戸惑いながらも、

　最後の階段を降りる。
　ここはエスカレータがなくて手足が痛くなるが、疲れよりも危機感が強く、火事場の馬鹿力を出して、

　降り切りました。
　バンコクの匂いが充満し、歩道も車道も混沌一体となった夜の繁華街を、
　汗まみれになって私についてきます。

　目指すホテルの名は『ShiningStar』
　ラチャプラロップ駅に近いという理由で選んだ安ホテル。
　それでも１泊１部屋600バーツ。
　空港へのアクセスが便利な地区では、これが最安。
　バンコクは物価高。

　地図で場所を確認していたはずなのに、現実と地図は違うもので、ナイトマーケットに迷い込むと、親切なおばさんがホテルに電話をして場所を教えてくれた。
やっとのことで目的地に到着。　
　「えっ？」
　「こんな寂しい所？」

　看板はあっても、その気にならなきゃ見つからない見にくい看板。

　フロントには怖そうなお兄さんが立ち、
　周囲の客たちも、怖そうな顔をしたアフリカ系やアラブ系の人たちが多く、
　慣れないおばさんたちは、ショックが大きかったようで、

　狭い廊下に狭い階段に、
　大きな荷物が通せんぼをしていて、歩くにも一苦労し、
　（いや、歩けない）

　「もう、こんな所、来たくない！」
　とは後から聞いた話だが、
　バンコクに戻ってきた最後の夜は、再びこのホテルだ。
　寝るだけの通過点なので、強い気持ちで我慢してください。
　２人用の部屋を２つ確保したが、私たちの部屋には大型ベッドと小型ベッドがあって、3人は寝れそうだった。

　何とか寝れそうで、エアコンも効くが、天井が低くてかび臭く、おばさん方の顔は曇る一方。
　おまけにシャワー室の水はけが最悪で（排水口に水が流れて行かない）、床が水たまりになってしまう。

　デコちゃんとヤーコは、それでも泣き言を言わずに荷物整理。
　近くのコンビニで買ってきた水を部屋に置いて、
　「明日は、スコータイ行きのバスに乗るから、早起きして、頑張ってね。」
　と励ますのだった。