9万５千円で２週間、タイの遺跡やラオスを巡り、東南アジア初心者のシニア婦人たちをエスコートする旅（18/22）ピマイをあとにして

2019/08/28 - 2019/08/28

　朝早くからせっせと屋台の準備をしている隣のおばさん。
　煮物やソムタムの下ごしらえをして、その合間に椅子やバケツを外に運んでいる。
　その様子を眺めていると、お姉さんから声がかかった。
　「ビッグマーケットが開く日よ。
　案内するから準備して。」
　このお姉さんはオーナーではなく、玄関脇の狭苦しい部屋に寝泊まりして、ゲストハウスの管理を任されている従業員だった。
　オーナーは近くの化粧品屋さん。
　お姉さんは昼間そこで働いている。

エリア ピマーイ(タイ)

• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩

　お姉さんの先導で町に出る。

　モーニングマーケットにやって来たが、昨日の朝と変わりないようで、
　「ビッグって何？」と思っていると、
　

　そこを通り過ぎて南へ南へと歩いて行く。

　あれっ、ここは勝利の門のある広場だ。

　昨日、自転車でやって来た『クティルーシー遺跡』もすぐそこだ。
　しかし今日の道路には露店が並んでいる。

　昨日は何もなかった広場に、ぎっしりテントが張られていて、人だかりができている。

8マーケット 市場

　これかビッグマーケットなのか！
　食料品、工芸雑貨、衣類、玩具、履物、刃物、電気製品・・
　名前の通り、ビッグだ。

　メダカや金魚、熱帯魚・・・
　ありとあらゆる物が集められているようで、

　全部見て回ったら、半日以上はかかりそうだ。

　帽子屋を見つけた。
　トゥクトゥクに帽子を置き忘れたヨッコは、チャンスとばかりに物色し、
　気に入った帽子があり過ぎて、３つも買ってしまった。
　3個で30バーツ（100円）と信じられない顔をしている。
　エンピツ削りは５バーツだった。

　私も3足30バーツの靴下を買う。
　このマーケットの価格破壊は強烈で、
　帰国すると、もっとたくさん買ってくれば良かったと悔やんだ。

　朝からずいぶん歩いたが、
　ゲストハウスに戻ると、お姉さんはさっそく朝食の準備にとりかかった。
　私たちの分まで作ってくれる。

　電気調理器の中では、大きな魚（名前分かりません）のココナッツオイル焼き。
　炊飯器の中には雑穀米が炊けていて、

　お姉さん特製のナス漬けや野菜も並べられ、
　私たちが買ってきたものも合わせると、朝食とは思えない豪華な食事となった。

　「いただきます」とみんなであいさつ。
　これらは、お姉さんの私的なおもてなしのようだ。
　こんなサービスをしてくれたのは、おばさんたちの無邪気さや楽しさがお姉さんに伝わったからだろうか。

　食後のデザートまであった。
　施設的には何のことはないゲストハウスなのに、今回の最高のゲストハウスとなり、
　ピマイといえば真っ先に思い出されるのは、このゲストハウスとお姉さんだ。

　バスの時刻が近づいてきた。
　強く辞退されたものの、それなりのチップを握らせてチェックアウトし、

　時計塔の前の化粧品屋でバスを待つ。
　ここがゲストハウスのオーナーが経営する店だ。

　バスを待つのは私たちだけ。
　荷物は道路に置きっぱなしだが、お姉さんが見ていてくれる。

　私たちは涼しい店の中で、化粧品やアクセサリーを見ていると、
　バスがやって来て、

　お姉さんと別れを惜しみ、メールアドレスの交換までして、バスでコラートへ。

　ここコラートのターミナルは何度も来たことがあるが、大都会は敷居が高く、いつも通過点として立ち寄るのみ。
　今回が初めてのコラート滞在となる。
　市内を巡回するソンテオでホテルまで行く予定だったが、

ナコンラチャシマ 第2バスターミナル バス系

　目の前のトゥクトゥクに誘われて、

　４人分の荷物も積めると言うので、乗ることにした。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　ずり落ちそうになる荷物を腕や足で支えながら、

　トラックやオフロード車が疾走する幹線道路や、車幅ぎりぎりの狭い路地を走り抜け、

　予約してあったホテルに到着した。
　ホテルは鉄道駅と城壁のチュンポン門をつなぐ道路にあり、繁華街ともいえる場所にあって、

シリ ホテル ホテル

　車の通りも多く、これまでのゲストハウスとは雰囲気が違っている。
　「ここが『シリ・ホテル』なの？」
　とトゥクトゥクの運転手に念を押し、
　

　しずしずと入っていく。
　予約してあるのは大きな４人部屋だ。　

　さて、どんな部屋だろう・・
　

　見ればそれなりに広く、ダブルベッドが２つあって、
　その奥にバスルーム兼トイレ。
　4人でも困ることはないだろうと思っていたが、

　デコちゃんから話を聞けば、ヤーコは就寝前にバタバタと全ての荷物をベッドに拡げ、一つ一つ点検して詰め直し、ラフな姿で転げまわっているそうだ。
　やはり、同室は間違ったかな・・？
　と、ためらいも出るが、まあ、一晩なら大丈夫でしょう。

　「もうすぐ帰ることになっちゃうんだね。
　さびしくなっちゃう・・」
　と言いながら、ヨガ体操に励むデコちゃん。
　帰国まで残りは実質３日。
　最後は何で飾ろうか・・と考えながら、駅まで列車のチケットを買いに出た。