9万５千円で２週間、タイの遺跡やラオスを巡り、東南アジア初心者のシニア婦人たちをエスコートする旅（11/22）ラオスの町を歩く

2019/08/23 - 2019/08/23

　ラオスの町を歩いている。
　目的地は恐竜博物館。
　博物館にほとんど期待はしていない。
　サワナケートの見どころを探すと、２つ、３つしか見つけられず、恐竜博物館はその中の数少ない場所だったが、
　それよりも、ラオスを歩くということが大切だ。
　めったに日本人が訪れない国・ラオス。
　バカンスを楽しむ日本人観光客は、決してやって来ないサワナケートの町。
　へそ曲がりの我々は、そんな名も知れぬ町を歩くことを楽しんでいる。　

エリア サワンナケート(ラオス)

• 交通手段: 徒歩

　公園の中に銅像が立っている。
　ラオス建国に貢献した人物なんだろう。
　この銅像は、先入観のせいか、ここは社会主義の国なんだと確信させる。

　野良犬がうろついている。
　タイの野良犬は人慣れしておとなしいが、ラオスの犬はどうなんだろう。
　噛みつくだろうか？
　たじろいで立ち止まると、犬の方が悲しそうな眼をして、私たちを避けた。

　「ねえ、まだなの？」
　「この道、合ってるの？」
　博物館の方向が分からなくなってしまった。
　靴が赤土で汚れる。
　汚れてもよい靴を履いてきたことは正解だった。

　グーグルマップを見ながら歩くのに、いつも遠回りをしてしまう。
　どうもここが恐竜博物館らしい。

　博物館というより、田舎の診療所みたいだ。
　博物館への期待は、ますます薄れていく。
　おまけに、敷地内には人の気配がない。
　定休日なのかとドアを押すと、ドアは開いて、反対に不気味だった。
　そっと中に侵入してトイレを探す。

　トイレを済まして館内から出ようとすると、突然人が現れた。
　昼食休憩から帰ってきた職員だった。
　昼休みになると、誰もいなくなってしまう博物館。
　これがラオスなんだと、面白くもある。

　叱られるのかと思ったら、対応は驚くほど親切だった。
　ネクタイをした立派な人が、私たちを案内してくれ、

　女性の学芸員が一つ一つ説明してくれる。
　英語の解説なので半分も理解できないが、見栄っ張り私たちは、分かったふりして笑顔でうなずく。

　大きくて立派な化石が、たくさんあった。
　この町の周辺で発見された恐竜化石だ。
　ラオスにも恐竜がいたんだと興奮するが、

　
　

　気まぐれでやって来た私たちなのに、二人がかりで案内してもらって、なんと申し訳ないことか。
　がらになく取り澄まして見学するシニア日本人たちだ。
　入場者が少なくて学芸員は暇なのかも・・とは思いながら、

　大きな大腿骨を食い入るように見つめ、
　「本物は、すごい！」
　と本心から思い、

　恐竜なんて興味ないかと思っていたおばさんたちも、詳細に観察し、バチバチと写真を撮っている。
　来て良かったな・・と思える博物館だった。

　「タクシーで帰ろう」
　とも言わず、帰りもトコトコと歩く。
　タクシーなどない町だから仕方ない面もある。
　スマホの歩数計を見て、
　「毎日、１万歩は歩かなきゃ・・」

　「このごみ箱、タイヤでできているよ。」
　「ふたも、タイヤだ。」
　歩くからこその発見もあり、　

　レンタンのコンロやら、ブリキ缶で作ったチリ取りや、竹の網や蓑傘など、昔の道具との出会いもあって、　
　「昔、こんなの、あったよね。」
　と懐かしがり、

　バナナの皮で仏具を作るおばさんの、手先の器用さに感心して、失礼ながら見つめ続け、

　油にまみれて働く人たちの軒下に、幼き頃の香りがよみがえる。

　ホテルに戻ると既に2時を過ぎていて、チェックインも無事完了。
　真新しい部屋は広くて素敵だった。
　

　傘を乾かすスペースもある。

　７階の最上階は洗濯物を干す階となっていて、
　私たちもここを利用させてもらえる。
　さっそく洗濯だ。

　窓からはサワナケートの町が見渡せて、四方八方見て回る。　

　この方向にメコンがあるはずだが、川の流れまでは見ることができなかった。

　夕方の５時になってもまだ明るく、テレサ・カトリック教会に出掛けることにした。
　やって来たトゥクトゥクを拾った。
　150バーツとぼられるが、この町では諦めるしかない。
　ラオスではタイバーツが普通に使える。
　

　仏教国で社会主義国に、教会がある。
　それが珍しくて、観光ポイントになっているのだろうか。
　教会はそんなに大きくはなかった。

聖テレサ教会 寺院・教会

　聖堂に入ってみる。
　「ここで歌うと、すごくきれいな響きをするんだよ。」
　「じゃ、歌ってみる？」
　おばさんたちは本当に歌いだした。
　その続きは動画で・・
https://youtu.be/Pru9cIgDNNs
　

　協会の前はナイトマーケット。
　今回は、こんな場所で食べることが多い。

　たまには一流レストランで、ガイドブックに載っているような料理を食べたいが、あいにくここではそんなレストランは見つからない。

　ヤーコはこちらの料理は鼻についてきて、日本食を食べたいようだが、ここではそれも無理。

　７時を過ぎると、急激に暗くなってしまった。
　道路に人影なし。
　店も閉まりかけている。
　ラオスは、お日様と一緒に生活する国だ。
　トゥクトゥクで帰るつもりだったが、トゥクトゥクも通らない。　

　メイン通りに出ればと思ったが、ここでもトゥクトゥクは走っていない。
　軒下に座っているのは酔っぱらいだけ。
　前後左右を探しながら歩いていると、やっと１台のトクトクがやって来た。

　乗せてもらうと、ホテルにすぐ着いた。
　「なんだ、ホテルは近かったんだ。」
　よく歩いた一日だった。　
　また雨が降り始めている。