2017/10/01 - 2017/10/01
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motogenさん
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3番目はアーナンダ寺院だ。
180m四方の正方形の敷地の中央にパゴダがそびえ立ち、その高さは50mもあるという。
この寺院の特徴は、気品ある姿で立つ、身長10mもある4体の仏像らしい。
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-
東西南北に入口があって、中央のパゴダに向かう参道がある。
この構造は、どの寺院でも同じだった。
到着したのは北側の入口だ。 -
参道にはここもまた土産物屋がぎっしり並び、うらびれた遺跡という私の先入観は無残にも砕け散る。
-
だが宮殿のようなパゴダを見て、気持ちがシャキンとした。
渋いベージュの壁が、まばゆい対向光線に輝いている。
その気品ある外観。
これは遺跡ではない。
レンガや積み石が崩れ落ち、梁や天井が落下して、柱だけになってしまった遺跡とは根本的に違う。アーナンダ寺院 寺院・教会
-
あちっ、あちっ・・・
宮殿を一周しようとすると、強い日差しにあぶられたテラスが足裏を焼いた。
なるべく白い石を踏みながら、砂漠のトカゲのように歩き回り、 -
室内に入ってみる。
この寺院の主役は、高さ10mほどもある仏像だ。 -
宮殿の中央で4体の仏様が、それぞれ東西南北を向いて、すっくと立っていた。
マントのような衣をひるがえして立つその姿は、やはり美しかった。 -
その端正な姿に、見る目のない私といえども、うっとりとなってしまう。
しかし、これは遺跡なのか?
違う。
遺跡がこんなにピカピカと、輝いているはずがない。 -
重要文化財の仏像のその前では、カメラやスマホをかざして撮影する人が絶えなく、これらの人たちの表情を観察するのも面白い。
みんな写真を撮るためにここに立ち、上手に撮れれば満足して立ち去って行くのだ。 -
次の遺跡に向かう。
アーナンダ寺院の近くに、城壁とタラバー門があった。
城壁は一部しか残っていないが、城壁に囲まれた地域がオールドバガンだ。
バガン王朝の都だった場所で、考古学保護区に指定されている。
住んでいた人たちは強制的に疎開させられ、商店もホテルも限定されて、静かな森となっている。
独裁政権だったからできたことだ。タラバー門 史跡・遺跡
-
堀の跡も見られるが、水はなく、土砂が堆積して深さもなくなり、見るも無残な状態になっている。
-
軍事政権は、この地域を世界遺産に登録させる努力を続けたのだが、遺跡の修復に近代建材を使ってしまったため、失敗したと言われている。
修復のやり過ぎなのだ。
タラバー門を通過して、バガン王朝の都に入っていく。 -
向かうはブーパヤーだ。
-
ブーパヤー付近に到着した。
海のようなエーヤワイディー川と、小さな金色の鐘が見える。
しかし、遺跡はどこにあるのか? -
川風が吹き渡るテラスに、さびしく建っている釣鐘のような仏塔・・・
どうもこれがブーパヤーらしい。
そしてこれしかない。
このオブジェは、40年ほど前の地震で川に流されてしまい、新たに造られもの。
これでは世界遺産になるはずがない。ブーパヤー 寺院・教会
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「つまらん!」
「だまされた」
と思うところだが、それを跳ね返す素晴らしいものがここにはあった。 -
それがこの雄大な景色だ。
右の端から左の端まで180度をはるかに越えて、視野に納まらないスケールのエーヤワイディー川。
心を無限にも、無にもさせてくれる。 -
下を向けば川岸に、観光客たちが船頭に誘導されて歩いていて、
-
テラスでは入れ替わり立ち代わりで記念写真を撮る人たち。
俗な観光名所になってしまっているのは残念だが、ま、これは許容範囲で、
それを差し引いても、ずっとこの景色の中に身を置いていたいと思わせるブーパヤなのだ。 -
赤紫の袈裟をまとったお坊さん一行がやって来た。
そろってお経をあげるのもまた一興。 -
「サンセット・ボートツアーに乗らないか?」と声がかかった。
いかがわしい男だ。
夕方の5時から1時間、ボートの上から夕焼けを眺めるツアーだと言う。
15000チャット(1500円)。
よくよく話してみると、案外気の良い男みたい。
愛想笑いをして分れたが、この夕方、実際に乗ることになろうとは、ちっとも思っていなかった。
ちなみにポッパ山までの車は50ドルだった。 -
南に700mほど下ると、バガンでは2番目に高い仏塔の、ゴドーパリン寺院が見えてきた。
-
なるほど、高い!
ゴドーパリィン寺院 寺院・教会
-
そして綺麗だ。
-
この角度からの姿も良し。
-
この寺院も構造が単純で、仏塔(パゴダ)が中央でそびえ、その周りに本尊を安置する仏殿が取り巻いているだけだ。
見る目のない私は、すぐに見終わってしまう。
ああ、ここにも金ピカの仏様がある・・・
その程度の教養の低い人間なのだ。 -
ゴドーパリンの隣は考古学博物館だった。
特別入場料が必要な上に、考古学の教養不足の我が身には、たいした展示物はないと思われ、 -
門の隙間から建物だけのぞき見て、通過する。
帰国後に調べてみると、見ておけば良かったと思うジオラマ風のミニチュアがあるようだ。
見ておけば、バガン寺院への見方が多少深まったのではないかと思われる。考古学博物館 博物館・美術館・ギャラリー
-
東の方向にダビィニュ寺院があるはず。
名も知らぬ遺跡の脇を抜けて走っていく。
ガイドブックにない、こうした小さな遺跡は、遺跡らしい。
-
遠方に青いドームの寺院が見えてきた。
タビィニュに違いない。
そこまでの道は、細くて滑りやすい赤土だった。 -
もうすぐタビィニュ寺院という時に、お姉さんに呼び止められた。
赤いレンガがむき出しの遺跡らしい遺跡がある。
よく聞き取れないが、バイクをここに止めろと言っているようだ。
この先は進入してはだめなの?
入場料でも必要なの?
バイクはだめなの?ナッラウン寺院 寺院・教会
-
とまどっていると、遺跡の中に連れて行かれた。
遺跡の管理者なのだろうか?
ところが「この穴から写真を撮れ・・」と言う。
穴の向こうにタビィニュのパゴダが見える。 -
「この入口から見えるタビィニュが最も美しくて・・」
「青い色をしている理由は・・・・」
「あの塔が造られた年代は・・」
色々と説明してくれる優しくて利口なお姉さんだ。 -
もしかしたら、このお姉さんは、学芸員なのかな・・?
そうも思ってみるが、違うようにも見える。 -
「この彫り物はブラフマー、こっちはシヴァ・・・これはビシュヌ・・・」
と、内部の彫り物の説明もしてくれる。
「アンコールワットと同じ神様だ。ヒンズー教の寺院だったの?」と聞くと
「仏教なんだけど、この時代は何でもありの時代で、クメールの影響も受けていて・・・」
となかなか面白い。 -
「このシヴァは手が6本で、○○と△△を持っているが、あっちのシヴァは手が10本もあって・・・」
とガイドぶりも本格的だ。 -
ヒンズーの三神の説明までしてくれるが、英語力の劣る私には半分も理解できない。
でも楽しい時間が過ぎていく。
お姉さん抜きだったら、さっと通り過ぎるだけの遺跡なのに、自分が利口になっていくようで、すっかりこのお姉さんに心を許してしまい・・
30分以上もガイドされたところで、家に帰ればゴミとなるような絵葉書セットを、500円も払って買う羽目になってしまった。
でもこれだけガイドをされては、お礼を言うべきなんだろう。
ダビィニュに着くと、同じ絵葉書セットが200円だった。 -
これで11ヶ所中の6ヶ所を回ったことになる。
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この旅行記へのコメント (4)
-
- palさん 2017/11/01 14:05:49
- ミャンマーの、おもてなしですね。
- 私も電動バイクで、ホテルでもらった地図を頼りに周りました。
行き当たりばったりで、ガイドブックにも乗っていないパヤーにいくつも入り込みました。
ときどき、墓守ならぬ、パヤー守りの家族が隣に住んでいますね。
訪れる人が来たら、見てってくれ!とみんな嬉しいのですよ。
案内して、喜んでもらえることが、得度なのだと思います。
何か売っていますが、全く商売っ気はありません。
要らないと言ったら、それ以上売りつけるそぶりもありません。
子供たちは、手書きの絵葉書を売ってきました。
ほほえましい手書きの絵葉書はいくつも買いました。
まあ、1セット、1ドルなら、いいでしょう。
物価からは少々高いかもしれませんが、こちらも、得度でお返しです。
入ったローカルレストランでは、お土産にどうぞと、アウンサン将軍の古いミャンマー紙幣や、葉巻をもらいました。西洋人女性には、小さなブレスレットをプレゼントしていました。
これで商売成り立つの?と言った感じです。
微笑みのタイ以上に、微笑みの国ですね。
- motogenさん からの返信 2017/11/03 08:59:33
- RE: ミャンマーの、おもてなしですね。
- ありがとうございます。
バガン、まだまだ奥が深いですね。
ざっと一回りしただけで終わってしまいましたが、いつか女房を引き連れて、再度行ってみたいと思っています。
シュムリアップにも電動バイクはありましたが、二人乗りはだめだと言われました。
その点、バガンはありがたいです。
-
- trat baldさん 2017/10/31 06:18:30
- お金を持った人が居れば商売が発生します(^o^)
- これってバガンの魅力も然る事ながらmotogenさんの観光の仕方が楽しさを倍化させている様な気が、、、、電動バイクを使っての移動だよね。
最後のお姉さんに捕まった下りが面白い、寺内に入る時に素足でなければいけないの先入観が呼び止められた時にバイクの駐車が頭をよぎったことでしょう。
- motogenさん からの返信 2017/10/31 12:06:01
- RE: お金を持った人が居れば商売が発生します(^o^)
- そうですね。
バイクから降ろされて、何か言われた時は緊張しました。
ポリスでなくて良かった。
タイでは、ワットの本堂の中に入る時は靴を脱ぐことを知っていましたが、ミャンマーでは寺院の敷地の全てが土足禁止。
砂や小石があったりゴミが落ちていたり、ゴツゴツしたコンクリだったりで、足の裏がちくちくと痛んだり、こそばゆくて鳥肌がたったりしました。
現地の人は平気です。
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