行きそびれていたミャンマーに初挑戦　その１３　マンダレーに戻ろう・バスの旅

2017/10/04 - 2017/10/04

　４泊したバガンとはお別れだ。
　マンダレーに戻って、次の町ピンウールインへの手段を探します。
　エデンモーテルの前で待っていると、迎えに来たのは中型バス。
　ゲストハウスやホテルを回って客を集めながら、マンダレー方面に向かっていく。

エリア マンダレー(ミャンマー)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス

　写真を撮るのに都合の良い窓ぎわのシートが確保でき、楽しみにしていると、バスは広場で停車した。
　あれっ、みんな降りていく。
　どうやらピンクの大型バスに乗り換えるようだ。

　バガンのバスターミナルだった。
　空港も近くにある。
　後から分ったことだが、鉄道駅もこの近くだった。

　エーヤワディー川に沿って、４日前にやって来た道を戻っていく。

　基本は緑の原野であるが、

　枯れはてた川原も見られる。
　大雨が降ると川になるんだろう。　

　ゆるやかな起伏のある丘をひたすら走っていく。

　鉄道が道路に沿って走っていた。
　計画段階では鉄道の利用も考えたのだが、列車は１日１便。
　それも夜とあっては景色も見えなく、利用価値が下がって諦めた。
　線路は草だらけだ。
　こんな状態でよく脱線しないものだ。

　バスが動かなくなってしまった。
　交互通行の、あの狭い橋だ。
　前方から次々とやって来る車の列が切れない。
　おまけに狭い道路。
　すれ違いでもたついて、人が歩くほどのノロノロ運転だ。
　いらいらしながら２０分以上も待たされた。
　気がつけば、橋の真ん中に線路もあった。
　この辺りに橋はここしかなく、車もバイクも列車も、全てこの橋を渡るのだ。

　やっと自分たちの順番が来たと動き出したが、自分勝手なバイクがやって来て、橋の上で身動きできない。
　大型バスは橋幅いっぱいなのだ！
　この馬鹿！
　こんなバイクは蹴散らして行け！

　憤る私の気持ちをよそに、川はゆったりと水をたたえていた。
　この国では時間など考えないで、のんびり過ごせば良いのだ、川は言っている。

　線路を傍らをバスは走る。

　この草だらけの線路は、今も使われているのか？
　信じられない。

　気になるもう一つは、小屋のような料金所。
　バスはいくばくかの金を払って通過していくが、生活道路になぜ料金所があるのか？

　疑問が消えないまま、いつしか線路は見えなくなり、緑のトンネル道路まで戻って来た。　

　と、バスは停車して運転手が降りていく。
　見れば道端で用を足している。
　それを見た乗客も、我も、我もと降りて行く。
　ここは交通量もかなりある、幹線道路だ。

　女性までもが降りていった。
　欧米人の美しい乙女までもが、平然と草むらの中に入っていく。
　この国の良さはこれだ。
　人は飾りを捨てて、本来の姿を取り戻す。

　ノロノロ運転の荷車や、過積載のトラックを追い抜くのも一苦労。
　狭い道路。
　次から次へとやって来るバイクや車。
　それらを避けながら、ドライバーは神業のような操作を続けていく。

　ドライブインで食事休憩となった。

　さて、何を食べよう？
　みんなの食べているものを、ざらっと見て回ると、

　これがこの店の定食らしい。
　「辛い！辛い！」と言いながらも、けっこう美味そうに食べている。

　奥の厨房では忙しそうに女性が働いていた。
　香辛料と食材の臭いが充満していて、これだけで満腹になった気分がしてくる。
　それでも私も定食を頼んで、野菜たっぷりのどっ辛い、何か何だか分らないものを腹に詰め込んだ。

　外では小鳥の丸焼きや、ウズラの卵を売っている。

　美味そうなパン・・・
　一つ買ってみると１００円もして驚いた。
　ズシリとした重さ。
　かじってみるとパンではない。
　不思議な薄味で、マシュマロをぎゅっと固めた食感の、何とも言えない食べ物だ。
　もしや豆腐？

　なんやかんやで高速道路に入り、

　空港との別れ道では、６人の欧米人が降りていった。
　女性ながら、巨大なバックパックを背負う姿が決まってる。
　素敵な旅人だ。

　マンダレーのバスターミナルに到着した。
　時刻は２時半。
　バガンからは６時間少々だが、

　ホテルまでの送迎車の、渋滞時間までを考慮すれば、７時間以上はかかることになる。

　『ホテル・マハール』にチェックインし、まずは洗濯。
　クーラーの前に干しておけば、夜のうちに渇くはず。
　部屋がすごく立派に見える。
　バガンの部屋が粗末過ぎたのだ。
　同じような料金なのに、ここには冷蔵庫まであって、極楽、極楽！

　夕食は、勝手知ったる近くの露店で、

　顔馴染みとなったおばちゃんに、

　餅のような、ウドンのような、とろんとしたどんぶり物を作ってもらい、

　箸でクネクネかき回して、
　ああ、美味い。
　栄養面では頼りないが、昼食が野菜たっぷりだったから、これでいいか。
　値段も５０円と嬉しさ倍増。

　全面笑顔のおばんから春巻きも買って、

　串焼きも買って、夜食に備えよう。
　明日は高原の町、ピンウールイン（メイミョー）に行く予定で、ピックアップトラックの発着場所を見つけておいた。

この旅行記へのコメント （2）

• trat baldさん 2017/11/11 15:03:50

  motogenさんの心の中のものを引き出しちゃったな！

  便利と快適＆清潔を手に入れた代わりに経済戦争を日夜闘っている我々だけど子供の頃の緩やかさは憧れに近い感じで身体が憶えているんだよねぇ。
  Ps.前半部分で小屋の様な料金所の行が有りますがバスの右横で犬が寝ているトラ模様の台は通称貫々(カンカン)と呼ばれる車両用重量測定装置と考えられます、ビルマに道路運送法が有るなんて、、、、、、、！？

  motogenさん からの返信 2017/11/11 17:42:35

  RE: motogenさんの心の中のものを引き出しちゃったな！

  　以前、ヤンゴンに住んでいた友人に聞いた話ですが、軍事独裁政権時代だった頃は、遠方には自由に移動できず、いちいち許可をもらう必要があったようです。
  　友人の奥さんはミャンマー人ですが、田舎にもなかなか帰ることができなかったと言っていました。
  　道路のそこらじゅうにある料金所は、その検問所の名残なのかも知れません。