行きそびれていたミャンマーに初挑戦　その１２　することのなくなってしまったバガン

2017/10/03 - 2017/10/03

　「バガンの遺跡巡りは、1日あれば足りる・・」
　と書かれている旅行記がある。
　すごい数のパゴダがあるのに、そんなばかな・・
　と５泊の予定をしていたが、遺跡巡りは本当に１日で充分だった。
　ポッパ山から戻ると、することがなくなってしまった。
　4泊に短縮し、最後の１日は宿泊しているニャウンウー地区をぶらつくことにする。
　エデンモーテルは綺麗ではないが、居心地はなかなかのもので、広いテラスは気持ちが良い。
　目の前にある調理場で作ってくれる朝食も美味い。

エリア バガン(ミャンマー)

　朝食はトースト、スクランブルエッグ、果物、コーヒー。
　コーヒーやトースト、バナナは好きなだけ飲食できる。
　愛嬌のあるおばちゃんが、
「もっと食べる？」と声をかけてくれる。

エデン モーテル 1 ホテル

　通りを歩いていると日本語看板の店があった。
　ラーメン屋だ。
　しかし客はいなく、寂れている。

富士 和食

　レストランはたくさんあって、英語表記のメニューもあり、

　３００円も出せば、美味い料理が食べられる。
　

　安く仕上げようと思えば、露店もたくさんあり、

　調理作業を見ているだけでも楽しくて、

　ここニャウンウー地区は、貧乏旅行者にとってありがたいところだ。
　オールドバガンの南には、ニューバガンの町があって、中級ホテルや高級レストランが集まっているらしい。
　見てみたいが、わざわざバイクを借りて行くまでもないだろう。

　電動バイクを貸し出している店もそこらじゅうにある。

　重量のある鉛蓄電池を、床下に搭載している。
　バイクはかなり重くなるが、ニッケル水素電池やリチウム電池を使用しない分、コストは低いだろう。
　もちろん中国製だ。

　おや？
　これはどこにバッテリーがあるのだろう？

　じろじろ見ていたら、店の人が「ここにあるんだ・・」と見せてくれた。
　シートの下にあった。
　ヘルメットを入れるスペースはなくなるが、そもそも電動バイクにはヘルメットは必要ない。
　電動とあなどってはならない。
　坂道でも砂利道でも動力性能は充分で、この町ではみんな二人乗りをしている。

　夕方になると、仕事を終えた労働者たちが鞠蹴りをして遊んでいる。
　その技はみごとだ。

　家の前では生活用品を作っていたり、修繕している人々が見られる。

　自給自足に近い生活、作れるものは自分で作る生活・・
　働く親を見ながら育つ子ども。
　それが工場制機械工業社会に発展すると、子どもの目には働く人はいなくなり、消費するだけ、歓楽する人だけが写るようになる。

　市場の中も働く人々で盛況だ。

ニャウンウーのマーケット 市場

　まさに地産地消。

　小汚かろうが、非衛生的だろうが、臭かろうが、そんなことはとんじゃくしない人々の逞しさがある。

　少年の頃、こんな生活は嫌だと嫌っていたのに、今はなぜか懐かしい。

　そんな人たちの中に入って、おやつはここで食べてみる。

　おっ、可愛い！
　ミャンマー娘には、日本のギャルにない素朴な可愛さがある。

　そして可愛い子どもたち・・・

　発動機むき出しの、トラックも可愛い。

　安全基準を無視した、日本ではあり得ないような車が走るこの町は、

　『天空の城ラピュタ』の、パズーの住む町のようで、機械文明の発祥時代を彷彿とさせるのだ。

　ガイドブックにサパダ・パヤーという寺院が載っていた。
　この近くだ。
　造った僧はセイロンと関係があり、セイロン様式の仏塔だと聞いて、出かけてみる。

サパダ パヤー 史跡・遺跡

　この細長い釣鐘状の仏塔だった。
　これがセイロン（スリランカ）の仏塔の特徴らしい。
　見学者は誰もいなかった。
　車やバイクが頻繁に通るのに、みんな無視して走り去っていく。

　その近くでは道路工事の真っ最中だった。
　古い舗装を剥がして、新しい石を敷き詰めている。

　大型重機なしで、全て人力だ。
　アスファルトも大きな鍋で溶かして、ショベルで撒いている。

　働いている人の多くは女性たちだ。
　顔や手を真っ黒にしながら、それでも楽しそうに働いている。
　アジアでは、女性の力はすごいもので、その忍耐力と几帳面さで、男以上に働くのだ。

　次回のためにゲストハウスの下調べをしておく。
　部屋を見たいと思ったが、どのゲストハウスも満室で、部屋の写真は撮れなかった。
　ここは『LUCKY SEVEN GH』で、シングルが１泊１2ドル、ダブルが２０ドル。　

　『SA BAI MYAING GH』も同じようなもの。
次々に見て歩くが、どれもが安普請で、汚れていて、狭いのに、バガンでは相場の倍近い料金を提示される。
　観光都市として税金（上納金）が高いのだろうか。

　『PYNSA RUPA』の支配人のフミヤさんは日本語が堪能だ。
　エアコン部屋は旧館が２３ドル、新館が２８ドルだという。
　年間のほとんどの時期が満室で、予約なしでは泊まれないらしい。
　レビューには、たいした部屋ではないと書かれているが、バガンのゲストハウスは強気だ。

ピンサ ルパ ゲスト ハウス ホテル

　バガン最後の夕食は豪華にいこう。
　と思いながらも、食べたものは４００円前後。

　部屋の中でコーヒーを作り、電子ブックで藤沢周平の時代小説を読みながら、一人きりの夜を楽しみました。
　明日のマンダレーに戻るバスのチケット（１０００円）は確保してあります。

この旅行記へのコメント （2）

• trat baldさん 2017/11/08 06:38:03

  旅行が観光で無く旅に変わる瞬間。

  ほろ苦いけど優しさや暖かさの中を漂う時が「する事が全く無い」と表現できると思います。
  基盤のしっかりしたmotogenさんは帰るべき場所を認識できているけど多くのバックパッカー(独身)が埋没する流れに自ら漂いますね。
  Ps.僕も自分の母国を金稼ぎの場と考え、心の置き場所はトラートにあります。

  motogenさん からの返信 2017/11/08 09:43:26

  RE: 旅行が観光で無く旅に変わる瞬間。

  ありがとうございます。
  「観光が観光でなくなる旅・・」
  とても良い表現ですね。