2012/08/24 - 2012/08/24
18位(同エリア239件中)
GATさん
22日~27日までトラック諸島で計15本潜ってきました。
24日の4本目は哨戒艇34号
1921年(大正10年)5月25日に樅型二等駆逐艦の12番艦 薄として石川島造船所において竣工。
排水量770㌧ 全長83m 速力36.0kt 12cm単装砲×3基 53㎝魚雷発射管×2基を装備した小型の駆逐艦。
1940年(昭和15年)4月1日に哨戒艇に類別変更され第34号哨戒艇と命名され、主砲の一部と魚雷発射管を撤去し陸戦隊の居住区を設け艦尾には上陸用舟艇を搭載できる改装工事を実施し排水量1162㌧ 全長85.34m 速力18.0ktの実質的には高速兵員輸送艦に。
多くの資料では1943年(昭和18年)3月6日に、ニューギニア方面で標的艦 矢風と衝突沈没と記録されていますが、前部煙突より前方を切断し大破しながらも曳船により曳航されトラックに入港したのが事実です。
1944年(昭和19年)2月のトラック空襲(作戦名ヘイルストーン)では沈没せず7月3日の空襲でトノアス島(デュブロン島、旧名 夏島)、西の水深15mに左舷を若干下に傾いて沈没。
また、遺骨収集した厚生労働省の知識不足により公式記録では駆潜艇29号となっていますが、こちらも誤りで潜ってみれば駆潜艇ではない事が一目瞭然です。
黙祷の後、潜行開始。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 船 徒歩
- 航空会社
- ユナイテッド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
哨戒艇34号の艦型図。チューク州観光局で購入したDive-Mapより。
衝突事故により前部煙突より前方が失われトラック基地での応急修理により仮の艦首が取り付けらたのが分かります。 -
同型艦 哨戒艇35号の写真。
-
ポイント名 哨戒艇34号。
平均水深7.6m Max15.0m 透明度Max10m 水温30.9℃
12Lタンク背負っての40分のダイビング。
浅場に沈没しているためボート上からも船体が確認できます。
シュノーケルでも十分見れますが、この船の見所は狭い狭い機関室へ潜り込むことです。
潜行後まずは機関室へ進入。 -
機関室から進入した天窓を覗く。
当然デブは入れません。 -
フィンキック厳禁!
まずはバルブ類が見えてきました。 -
天井付近から一枚。
-
イチオシ
さらに奥へ進む。
狭すぎ!閉所恐怖症は無理! -
メインエンジンかな?
-
天井の配管類。
何回も頭ぶつけること間違いなし(笑) -
これもエンジン関係の機械でしょうか?
-
狭すぎ!器材が引っ掛かること間違いなし。
-
イチオシ
青い光が差し込み幻想的です。
-
振り返ると進入してきた経路の狭さが分かります。
-
ここで行き止まりと思い引き返すのかなと思っていたら、さらに進入!
デブは当然無理ですが普通の人も無理!
スマートな人以外は途中で詰まること間違いなし! -
狭い狭い狭すぎ!ウェットスーツは泥だらけ間違いなし。
器材が引っ掛かったら無理に前進せず少し後ずさりしてもう一度前進。 -
狭い機関室から一転して、開けた区画に到着。
多分、陸戦隊の居住区が物資の倉庫でしょう。 -
開けた区画から天窓を抜け上甲板へ。
そして艦尾のプロペラに到着。
小さい船ながら2基のスクリューが装備されています。 -
こちらは右側のスクリューです。
-
甲板まで浮上し前方へ。
後部の砲座跡付近、12cm砲は撤去されています。 -
艦内に降りる垂直ラッタル。
スマートでもさすがにタンク背負っては入れない。 -
見えにくいですが甲板上に設置されたレール。
上陸用舟艇を降ろすの使われていました。 -
中部の砲座跡に到着。
ここでガイドとブレークして単独で船外を探索。
まずは後部へ。 -
中部兵員室上の甲板。
物資を降ろす小型デリックが左右2基設置されていました。 -
小型デリックを通過後前方を振り返る。
ちなみに水深は3mです。 -
後部へ進むと後部砲座跡に到着。
駆潜艇ではない証明の一つです。 -
後部砲座跡と珊瑚。
-
後部砲座跡から艦内を覗くも入れそうにない。
-
さらに艦尾へ。
-
艦尾付近には爆雷が装備されたままです...。
-
真艦尾から見た哨戒艇34号。
珊瑚が付着し船とは認識が難しい?
良く見れば艦尾が傾斜しているのが確認できます、これは搭載されている上陸用舟艇を降ろすためのスロープです。 -
この写真は1943年4月に与那国島南方で米潜シーウルフの雷撃により撃沈された哨戒艇39号です。
艦尾のスロープがはっきり確認できます。
ちなみに駆潜艇にはこの様な設備はありませんが厚生労働省どうでしょうか? -
Uターンし前方へ。
-
舷側から兵員室を覗く。
-
次の3枚は比較写真です。
薄暗いので水中モードからローライトモードで1枚。 -
再び、水中モードで。
-
次は蛍光灯下のモードで1枚。
-
艦首を目指します。
-
奥に見えるのは仮設の艦橋構造物です。
-
艦首に到着。
鈍角な仮艦首が確認できます。 -
艦首から一枚。
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艦首から見る仮設艦橋。
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仮設艦橋を拡大して1枚。
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中部付近の砲座跡。
2本の煙突は破壊されたのか戦後撤去されたのか不明ですが跡かともありません。 -
甲板は珊瑚ビッシリです。
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さらば哨戒艇34号!永遠の眠りに。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 横浜臨海公園さん 2012/11/25 08:15:38
- 哨戒艇34号
- GATさま、おはようございます。
日本海軍哨戒艇34号の旅行記を謹んで拝見させて頂きました。
浅海に沈没している為に、当時の海軍は潜水艦で行った様に、浮上させなかったのかとも疑問を抱きます。
然し、小生が直接知る限り、同じ官僚でも農水省あたりは農政を志願して入省した努力家ばかりと異なり、厚生労働省のソレはバカばかりと印象です。
兎に角、片手間作業だからと遺骨収集や資料整理に対し不熱心で不勉強!
国の為に戦死された方々を何だと思っているのかと、何時も軽蔑交じりに呆れております。
毎年、遺骨収集に参加している
横浜臨海公園
- GATさん からの返信 2013/01/27 20:07:11
- 今年も遺骨収集頑張ってください。
- お疲れ様です、横浜臨海公園さま。
確かにあの水深だとサルベージは簡単と思います。
しかし浮揚させた所で修理するには多大な労力が必要で結局、今の状態のままになったのでしょう。
今年も硫黄島で遺骨収集作業でしょうか?
灼熱の島での作業健康に気をつけてください。
by GAT
-
- aoitomoさん 2012/11/24 17:06:40
- アマチュアダイバーの域を超えている!
- GATさま
また凄いところ潜られましたね。
浅いとはいえ、船体内は瞬時に水面に浮上できるところではないですから、恐ろしいですね。
分かっていても、巻上げそうそうな狭さですね。
ガイドもそれなりの技量のあるダイバーしか案内しないのだろうけど、それにしても、狭い船内に入り込むファンダイブがあること自体が恐るべしトラック諸島。
この分だと今度は、BC脱着しながら船内に入る勢いですね。
いつも、凄い沈船レポートご苦労さまです。
aoitomo
- GATさん からの返信 2012/11/25 10:46:32
- おはようございます。
- おはようございます。aoitomoさま。
トラック諸島ホンマ恐るべしダイビングアイランドです。
aoitomoさまも一度は潜ろうトラック諸島!
しかし、家族旅行で行くところではないですよね。
来週は衝撃の愛国丸を投稿予定です。
by GAT
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