2020/07/23 - 2020/07/28
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ウェンディさん
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この旅行記のスケジュール
2020/07/24
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温泉の泉質はpH9の美人の湯。 湯上がりはお肌がツルツル。
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白神山地での最初のアクティビティは二ツ森山のトレッキング。 本降りの雨の中で、森林ヒーリング♪
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十二湖でのお勧め散策は沸壺の池と青池を結ぶ森の中の道。 沸壺の池のもう一つの顔に出会えるかも。
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十二湖と言えば忘れてはいけないのが青池。 最近、その青色を呈する機構が解明されたのだって!
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この旅行記スケジュールを元に
2020年の夏旅は陸奥(みちのく)へ。
秋田と青森県に跨がる白神山地へと潜り込み、ちょっとしたトレッキングを楽しみました。
いつもの夏ならば、夏旅!と言えばテンションが上がりっぱなしですが、今年は気分をあげつつも新型コロナへの感染対策もバッチリ整えて。
梅雨明け前の旅でしたので白い霧が覆う白神山地となりましたが、もともと白神山地は霧の発生率が高い山岳地帯で、そんな気候だからこそ山深いブナの原生林の森ができあがった土地。
雨、霧、上等!!!
露に濡れる森こそが、白神山地の神髄。
レインウェアを纏い、神秘の森-アウイナイト ブルーに輝く白神山地-を歩いてきました。
☆★☆2020.7月-白神山地に癒やされて-旅程☆★☆
□1日目:角館 武家屋敷 内町・外町さんぽ
白神温泉ホテル
■2日目:二ツ森、十二湖(白神山地)
トレッキング
民宿 汐ヶ島
□3日目:暗門の滝(白神山地)トレッキング
大秋温泉 ブナの里 白神館
□4日目:岩木山 トレッキング
嶽(だけ)温泉 小島旅館
□5日目:八甲田山 湿原さんぽ
酸ヶ湯(すかゆ)
□6日目:奥入瀬渓流 さんぽ
大湯環状列石
☆★☆2020.7月-夏旅 旅行記☆★☆
〈1〉角館 陸奥の小京都へ
https://4travel.jp/travelogue/11637106
〈2〉アウイナイトの青
https://4travel.jp/travelogue/11639070
〈3〉Pandemic地帯の夕景
https://4travel.jp/travelogue/11656576
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2020年7月の夏旅のコンセプトは、 “癒し(ヒーリング)”。
大自然の懐に、大地の温き湧き水に癒しを求めて旅の行程をプランニング。
火山大国Japanの誇る温泉はヒーリングのマスト・アイテムで、5泊6日の旅程内の4泊に温泉宿をセレクトした。
でも、温泉と一言で表現しても、日本の温泉は一様ではない。
“天然のカクテル”とも呼ばれる温泉は、大昔から地球上に存在する天然成分がたっぷりとその中に溶けこんだミネラル水。
海水がメインの温泉もあれば、火山ガスの香りがほんのり香る硫黄泉、鉄分たっぷりでまるで血の池地獄のように見える含鉄泉など、その種類は様々。
温泉水に含まれる成分により有効作用も異なり、女性に嬉しいのはお肌ツルツル効果がある温泉。
と言うことで、旅の1日目のお宿は、美人の湯として有名な、秋田県八峰町の“あきた白神温泉ホテル”とした。 -
“あきた白神温泉ホテル”の温泉の特徴は、温泉の液性がpH9であるということ。
pHとは日本語にすれば“水素イオン濃度と”なるが、この単語は非常に理解しにくい単語で、簡単に言ってしまえば、pHとは酸性(酸っぱい)か、アルカリ性(トロトロ、ヌルヌル)かという水の性質を表していて、一般的にはpH7を中性、7より数字が小さければ酸性、大きければアルカリ性と言われている。
pH9を示す“あきた白神温泉ホテル”の温泉はアルカリ性。
アルカリ性温泉の特徴は肌のクレンジング効果で、湯に入るとお肌がツルツルになるから“美人の湯”などと呼ばれることも多い。
でも中性と言われているpH7から数字が2個しか差が無いのだから、温泉としての泉質はたいしたことは無いのではないの?・・・そんな風に思うかもしれないが、温泉の場合、アルカリ性が強いほど美肌効果が高いと言うわけではなく、“過ぎたるは及ばざるが如し”の部分もある。 -
温泉水に含まれるアルカリ成分は、肌の上の堅くなった古い角質層を溶かして剥がし、赤ちゃんのような柔らかい肌を角質層の下から呼び起こしてくれるが、アルカリ性が強すぎる温泉、例えばpH10を超える強アルカリ温泉では、いらなくなった角質層だけではなく、その下の必要な皮膚も溶かし、痛めてしまう恐れがある。
これは、家庭用ハイターなどの強アルカリ性の薬品を手につけ、すぐに手を洗わないと皮膚がガサガサに荒れてしまうのと同じことだ。
だから、“あきた白神温泉ホテル”のお風呂のpH9という泉質は、お肌にとって強すぎず、弱すぎずのベストチョイスなアルカリの強さ。
つまり、美肌の湯であり、女性好みの温泉・・・と言うことになる。
そして、“あきた白神温泉ホテル”はホテルの客室の快適さにも定評があり、宿泊予約サイトの“じゃらんnet”で、お部屋の良かった宿ランキング第5位となったそうだ。
確かに私達が宿泊した和洋室はとてもゆとりのある空間で、建物そのものは豪華ではないが、温泉でのんびり、ゆったりと滞在したい方にお勧めの宿だと思う。お肌トロトロ美人の湯(弱アルカリ温泉)/白神の海や二つ目山トレッキングの拠点に/Go to 宿泊証明書に対応OK by ウェンディさんあきた白神温泉ホテル 宿・ホテル
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温泉だけでもお勧めできる“あきた白神温泉ホテル”のポイントはゆとりの客室だけではなく、その夕食も地方色豊かで郷土感が満載。
団体旅行で出てくるような如何にも・・・な温泉宿料理ではなく、秋田の地元の食材に拘った品ばかりで、新鮮でいて、美味しかった。 -
アワビの踊り焼きや種々の刺身はさすが産地だけありその鮮度も良く、海なし県では味わえない海の味だったが、東北地方を代表する山菜の“ミズ”の美味しさも格別。
写真は別の宿で食したミズだが、ミズの色は鮮やかな緑で、まるで着色料で色づけしたかのようにも見えるが天然色。
ミズの歯触りはシャキシャキとしていて、蕗にも似ているが更に歯触りが良い。
さっと湯がいたミズを辛子酢味噌でいただく。
ミズには山菜特有の軽い苦みがあるが、ソレがまた辛子酢味噌の味を引き立てていて、もう最高!
ミズはこの後の何処のお宿でも必ず夕食には出てきて、たっぷりと堪能し、そして帰宅する日には、道の駅でおばちゃんが販売するミズを購入し、帰宅後に家族に振る舞った。
そして各宿の夕食の献立の中でちょっと意外に感じたのが、甘めに味付けされた茶碗蒸し。
茶碗蒸しの蓋を開けると、ほのかに甘い香りがして、口に含むとスイート感満載。
茶碗蒸しに甘さを付加しているのは栗の甘露煮で、器の底から顔を覗かせる栗にはちょっとカルチャーショックだった。
私にとって茶碗蒸しはお出汁の味で食べるどちらかと言えばしょっぱい系のお料理だったのだが、どうやら秋田や青森では甘めの味付けが定番らしい。 -
そんな温泉もお部屋も夕食もパーフェクトなこのホテルだが、夏のかき入れ時の7月4連休の初日にしては宿泊者の数が予想以上に少なかった。
この日、宿のホームページの宿泊予約画面では満室表示となっていたのだが、実際に宿泊していたのは8組(8部屋)位で、宿のフルの稼働率18室(70名)の半分程度。
夕食時も朝食時も宿泊客の食事時間をずらし、グループごとにテーブル間距離を空けて、お互いの接触を避けるよう工夫されていた。
新型コロナの感染者数が増加している中、4連休といえども客室をフルで埋めることのできない宿のもどかしさ・・・。
トップシーズンの夏なのに、キャパの半分しか宿泊者予約を受け入れることができないだなんて、ホテルにとっては死活問題。
現在の宿泊料金は以前と変わらない金額だが、このままwithコロナでの状態が続き、密を避け続けなければならない生活スタイルが続くのならば、観光業界に限らずジムなどの様々な有料施設で、宿泊料金や入場料金、月会費の大幅な値上げもやむなしとなってしまうのかもしれない。
ホテル情報の最後にあげるのが、7/22に急遽始まったGo to トラベル キャンペーンへのホテルの対応状況だが、“あきた白神温泉ホテル”では、宿が宿泊者に提供する宿泊証明書の準備は整っていた。 -
今回の2020年7月の白神山地の旅は、例年、東北地方の梅雨が明けると言われている7月下旬にその時期を設定した。
7月の山旅の場合は旅の時期の設定がなかなか難しく、高山植物のトップシーズンを狙うならば7月上旬なのだが、その時期はどうあがいても梅雨のまっただ中。
だから、お花の数が少なくなっても梅雨明けを狙ったのだが、今年は梅雨明けが例年よりも遅かった。
九州地方に停滞した線状降水帯が局地的な豪雨をもたらし、川を氾濫させ、土砂災害を引き起こした。
私達が訪れた東北地方でも雨で川の氾濫や土砂崩れが起き、私達も時間がずれていたら高速道路上での土砂崩れに巻き込まれていたかもしれない経験もした。
そんな梅雨まっただ中の夏旅は、毎朝の天気予チェックから始まる。
旅の2日目となったこの日の秋田県北部の天気予報は、朝の内は小雨、後に曇り時々晴れ。
梅雨時期なのに、お日様マークが天気予報にあるなんてラッキー♪
それならば、白神山地の世界自然遺産地域に含まれる秋田側の山;二ツ森のトレッキングにチャレンジしちゃいましょ♪
意気揚々と宿をチェックアウトし、二ツ森山の登山口へと向かった。
宿からの二ツ森登山口駐車場までは車で40分くらいと、それほど遠くはない。
登山道までの道順はナビには示されず、車は道路標示のない空白の空間を進む。
朝8時過ぎには宿のある海岸エリアは雨は小降りで、空も明るくなりかけていたのだが、山道を登るほど目の前の白い霧はその密度を上げていった。 -
天気予報を信じるならば9時頃には雨が上がっている筈だったのだが、到着した二ツ森山の登山口はしっとりと雨に濡れていた。
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正確に記すならば、この日のこの日の山の天気はしっとりとした雨だなんていう情緒ある雰囲気ではなく、本降りの雨。
雨に濡れないようにレインウェアを着込み、駐車場(詰めて停めれば10台位駐車可能なスペースあり)脇のトイレでしっかりと用を足してから歩き始める。 -
二ツ森山は白神山地の秋田県と青森県の県境エリアで、山頂までの登山道の途中に県境表示(青森県?藤里町(秋田県))がある。
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この二ツ森山は白神山地の山の中では初心者向けと言われていて、登山口駐車場から山頂まではゆっくり歩いても1時間で、往復で2時間あればピークハントできてしまう。
それでいて、白神山地の奥深いブナ林が体感できるとあり、それなりに人気もあるのだが、さすがに土砂降りの中に登ろうという強者はそう多くはなく、山の中ですれ違ったのは森林保安員のグループを含め3組だけだった。
登山道のぬかるみやすい場所には丸太を埋め込んで足場が確保してあり、非常に歩きやすい道で確かに山自体は初心者向けなのだが、2020年の夏は例年よりも登山者が少ないせいか熊の目撃情報も多く、単独で歩くのは危険だということ。
二ツ森山を登る場合には熊対策は必須となる。 -
白神山地はブナの木々がメインの奥深い山域のため、晴天率は決して高くはなく、白神山地を訪れる際には真夏でもレインウェアは必須と言われている。
この日は、お日様などは望める訳もない、一面の霧の世界。
せっかくのトレッキングなのに遠望が利かないのは残念だが、白神山地では霧に覆われた風景も様になる。白神山地の中で世界遺産に登録されているエリアで人が入れる所は意外と・・・/二ツ森山 by ウェンディさん白神山地 (秋田県) 自然・景勝地
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霧に閉ざされた道のその先にどんな森が待ち受けているのか。
ワクワクしながら歩くのも楽しい。 -
いつもしっとりと水滴で覆われている白神のブナの森は乾くことを知らず、その地面には沢山の菌類の姿。
なんだか鍋に入れたらよい出汁がでそうなキノコ達を沢山見かけたが、私達はキノコに関しては全くの門外漢。
もっとも例えキノコに詳しくとも、この二ツ森の遊歩道エリアは世界自然遺産のなかであり且つ生態系保護地域に指定されているので、その中の動植物は自然に落下したモノ以外は全て持ち出し禁止で、食用になるキノコであっても採取はできない。 -
ブナの森の中の菌の仲間はキノコだけではない。
地衣類であるコケも沢山。
白神山地に生息するコケ類は250種を越えると言われていて、苔の楽園。
たしかに、これだけ湿度の高い森だったら苔も元気に育つのだろう。 -
前を歩いていた相棒が地面から、何かをつまみ上げた。
何コレ?
ランプータンの実にも見えるが、もしかして食虫植物の花?
正解は、ブナの実だ。 -
登山道の土の上にはブナの樹木の落としモノが沢山。
この中のいくつかが無事に発芽し、大地に根付き、次世代の白神山地の赤ちゃんとなっていく。 -
白神山地の小さな命は、他にも沢山。
登山道脇には、オニユリが咲いていた。 -
こちらは未だ蕾の、これから花開くヒヨドリソウ。
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小さなこのお花は割と何処でも見かけるのだけれど・・・、
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イチオシ
マクロの世界で花へ接近すると、そのかわいらしさにビックリ!
花の名は、オトコエシ(男朗花)
秋の七草であるオミナエシ(女郎花)と対になる植物で、オトコエシは漢方薬の原料にも用いられる。 -
草花を愛でながら歩いて到着した二ツ森山の山頂(標高1087m)。
当然のことながら、山頂は雨と霧で真っ白で、何も見えなかった。
まぁ、雨の多い白神山地らしい・・・と言えば、その通りのトレッキングなのだろう。
この二ツ森山だが、その名の由来は山の形が双耳山であるという外見から来ている。
天気が良ければ、猫耳型の二つの峰が下から眺められたのに残念!
因みに“二ツ森”の地名は秋田県側から見た山の呼び方で、青森県側からは“泊岳(とまりだけ)”と呼ぶそうだ。 -
11時前に二ツ森山から海岸線へと下ってきた私達の前に広がっていたのは、青空。
どうやら天気予報に間違いは無く、海岸部は朝9時過ぎくらいから雲が切れ始めていたらしい。
この日、私達の予定は二ツ森を歩いた後は日本海を北上し、青森県側の白神山地へと入る予定だったのだが、その前に二ツ山の麓の椿海岸さんぽのオプションをつけてみた。 -
せっかく白神山地に来ているのに海岸散歩?
南国みたいにキレイな珊瑚海岸があるわけではないだろうし・・・、時間の無駄では?
確かにその通りなのだが、白神山地の秋田県側の海岸線はちょっと特殊な所で、此処ではハワイと同じ砂浜;日本でも珍しいブラックサンド・ビーチを見ることができる
ハワイのブラックサンド・ビーチはハワイ諸島が海底火山の噴火により作り出された時に流れ出した溶岩が海に落ち、冷たい水で砕けた溶岩が波打ち際に打ち寄せてできあがったモノ。
では、秋田のブラックサンド・ビーチも火山が由来しているのか。 -
残念ながら、このブラックサンド・ビーチを作り出したのは天然物ではない。
この海岸のブラックサンド・ビーチはかつてこの地域にあった溶鉱炉から流れでたカラミ(鋼滓)が原因で出来上がったということだ。
鉄を作るときに流れ出す真っ赤に焼けた液体状のカラミに水をかけると、砕けて黒い砂となり、ソレが工場排水と共に海に流れ出し岸に打ち上げられ出来たのが、椿海岸の黒い砂浜のブラックサンド・ビーチだそうだ。
で、私が海岸線で見たかったのが、この珍しい黒い海岸線かって?
残念ながら、ブラックサンド・ビーチは私にとってはおまけでしかなく、見たかったのは椿海岸に広がる“柱状節理”の地形だ。白神山地の穴場スポット☆海のジオパーク by ウェンディさんハ峰白神ジオパーク 自然・景勝地
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白神山地の秋田側の海岸線は秋田県の八峰白神ジオパークとして登録されていて、特に椿海岸は海から突き出た柱状節理が有名。
柱状節理というと九州の高千穂や宮崎の海岸線が有名で、秋田のこんな所に柱状節理海岸があるなんて私も昨日の夜まで知らなかった。 -
昨日の夕食後に見つけたホテルロビーのジオパーク地図。
八峰白神ジオパークについて全く予備知識の無かった私達は、フロントのお兄さんを質問攻めにして、ジオパーク情報を手に入れた。 -
秋田県八峰に点在するジオサイト。
これらの地形が作り出されたのは、2千300万年前のユーラシア大陸から日本が分離した時。
ユーラシア大陸の東端がゆっくりと千切れ始め、千切れた陸地とユーラシア大陸の間に小さな湖ができ、その湖がやがて日本海と呼ばれる海となった時に生まれたと言われている。 -
イチオシ
柱状節理は、溶岩流やマグマが冷却されるときに柱状に固まった岩で、その特徴は六角形の柱の断面。
日本各地に柱状節理地形があるが、その六角形の柱の断面の上に自由に上れる所は少ない。
でも、ここ椿海岸の柱状節理は登り放題!で、なかなか面白い場所だ。 -
柱状節理の岩だけではそのサイズ感が分からないと思うので、柱状節理の岩の上に登った相棒から岩下にいる私の姿を撮ってもらい、そのスケールに。
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大きな柱状節理の岩は10m以上の高さがあり、Geo Loverの私にとっては椿海岸は興味深い場所だった。
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写真は秋田県八峰町のジオサイトのマップ。
白神山地を訪れるときには一緒にジオサイトの海遊びも取り入れると、山だけではない、また異なる視点での白神山地を楽しめるのではないかな。
海岸周辺の岩場には磯も多く、この日は家族連れで賑わっていたし、アドベンチャー体験をしたい旅人にはカヤックでの海岸洞窟巡りツアーもあるそうだ。
八峰白神ジオパークの詳細な情報は旅の後に以下のサイトから知ったが、この辺りの情報はガイドブックには一切書いていないシークレット情報なので、まだまだ穴場。
これからは、要チェックかもしれない。
八峰白神ジオパークの詳細情報:https://geopark.jp/geopark/happou/ -
海岸遊びの後は一路日本海を北上し、秋田県を脱して青森県へと移動する。
向かった先は白神山地の中でも観光地としてはトップの集客率を誇る十二湖。
秋田県八峰町からは青森県の十二湖までは1時間程度と遠くはない。
時間は13時を過ぎていたので、十二湖散策へと歩き出す前にまずは腹ごしらえ。
十二湖エリアには駐車場が何カ所かあり、有名な青池に一番近いパーキングは有料(500円)で、その外は無料。
私達は王池パーキング(無料)に車を停めて、駐車場前の食堂“グリル王池”でランチとした。
“グリル王池”は名前は洒落た感じもしなくもないが、その実は一昔前の食堂で、おばあちゃんがのんびりと営業中。
手早く作れるだろうと思い親子丼を頼んだのだが、オーダーから食事の到着まで30分はたっぷりとレスト・タイムをいただいた。王池 グルメ・レストラン
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写真は十二湖の散策マップで、私達が歩いたのは王池Pをスタート地点とする周遊コースだが、この中でも個人的な散策のお勧めエリアは緑色の丸で囲ったところ。
十二湖おすすめ散策コース 公園・植物園
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車道沿いのビジターセンターは時間があれば立ち寄っても良いとは思うが、あまりその展示物に目新しいところはなく、時間がなければカットしても後悔はしない。
ビジターセンターの先にある落口の池(写真)は、湖面へのリフレインが美しいので一見の価値があるかな。 -
また、落口の池の向かいには沢水の水汲み場があり、水筒やペットボトルがあるならばここで美味しい水を補給していくのも良いと思う。
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此処の清水は、平成の水100選にも選出された有名な水で、その原水は更に上流にある“沸壺の池”の水だ。
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イチオシ
で、その沸壺の池があるエリアが先ほど十二湖散策マップの中で、お勧めの散策場所として緑色でマークしたところで、白神山地のブナの原生林が一面に生い茂っている白神山地の森の深さを味わえる場所。
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秋田県と青森県に跨がる白神山地は13万ヘクタールの面積があり、十二湖があるのはその端っこなのだが、端っこのくせして、この森の深さとは想像以上だった。
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東アジア最大のブナ林が広がる白神山地は、森を漂う空気すら植物の放出する緑の息吹で置換されているかのようにも見える。
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十二湖の湖巡りの散策エリアには山野草が沢山咲いていたが、花が多くあったのは車道沿いの散策路ではなく少し分け入った森の中を歩く道だ。
森の中の道はブナの木々の水分で多少ぬかるんではいたが、スニーカーであれば十分歩ける道だった。
黄色く丸い花びらを開いていたのは、ハナダイコン。 -
小さなおちょぼ口を四方八方に向けるのは、ウバユリ。
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白くフワフワの花をなびかせるのが、トリアシショウマ。
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ちょうど花が盛りだったトリアシショウマの周囲には、花が醸し出す甘い香りが漂っていて、その香りに誘われるかのように白い花の周りには蝶が集まっていた。
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イチオシ
白と黒のモノトーン柄が美しいのはウスバシロチョウ。
モンシロチョウの仲間かと思いきや、アゲハチョウの仲間だそうだ。
トリアシショウマの花蜜を纏うウスバシロチョウはその羽根の一部が透き通り、暑い夏の一服の涼。 -
同じくトリアシショウマの蜜を吸っていたオレンジ色の蝶。
この子の名前は分からない。
遊歩道には白神山地で見かける蝶の種類を表示した看板があり、その中のアオバセセリに色や模様は似ているのだが、違う気がする。 -
森の中に生息するのは、蝶だけでは無い。
水辺にはつきものの蛙だって、ほら!
躰を地面の色と同化させて隠れていたが、見つけてしまった。 -
そんな生き物たちの命の源となっているのが、このエリアに沢山ある池。
エリア名としては十二湖と呼ばれているが、実際の池は大小合わせて30以上あるそうだ。 -
イチオシ
メジャーな池が十二湖と呼ばれる湖群で、中でも一番人気が青池。
サファイアよりもブルーの透明感が強い宝石;アウイナイトのような水をたたえた青池の最大水深は8.8m。
青池の脇に作られた展望台の上から眺めると、水底に沈む倒木までがクッキリと見えるクリアさ。十二湖 自然・景勝地
-
日本中には水が青く呈色する池が多くあり、その大多数は湖水に含まれるケイ酸アルミニウムの微細な粉末が光を散乱させ青い色を私達に見せている(北海道美瑛の青い池や福島県会津地方の五色沼など)のだが、白神山地の青池の青については、その青く見える機構が他の青い池とは異なっているらしい。
何故、そんなことが分かるのかって?
それは、世の中には【水は基本は透明な筈なのに、青い池の水の色はどうしてあんなに青いのだろうか?】って言う疑問を持つ人が沢山居るから。
私だって、あの青い色はどこから?と思ったし・・・。
そんな疑問に答えようと、青森県では2016年から2019年にかけて青森県環境保健センター主導で研究【青池はなぜ青い?】を行い、その研究成果は陸水物理学会誌(2019,3-23)において発表↓されている。
URL:https://www.pref.aomori.lg.jp/soshiki/kankyo/kankyosenta/Aoike_Top_1.html -
青池の水が何故、青いのか?を科学的に正確に説明しようとすると難解になるので、とりあえず簡単に論文の内容をまとめてみた。
1. 水の基本的な性質;赤い色の光を吸収しやすく、その色が青っぽくに見える。
→流れる水道水は透明だけれど、大量に溜った水はなんとなく青く見えますよね。
2. 水の特性の一つである密度変動散乱は青い光を強く散乱させ、白神山地の青池では密度変動散乱作用により、池の水の色が普通の水よりも青色が強く見える。
3. 青池の湖底乱反射により水中の赤色が更に吸収され、より青色だけが強調されている。
なんとなく分かったような、煙に巻かれたような感じの説明となってしまったが、つまり水は本来は人間の目には青く見えるもので、青池では白神山地のブナ林が濾過してきた不純物の少ない水が原水の為にその青色が更に強調され、更に、水が濁っていないからこそ湖底の乱反射作用が水の中にある赤色を強く吸収してしまい、青をことさら強調している!って、ことらしい。
因みにこの研究では、いつの時間帯が青池の湖面の青の輝きが最大になるかも検証していて、その時間帯は午前中だそうだ。 -
十二湖の中で青池と同じくらい美しいのが、沸壺の池(わきつぼのいけ)で、先に紹介した平成の水百選の水源となる池だ。
沸壺の池はメインの道路からは少し離れていて、ブナ林を散策しないと辿り着けないが、多少歩いたとして行く価値のある池だと思う。 -
沸壺の池にはあちらこちらに湧出る水が作り出す波紋が出現し、青池ほど湖面は静かではなく、静寂の美はない。
しかし、深いエメラルド色に輝く湖面は透き通り、輝く宝石の上を流れる映像のような木々のリフレインが美しい。
沸壺の池の側には展望台があり、そこからの見える池の景色がこの2枚の写真。 -
でも、沸壺の池が神秘的に見えるのは、展望台があるメインのルートではなく、展望台と反対側の池端を歩く裏ルートから。
-
この裏ルートの散歩道から眺める沸壺の池は、光輝くブナ林に溜った涙の様にも見えた。
-
透き通る緑の池の底に何か神秘的なモノが眠っている・・・と言われれば信じてしまいそうな程の美しい空間が、そこにはあった。
-
イチオシ
神々の山;白神山地。
ヒンヤリとした空気が流れる池の畔に神の化身の白鹿がふらりと現れたとしても、きっと驚くことはない。
そんな風に感じられる山だった。
【写真:裏道からの沸壺の池をiphoneで撮影。この発色も素敵♪】
前の旅行記:〈1〉角館 陸奥の小京都へ
https://4travel.jp/travelogue/11637106白神山地 (青森県) 自然・景勝地
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この旅行記へのコメント (2)
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- jamokaさん 2020/08/16 15:39:44
- 青さが違う
- こんにちは
素敵な写真有難う御座います!
白神山地は近いうちに行きたい⛰でしたが今すぐ飛んで行きたくなりました!!高純度の水質だから北海道の青の池とは全く違う青さですね!
神の子池に近い色、深さもあるんですね~
大好きな緑の世界と碧の世界に引き込まれた後のブラックサンドビーチも興味もあるあるです♪
本気で計画たてなくては<( ̄︶ ̄)↗
- ウェンディさん からの返信 2020/08/16 18:04:56
- 屋久島と似た空気が漂っていました。
- jamocaさん こんにちは。
白神山地の旅行記を読んでいただいてありがとうございます。
2020年の旅の年間計画では夏はアイスランドの大自然の中をトレッキングしているはずでしたが、新型コロナの影響により中止。
幸い、購入していた便がキャンセルとなったので払い戻し対象でしたが、自主的に旅を取りやめた場合は、二人分40万の航空券が藻屑となるところでした。
そんなこんなでアイスランドの代替旅であった白神山地ですが、日本の夏の山も良いモノですね。
今までは日本の夏山は蒸し暑さや虫の多さで敬遠していましたが、今回の旅で日本の自然の素晴らしさを再認識しました。
白神山地は全てのエリアが世界遺産に登録されているわけではありませんが、とにかく何処へ行っても森が深いです。
山肌が見えなくなるほどシダ類が生い茂り、ブナの木々が頭上高くで枝を揺すり空気の中に大量の水分を降り注いでいる感じで、ブナ林の中にいると自分自身が浄化されるような感じがしました。
白神山地の日本海側の地形はジオパークにも指定されていて未だあまりメジャーではない分、穴場が沢山ありそうです。
カヤックで海蝕窟を巡ったりするのも面白そうでした。
ウェンディ
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