2016/07/07 - 2016/07/12
17位(同エリア527件中)
ウェンディさん
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雨と風の中を歩き、原野に咲く花達と出会った礼文島。
小さな花の子ども達は、寒ーい冬の間も凍てつく大地で未来への準備をし、また同じ季節が巡ってくると一斉に咲きだす。
その自然の素晴らしさに、ほんとにエライ、スゴイナーと関心(感心)した礼文のトレッキングでした。
目の前にそびえ立つ利尻山。
登山ガイドでお世話になった塩崎氏から教わった山登りのアドヴァイス【4対6】。
4対6の意味は、登山の上りと下りの体力・気力の配分割合で、今まで登りに6割の体力を使い果たしていた私には目から鱗のお話でした。
【4対6】、私にとってこの言葉は山登りだけではなく生き方の指標となるような含蓄に富む一句となり、旅が終わった今も庭で草むしりをする時には、「シロクの精神で…」などと呟きながらやっています。
利尻山では4対6を念頭に、自分の体力と相談しつつ山を歩きました。
途中で、頂上迄登るのはやはり無理だったか…と十分悟りましたが、9合目までの木々や花達、海の潮目、空の色、そこに行かなかったら出会えない数々のものに心を奪われました。
帰る日にバスや飛行機から眺めた利尻山。
この山は、私にとっては眺める山だったのかもしれないな〜とも思いました。
9月に入ってからの東北、北海道地方での大雨。
利尻島でも50年に一度の雨で島の周遊道路が崩れ、被害が出ているとのこと。
心よりお見舞い申し上げます。
今回の礼文・利尻旅は娘との二人旅でしたが、今度は出来るならば夫と二人でトレッキングに行きたい…。
そんな風に考えているばぁばです。
〜2016夏、礼文・利尻島旅行記・最終章の序文を書いたのは一緒に旅した母です〜
☆★2016 歩く礼文・登る利尻 72才の挑戦♪トレッキング旅 旅行記☆★
□7/7 成田−札幌
http://4travel.jp/travelogue/11159014
□7/8 札幌−稚内−礼文
□7/9 礼文 岬めぐりトレッキング
http://4travel.jp/travelogue/11149482
□7/10 礼文 知床・桃岩・瑪瑙海岸・礼文林道トレッキング
http://4travel.jp/travelogue/11151687
■7/11 利尻山 登山
http://4travel.jp/travelogue/11154456
http://4travel.jp/travelogue/11155369
■7/12 利尻−札幌−成田
http://4travel.jp/travelogue/11167386
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 観光バス ANAグループ JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
72歳の母と共に登った最北の孤峰;利尻岳では、久しぶりに夏場の山登りの楽しさや夏空の美しさを味わった。
でも、トータル13時間という長丁場の利尻山の登山の最後は、やはりきつかった。
ガイド氏の上手なペース配分があったので下り道で膝が笑ってしまい歩けなくなる…という事態は避けられたが、足の疲労感は半端なく、ゴール地点である北麓野営場に到着した時には靴の中に鉛でも入っているのではないかと思う位の足の感覚で、そんなに重くない筈のリュックだって肩にズシリとめり込み、その重みで体が地面に沈んでしまいそうな気分だった。
なんで、そこまでに大変な辛い思いをしてまで山に登るのか。
その理由は人それぞれだろうが、私の理由はただ一つ。
知らない世界への憧れだ。
山の上では、どんな景色が待っていてくれるのか。
どんな植物たち、鳥たちが世界を作り上げているのか。
山頂は自分の足でしか行くことの出来ない世界だからこそ、自力で辿り着き、未知の世界を味わい・感じたい!
今回の利尻山だって同じ。
9合目や山頂から見た景色や出会った花たちは、そこまで登る苦労を忘れさせてくれるような最高のモノだった。
利尻にしか生息しないレアな花たち、透き通る空の青さ、そして山頂から見る360度の絶景は、私の記憶からそれまでの登りで感じていた疲労感を一瞬にして消し去り、未知の世界を知る喜びを与えてくれた。
(写真:7月上旬の利尻岳に咲く花たち。ヤマハナソウ、エゾツツジ、ミヤマアズマギク、エゾハクサンイチゲ、エゾノツガザクラ) -
イチオシ
山を登った後のお楽しみには、山を下りた後の夕食がある。
そしてこの日の民宿の夕食は、旅の中で私が一番楽しみにしていた食事だった。
宿泊した民宿【花りしり】は夕食に魚介が多いことで定評があるのだが、連泊者には更なるサービス:ウニ・イクラ丼が準備されている。
そして、この登山の日がウニ・イクラ丼の日。
利尻岳からの下りは、このウニ・イクラ丼を楽しみに歩いていた…と言っても過言でもなかったかもしれない。
キラキラ輝くイクラの上に乗るデンっと載るウニ。
その切り口の断面も立体的で、とても新鮮。
ウニを箸に載せ、そぉっと口に運ぶと、立体感があったはずのウニが口の中でとろけてしまう。利尻山荘 花りしり<利尻島> 宿・ホテル
-
勿論、夕食にはウニ・イクラ丼だけではなく、その他にも地元で採れた海の幸・山の幸がたくさん。
頑張って利尻山を登ったご褒美の様な夕食だった。 -
そして夜は、夕食後に何をしたのか(歯を磨いたのかすら記憶にないほど)覚えていないほどあっという間に寝てしまったらしい。
だから、翌朝の目覚めは小鳥のさえずりと共に自然と目が覚めた。
窓の外を見ると、朝日が顔を出したばかりの様でまだ暗さはあるものの良い天気だ。
時刻は4時を過ぎたところ。
こんな時は、朝のお散歩へ。
ベッドから飛び起きて身支度をして…軽快に外へと飛び出した。
(実際は、昨日の登山の後遺症で両足は重度の筋肉痛。階段を一歩降りる度に足の筋肉が悲鳴を上げていた) -
宿を出て向かった先はペシ岬。
鴛泊港のすぐ脇にある小さな丘;ペシ岬へと向かう。
朝陽がペシ岬から昇るのを眺めながらのお散歩だ。ペシ岬 ビーチ
-
宿から港まではゆっくり歩いても15分位。
ペシ岬の麓に着く頃にはもう完全に夜が明け、朝が支配する瞬がやってきていた。 -
筋肉痛で悲鳴を上げる両足をなだめつつ、ゆっくりと丘の坂道を登る。
海岸線はまだ朝焼けの名残を残し、オレンジ色に染まっていた。 -
空は青から淡いピンク色へのグラデーション。
そこに雲が薄くたなびいている。
海の果てにかすかに見えるのは礼文島。
どうやら、この日も礼文には雲がかかっている様だ。 -
麓から10分ほどかけて、ペシ岬の上にようやく到着。
普段ならばひょいひょいと登れる程度の丘だが、やはりこの日は筋肉痛の影響で、動きがロボットじみていて思うように軽快には登れない。
丘の上から360度の眺望を楽しむ。ペシ岬展望台 名所・史跡
-
港の反対側の入り江には小舟が一艘浮かんでいて、その上では漁師さんがなにやら忙しそう。
どうやらこの日は漁があるらしい。
朝5時頃の漁港の放送と共に漁の開始となるので、漁師さんはそのスタートの合図がなるのを今か今かと待っている。
利尻島の漁港組合では、漁の種目(ノナ:キタムラサキウニ、ガンゼ:バフンウニ、昆布)が日によって定められていて、1日に漁が出来るのは決められた1種類だけ。
更に、1日の漁自体の時間も短く、1時間程度しかない。
だから、漁師さんは貴重な漁の時間を一分でも無駄にしたくはないので、漁港の放送に耳を澄ましている。 -
イチオシ
ペシ岬の上から鴛泊港方向を眺めると、そこにあるのは利尻山の貴婦人のような美しい姿。
利尻山は雄姿という男性的な言葉で形容されることが多いが、私にはその優美なたおやかな稜線は貴婦人という言葉が似合う気がする。
最北にある孤高の独立峰、利尻。
男前でもあるが、しなるような優美さを秘めている。
雲がまるで視覚効果を考え、その流れる方向まで計算されたかの様にたなびき、利尻山の後ろから後光のように流れている。
ふぅっと肩の力が抜けてきそうな程、美しい山だ。
港の水面を眺めると、そこに映るのは逆さ利尻。
北海道旅の最終日の朝。
朝から、最高の景色をプレゼントしてもらった気分だ。利尻山(利尻富士) 自然・景勝地
-
利尻と反対側へと目を向けると、湾の向こう側に小さな丘が見える。
多分、アレは夕陽が丘展望台だろう。
写真だと遠くに見えるが実際はそれほどの距離は無く、ペシ岬の麓からでも歩いて20分程だ。
せっかくなので行ってみよう♪
(ちなみに、この時、母はまだベッドの中。早朝の散歩に誘ったのだが、昨日の登山に体力を絞りだしてしまい、母には朝の散歩の余力は残っていなかった) -
到着した夕陽が丘展望台から眺める利尻富士。
先ほどのペシ岬からとは少し眺める角度が変わっただけなのだが、ペシ岬から見えていた左側の雪渓が隠れ、右側の稜線のラインが異なる曲線を描いている。
ペシ岬から見た時は、手前にあるポン山に隠れていて見えなかった利尻山のなだらかな裾野。
その裾野の広がりが、利尻島を形作っているのがよくわかる。夕日ヶ丘展望台 名所・史跡
-
そして、夕陽が丘展望台の真下にも小さな漁船を見つけた。
ホントに真下なので、漁の光景がハッキリと見える。
どうやら、この日は昆布漁だったようだ。
小さな船の中に大量に昆布が積まれている。 -
少し遠くにいたこちらの船も、昆布が山の様。
船の両脇にはベビーガードみたいな柵が立てられ、昆布を山盛りにしても零れ落ちないような工夫が施してあった。
昆布漁ってどうやるのかと思って眺めていたら、漁師さんは海の底を覗き込み、長い棒を使って、昆布を海の中から引き揚げていた。
多分、棒の先端が二股に分かれていて、その先に昆布の根元部分を絡めてちぎり抜いているのだと思うのだが、1本の昆布を引き上げるだけでもかなり重そうだ。
左上の船なんて積み上げられた昆布の重みで、船の縁ギリギリのところに海水面が来ている。 -
6時半過ぎに民宿へと戻り、シャワーを浴びる。
ちょっとした朝の散歩のつもりで出かけたのに、ついつい調子に乗って2時間も歩き回り、朝から汗だく。
全く、朝から元気なものだ…と自分のことながら呆れてしまう。
朝食はごく普通の内容だが、メカブのトロトロのお味噌汁が絶品。
お替りをしたかった…。 -
そして、朝食後には宿からのサプライズで、立派な利尻昆布のプレゼント。
利尻昆布は北海道の中でも最高品質と言われる昆布。
食べるのが楽しみだ。 -
この日は当初の予定では、自転車を借りて島の半周サイクリングに行こうかと思っていた。
でも、予定変更♪
昨日の登山の後遺症で、体中の筋肉がバキバキで動きがなんだか機械仕掛けの人形風になってしまい、とても自転車のペダルをさっそうと漕ぐことのできる状態ではなかった。
そこで、代替案として利尻島内を巡る定期観光バスに乗ることに…。
利尻島内は礼文島よりも更にバスの便が悪く、公共交通機関で観光ポイントを巡るのは無理に等しい。
タクシー、レンタカー、レンタバイク、レンタサイクル、そして定期観光バスしか観光の手段はない。
定期観光バスは午前と午後の2便があるが、お勧めは午前便の利尻Aコース:3300円/大人。
午後便よりも午前便の方が観光内容が充実していて、姫沼やオタトマリ沼などの主な見所を効率よく回ってくれる。
定期観光バスの朝の受付開始は、8:40。
バスの座席は受付をして精算を終えた人順なので、早く精算を済ませれば一番前の特等席に座れるかも♪
ということで、母と私は一番乗り。
でも、何故か2階席の最前列には先客がいらして、空いていたのは4席中の1席のみ。
たったひとつの特等席。
母が私に譲ってくれた。鴛泊港 乗り物
-
定期観光バスの出発時間は9:10。
まず最初の目的地は、姫沼と呼ばれる小さな沼だ。
姫沼の周りには遊歩道があり、1周約20分程度で沼の周りの散策が出来る。
さすがに7月に入ると平地部分では高山植物に花がついているものは少なく、オニシモツケの花が最後の力を振り絞って咲いていた。
そして、気になったのは木道脇のツタウルシ。
定期観光バスのガイドさんも注意を促してはいたが、遊歩道の脇には3枚葉が特徴的なツタウルシが繁茂していた。
ウルシによるかぶれは即効性はないが、あとからジワジワと腫れたりかゆくなったりするので、サンダル履きの方や足首がでる丈のパンツをはいている方は注意しなければならない。利尻島観光コース (宗谷バス) 乗り物
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利尻島の姫沼と言えば有名なのは、沼の湖面に写る利尻富士のリフレインで、風も穏やかだったこの日はそんな絶景を見ることが出来るかと思って密かに期待していた。
しかし、ビューポイントに立った我々の前にあったのは…。
確かに利尻山の姿は目の前に見えるのだが…、その姿はなんだか全体にぼんやりとしていて、利尻島のパンフレットにある様なカッコいい姿ではない。
それに、ちゃんと順光を狙った時間なのに湖面にもその姿は写らない。
一体、どうしたのだろう。
何の条件が揃っていないのだろう。
頭の中で目の前の景色とパンフレットで見た景色を重ね合わせて、その違いを考える。
そして、気が付いた。
まず1つ目:沼の色が違う。パンフの写真は綺麗な青色の沼だが、目の前の沼は藻が生えた緑色。
2つ目:山の色が違う。パンフの山はどの写真を見ても沢山の雪が残る山だが、目の前の利尻山に残っているのはほんの少しの残雪だけ。
つまり、パンフに載るような青い沼色でリフレインが美しい利尻山を見ることができるのは、5月下旬か6月下旬の最高気温がまだ15℃位の時期だという事。
最高気温が25℃以上となる7月(夏)では沼の水に藻が繁茂し、青い水に雪が残る利尻山のリフレインなんて見ることが出来る訳がないのだ。
更に夏は朝から気温がうなぎ上りとなるので、風のない日は海から上がる水蒸気で上空は霞がかかったようになり、クリアな利尻山の姿を拝むのは難しくなる。
う〜ん。
我ながら鋭い推理だ。姫沼 自然・景勝地
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利尻島の幹線道路は島の外周を廻る形で一周していて、定期観光バスはその道路をぐるりと廻る。
道路脇の海岸線には、昆布干しの風景が広がっていた。
採ったばかりは褐色の昆布だが、天日で乾かしていく内に見慣れた黒色の昆布に変わるそうだ。
この昆布干しの風景は夏の風物詩ということだが、ちょっと気になる事があった。
昆布を干す場所が海岸線なのは海の恵み故にそうならざるを得ないのだろうが、車がビュンビュン走る道路のすぐ脇で食物となるモノを乾かすって…排気ガスの影響はないのだろうか…。
今まで昆布をどこで干すのかなんて考えたことは無かったのだが…。
やはり、気になってしまった。 -
バスは利尻山の周りを1周する形で走るので、車窓から見える利尻山の形もどんどん変わっていく。
利尻島の天気の特徴としては、北にある利尻富士町方向(鴛泊方向)は晴れやすく、南側の野中方向は雲が多い日が多いそうだ。
そして、その特徴を裏付けるかのようにバスが島の南側に近づくほど、利尻山の裾野の雲が増えていった。 -
イチオシ
姫沼の次に訪れたのは、利尻郷土資料館だ。
利尻郷土資料館の建物はその昔は町役場として使われていた建物で、総木造作りの可愛らしい作り。
何かに似ているな…と思ったら、その建物の雰囲気は札幌にある時計台を彷彿とさせる感じだった。
特に正面屋根の下にあるレース細工などは時計台の雰囲気とよく似ている。利尻島郷土資料館 美術館・博物館
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郷土資料館の中には、利尻島の歴史を展示した資料が多く、特に多くスペースを割かれているのがニシン漁で島が一番栄えていた頃の展示だ。
ミニチュアで当時の番屋の光景や港の光景が再現してあった。
ちょっと意外だと感じたのは、番屋の家の中の様子。
私の勝手なイメージとして、番屋と言えば漁の時期の為の一時的な作業小屋風なものを想像していたのだが、実際の番屋は天井も高く、寝室も二段ベッドではあるものそのスペースは広い。
更に、板の間と畳の間まであったというのだから、驚いた。 -
でも、郷土資料館で一番インパクトがあったのは当時の風俗を表す服装を着たマネキンのお兄さんたち。
此方は海の男であるニシン漁の漁師さんスタイルの茶色い瞳のイケメンさん。 -
そして、こちらは当時の子供たちの服装…。
服装は多分正しく当時の物を再現していると思うのだが…、マネキンの選択をどこか間違ってはいないだろうか。 -
次の観光ポイントは、オタトマリ沼。
ここも利尻山の全景が楽しめる沼で、有名な景色の撮影場所としても知られている。
有名な景色とは、北海道のお土産の定番である【白い恋人】のパッケージ写真。
しかし、その風景写真も雪がもっと残っている頃なので、撮影時期は夏ではないことは確かだ。
オタトマリ沼にも周遊散策路があり、15分位で歩くことができる。オタトマリ沼 自然・景勝地
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沼を歩いて少し汗をかいた後は、ちょっとだけ冷たくって甘いものを…という事でソフトクリームを食べる。
オタトマリ沼には利尻でもここだけでしか販売していないちょっぴりレアなソフトクリームがあり、その味は熊笹(クマザサ)とハマナスのミックス。
笹の葉のソフトクリームは笹団子を彷彿とさせる香りで意外に青臭さはなく、さっぱりとしていて美味しかった。
ハマナス味の方は、ごく普通のソフトクリームで色がハマナス色っていう感じかな。
熊笹とハマナスのソフトクリームは観光地としてはそんなに高くはなく300円だった。まっちゃんの店 グルメ・レストラン
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逆に、吃驚するくらい高いな!と思ったのが利尻島でしか飲めないミルピスと呼ばれる乳酸飲料で、酸味のある薄いカルピスみたいな味の飲み物。
利尻島限定販売というレア感に惹かれて買ってはみたものの、牛乳瓶1本のサイズ飲のミルピス1本で400円。
さっぱりしていて飲みやすいが、幾らなんでも高すぎやしないかな?と思ってしまった。利尻富士町レストハウス グルメ・レストラン
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3時間半の定期観光バスも最後の訪問地へと到着。
この日最後に訪れたのは仙法師御崎(センポウシミサキ)公園と呼ばれる利尻山が火山であった頃の名残を残す公園だ。
仙法師御崎公園があるのは晴天率が高い利尻富士町の正反対の位置で、雲が出やすいとされる地域だ。
この日もその例に倣って、仙法師御崎の一面には低い雲が垂れ込めていた。
晴れていれば、ちょうどこの方向の雲がある空間には利尻富士のなだらかな稜線と切り立つ山頂が見える筈だったのだが、運が良いのか悪いのか典型的な利尻島の気候に遭遇し、残念ながら利尻山は白い雲の上となってしまった。仙法志御崎公園 動物園・水族館
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この仙法師御崎が火山の名残を残す場所と言われるその理由は、海岸にあるごつごつとした茶色い岩。
この岩たちは大昔に海底火山が噴火し、そのまま土地が隆起し利尻島が出来た時の名残で、流れ出た溶岩流が海の水と接触してゆっくりと固まった場所だ。
昨日、利尻山の山頂付近にもあった細かい赤い岩が砕けたスコリアの登山道。
あの岩と仙法師御崎の岩はその雰囲気が良く似ているので、同じ時代に噴火したのかもしれない。仙法志御崎海岸・仙法志御崎公園 自然・景勝地
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イチオシ
この仙法師御崎のあたり海は利尻島の中でも一番おいしい昆布とウニが採れる場所と言われていて、そんな美味しい雲丹を目当てに海獣たちも集まってくる。
この2匹の海坊主たちもそんな海獣たち…と言いたいのだが、残念ながらこのアザラシの子供たちは仙法師御崎公園で飼育されている子供たちだ。
つるんとした頭が、本当に海坊主みたいだ。 -
アザラシの名前は、ワカメちゃんとコンブちゃん。
クリクリの目玉で観光客の人気者だ。 -
そんな2頭なのだが、その視線がスナイパーの様に鋭くなることもある。
-
それは、餌の入ったお椀を持った観光客が近くにやってくる時。
ワカメちゃんもコンブちゃんも非常に賢く、お椀の中には何切れの魚が入っているのかをしっかりと記憶している。
だから、餌を買った観光客が近づいてくると傍に泳いでいき、おねだりタイム。
そして、規定数まで数えると即座に次のお椀を持つターゲットに狙いを定める。 -
この公園には、更に賢い奴もいる。
それは、カモメ。
カモメは人間がアザラシ用の餌を持つお椀を持っていることを知っている。
餌付けの順番待ちをしている観光客がいると、そっと後ろから忍び寄り、そのお椀の中の物を失敬するなんている離れ業を朝飯前でやってのける。 -
仙法師御崎公園には昆布や海産物を扱うお土産屋さんが何軒かあり、その裏ではお店の方が出荷用のウニの準備:柔らかいウニの身を傷つけないように丁寧に内臓を取り除いていく作業をしていた。
作業をされていた方に声掛けをしてから、その作業を見学させてもらった。
少しだけお話をしたのだが、東京から利尻島へとお嫁にいらしたとのこと。
多くを話してはいないが、島での生活での大変さが垣間見えた気がした。 -
定期観光バスは観光ポイントをすべて廻り、最後は鴛泊港のフェリーターミナルへと戻る。
その途中の海岸線にあるちょっと面白い形の岩。
人面岩だ。
バスの上から見ると、アイヌの方の横顔の様にも見える。人面岩 寝熊の岩 自然・景勝地
-
バスの最終目的地はフェリーターミナルだが、母と私は利尻空港での途中下車。
利尻空港へと向かう1本道。
その正面には利尻富士の姿。
この辺りはもう利尻富士町で晴天率の高いエリアなので、雲も殆どない。 -
そして、空港でランチタイム。
利尻空港を離発着する飛行機はANAのみなので、空港の規模は非常に小さく、お土産ショッピングの場所などはなく、せいぜいお菓子を販売するキオスクがある程度だ。
レストランはなかったが小さなカフェがあり、そのカフェで利尻での最後の食事である昆布ラーメン(900円)をお願いする。
昆布ラーメンのスープの色は淡い茶色で、その色を見ると醤油ラーメン風なのだが、実は塩ラーメン。
この色は利尻昆布でとった濃厚なお出汁の色で、そのラーメンの味もさっぱりした和風で美味しかった。 -
利尻空港での待ち時間は2時間。
母と共に礼文・利尻で出会った花の名前を、本を見ながら確認する。
礼文島の旅行記で紹介をするのを忘れたので、今回の礼文・利尻のトレッキングや花の名前の同定に用いた参考書をここで少しだけ紹介。
今回のトレッキングで参考にしたのは、柚田美野里さん&宮本誠一郎さんの本で【礼文 花の島を歩く/ 北海道新聞社】。
この本は、トレッキングの案内以外にも花の見頃の時期、どのルートのどの辺りがポイントか等の情報が盛りだくさんで、個人でトレッキング旅を計画する旅人には非常に役に立つ。
また、手書きのイラスト・マップが可愛らしいので、女性にはお勧めだ。
母と二人で旅を振り返りながら本を眺めていると、トレッキング道の傍で咲いていた筈なのに気付く事の出来なかったお花たちもあった事に気づき、母と二人でリベンジを誓う。
でも、次回はお互いのパートナーと。
彼らにもこんなに素敵な花畑がある北の大地を見せてあげたい。
母も私もそう思っている。 -
本当に利尻とのお別れの時間がやってきた。
利尻山を正面に眺めながら、飛行機へと乗り込む。利尻空港 空港
-
飛行機の座席は利尻山の姿が見える側。
ゆっくりと滑走路を移動する間も、その姿を眺める。
あそこに見える頂上に昨日立っていたなんて…。
これからその上を飛ぶのかと思うと更に不思議な気分だ。 -
イチオシ
飛行機が飛び立ち、高度を上げる。
青空を背景に聳える貴婦人の美しき姿。
見納めだ。 -
そして、飛行機が旋回すると礼文島の先端である金田の岬、船泊、久種湖が見えてきた。
-
もう利尻の姿は見えないかと思っていたのだが、飛行機が片方の翼を下げ大きく回ると、羽根のすぐ前には雄大に裾野を広げる利尻富士の姿が…。
この姿を見たくて、利尻からの帰路を飛行機にしたのだ。
この日、島の半分は曇りだったので、もしかしたら上空からは島は雲の下になり全景は見えないかと諦めていたのが、最後の最後でその美しい全体像を見ることが出来た。
72歳の母と歩き登った礼文島と利尻島。
悔いがない旅かと問われれば、悔いがないわけではない。
沢山の高山植物に会え、美しい景色を目にはしたけれど、できなかったことも沢山あった。
母にとっては初めて、私にとっては2回目の北限の歩き旅。
きっとまた、来るときがあるのではないかな…。
母も私もそんな風に感じている。 -
夢の中で過ごしたような礼文・利尻で過ごした4日間。
その夢も、もうすぐ醒める。 -
飛行機は旅の世界をさまよっていた私達を現実界へと呼び戻すアイテム。
新千歳でLCCへと乗り換え、成田へと向かう。
飛行機を降りる度に、現の世界が現実味を帯びて近づいてくる。
終らぬ夢はない。
旅は夢の如く、一瞬の幻なのかもしれない。
でも、その幻影を求め、また旅へと出かけたくなる。
母と私。
いつもは離れて生活する二人。
全く性格が正反対の二人だが、旅をするとその正反対さ加減が良い方向へと動き、思わぬ結果を産む。
何が起こるか予想がつかないのが母との旅。
次回の母娘旅は来年のお楽しみ。
旅先でどんなびっくり箱が待ち受けているのか、怖さ半分・楽しさ半分、今からワクワク感でいっぱいだ。
前の旅行記:コレが私のAnother Sky
http://4travel.jp/travelogue/11155369新千歳空港 空港
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【旅のまとめ】〜2016夏旅・礼文&利尻・島旅 旅の経費 1人分の概略〜
支出総計:125,105円/人
内訳↓
宿泊:利尻2泊、礼文2泊、札幌1泊 41,800円/人
飛行機:成田−新千歳、利尻−新千歳、新千歳−成田 29,880円/人
高速バス:6,200円/人
利尻登山ガイド:21,600円/人
フェリー・島の路線バス・食費等現地費用:25,625円/人
【旅の準備段階―経費節約ポイント】
夏旅をどこに行こう♪
そうだ!北海道の離島に行こう♪と決めて3月に調べだした礼文・利尻旅。
離島だから高いだろうな〜と思いつつ、ツアーや飛行機と宿のパック商品を調べ始めた。
そして、分かったこと。
花のシーズンの6月・7月のパックツアーなんてとても庶民が手を出せる代物ではなかった。
観光バスで島を巡るだけなのに、稚内1泊、利尻1泊、礼文1泊しかしないのにそのツアー料金は4日間で15万〜20万円。
笑いがこみあげてくるほど高かった。
では、個人で全て手配する場合はどうなのだろう。
関東→稚内までの飛行機を便が良いもので繋いだ場合…まともに正規料金で購入したら飛行機代だけで10万円以上で、これも真面目に議論するには論外の価格帯。
しかし、飛行機には早期予約割引便があるので、それを使った場合は…それでも羽田―稚内の飛行機(往復)だけで6万円。
母と私の予算は、登山ガイドを含めて一人13万円と厳しい予算なので、この予算を達成するためには、もう少し頭をひねる必要があった。
そこで考えだしたのが成田―札幌間のLCC利用と札幌―稚内の高速バスの利用。
このアイディアは大正解で、正規料金で10万円の支出が予想された飛行機代がその1/3程度まで抑え込むことが出来た。
移動費を節約したお蔭で、旅の経費は5泊6日で一人12万5千円。
目標であった13万円をクリアーすることが出来た。
礼文・利尻旅の節約ポイントはズバリ、稚内までの移動費。
ココを工夫すれば、かなりリーズナブルに旅をすることが可能となる。
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旅行記グループ
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