丸の内～日本橋～西洋美術館パリポピンドゥール☆浜省前後の東京美術館と銀杏巡り・会津周遊ひとり旅⑦３日目

2023/11/17 - 2023/11/17

東京の用事と・・仙台での浜省アリーナツアー参戦・・に便乗して前後のひとり旅記録です。

コロナの間影を潜めていたインフルエンザが猛威を振るっているようです。
今年だけはインフルエンザの予防注射も接種して、またひとり旅・・

コロナの影響も薄れたからか、美術館が充実しているっぽい事に気付き・・
芸術の秋・・連日上野界隈を中心に美術館巡りと見頃の銀杏並木を歩いてみました。
歴史ある建築物も改めてゆっくり観てみました。

浜省もアリーナツアー再会して仙台で参戦し・・
仙台まで行ったなら、郡山で一泊して、会津若松、大内宿と　周遊してみました。

１日目・・・上野科学博物館「和食」　　・精養軒の洋食ランチ
　　　　　・東京国立博物館「やまと絵」・表慶館「横尾忠則　寒山百得」KKR東京泊

２日目・・・上野の森美術館「モネ」　　・東大銀杏並木
　　　　　・弥生美術館　　　　　　　　・はん亭でランチ
　　　　　・神宮外苑の銀杏並木～表参道・太田記念美術館葛飾応為「吉原格子先之図」
　　　　　・損保美術館「ゴッホと生物画・新宿伊勢丹

３日目・・・国立西洋美術館「パリポピンドゥール」　・国際こども図書館
　　　　　・東京都立美術館「永遠の都ローマ展」　　・黒船亭の洋食

４日目・・・郡山途中下車仙台
　　　　　・仙台の銀杏並木　ケヤキ並木　
　　　　　・セキスイアリーナ　浜省ツアー　　　　　郡山シティホテル泊

５日目・・・会津若松　・大内宿　　・鶴ヶ城　
　　　　　・会津若松名物わっばめし　　　　ワシントンホテル会津若松泊

６日目・・・野口英世正青春壱番館　会津漆器
　　　　　　東京へ移動して　ブルディガラカフェ　　　　帰途へ
　　　　

エリア 上野・御徒町(東京)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

３日目は嵐予報　

伊勢丹地下のメゾン・ランドゥメンヌのクロワッサンとコンビニ調達の朝食
バターもろもろ、クロワッサンも高騰中、東京の物価にはついていけなさそうな雰囲気ですが・・やはり美味しい・・

お昼前、空を観ながら、この日も行動開始・・
ホテルお隣の　丸紅ギャラリーでも素敵な展覧会企画されているようで・・
このお着物の展覧会・・行きたかったな・・
１２月の企画展　源氏物語　よみがえった女房装束の美　面白そうです。

なるべく雨に濡れたくないので、東西線で　大手町　オアゾの　丸善へ
昨今本屋さんが激減してるので、本屋さんに居るだけで幸せな気分になります。

丸の内 オアゾ ショッピングモール

すっかりクリスマスモード
2023の丸の内界隈は、創立100周年を迎えるディズニーと連動した　
Marunouchi Bright Christmas 2023「Disney DREAMS&WISHES」

OAZO の１階広場には巨大なFROZEN TREE

アナと雪の女王

日本橋に移動して、日本橋三井タワー

日本橋三井タワー 名所・史跡

エントランス入ると風格ある吹き抜け

天井にはステンドグラス

旧三井二号館で使われていたものだそう

１階と２階の北側が千疋屋総本店となっているので

１階もカフェになっていますが、二階へ

千疋屋総本店 日本橋本店 グルメ・レストラン

落ち着いた雰囲気

テラス席が空いていたので

テラス席から望む中央通り挟んで見えるビルは　日本橋室町野村ビル
ビルの全面の意匠が印象的です。

千疋屋さんもいろいろありますが、総本店は違います、やはり・・

メニューもちがう・・

ゴージャス感がちがいますね・・

まよう・・

どれも素晴らしく芸術的

しかし・・この日の夜は洋食と決めてますから・・

オーソドックスな季節のフルーツ

器も凝ってます、フルーツの下はフルーツポンチ
フルーツのご馳走~~ご馳走様でした~~季節の柿に葡萄~~美味でした~

出まして・・

マンダリンオリエンタル東京も一層華やかになってました。

お隣は、コレド室町テラス

こちらも、華やかにクリスマスモード

三越前から

三越前駅 駅

また上野へ

雨も上がって、嵐も去った様子、傘も出番がない状態
上野の銀杏も紅葉が進んできてました。

国立西洋美術館へ

国立西洋美術館 美術館・博物館

考える人　も銀杏に映えてます。

１月末まで　パリ　ポンピドゥーセンター　キュビスム展　美の革命　が開催されています。

キュビズム・レボリューション　は、パリ発・世界を変えた美の革命

２０世紀初頭、ピカソとジョルジュ・ブラック　により生み出されたキュビズム
その名称は1908年にブラックの風景画がキューブ(立方体)と評されたことに由来。
キュビズムは西洋美術の歴史にかつてない変革をもたらします。
伝統的な遠近法や陰影法による空間表現から脱却し、幾何学的な形で構成された絵画はルネサンス以来の常識から画家を開放し、それ以後の多様な展開に絶大な影響を与えました。

パリのポピンドゥーセンターから重要作品が来日し、２０世紀美術の真の出発点となったキュビスムが紹介されています。

キュビズム以前、１９世紀後半から２０世紀前半、セザンヌ、ポール・ゴーガン、アンリ・ルソーはそれまでの伝統的な規範から抜け出し、その後のピカソらに影響を与えています。

　コンゴ共和国の儀礼用の像　制作年は不明ですが、２０世紀初頭の芸術家ピカソらは強い関心を示して、熱心に収集しました。

立てる裸婦　1907　アンドレ・ドラン
「プリミティヴィズム」とは表現はピカソらが古代ギリシャ・ローマ美術を規範とする美術の規範から新しい規範としてアフリカやオセアニアの造形物に見出しまし、その表現。しかし、それらの造形物の文化的意味を理解したわけではありませんでした。

女性の胸像　1907　パブロ・ピカソ
アフリカやオセアニアの造形物に影響されたピカソのプリミティヴィスム作品

アポリネールとその友人たち　

1883年　マリー・ローランサン

女性の仮面　1908年　ピカソ

レスタックの道　1908年　ブラック
ピカソと並ぶキュビズムの画家ブラックの作品。

キュビズムに影響を与える事になったセザンヌ　セザンヌが制作したとして知られるレスタックにブラックは４回滞在し、セザンヌに応答する作品を制作しました。
キュビズムの始まりです。
影響を与えたセザンヌは1906年に没しています。

セザンヌ没後の回顧展にブラックはより感銘を受け、再びレスタックを訪れ描いた作品

セザンヌの回顧展には、「自然を円筒形、球形、円錐形によって扱いなさい」という有名な一節を含むセザンヌの言葉が紹介され、それにより、新たな表現に到達。

そして、キュビズムの二大巨頭の出合があり、進化していった様子がわかります。

女性の胸像　1909　ピカソ
上の１９０７年のピカソの女性の胸像とは全く違う絵になっています。キュビズム化に変化していく様子が面白い。

ひじ掛け椅子に座る女性　1910　ピカソ
題は想像できるくらいに仕上がっている・・素人目にはそれくらいの感想ですが
説明文を読むと、その変化がわかります。

これは、ピカソとブラックによるキュビズムの実験のもとに描かれた絵で、単身物像や卓上の静物といった身近な主題で進められ、二人は1910年までに色調をグレーや褐色に限定して、対象の形を陰影のついた細かな切子面に分割して表すようになりました。

果物皿とトランプ　1913
ブラックは総合的キュビズムの展開に重要な技法を考案しました。
新聞や壁紙を張り付けるパピエ・コレに加えて油絵の具でだまし絵のように再現される木目模様や、砂やおが屑を混ぜて作られる粗い絵肌など。
ブラックは塗装職人のけいけんもあり、そこからの導入で、実現と再現、高級な芸術と日常生活といった境界に揺さぶりをかけるものだった。
・・・と知ると・・理解できてきます。

ギターを持つ男性　1914　ブラック

ヴァイオリン　1914ピカソ
なんとなく、観ていくうちに、ブラックとピカソの違いも分かってきます。

(・_・D フムフム
ブラック、ピカソに継ぐ画家が出てきて、進化していきます。

ギター　1913　ファン・グリス
ピカソのギターより分かり易い絵のような

ヴァイオリンとグラス　1913　ファン・グリス
ブラックとピカソの様々な発明を吸収してグリスはキュビズムを展開していきます。

キュビズムの歴史も読んでると面白い。
ブラックとピカソは細々と活動してたのに反し、その後の画家たちはサロンで主張していったようです。

婚礼　1911　フェルナン・レジェ
レジェは始めは印象派に影響を受けますが、セザンヌ回顧展に感銘を受け、後には
サロン・キュビズム　を代表する画家となりました。

この絵が婚礼に・・私には見えませんが・・
街中を行進する結婚式の行列を描いています。中央にピンクがかったドレスの花嫁とタキシード姿の花婿。人々の手や頭部の断片が二人を取り囲んでいます。
ダイナミックに結婚式の活気あふれる様子を伝えている・・んだと知ると・・わかります。

パリ市　1910　ロベール・ドローネ
二回目のサロンで出品した作品。大作です。
画面の左右にはパリの街とエッフェル塔、中央には古典的な三美神を思わせる裸婦像
色彩による構成に画家の関心はあり、その後の色鮮やかな作品に繋がっていきます。

収穫物の脱穀　1912　グレース
キュビズム作品の最初の集団でのサロン展示を画策した画家で、この作品はグレースの代表作。
キュビズムという新しい造形言語によって、農作業と言う伝統的主題を融和させた作品で、キュビズムをフランス美術の伝統の延長線上に位置づけようとした主張が見える作品。

当時の南仏のカーニバルにキュビスト山車が登場した様子。1913
キュビスムは大衆的な見世物として揶揄された様子がわかります。

何事も先駆者は大変そうですっ。

古いサロン・ドートンヌのカタログ　1912

キュビズムは何を意味しているのか
今でも解説がないと理解できませんから、当時の解説。

色々と試行錯誤ぶりがうかがえます。

バル・ビュリエ　1913　ソニア・ドローネ―
色彩が折り重なるように続いてる大作。

当時、キュビズムの支持者たちは、キュビズムは対象の見かけだけではなく、対象そのものの真実を描く概念的な現実　という理論を主張していました。　1912

行進する兵士たち1913　ジャック・ヴィヨン
次に現れたのがビュートー・グループ
黄金比や非ユークリッド幾何学といった科学をキュビスムと理論的に結び付けようとしたダイナミズムの表現をしたグループ

恋人たちⅡ　1913　レイモン・デュシャン・ヴィヨン
顔を寄せ合う男女がダイナミックな躍動感で表現されています。

メゾン・キュビスト　1912

この住居のような場所でキュビズム作品を観ようとする試みも出てきました。
新たな時代にふさわしい装飾芸術として、前衛的な造形を取り込もうとしたのがメゾン・キュビスト

ピカソが居を構えたモンパルナスに他国の画家も集まってきました。
シャガールもその一人

ロシアとロバとその他のものに　1911　マルク・シャガール

婚礼　1911　シャガール
シャガールがパリに移り、キュビズム周辺の詩人や美術家と交流し始めた頃の作品。
中央のカップルやバイオリン弾きは故郷の東欧ユダヤの共同体　シュテットル　を象徴する人物像。幾何学な空間構成はキュビズムの影響

墓地　1917　シャガール

キュビズムの風景　1919　シャガール

ラリッシュ　と　シャガール　1968

女性の頭部　1912　アメデオ・モディリアーニ

東欧からの画家もキュビズムに影響されていきました。
エッティンゲン男爵夫人　1917　レオポルド・シュルヴァ―ジュ
セザンヌなどに感銘を受け、パリに出てキュビズムに影響されます。
中央の男爵夫人とエッフェル塔などの都市の風景が融合しています。

帽子の婦人　1913　ナターリヤ・ゴンチャローワ
ロシアでは、フランスのキュビズムとイタリアの未来派が同時に紹介され、この二派に影響を受けた　立体未来主義　が展開しました。

第一次世界大戦が始まり、芸術家たちも銃を持たされた中、スペイン出身のピカソなどは銃後にとどまり、大戦中のキュビズムを担いました。
戦争の歌　１９１５　アルベール・グレーズ
愛国的な作曲家のシュミットを描いています。

若い女性の肖像　１９１４　パブロ・ピカソ

朝の食卓　1915　ファン・グリス

輪をもつ少女　1919　ピカソ
戦後、複雑な実験のもとに描かれていたものが変化していきます。
伝統的な技法である絵画となっていき、平明な静物画や古典的な主題へと向かいます。

大戦後キュビズムは再び最先端の芸術表現としての地位を回復していきます。
静物　1922　ル・コルビュジェ

見ごたえのある美術展でした。
少しだけ奇々怪々な絵に見えたものが理解できたような・・
⑧につづく