サブスクで行く横浜散歩　＃１８神奈川宿・六角橋商店街

2021/10/23 - 2021/10/23

１０月２３日（土）晴れ
年金生活者は現役世代の迷惑にならぬよう、週末の活動は控えるよう心がけていますが、変わりやすい秋の空、好天に促されて神奈川区を散歩しました。

敬老パスを使った交通費フリーの旅は今回が１８回目、ちょうど横浜１８区を全部回り切ることになります。そんな中でも神奈川区は横浜のハート＆ソウル、江戸から明治に移り変わる激動の歴史を実感できる盛り沢山で楽しい散歩になりました。

エリア 横浜(神奈川)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• グルメ: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 高速・路線バス 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

東海道五十三次の神奈川宿、言うまでもなく県名の由来です。
戸塚宿、保土ヶ谷宿に続き、今回は神奈川宿を散歩します。

ルートは、神奈川区が発行している「神奈川宿歴史の道」に従います。

出発はいつものようにあざみ野駅。横浜市営地下鉄グリーンラインです。

あざみ野駅 駅

横浜駅に到着、地下道を出るとこの眺め。

横浜駅 駅

首都高神奈川２号三ツ沢線の高架を潜ります。

ここが出発点の上台橋。

欄干には港町横浜を象徴する青海波の模様があります。この模様はこの先、歴史の道の至る所に見られます。

これが旧東海道、緩やかな上り坂。

台町の茶屋
この辺りはかつて神奈川湊を見下ろす景勝の地、茶屋が立ち並んで旅人の息抜き場所でした。

その名残りを止めるのがこの料亭田中家。
今の建物は建て替えられたもので、かつてはもっと豪壮、何十人もの芸者を抱える大店でした。

割烹 田中家 グルメ・レストラン

文久3年（1863年）創業、その前身の旅籠「さくらや」は広重の「東海道五十三次」にも描かれ、高杉晋作やハリスなども訪れたそう。

それより有名なのは、坂本龍馬の妻「おりょう」がここで働いていたことです。明治7年（1874年）勝海舟の紹介で働き始めた「おりょう」は、英語が話せ、月琴も弾くことができたので、外国人の接待に重宝されたそう。今でいうキャリアウーマンのはしりでしょう。

実は現役時代（と言っても20年前ですが）、この割烹を仕事で何度か使わせていただきました。お土産に頂いた醤油刺しが今も何個か我が家に残っています。

クリアフォルダーもいただいていました。

少し戻って神奈川台の関門跡です。
開港後外国人が何人も殺傷され、各国の領事たちは幕府を激しく非難しました。そこで幕府は、横浜周辺の主要地点に関門や番所を設け、警備体制を強化。この時、神奈川宿の東西にも関門が作られ、そのひとつが西側・神奈川台の関門です。

神奈川台関門跡碑 名所・史跡

台町の坂道を登ります。台町の地盤は堅固で、関東大震災でもびくともしなかったそうです。

急な坂道を厭わなければ横浜で住むには一番の場所です。

かえもん公園
横浜を語るうえで欠かせない高島嘉右衛門の邸宅跡地です。

新橋・横浜間の鉄道敷設のため横浜港の埋め立て（現在の西区野毛町～神奈川区青木町）を請け負い、成功させた功績を讃え、高島台や高島町（現在の西区高島）などの地名が残されています。

また、高島易断の創始者としても有名で、今でも「易聖」と呼ばれています。以前、高島家ご子孫の自宅をお尋ねし、埋め立て当時のお話を伺った際に、お土産として暦を頂いたことがあります。

高島先生の碑

高島山公園にやってきました。

高島山公園 公園・植物園

公園内には弁玉歌碑（三宝寺住職で歌人の大熊弁玉の歌碑）と、

望欣台の碑（高島嘉右衛門顕彰碑）が立っています。

高島山公園からの眺め。武蔵小杉のタワマン群も見えます。

坂道を下ると足元には青木橋。

三宝寺はまるで空中楼閣。
第21世住職 弁玉和尚は江戸末期から明治初期にかけて活躍した歌人で、文明開化の新事物を詠ったことで知られています。

本覚寺
開港当時、アメリカ領事館に充てられました。

本覚寺 寺・神社・教会

安政5年（1858年）日米修好通商条約締結に際し、アメリカ公使ハリスとの交渉にあたった全権委員・岩瀬忠震を記念する石碑が境内に建てられています。

坂道を下り、旧東海道を少し戻ったところに大網金刀比羅神社があります。かつて神奈川湊に出入りする船乗りの崇敬を集め、大天狗の伝説でも知られています。

また、神社前の街道両側に一里塚が置かれていたそうです。

大綱金刀比羅神社 寺・神社・教会

東横フラワー緑道
平成16年（2004年）みなとみらい線開通に伴い、東急東横線が地下化されたので、その上部を緑道として整備したものです。

青木橋
国道1号（第二京浜道路）が東海道本線と京急本線を跨ぐ、日本最初の跨線橋の一つです。

青木橋 名所・史跡

橋の上からの眺め。
右に見えるのは京急神奈川駅。

宮前商店街
旧東海道が繋がっています。今はマンションが建ち並び、商店街とは名ばかり。

甚行寺

開港当時、フランス領事館に充てられました。

フランス公使館跡 寺・神社・教会

権現山が見えます。

普門寺
洲崎大神の別当寺だったそうです。

江戸後期には本堂・客殿・不動堂などの建物を持ち、開港当時はイギリス士官の宿舎に充てられていました。

イギリス士官宿舎跡 名所・史跡

さらに旧東海道をたどります。

洲崎大神

建久2年（1191年）、源頼朝が安房国一宮の安房神社の霊を移して祀ったことにはじまると伝えられています。

宗興寺
開港当時、アメリカ人宣教師で医師であったヘボン博士がここに施療所を開きました。

宗興寺 寺・神社・教会

境内にはヘボン博士の記念碑が立てられています。

神奈川の大井戸
江戸時代には東海道中の名井戸に数えられ、江戸初期には神奈川御殿に宿泊する徳川将軍の御茶の水に充てられたと伝えられています。

浄瀧寺

浄滝寺 寺・神社・教会

開港当時はイギリス領事館に充てられました。

土橋を渡り滝の川を越えます。
この川には、「河童のくれたされこうべ」という伝説があります。詳しくはググってください。

今は静かな落ち着いた川です。

京急本線のガードを潜ると

慶運寺があります。

慶運寺 寺・神社・教会

開港当初はフランス領事館に使われました。

また、浦島太郎伝説にちなむ遺品が伝わる寺としても有名です。
浦島伝説が伝わる観福寿寺の資料はこの慶雲寺に引き継がれています。この浦島寺碑もその一つです。

浦島観音堂に納められた浦島観世音は浦島太郎が龍宮から玉手箱とともに持ち帰ったとされています。扉の覗き穴から撮影しました。

浦島父子塔も観福寿寺から移されたもの。

ガードを戻って京急本線沿い。

成仏寺

成仏寺 寺・神社・教会

開港当初はアメリカ人宣教師達の宿舎に使われ、ヘボンは本堂に、ブラウンは庫裡に住んだそう。ヘボンはヘボン式ローマ字で知られ、日本最初の和英辞典を完成させました。また、ブラウンは英語の教育に尽力し、ヘボンとともに聖書の翻訳を行いました。

横浜市神奈川地区センターに立ち寄り、トイレを借ります。

神奈川宿復元模型が展示されています。

地区センターの片隅に神奈川宿高札場が復元されています。往時は滝ノ橋のたもとにありました。

高札場 名所・史跡

旧東海道を江戸方面に。

熊野神社

熊野神社 (東神奈川) 寺・神社・教会

石造大獅子の狛犬は嘉永年間（1848～1854年）の作。

旧東海道を挟んだ北側には、

金蔵院があります。これは山門。
京都醍醐寺三宝院の開祖勝覚僧正により平安末期に創られた古刹だそう。

金蔵院 寺・神社・教会

東光寺
この寺の本尊はもと太田道灌の守護仏でしたが、道灌の小机城攻略後、平尾内膳が賜り、この寺を草創したと言われています。

東光寺 寺・神社・教会

横浜市立神奈川小学校の擁壁に神奈川宿の絵図が嵌め込まれています。

さらに旧東海道を辿ると神明宮です。

神明宮 (東神奈川) 寺・神社・教会

その隣が能満寺。かつては神明宮の別当寺でした。
正安元年（1299年）創建。本尊は高さ５寸（15cm）木造坐像の虚空蔵菩薩で海中より出現したと伝えられます。

四天王を納めた立派な山門があります。

能満寺 寺・神社・教会

京急本線の向こうに見えるのは、

笠のぎ（ノギヘンにスメ）稲荷神社
社伝によると天慶年間（938～947年）に稲荷山の中腹に創祀され、元寇に当たっては北条時宗より神宝を奉納されているという歴史ある神社。明治2年（1869年）に現在地に遷座されました。

笠のぎ稲荷神社 寺・神社・教会

再び京急本線南側に戻って良泉寺。

良泉寺 寺・神社・教会

開港当時、諸外国の領事館に充てられることを快しとしない住職は、本堂の屋根をはがし、修理中であるとの理由を口実にして幕府の命令を断ったと言われています。

気骨があるのか、了見が狭いのか？

京急神奈川新町駅までやって来ました。

神奈川新町駅 駅

旧東海道の向こうに見える緑は、

神奈川通東公園です。ここが「歴史の道」の終点となります。
かつての長延寺跡・土居跡です。この辺りは神奈川宿への江戸からの入口にあたります。街道両側に高さ2.5mの土盛りがされ、竹矢来が設けられていました。

長延寺は開港当時、オランダ領事館に充てられていました。

本覚寺から長延寺まで約２kmの旧東海道沿いに、欧米列強の領事館が並んだこのあたりは、日本全国の注目を集めたに相違ありません。

神奈川通東公園 (オランダ領事館跡) 公園・植物園

神奈川東公園で折り返し、今度は第一京浜沿いを南下します。

車道も歩道も不必要なくらい幅広です。

運河沿いの浜通りを辿るとDマリーナ、人気のレンタルボート屋さんらしい。

村雨橋から運河の眺め。昔は賑わったのでしょう。

今は対岸を埋め立てて、新たな街づくりが計画されています。

向かったのは台場公園。

神奈川台場跡です。
安政6年（1859年）幕府は伊予松山藩に命じ、勝海舟の設計で海防砲台を構築。総面積26,000平方メートル（約8,000坪）の海に出た扇形で蔓延元年（1860年）竣工。大正10年頃から埋め立てられ、現在ではここより沖合にあたる星野町公園に石垣の一部を残すのみです。

砲台のあったあたりは今は埋め立てられ、コットンハーバーのタワマンが建ち並んでいます。

これで歴史の道探訪は終わり、ランチに向かいます。
首都高神奈川１号横羽線の高架を潜り、

京急とJRのガードも越えて、

第二京浜です。

反町公園の近くに、

目指すお店、らぁめん夢があります。

らぁめん夢 グルメ・レストラン

わんたんらーめん　950円

昼食を終えて二ツ谷町バス停から横浜市営バス36系統で六角橋へ。

散歩の後半は、六角橋商店街です。
横浜橋通商店街・洪福寺松原商店街・大口通商店街と並ぶ横浜市内有数の商店街ですが、これまで来たことがありませんでした。

六角橋商店街 市場・商店街

旧綱島街道沿いに白楽駅と六角橋交差点を結ぶ約500mのメインストリートは、近くにキャンパスのある神奈川大学の学生達がゾロゾロと歩いています。

しかし、商店街の目玉はメインストリートではなく、その西側に沿ってアーケードが連なる「ふれあい通り」です。

人がすれ違うのもやっとの細い通り。「ふれあい」とはうまいネーミング。

魚屋

鶏肉屋

八百屋

古物商

雑貨屋

駄菓子屋

漬物屋

コレクターズショップ

デニム修理専門店

居酒屋・スナックに

「孤独のグルメ」で紹介されたお店など。

乾物商

茶園

袋物店

意匠も昭和レトロの香りたっぷり。

まるでテーマパークです。

かと思うと、新しい店も開店しています。

そんな玩具箱のような雑多さが、新しいお客を呼び込んでいるようです。

小１時間ほど散策して、横浜市営バス39系統で六角橋をあとにします。

篠原池バス停で下車。

週末の岸根公園は家族連れで賑わっています。

岸根公園 公園・植物園

大きなコイは子供達の人気者。

岸根公園駅から市営地下鉄グリーンラインで

岸根公園駅 駅

あざみ野駅に戻って来ました。

敬老パスを使ったサブスク散歩で横浜１８区全てを回り切り、とりあえずの目標は達成できました。公共交通機関が市内の津々浦々まで張り巡らされた横浜は、市営地下鉄と路線バスでどこにでも行けることが分かりました。今後も行ってみたいところには、機会を見てサブスク散歩を続けたいと思います。

あざみ野駅 駅

今日の運動量はこんな感じ。少し疲れました。