2021/03/01 - 2021/03/01
45位(同エリア308件中)
FUKUJIROさん
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江戸時代、徳川幕府によって整備された五街道の一つである中山道は、海沿いを通る東海道に比べて距離は長いものの川留めもないことから、重要な街道でした。
お江戸日本橋から京都三条大橋まで約534km、六十七宿でした。
日本橋を発つと、板橋宿、蕨宿、浦和宿、大宮宿、上尾宿、桶川宿と続いて、7番目が鴻巣宿でした。
ただ、もともとの鴻巣宿は現在の北本市の中心部にありました。桶川宿から近すぎるため、西北方面に宿場をずらした経緯があります。このため、移動する前の場所を元(本)宿と称することになりました。同じ足立郡内にあったもう一つの本宿と区別するために北の元宿村と呼ばれていましたが、上越線の駅名を付ける際に北本駅とされ、いつしか北本村という名称が定着しました。もう一つの本宿は、南元宿村となり、現在はさいたま市中央区の地名として残っています。
現在の北本から熊谷周辺には湿地が多く、コウノトリが巣くっていたので鴻巣と呼ばれたようです(諸説あり)。
鴻巣宿が栄えていた頃の名刹が浄土宗の天照山良忠院勝願寺です。
関東十八檀林の一つとして、江戸の増上寺、川越の蓮馨寺、鎌倉の光明寺などと並び称されていました。
そして、勝願寺の北側には鴻巣御殿が置かれ、徳川家康、秀忠、家光の三代にわたって鷹狩りの休足所として栄えていました。
当日は朝一で仕事があり、次の仕事までの合間にかつての鴻巣宿跡を散策しました。三密を避けながら歩きましたが、平日でもあり、人出は少なかったです。
コロナ禍のため、帰宅後2週間以上経過し感染していないことを確認してから旅行記を公開しています。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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JR高崎線の鴻巣駅北口を出ると、複合施設の先にエルミパークという小公園があります。左側にはソメイヨシノ、右側にはカワヅザクラが植えられています。
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カワヅザクラが満開でした。
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カワヅザクラが満開でした。
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カワヅザクラが満開でした。
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カワヅザクラが満開でした。
平日で人も少なく、のんびりお花見ができました。 -
鴻巣駅前の道を北へ向かうと中山道鴻巣宿の碑がありました。
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中山道鴻巣宿の碑。
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中山道鴻巣宿の碑(側面)。
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駅前通りと中山道の交差点にある鴻巣宿おおとり公園。
帆掛け船の帆みたいですが、コウノトリの羽のモニュメント。 -
花柄のマンホール蓋。
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中山道を江戸に向かって歩くと、この石碑がありました。
逆光で良くわかりませんね。 -
反対から。鴻巣本陣跡の碑でした。
江戸時代末期の鴻巣宿は、本陣と脇本陣が1軒ずつ、旅籠が60軒ぐらいあったようです。 -
さらに進み、県道東松山鴻巣線を渡って、少し先の路地を入ります。
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鴻巣市の花パンジーが描かれたマンホール蓋。
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中山道と並行する「ひなの里通り」。勝願寺の標柱の奥に総門が見えます。
自慢するものが少ない埼玉県(個人の意見)ですが、節句人形は全国第一位で約46%のシェアを占めています。 -
総門。明治15年の大火で境内の大部分が焼失しましたが、唯一残った江戸時代の建物です。
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扁額は「栴檀林」。僧侶が勉強する学問の場、という意味だそうです。
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総門を潜ると参道です。両側に桜の木が植えられています。
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参道に入り、すぐ左手に塚がありました。
この辺りには古墳が多いのですが、特に説明はありませんでした。 -
古墳のようです。
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登り道があったので、頂上に登りました。
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軍馬記念碑。裏を見ると、明治三十○年とありました。
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椿。
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参道の途中に残念なお知らせがありました。
もう少し進んでみましょう。 -
正面の建物は龍寿殿。呑竜上人をお祀りしています。
足場が組まれている場所が仁王門です。 -
龍寿殿。昭和5年(1930年)に造営されました。
これ以上は近づけませんでした。 -
仁王門。屋根の改修工事でした。
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牧野家累代の墓所。仁王門の右側にあります。
牧野康成公は、天正18年(1590年)に石戸藩(現北本市の一部)5千石を拝し、その後加増・転封し、徳川家の譜代大名として明治維新まで続きました。 -
扉には三つ柏の御葵がありました。
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牧野家累代の墓所。牧野康成公以降、丹後城主となった後の歴代当主夫妻もこちらに埋葬されています。
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中門。
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中門を潜ると、正面には庫裏、右に梅の木。
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お天気が良いので、梅の花が映えます。
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蕾もたくさんありました。
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左に鐘楼、右奥に本堂が見えます。
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本堂。明治15年の大火で焼失後、明治24年(1891年)10月に再建されました。
御本尊は平安期の作と伝えられる阿弥陀如来像です。
創建は鎌倉時代、一時荒廃しましたが、文禄元年(1592年)2月に徳川家康が立ち寄ったご縁から隆盛を誇っていました。 -
本堂軒下の彫刻。
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本堂上部の鏝(こて)絵。フレスコ画と同様に漆喰に描かれています。
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本堂内の扁額「良忠院」。
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ご本尊の阿弥陀如来坐像。
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お寺ですが、本堂の前には狛犬がありました。
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こちらはちょっと優しい顔の狛犬。
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本堂の正面に建つ仁王門(内側から)。
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鐘楼。
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鐘。
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鐘楼の前に立つお地蔵様。
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無縁仏供養塔。
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芭蕉忌千句碑。
「けふばかり 人も年よれ 初時雨」
松尾芭蕉が元禄5年(1692年)10月3日に東京赤坂の彦根藩中屋敷で開かれた五吟歌仙の発句として詠んだ句です。 -
本堂。芭蕉忌千句碑から。
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本堂に向かい左側には石塔が建っています。
左から、仙石秀久、真田信重の妻と重信、小松姫の墓です。 -
仙石秀久の墓。信濃国小諸藩主でしたが、慶長19年(1614年)5月、江戸から国元へ帰る途中、当地で発病し亡くなったため、一旦当寺で仮葬されたとのことです。
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真田信重夫妻の墓。真田信之の三男で、母・小松姫と同様に鴻巣で没したため当寺に埋葬されました。妻の石塔が立派です。
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小松姫の墓。本多忠勝の娘で、信濃国上田藩主・真田信之に嫁ぎました。
生前、当寺の住職・円誉不残に帰依していたことから一周忌の際に分骨されました。 -
お地蔵様が並んでいます。
墓所には、家康の信頼が厚かった関東郡代・伊奈忠治夫妻および伊奈忠次夫妻の4基の宝篋印塔が建立され、埼玉県指定史跡になっています。
伊奈半十郎忠治は治水の名人で、利根川の東遷と荒川の西遷を成し遂げ、武蔵国の大きく発展させました。埼玉県北足立郡伊奈町にある「勝願寺」に忠治夫妻および忠次夫妻の墓があります。 -
人形塚。勝願寺では毎年11月に「人形供養祭」が行われています。
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なんじゃもんじゃの木。5月初旬に、まるで雪のような真っ白い花を咲かせます。
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境内を出て、ひなの里通りを鴻巣駅に向けて歩きます。
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途中の細い路地を線路方向に曲がります。
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路地を進むと、東照宮の幟がありました。
この狭い通路の奥に日本一小さい東照宮があります。
埼玉県鴻巣市本町4丁目8-26。 -
小さな鳥居があり、小さな祠が祀られています。
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江戸時代の初期、この地には鴻巣御殿が造営されており、徳川家康、秀忠、家光の三代にわたって鷹狩りの休足所として栄えていましたが、寛永7年(1630年)ごろを最後に使われなくなり、その後、御殿は取り壊されました。
この地には東照宮が祀られていましたが、明治30年代に鴻神社(鴻巣市)に合祀され、その跡地が日本一小さい東照宮となりました。 -
祠の横にあった説明書きの絵。鴻巣御殿は文禄2年(1593年)に築かれ、およそ40年間だけつかわれたました。
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駅前の薬局には、懐かしいゾウの置物がありました。
ということで仕事に戻ってしまったのですが、後日、鴻巣御殿の復元模型があることを知り、見てきました。 -
鴻巣御殿の復元模型。以前は鴻巣市役所に置かれていたようですが、昨年(令和2年)9月からは鴻巣駅北口にある市民活動センターに展示されています。
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1/100の模型です。右端の中山道に面して御殿の門が造られていました。
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手前が中山道、中央に表御門と通路の奥に内御門。
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表御門の様子。
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御殿中心部の全景。
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手前の細長い建物が御鷹部屋。中庭の奥に御殿の主要な建物。
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中央の大きな建物が御広間。
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池に面して御主殿が建てられ、その左に御休足間、一番左に御風呂屋。
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御主殿。将軍が大名と対面した部屋です。この模型の中には侍がおり、襖絵も描かれています。写真を拡大すると、かすかに侍が見えます。
緊急事態宣言中のため県外には出かけませんでしたが、思いがけず鴻巣市の歴史が面白かったです。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
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