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 時代劇『水戸黄門』は、水戸黄門こと徳川光圀が日本全国を旅しながら悪代官を懲らしめるという定番の物語だが、残念ながら実際の光圀は歴史書『大日本史』の編纂に人生の大半を捧げており、全国を漫遊したという事実はない。<br /><br /> この黄門話の元ネタが「北条時頼の廻国伝説」である。<br /><br /> 時頼も若くして執権となり37歳で亡くなったので、諸国を漫遊する余裕があるはずもなくやはり伝説としてお話が残っているのだ。「影武者がスパイとして諸国を廻った説」もある。<br /><br /> 権力者などが身分を隠して行動し、最後に「実は我こそが・・・」というパターンは古くはホメロスの叙事詩で紹介される「ユリシーズの帰還」のように物語にされやすい題材なのであろう。<br /><br /> 五代執権北条時頼は出家して最明寺入道と名乗り諸国を回遊した。<br /><br /> 佐野(現在の栃木県 佐野市)に住む貧しい老武士、佐野源左衛門尉常世の家に、ある雪の夜、旅の僧が一夜の宿を求める。常世は粟飯を出し、薪がないからといって大事にしていた鉢植えの木を切って焚き、精一杯のもてなしをする。常世は僧を相手に、一族の横領により落ちぶれてはいるが、一旦急あらば痩せ馬に鞭を打ちいち早く鎌倉に駆け付け命懸けで戦う所存であると語る。<br /><br /> その後鎌倉から召集があり、常世も駆け付けるが、あの僧は実は前執権・北条時頼だったことを知る。時頼は常世に礼を言い、言葉に偽りがなかったのを誉めて恩賞を与える。<br /><br /> これは「鉢木」という能であるがここから「いざ鎌倉」という言葉が人口に膾炙したのである。<br /><br /> 因みに神戸市北区にも「鎌倉峡・百丈岩」という時頼回国伝説の地がある。

「時頼は 身分を隠し 漫遊す」 ~宝塚の中山連山縦走の蘊蓄登山~

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2021/02/20 - 2021/02/20

14位(同エリア572件中)

旅行記グループ スーパーカブでゴー! VOL.4

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熟年ドラゴン

熟年ドラゴンさん

 時代劇『水戸黄門』は、水戸黄門こと徳川光圀が日本全国を旅しながら悪代官を懲らしめるという定番の物語だが、残念ながら実際の光圀は歴史書『大日本史』の編纂に人生の大半を捧げており、全国を漫遊したという事実はない。

 この黄門話の元ネタが「北条時頼の廻国伝説」である。

 時頼も若くして執権となり37歳で亡くなったので、諸国を漫遊する余裕があるはずもなくやはり伝説としてお話が残っているのだ。「影武者がスパイとして諸国を廻った説」もある。

 権力者などが身分を隠して行動し、最後に「実は我こそが・・・」というパターンは古くはホメロスの叙事詩で紹介される「ユリシーズの帰還」のように物語にされやすい題材なのであろう。

 五代執権北条時頼は出家して最明寺入道と名乗り諸国を回遊した。

 佐野(現在の栃木県 佐野市)に住む貧しい老武士、佐野源左衛門尉常世の家に、ある雪の夜、旅の僧が一夜の宿を求める。常世は粟飯を出し、薪がないからといって大事にしていた鉢植えの木を切って焚き、精一杯のもてなしをする。常世は僧を相手に、一族の横領により落ちぶれてはいるが、一旦急あらば痩せ馬に鞭を打ちいち早く鎌倉に駆け付け命懸けで戦う所存であると語る。

 その後鎌倉から召集があり、常世も駆け付けるが、あの僧は実は前執権・北条時頼だったことを知る。時頼は常世に礼を言い、言葉に偽りがなかったのを誉めて恩賞を与える。

 これは「鉢木」という能であるがここから「いざ鎌倉」という言葉が人口に膾炙したのである。

 因みに神戸市北区にも「鎌倉峡・百丈岩」という時頼回国伝説の地がある。

旅行の満足度
3.5
同行者
一人旅
交通手段
徒歩 バイク

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  •  6年前に行った鎌倉峡。<br /><br /> 最明寺と号した時頼は武庫川上流の渓谷に庵を結んだと言われている。<br /><br /> 「鎌倉峡」と名付けられた所以である。

     6年前に行った鎌倉峡。

     最明寺と号した時頼は武庫川上流の渓谷に庵を結んだと言われている。

     「鎌倉峡」と名付けられた所以である。

  •  今回訪れるのは宝塚にある最明寺瀧である。<br /><br /> 最明寺という寺がある訳ではない。時頼が出家して最明寺と号したことから諸国に立ち寄ったとされるところにこの名がついて残ったのである。

     今回訪れるのは宝塚にある最明寺瀧である。

     最明寺という寺がある訳ではない。時頼が出家して最明寺と号したことから諸国に立ち寄ったとされるところにこの名がついて残ったのである。

  •  阪急山本駅から山へ向かっていくと現れる石造りの門。

     阪急山本駅から山へ向かっていくと現れる石造りの門。

  •  川も滝も橋も最明寺。

     川も滝も橋も最明寺。

  •  大した滝ではない。

     大した滝ではない。

  •  とりあえず自撮り。

     とりあえず自撮り。

  •  大きな岩は皆ご神体。

     大きな岩は皆ご神体。

  •  堰堤は階段で越える。

     堰堤は階段で越える。

  •  標識はありがたい。

     標識はありがたい。

  •  落書きのような標識、いややっぱり落書きだな。

     落書きのような標識、いややっぱり落書きだな。

  •  年取るとこんな橋でもバランス崩しそうで怖い。真ん中の板は体重で軋む。

     年取るとこんな橋でもバランス崩しそうで怖い。真ん中の板は体重で軋む。

  •  ぎっくり腰回復後の足慣らしに来てみたが結構ハード!

     ぎっくり腰回復後の足慣らしに来てみたが結構ハード!

  •  宝塚ロックガーデンと称する岩場。

     宝塚ロックガーデンと称する岩場。

  •  腰が引けてへっぴり腰のドラゴン。

     腰が引けてへっぴり腰のドラゴン。

  •  殆んどのハイカーは手をつかずに登れるのだが、三点確保で慎重を期すドラゴン。

     殆んどのハイカーは手をつかずに登れるのだが、三点確保で慎重を期すドラゴン。

  •  六甲のロックガーデンよりはずっと厳しい。

     六甲のロックガーデンよりはずっと厳しい。

  •  やっと鉄塔まで登れた。

     やっと鉄塔まで登れた。

  •  おじいさんに追い越された。

     おじいさんに追い越された。

  •  おばあさんにも追い越された。

     おばあさんにも追い越された。

  •  若者はあっという間に遠ざかる。

     若者はあっという間に遠ざかる。

  •  西には甲山が遠望される。

     西には甲山が遠望される。

  •  北はゴルフ場だ。何ゆえサンタさんの帽子?

     北はゴルフ場だ。何ゆえサンタさんの帽子?

  •  そして頂上制覇!<br /><br /> 

     そして頂上制覇!

     

  •  478mだけど。

     478mだけど。

  •  ドラゴン、何度も登場しますよ。

     ドラゴン、何度も登場しますよ。

  •  標識の用をなしてない!

     標識の用をなしてない!

  •  聖徳太子が修行をしたという天宮。<br /><br /> 太子がこんな所まで来るかね?

     聖徳太子が修行をしたという天宮。

     太子がこんな所まで来るかね?

  •  中山尾根道の最後は緩やかなボルダリングみたいな坂。

     中山尾根道の最後は緩やかなボルダリングみたいな坂。

  •  中山観音の梅林では梅が二分咲き。

     中山観音の梅林では梅が二分咲き。

  •  ドラゴン梅と桃の区別がつかず。

     ドラゴン梅と桃の区別がつかず。

  •  中山観音さん。

     中山観音さん。

  •  エスカレーターやエレベーターもあるでよ。

     エスカレーターやエレベーターもあるでよ。

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この旅行記へのコメント (5)

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  • みちるさん 2021/02/24 19:06:01
    中山
    ドラゴンさん、こんばんは

    中山、はて!
    これって登った事あったようなで、自分の記録見てみましたら、2014年2月26日に登ってました。
    https://4travel.jp/travelogue/10864354

    滝もあったし、岩場も、ゴルフ場の展望も。
    岩場を過ぎたら、宝塚の展望も覚えてますよ。
    中山寺の梅もきれいだったし、懐かしい♪

    ドラゴンさんは、今も登山続けてらっしゃって、凄いですね。
    私は、膝が悪くなってから興味が薄れてしまいました。
    今は、もっぱら平地ウォーキングですよ。
    お元気でこれからもお続けくださいね。
  • はなまま さん 2021/02/24 19:03:47
    面白~い!
    表紙のお話面白いですね!
    ドラゴンさんは物知りで書くのもお上手です。
    宝塚にも立派なロックガーデンがあるの知りませんでした。ギックリ腰の後でも立派に登頂を果たして完全復活ですね!(^o^)!。

    梅と桃の違いははなままも永遠の謎です。人によると、枝が真っ直ぐに上に向いてるのが桃らしいのですが…。
    確かに太郎が桃で太夫が梅というのは、間違いないですね(*´艸`*)。

    はなまま(*^^*)

    熟年ドラゴン

    熟年ドラゴンさん からの返信 2021/02/25 06:50:01
    Re: 面白~い!
    いつもコメントありがとうございます。

    枝垂れ梅はありますが枝垂れ桃は無いですね!
  • 熟年ドラゴンさん 2021/02/21 08:25:02
    なるほど!
     太郎が桃で太夫が梅かと思ってました。
  • ほいみさん 2021/02/20 23:03:15
    中山
    478mか~・・・わが愛すべき沼津アルプス最高峰は392mだから負けました。

    缶詰に入るのが桃で、オニギリに入るのが梅ですよ。

    ほいみ

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