2020/05/05 - 2020/05/05
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ちふゆさん
2020年5月5日(火)、コロナ禍が続くゴールデンウイークのこどもの日、京田辺市の中南部にある観音寺まで散歩した。
最初に話が逸れるが、「こどもの日」は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨として戦後すぐの1948年に制定された「国民の祝日に関する法律」で定められた「国民の祝日」。当初から定められた9つの祝日の一つ。決して「子供の日」ではない。五節句の一つである端午の節句に由来している。
端午の節句は元々中国の三大伝統節句の一つ。諸説あるが、中国ではこの時期に薬草を摘み健康を祈願する習慣があり、中でもよもぎや菖蒲は邪気を払う力があるとされ、菖蒲酒を作って飲んだり、よもぎで人形を作って飾ったりなどしており、午の月である5月の初旬に行うことから、「始め・最初」という意味を持つ「端」と組み合わせられて「端午の節句」と呼ばれていた。やがて「午」と「五」は同じ発音(中国語でウーで日本語でもゴで共通)であり、語呂もいいと云うことで、5月5日が「端午(五)の節句」として定着していった。ここまでは中国の話。
で、日本には奈良時代に5月5日が端午の節句、菖蒲の節句として伝わり、無病息災を願う行事として定着していたが、鎌倉時代頃から「菖蒲」が武を重んじることと云う意味の「尚武」と読みが同じで、また菖蒲の葉の形が刀を連想させることなどから男の子の節句に変わり、男子の成長を祝い、健康を祈る日に変わった。江戸時代には幕府によって公的な行事・祝日として定めた五節句に選ばれ、関東の風習として「こいのぼり」が一般に広まった。柏餅を食べるのも発祥は関東で、関西や中国地方では中国から伝わったちまきが主流であったそうだ。
さて、大御堂観音寺だが、真言宗智山派の寺院で山号は息長山。本尊は十一面観音で、単に大御堂とか観音寺、あるいは普賢寺とも呼ばれる。伝承によれば、7世紀後半の白鳳年間に、天武天皇の勅願により創建された観心山親山寺が始まりと伝えられる。その後、744年(天平16年)に聖武天皇の命で中興され、息長山普賢教法寺と寺名を改めた。
778年(宝亀9年)には五重塔も建てられ、七堂伽藍は壮麗を極めて「筒城の大寺」と呼ばれる大寺院となった。794年(延暦13年)以後、たびたび火災に遭い、藤原氏の援助によりその都度復興されたが、藤原氏の衰退とともに寺運も衰えた。1437年(永享9年)に大御堂をはじめ諸堂13、僧坊20余りを数えた建物のほとんどが焼失し、その後復興されたが、1565年(永禄8年)の焼失後は大御堂一宇を残すのみとなった。現在の大御堂(本堂)は1953年(昭和28年)に再建されたもの。単層で入母屋造り、本瓦葺で南に面している。
ご本尊は国宝に指定されている十一面観音立像。744年に開基された時に安置された天平仏(奈良時代中期)を代表する仏像。像高172.7cmで、昭和期に頭上面や蓮華座も含めて補修されている。奈良時代から平安初期に多用された一木式木心乾漆造と云われる一木造の心木の上に漆を塗り金箔で表面を加工する技法で造られている。
奈良の桜井にある聖林寺にも同じ造りで少し大きい(像高209.1cm)十一面観音立像があり、これも国宝に指定されており、よく比較されるそうだ。聖林寺では観音堂と云うお堂の入口からガラス越しに見ることが出来、私も見たことがあるが、ここに来るのは2回目だが、こちらのは見たことがない。うちの連れ合いは特別無料公開で見たことあるそうだが、普段でも9時から17時までの間は拝観できる(志納料必要)(この日はコロナ禍で拝観中止中)。
境内は無料で入ることが出来るので、本堂や本堂前の浮島のある池の景色を楽しめる。本堂の東横には慰霊塔などが建ち、奥(西側)には鎮守社の地祇神社がある。気付かなかったが、本堂前には松香石製の層塔残闕があり、様式からすると平安後期の作らしい。また行ってないが境内の西の丘陵上には塔ノ跡と称されるところがあり、奈良時代末期から平安初期頃の作となる布目瓦が散在しており、その中央に大きな石が置かれており、付近一帯に建てられていた堂塔の礎石の一部らしい。
駐車場横に鐘楼があるが、その手前に「二月堂竹送り復活の地」と刻まれた碑が建つ(下の写真)。この辺りは奈良東大寺二月堂の修二会(お水取り)で使われる竹の産地で、戦争で中断してしまった「竹送り」を復活させた地でもあると云うことで碑が建てられた。
本堂と庭園が周囲の里山に調和する美しい姿を楽しめるところで、春の参道の桜並木とお寺の前に広がる菜の花畑のコンビネーションが有名。7年前にそれを見に来たが桜はもうちょっと遅かった(下の写真2)。秋の紅葉とのコンビネーションもいいらしいので、今度はその時期に来て、観音さんを拝ませて戴こう。
このお寺のある辺りは普賢寺と呼ばれているが、これはもちろんこのお寺の別名から来ている。菜の花畑の前を流れる川も普賢寺川と呼ばれているが、この川の少し下流、三山木高木地区の府道22号線の高木橋周辺では2011年からゴールデンウイークを挟んで4月27日から5月10日の間、地元住民の皆さんが川にこいのぼりを飾られ、多い時には200匹流れていたが、今年はコロナ禍のために全然だったのは残念。
https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.3964265360310125&type=1&l=223fe1adec
余談だが、普賢寺川は京田辺市の最南西部、けいはんな学研都市の奥の奈良県生駒市との府県境辺りから京田辺市を北東に横切り、山城大橋の上流で木津川に流れ込む全長約9.4㎞の川で、上記の高木橋を過ぎた辺りから、木津川河川敷に出るまでは京田辺に多い天井川になっている。元々はこの高木橋辺りも天井川だったらしい。ただし、この辺りの天井川には鉄道や道路がトンネルでくぐるところが多いが、この川にはそういうトンネルはない。
また、観音寺の裏山は1986年にオープンした同志社大学京田辺キャンパスの一番奥の部分で、陸上競技場やサッカー、ラグビー、アメフトのコートなどがある。このキャンパスには十数年前に学祭を見に行ったことがあるが(まだあまり売れてない頃のかまいたちの漫才を見た)、この奥までは行ったことがない。オープンから2013年の3月までは多くの文系学部の1・2年次教育も担っていたが、現在は今出川キャンパスと完全に分けられ、理系および文理融合系の6学部5大学院研究科のみとなっている。最多時には約16000人いた学生数は約9000人に減少しているそうだ。
*********<以下 2022/11/24追加>*************
サッカーワールドカップカタール大会で日本代表の初戦ドイツ戦に沸いた翌日の2022年11月24日(木)、2013年から毎年続けられている(ただし、2020年はコロナ禍で中止)「大御堂観音寺ライトアップ×夜間国宝特別拝観」に初めて行って来た。
いや、なかなか見事なものだった。10周年を記念して企画された和傘オブジェとのコラボが素晴らしい。また、参道には地元小学生や幼稚園児、さらに一般の方が描かれた竹灯籠が並ぶ。最近の灯篭ってロウソクじゃなくLEDランプが入ってるのね。
初めて本堂も拝観させて戴き(拝観料300円)、国宝の十一面観音立像の御尊顔も初めて拝見させて戴いた。住職さんの説明付き。すごいね、奈良時代中期のものなんだ。あと、本堂前には上に書いたお水取り用に竹送りされる竹が置かれており、これについてもお話戴けた。そう云えばこの前の土曜日は1000人ほどが来られたそうで、それも凄いね。今年はまださほどは寒くないからかな。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.8574698289266786&type=1&l=223fe1adec
以上
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