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大徳寺は近鉄京都線の新田辺駅から旧国道307号線を東に約800m進んだところにある。真言宗智山派に属し、山号は東福山。寺が所有する鰐口(仏堂・神殿の正面軒先に吊り下げられ、吊るした綱で打ち鳴らす体鳴楽器)に「東河原村大日堂 永享二年」とあるので、室町時代の1430年には存在していた。また、戦国時代の1571年に永春法印を中興開山として再興されたとも伝えられる。ただし、元々この集落は、現在地より北東の木津川堤防の近くにあったのが、川の氾濫により移転したと口伝されており、いつ現在地に移ったかは不明。<br /><br />江戸時代末期の1856年に秀弁法印により本堂が再建されたが、新築ではなく現在の八幡市にあった民家が移築された。現在は市内で唯一の茅葺をとどめる仏殿となっている。明治初め、付近にあった養福寺を併合し不動明王坐像、大般若経などが移された。<br /><br />本尊の大日如来坐像は鎌倉時代末の優れた木像で2000年に市の文化財に指定された。その他、平安時代後期の薬師如来坐像、平安時代の不動明王坐像もある。京都府登録文化財に指定された中世から近代にいたる247点の文書もあり、この中には南山城地域では珍しい1525年のものも含まれている。<br /><br />旧国道に面した南側から境内に入ると目の前にあるのが茅葺の本堂。本堂ぽくなくて独特の雰囲気。本堂前左手には樹齢100年以上の松の木があり、さらに別棟のお堂が建つが詳細は不明。反対側の境内右手に建つイチョウの木は樹齢200年以上で24本選ばれている「京田辺の未来に継ぐ古木・希木」の1本となっている。イチョウの木の右手、境内の南東サイドには水子地蔵と多数の石地蔵が並び、水子供養のお寺となっている。<br />https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.4054457164624277&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />念仏寺は大徳寺の250mほど西南西、水分神社の裏の道を挟んである浄土宗のお寺で、山号は専修山。近鉄新田辺駅からだと、旧国道の府立田辺高校正門前から旧河内街道に進み、防賀川を越えたところ。境内に建てられた石碑によると、室町初期の1342年の創建。江戸時代初期、3代将軍家光の時代の1670年に再建されたとあるが、場所は現在地でなく不明。現在地には、江戸時代後期、11代将軍家斉の時代の1814年に、洪水によって被害を受けて移築とある。ご本尊は阿弥陀如来。<br /><br />旧河内街道の三差路の入口から坂道を少し上がると右手に正門。正面には「山城の田辺の里に鳴りひびく 専修山の念佛の鐘」順誉作と云う碑と法明上人開創650周年記念の碑が建つが、順誉さんが誰なのかはさっぱり分からない(下の写真2)。<br /><br />正門を抜けると目の前が本堂。再建の際に建てられたものが老朽化し、1985年に建て直されたもので、十分に新しく見える。境内は広くはないが、樹木が植えられ、石造十三重塔や灯篭も建ち、綺麗にされている。それ以上のことは不明。<br />https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.4054412714628722&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />極楽寺は、念仏寺よりもさらに300mほど西南西、天満宮社の南西にある、ここも浄土宗のお寺で、山号は樹光山。近鉄新田辺駅からだと、南東に進んで400mほど。由緒は全く分からない。<br /><br />立派な本堂が建つお寺。ここにも石造十三重塔が建つ。正門はなく、圓光大師(法然上人)の名が刻まれた碑が建つ(下の写真2)。境内の紫陽花が綺麗だった。<br />https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.4054444331292227&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br />教念寺はこれらのお寺からはちょっと遠く、近鉄の興戸駅の方が近い草内地区にある。浄土宗西山禅林寺派のお寺で、山号は紫雲山。ホームページによると江戸時代中期1692年の開創。ご本尊の本尊木造阿弥陀如来座像は平安時代前期(10世紀)のもので、京田辺市指定文化財。京田辺市内には、10世紀の彫刻作例は少なく、その期の本格的な作風と構造を備えた貴重な像だそうだが、入ってない(下の写真3)。<br /><br />長福寺は教念寺の少し南東。浄土宗西山禅林寺派で、山号は法羅陀山。由緒や詳細は全く分からない(下の写真4)。<br /><br /><br />以上

京田辺 大徳寺・念仏寺他(Daitokuji & Nenbutsuji Temple, Kyotanabe, Kyoto, JP)

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2020/05/27 - 2020/05/27

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ちふゆ

ちふゆさん

大徳寺は近鉄京都線の新田辺駅から旧国道307号線を東に約800m進んだところにある。真言宗智山派に属し、山号は東福山。寺が所有する鰐口(仏堂・神殿の正面軒先に吊り下げられ、吊るした綱で打ち鳴らす体鳴楽器)に「東河原村大日堂 永享二年」とあるので、室町時代の1430年には存在していた。また、戦国時代の1571年に永春法印を中興開山として再興されたとも伝えられる。ただし、元々この集落は、現在地より北東の木津川堤防の近くにあったのが、川の氾濫により移転したと口伝されており、いつ現在地に移ったかは不明。

江戸時代末期の1856年に秀弁法印により本堂が再建されたが、新築ではなく現在の八幡市にあった民家が移築された。現在は市内で唯一の茅葺をとどめる仏殿となっている。明治初め、付近にあった養福寺を併合し不動明王坐像、大般若経などが移された。

本尊の大日如来坐像は鎌倉時代末の優れた木像で2000年に市の文化財に指定された。その他、平安時代後期の薬師如来坐像、平安時代の不動明王坐像もある。京都府登録文化財に指定された中世から近代にいたる247点の文書もあり、この中には南山城地域では珍しい1525年のものも含まれている。

旧国道に面した南側から境内に入ると目の前にあるのが茅葺の本堂。本堂ぽくなくて独特の雰囲気。本堂前左手には樹齢100年以上の松の木があり、さらに別棟のお堂が建つが詳細は不明。反対側の境内右手に建つイチョウの木は樹齢200年以上で24本選ばれている「京田辺の未来に継ぐ古木・希木」の1本となっている。イチョウの木の右手、境内の南東サイドには水子地蔵と多数の石地蔵が並び、水子供養のお寺となっている。
https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.4054457164624277&type=1&l=223fe1adec

念仏寺は大徳寺の250mほど西南西、水分神社の裏の道を挟んである浄土宗のお寺で、山号は専修山。近鉄新田辺駅からだと、旧国道の府立田辺高校正門前から旧河内街道に進み、防賀川を越えたところ。境内に建てられた石碑によると、室町初期の1342年の創建。江戸時代初期、3代将軍家光の時代の1670年に再建されたとあるが、場所は現在地でなく不明。現在地には、江戸時代後期、11代将軍家斉の時代の1814年に、洪水によって被害を受けて移築とある。ご本尊は阿弥陀如来。

旧河内街道の三差路の入口から坂道を少し上がると右手に正門。正面には「山城の田辺の里に鳴りひびく 専修山の念佛の鐘」順誉作と云う碑と法明上人開創650周年記念の碑が建つが、順誉さんが誰なのかはさっぱり分からない(下の写真2)。

正門を抜けると目の前が本堂。再建の際に建てられたものが老朽化し、1985年に建て直されたもので、十分に新しく見える。境内は広くはないが、樹木が植えられ、石造十三重塔や灯篭も建ち、綺麗にされている。それ以上のことは不明。
https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.4054412714628722&type=1&l=223fe1adec

極楽寺は、念仏寺よりもさらに300mほど西南西、天満宮社の南西にある、ここも浄土宗のお寺で、山号は樹光山。近鉄新田辺駅からだと、南東に進んで400mほど。由緒は全く分からない。

立派な本堂が建つお寺。ここにも石造十三重塔が建つ。正門はなく、圓光大師(法然上人)の名が刻まれた碑が建つ(下の写真2)。境内の紫陽花が綺麗だった。
https://www.facebook.com/chifuyu.kuribayashi/media_set?set=a.4054444331292227&type=1&l=223fe1adec

教念寺はこれらのお寺からはちょっと遠く、近鉄の興戸駅の方が近い草内地区にある。浄土宗西山禅林寺派のお寺で、山号は紫雲山。ホームページによると江戸時代中期1692年の開創。ご本尊の本尊木造阿弥陀如来座像は平安時代前期(10世紀)のもので、京田辺市指定文化財。京田辺市内には、10世紀の彫刻作例は少なく、その期の本格的な作風と構造を備えた貴重な像だそうだが、入ってない(下の写真3)。

長福寺は教念寺の少し南東。浄土宗西山禅林寺派で、山号は法羅陀山。由緒や詳細は全く分からない(下の写真4)。


以上

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  • 写真1 念仏寺入口

    写真1 念仏寺入口

  • 写真2 極楽寺入口

    写真2 極楽寺入口

  • 写真3 教念寺

    写真3 教念寺

  • 写真4 長福寺

    写真4 長福寺

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