2019/09/18 - 2019/10/03
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jijidarumaさん
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≪Die Sage:DieGaensemagd伝説・がちょう番の娘≫
2019年ドイツの初秋:メルヘン街道と木組み建築街道の旅
期間:2019年9月18日(水)~10月03日 (木)
9月24日、メルヘン街道と木組み建築街道を走ると、リッペ侯国のシュヴァーレンベルクには≪がちょう番の娘≫の像が立っていた。
メルヘン街道にある画家が愛したシュヴァーレンベルクの村は「フォルクヴィン伯の泉」の伝説により、メルヘン街道のメンバーに参加できたらしいから、こちらの≪がちょう番の娘≫の像でメルヘン街道のメンバーになったわけではない。
ご参考:
番外編:伝説・シュヴァーレンベルク城とフォルクヴィン伯の泉
https://4travel.jp/travelogue/11537668
写真はシュヴァーレンベルク:がちょう番の娘像
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
メルヘン街道北部の保養地Bad Pyrmontバート・ピールモントから南に約15kmのシーダー・シュヴァーレンベルクの町は人口8.5千人である。
その一地区のシュヴァーレンベルクは人口1.7千人と村のようなものだ。
写真はSchieder-Schwalenbergシーダー・シュヴァーレンベルク:メルヘン街道図・・・中央左の丸円 -
楽しみなことに、シュヴァーレンベルクは数多くの木組み建築の家が立ち並び、「木組み建築の家の村」と言っても良いでしょう。
写真はシュヴァーレンベルク:アルテ・トアーシュトラーセ(古い門通り)とマルクト通りの間に立っている煌びやかな門。 -
イチオシ
<シュヴァーレンベルクのGaenselieselガチョウ番の娘>:
アルテ・トアー(古い門通り)の傍に、ゲッティンゲンの「Gaenselieselガチョウ番の娘リーゼルの泉」のように見えるガチョウを抱くGaensemagdガチョウ番の娘像が立っていた。
同じ名前で呼んでいるから、この村にも新しく作ったものだろう。
大きな大学町のゲッティンゲンよりも、この村の泉がガチョウ番の娘に相応しいかもしれない。
写真はシュヴァーレンベルク:ガチョウ番の娘像 -
さて、グリム童話のKHM89・グリム童話の一編にあるのは、
こんな伝説である
≪Die Sage:DieGaensemagd伝説・がちょう番の娘≫
ある国の王女は遠い国へお嫁に行くことになり、母のお后は嫁入り道具とともに、自分の指を傷つけた3滴の血を染み込ませたハンカチ、人語を話せるPferd Falada馬ファラダに1人のMagd侍女をつけて送り出した。
途中、王女は喉の渇きを癒すため、侍女に川の水を汲むよう命じたが応じなかったため、川に屈んで水を飲んだ際、お后の分身でもあるお守りのハンカチを流してしまった。
それを見た侍女は王女を脅迫して服や馬を自分のものと交換させた上で、王女になりすましたまま、王子のもとへ赴き、花嫁として迎えられた。
王女は侍女の命令で「がちょう番」として雇われることとなった。
侍女は馬のファラダの口から真実が漏れることを恐れ、ファラダの斬首を実行した。
ファラダの斬首を知った王女はその首をがちょう番が通る暗い門上に釘で打ち付けて留めてもらった。
ファラダの首との会話や不思議な力を持つ王女の噂は、がちょう番の小僧を通じて国王の耳に入り、国王は無人のストーブに向かって話す王女の告白を、煙突を通じて聞き取った。
真実を知った国王と王子は宴の席で侍女を罠にかけ、侍女は自らが提案した罰で処刑され、王子と本物の王女は幸せな生活を送るようになったとさ。
めでたし、めでたし。
(KHM89・グリム童話の一編である)
写真はシュヴァーレンベルク:ガチョウ番の娘像 -
「がちょう番の娘」もドイツ各地にある。
中でも世界的に一番知られている「がちょう番の娘」は、ドイツ・ゲッティンゲンの大学町にある「ガチョウ番の娘リーゼル(ガチョウ娘リーゼル)」の像であろう。
この像はゲッティンゲンの旧市街中心・マルクト広場に立っている、ユーゲントシュティールの銅像「ガチョウ番の娘リーゼル」である。
この像はこの町のシンボルになって120年にもなる。
ゲッティンゲン大学の教授を務めたグリム兄弟、そのゆかりの地であるから、1901年、「ガチョウ番の娘リーゼル」の像がマルクト広場に設置されたのだ。
実に印象深い、この可憐な像はその後も市民や学生たちの人気も高く、愛されてきた。以来、ゲッティンゲン大学の学生のあいだで、博士課程修了試験に合格したら、この像の頬にキスをするのが慣行となっていった。
写真は2005.5.「ゲッティンゲン:ガチョウ番の娘リーゼル像」ゲッティンゲン:町のシンボルは「ガチョウ番の娘リーゼルの像」 by jijidarumaさんがちょう姫リーゼル 建造物
-
写真はゲッティンゲン:Friedrich Paul Nisseフリードリヒ・パウル・ニッセ(ドイツ人彫刻家:1869~1949年)1901年制作のオリジナル・ガチョウ番の娘リーゼル像(ブロンズ)
-
また、メルヘン街道にあるAlsfeldアルスフェルトの町にもヴァルプルギス教会の裏手に「Schwaelmer Brunnenシュヴァルムの泉」が立っている。
この地方独特の民族衣装で装った女の子の像は赤頭巾ちゃんではなく、ガチョウを世話する少女だ。
「Schwaelmer-BrunnenーGaenselieselシュヴァルムの泉・ガチョウ番の娘リーゼル」の名でアルスフェルトのヴァルプルギス教会裏に立っている。
1958年に建てられたようで、この地方独特の白い(黒い)スカートにエプロンをつけ、頭にケプフェレと呼ばれる赤い円筒状の髪飾りが付いた格好(いわゆる赤頭巾)をしている。
日本の観光書では”赤頭巾ちゃんの泉”としていたが、現地のパンフレットや写真の説明では、なんと“Gaenselieselガチョウ番の娘リーゼルの泉”となっていた。
どうりで、ガチョウがシュヴァルム地方の民族衣装を着たリーゼルと一緒の像になっているはずだ。
人口1万7千人、アルスフェルトの町も木組みの家並みで有名である。旧市街の中心は五月柱も立つマルクト広場があり、中々好ましい良い町だ。
写真は「シュヴァルムの泉・ガチョウ番の娘リーゼル」アルスフェルト:この町には“ガチョウ番の娘リーゼル”がいて、「赤頭巾ちゃん」はいない。 by jijidarumaさん観光案内所 (アルスフェルト) 散歩・街歩き
-
ちなみに追記すると、≪Rotkaeppchenland赤頭巾ちゃんの故郷≫とは、
Breitenbach a.H.、Frielendorf、 Gilserberg、 Homberg(Efze)、Kirchheim/Hessen、Knuellwald、Neuenstein、Neukirchen、 Neustadt(Hessen)、 Niederaula、 Oberaula、 Ottrau、 Schrecksbach、 Schwalmstadt シュヴァルムシュタット、Schwarzenborn und Willingshausenといった町々を指すようで、Alsfeldアルスフェルトは入っていない。
近年≪Rotkaeppchenland赤頭巾ちゃんの故郷≫で催される“Rotkaeppchen Woche赤頭巾ちゃん週間”は例年7月から8月にかけて催される。
2015年は08.23. ~08.30.だった。
アルスフェルトのHPによるとRokaeppchenwoche in den Herbstferien秋の収穫祭に赤頭巾ちゃん週間が行われるらしい。
“赤頭巾ちゃんと狼”の劇も見られると云う。
ただ、ドイツの観光書によると、『アルスフェルトはFachwerkstadt木組み建築の町と称し、印象深い木組みの家に囲まれた旧市街が昔のままに残る。』
また、『Tor zum Rotkaeppchenland赤頭巾ちゃんの故郷への玄関口』とも表現している。
しかも、『赤頭巾ちゃんの故郷・シュヴァルム地方ではチャーミングな赤頭巾ちゃんに現在も出会う幸運に恵まれるでしょう。』と書かれていて、この町の赤頭巾ちゃんについては何も記載がない。
アルスフェルトにMaerchenhausメルヘンハウス(メルヘン博物館)もあって、“赤頭巾ちゃんと狼”の物語などの展示があるから、観光面で便乗した形?!をとっているのかもしれない。
尚、Schwalmstadtシュヴァルムシュタットが“赤頭巾ちゃんの故郷”と言われていると聞き、2005年5月に訪れた。
勿論、実際のグリム童話とは諸説があって、一致してはいないそうで、唯、この地方の民族衣装が赤頭巾のような帽子を頭に載せているので、観光的にそうしているようです。
人口1万8千人の町シュヴァルムシュタットはZiegenhainツィーゲンハインとTreysaトレイザの二つの中心を持った幾つかの集落の総称で、捉えどころのないところでした。ツィーゲンハインの街中を歩いても赤頭巾ちゃんが居るわけでもない。
ツィーゲンハインの焼きソーセージ屋の親父さんに聞いてみると、“一番のお勧めはMuseum der Schwalmシュヴァルム郷土博物館だよ。”と聞いて、行ってみました。確かに、ここの博物館の展示には赤頭巾ちゃんたち、シュヴァルム地方の民族衣装の人形がたくさん見られました。
写真は2005.5.「シュヴァルムの泉・ガチョウ番の娘リーゼル」
・・・・・・・
(2019年11月15日編集加筆)
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