2019/09/18 - 2019/10/03
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jijidarumaさん
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<Bremerhavenブレーマーハーフェン:メルヘン街道の終点に伝説のクラバウターマンが立つ>
ブレーマーハーフェンの町はヴェーザー川畔にある港町である。Bremenブレーメンから北に65km離れた町だが、そのブレーメンとブレーマーハーフェンは二つの町でブレーメン州を作っている。
ブレーメン州はかつてのハンザ都市のメンバーであった歴史を持ち、ドイツの中でも特異な州として、ハンブルク州と共にある。
さて、このブレーマーハーフェンは2010年からドイツ・メルヘン街道の終点となった。
実はブレーマーハーフェンの事を調べるまで、ここがメルヘン街道の終点になっているとは全く知らなかった。ブレーメンが終点だと思っていたのだ。
写真はブレーマーハーフェン:ドイツ船舶博物館近くのレストラン前にあるクラバウターマンの像
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
全長約600 kmのメルヘン街道のWiki日本語版はHanauハーナウから北部の都市ブレーメンを経てブレーマーハーフェンまでを結ぶドイツ観光街道の一つであると書いてある。
Wikiドイツ語版ではとりたててその事を書いてはいない。
ともあれ、ドイツのメルヘン街道はグリム兄弟とその童話や伝説にゆかりの地を結ぶ観光街道で、ドイツ中央部のヘッセン州(州都はWiesbadenヴィースバーデン)のハーナウを始点(グリム兄弟の生誕の地)として、終点ブレーメンは誰がもが知る童話『ブレーメンの音楽隊』で名高い町を繋いでいる。
写真はWappen_Bremerhavenブレーマーハーフェンの紋章 -
元々、この2つの街を結ぶ街道が古くからあったわけではない。
グリム兄弟とその童話や伝説にゆかりの地をコンセプトとして、70以上の街町々がこの街道に参加したもので、断片的な道路を結び合わせ一つの観光街道として整備したもので、1975年に組織された。
ロマンチック街道など共に観光街道としては古い部類になる。
写真はブレーマーハーフェン:Radarkette_Weserヴェーザ―河口 -
写真はメルヘン街道のマップ・・・ハーナウから始まる街道を示す赤線はここでもブレーメンで終わる。
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写真はメルヘン街道のロゴ
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<伝説:Klabautermannクラバウターマン>
クラバウターマン(Kalfatermannカルファターマン、またはKlabattermannクラバッターマンと呼ばれ)は船乗りたちの迷信として伝えられてきた船のGeist幽霊、もしくは船のKobold精であり、通常は姿が見えませんが、船の航行に危険が迫ると船長に警告すると云います。
だから、クラバウターマンの像は船の航行と常に一緒なのだ。
写真はブレーマーハーフェン:伝説のKlabautermannクラバウターマンが船上に出現(1885年発行本Zur Seeズール・ゼーに描かれたクラバウターマンのイラスト) -
クラバウターマンは船の甲板をしっかり閉じるように造船作業を手伝い、あるいは反対に悪戯、悪ふざけも大好きだ。船上では音をガタガタと立て、その他の騒音でクラバウターマンの存在を示すのだ。
写真はブレーマーハーフェン:ドイツ船舶博物館近くのレストラン前にあるクラバウターマンの像 -
写真はブレーマーハーフェン:Deutsches_Schiffahrtsmuseumドイツ船舶博物館
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船乗りたちの話ではクラバウターマンの見た目は船乗りのそれと似ているそうだが、ハンマーとパイプを持ち、時には船乗りの箱と、赤い髪と緑の歯をしていると。
もしクラバウターマンが現れたら、これは悪い兆候だ。
彼は船が沈むまで船を離れないのだから。
古い船乗りたちの習慣(御まじない)によると、すべての船はクラバウターマンからの祟りがないように(貢物として)鶏を持ちこむそうだ。
・・・
グリム兄弟とその童話や伝説にゆかりの地とは、ぴったりと合うわけでもないと思うのだが、多分広く解釈して、船乗りの世界の伝説クラバウターマンがめでたく、メルヘン街道のメンバーに参加できたわけだ。
ドイツの各地にはたくさんの伝説・民話が残っているので、
其の内、メルヘン街道がドイツ全土を網羅するようになるかもしれない。
写真はブレーマーハーフェン:伝説のKlabautermannクラバウターマンの像_Husumフーズム(シュレースヴィヒ ホルシュタン州) -
クラバウターマンはドイツの作家Heinrich Heineハインリヒ・ハイネ、Friedrich Gerstaeckerフリードリヒ・ゲルシュテッカー、Christian Morgensternクリスティアン・モルゲンシュテルン、Theodor Stormテオドール・シュトルム等の文学入門に何らかの影響を与えたらしい。
また、詩人で作家のKlabundクラブンド(本名Alfred Georg Hermann Henschke)は、彼の作家名を「クラバウターマン」と「ヴァガバンド」の合成したものと言っている。
Elisabeth ”Ellis“ Kautエリザベート・エリス・カウトの子どものキャラクター「プムクル」も「クラヴォーターの子孫」といえる。
写真はPumuckel「プムクル」-Puppen人形_01・・・ドイツの店先で目にすることでしょう。 -
エリザベート・エリス・カウト(1920年~2015年)は、プムクルのキャラクターを創作で国際的に成功したドイツの児童書作家でした。
写真はPumuckel「プムクル」-Puppen人形_02
・・・・・
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この旅行記へのコメント (2)
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- sanaboさん 2019/08/29 21:58:26
- ブレーマーハーフェン
- jijidarumaさん、こんばんは
ブレーメンには2度ほど訪れたことがありますが、
ブレーマーハーフェンは初めて聞く名でした。
晴れてメルヘン街道のお仲間になれたわけですね。
グリム童話ではなくとも、観光客にとっては面白い伝説上の
キャラクターの登場は大歓迎なのではないでしょうか。
赤い髪と緑の歯とは凄いですね(笑)
ドイツにはロマンティック街道や古城街道などのように
興味をそそられるネーミングの街道がたくさんありますが
jijidarumaさんが仰るようにメルヘン街道がドイツ全土を
網羅する日がいつかやってくるかもしれませんね。
そしたらメルヘン街道ではなくメルヘンの国になってしまいますね^^
sanabo
- jijidarumaさん からの返信 2019/08/29 23:17:53
- Re: ブレーマーハーフェン
- sanaboさん、
今晩は。いつもありがとうございます。
残暑が続きますね。
今年の旅も一昨日、行程と観光・資料(纏め55P)が完成し、旅の
お供用に写しを作りました。ブレーメンの友人宅訪問は5年ぶり、
この町の訪問はもう10回以上でしょうか!
今回は近郊の ブレーマーハーフェン、あるいはWorpswede
ヴォルプスヴェーデ観光にでも行こうかと話しています。
そのブレーマーハーフェン、調べてみるとこんな伝説があって、
メルヘン街道のメンバーになっているとは思いませんでした。
そんなことで、こんな掲載となりました。
4Traではもう84ほど、伝説や民話を載せました。今はPCにそれら
の話を纏めることもしていますが、もう100以上になっています。
2019年の旅では既に8件ほど見つけて訳も完了しています。
伝説話も拘ると無限にありそうで、なかなか止められません(苦笑)。
フランスの素敵な旅の余韻を楽しみながら、お元気にお過ごしください。
それではまた。
jijidaruma
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