中世では水は、伯爵の城も、住民たちの住む村にとっても、貴重であり、その水の供給こそ彼らの死命を制すると云って過言ではなかった。<br />だから、ドイツを旅すると、この種の話が多いのも当然なのかもしれない。<br /><br />・・・・・<br /><br />写真はフォルクヴィン伯の泉<br />

番外編：伝説・シュヴァーレンベルク城とフォルクヴィン伯の泉

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2019/09/18 - 2019/10/03

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jijidarumaさん

中世では水は、伯爵の城も、住民たちの住む村にとっても、貴重であり、その水の供給こそ彼らの死命を制すると云って過言ではなかった。
だから、ドイツを旅すると、この種の話が多いのも当然なのかもしれない。

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写真はフォルクヴィン伯の泉

エリア

ドイツ

旅行の満足度: 4.0

同行者: カップル・夫婦（シニア）

交通手段: レンタカー

旅行の手配内容: 個別手配

＜Das Maerchen von der Burg Schwalenberg und dem Stadtwasser＞
メルヘン：シュヴァーレンベルク城と村の水（Volkwinbrunnenフォルクヴィン伯の泉）
　　　　　
写真はSchieder-Schwalenbergシーダー・シュヴァーレンベルク：メルヘン街道図に載っています。
写真はWappen_von_Schieder-Schwalenbergシーダー・シュヴァーレンベルクの紋章
写真は1868年頃のシュヴァーレンベルク
伝説によると、
シュヴァーレンベルクの近くに、Wasserquelle水源がありました。村に水を供給できる水源でしたが、残念なことに、この水源はわずか数m高い場所にあったのです。村への真っすぐの道は水源近くでなく、丘陵地帯を通っていたため、水源から村への水供給は不可能に思えたのでした。

写真はフォルクヴィン伯の泉
そこでGraf Volkwin von Schwalenbergシュヴァーレンベルク伯フォルクヴィンは、同家の囚人の2人に「Freiheit und Land自由と土地を与える」と申し出た。その見返りに、「お前たち2人がシュヴァーレンベルクまで泉の水を引くのだ」と命令した。囚人2人は懸命にプランを考え、どうしたら水を引けるかと思案した。

（どのくらいの期間がかかったのか？特に書かれていないのだが）ついに囚人2人は城の丘に沿って泉の水を迂回させシュヴァーレンベルクまで水を通してしまったそうです。
もちろん、伯爵が約束したように、2人は自由も土地も得たのです。

（シュヴァーレンベルク城はGraf Volkwin III.フォルクヴィン3世の治世の1225年頃に完成しましたから、ここに登場する伯爵は3世以降か？）

写真はフォルクヴィン伯の泉
シュヴァーレンベルクには「フォルクヴィン伯の泉」と名付けた泉と碑文があり、
この伝説を記念している。

＜Inschrift des Volkwinbrunnens＞
DIES WASSER DAS GRUBEN DER MAENNER ZWEI
UND WURDEN DAFUER IHRER KETTEN FREI
IN GRAUER VORZEIT TAGEN.
DIE MAENNER SIND TOT. DAS WASSER STIRBT NIE.
SPRINGT MUNTER VOM BERGE HEUTE NOCH WIE
IN GRAUEN VORZEIT TAGEN.

＜フォルクヴィンブルンネンの碑文＞
この水は男たち2人が掘ったもの
そして鎖から解放された
灰色の昔々の日々。
男たちは死んだが、水は決して絶えない。
今日もいつものように丘の上の泉から元気に水が流れる
灰色の昔々の日々。

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この伝説によって、シュヴァーレンベルクはドイツのメルヘン街道の一部となりました。
そして、伝説を記念して「フォルクヴィン伯の泉」が1950年代に、芸術家Friedrich Eickeフリードリヒ・アイケにより、村の中心部に建てられている。

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写真はフォルクヴィン伯の泉
Burg Schwalenbergシュヴァーレンベルク城
D-32816 Schieder-Schwalenberg / Weser、Schwalenberg2

シュヴァーレンベルクの町を眼下に望むように立つのが古城ホテル　シュヴァーレンベルク城だ。古い資料では2星・全15室である。経営は難しいのだろう、今は閉業である。(城郭はセール中)。

写真は現在の古城ホテル（休業中）シュヴァーレンベルク城
シュヴァーレンベルク城はGrafen von Schwalenbergシュヴァーレンベルク伯Volkwin III.フォルクヴィン3世の時、1225年頃に完成しました。
シュヴァーレンベルク城は15世紀に様々な領主たちのものになり、後に、リッペ家の傍系の居城になりました。
17世紀と20世紀初頭にリッペ家（リッペ侯国）によって部分的に改装された。
1627/28年には、後期ルネッサンス様式に改築され、当時の城館の一部が保存されています。1911年から1913年にかけてリニューアルされ、1938年から1945年の間、シュヴァーレンベルク城は母子療養所として使用され、その後も1962年まで孤児院として使用されている。
1960年代になって、城郭は改装され、古城ホテルになった。

写真は現在の古城ホテル（休業中）シュヴァーレンベルク城
写真はかつてのシュヴァーレンベルクの絵葉書
写真はシュヴァーレンベルクのマルクト通り32番地の木組みの家
写真はシュヴァーレンベルク：芸術家の愛した風景

＊画家の街シュヴァーレンベルク：
シュヴァーレンベルクの「画家の街」や芸術家コロニーとしての長い伝統は、19世紀の初めにまで遡る。ここは近代性が刻み込まれた大都市から離れ、印象派風の風景画を描く際の隠し味となる風景の美しさ、静寂なハーモニー、卓越した明朗さを備えた小都市であった。デュッセルドルフやベルリンといった大都市から画家たちがシュヴァーレンベルクを訪れ、この周辺で野外制作を行った。彼らがこの地で制作した作品を大都市で展示することで、シュヴァーレンベルクの評判は高まり、やがて「画家の街」や「画家コロニー」と呼ばれるようになった。1920年代にシュヴァーレンベルクの宿屋は芸術家のたまり場となった。

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