2020/01/11 - 2020/01/11
15位(同エリア130件中)
ウェンディさん
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- フォロワー343人
通勤途中の乗換駅で見かけた1枚のチラシ。
ソレが私を女神の体内へと導きました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
PR
-
2019年の秋の始まり。
今年こそはあの有名な秋桜が咲き乱れる河川敷を訪れ、流れる鰯雲の下で花びらを揺らす満開のコスモスに会いたいと思っていました。
しかし、私が訪れたあの日。
前日の朝まで秋風に吹かれ可憐に揺れていたコスモスはその根元からバラバラに引き裂かれ、約88,000平方mの広い荒川河川敷には、其処に秋桜の園があったという痕跡など何もなかったかのように流木やゴミがへばりつき、泥水が溢れ辺り一面を覆い尽くし、生き物の気配すら感じられない褐色の荒野へと変わり果てていました。吹上コスモス畑 自然・景勝地
-
川の水が覆ったのは、コスモス畑だけではありません。
この日の前日、コスモス畑を襲ったのは台風19号。
巨大な二本の腕を従えた台風19号は日本中に長時間にわたり大量の雨をもたらし、各地で川が氾濫させ、床上浸水や洪水を引き起こしました。
日本一の河川敷の幅を誇る荒川ですら、押し寄せる泥水が堤防の土手の最上部まであと2m弱と余裕のない氾濫危険水位まで泥水が押し寄せ、コスモス畑を壊滅させました。
台風19号の威力は、自然災害の恐ろしさをまざまざと私たちに体感を持って伝えたのでした。
(写真:土手の遊歩道の手すりに絡まる引きちぎられた秋桜。
秋桜が絡みつく位置は、堤防まで後もう少しの所まで水位が上がっていたことを示し、幾重にもぐちゃぐちゃに巻き付いたその茎は荒れ狂う川の濁流の激しさを物語っていた) -
イチオシ
台風19号が私たちに与えた大きな被害ですが、実はコレでも水害の被害は最小限に抑えられていたのです。
台風がもたらす洪水から私たちを護っていてくれたもの・・・それは、地下神殿。
もし地下神殿の守護がなかったら、関東地方の台風19号による被害は更に破壊的な状況となり、年末になってもまだその余波を引きずっていいたかもしれません。 -
川の洪水から平野を守護してくれた地下神殿の正式名称は、首都圏外郭放水路。
過去の度重なる河川の氾濫による洪水への対策として国土交通省が日本の土木技術力の粋を集結し建築した施設が、首都圏外郭放水路。
その施設の規模も技術の高さも世界随一と云われる関東地方の護り神です。 -
イチオシ
台風19号が関東地方を襲った日、地下神殿は24時間体制で休み無くフル稼働し、神殿の女神はその体内に荒川水系の河川から溢れそうになった水を取り入れ、江戸川へと移し替え、関東平野東部を大きな洪水被害から守り抜きました。
そんな地下神殿ですが、最近、大きな変化が見られたようです。
その変化とは“深化”。
何がどのように深化したのか?
地下神殿の女神の71mにも及ぶ深い躰の奥底へ、Let’s 潜入調査!と相なりました。首都圏外郭放水路 名所・史跡
-
そう、あれは2019年の師走。
行き交う人々の足取りは忙しなく、辺りを流れる空気そのものが年末の12月だと感じられる頃。
通勤の乗換駅に置いてある1枚のチラシが私の目を引き寄せた。
そのチラシの写真は地下神殿こと、首都圏外郭放水路の貯水槽。
首都圏外郭放水路の貯水槽には数年前にその見学会に参加したことがあり、目新しい部分はさして無かったのだが、私の興味を引いたのは写真そのものではなく、写真の中央に置かれた言葉 “深化“。
“進化”ではなく、“深化”。
いったい “深化” とは何を意味するのか。 -
チラシを手に取り読むと、どうやら首都圏外郭放水路で実施している見学会の内容に変更があったようで、今まで見学者には非公開であった地下神殿の心臓部も新たに見学ルートとして、一般人が見学できるようになり、更に平日限定だった開催日に土日祭日も加わったらしい。
ほう、それは、興味深いお話。
2016年開催の見学会に参加したときは、地下神殿;地下貯水槽(調圧水槽)を見せて貰ったが、肝心の地下神殿での滞在時間はたった10分だけで、若干、欲求不満気味。
あらたな見学コースにはどのようなモノがあるのだろうか。
新しく加わったのは、川から溢れ出した水が流れ込む巨大な深い立坑と、航空機用に開発されたモーターの心臓部のタービンを見られる2コース。 -
さっそく都圏外郭放水路のホームページへと遊びに行き調べてみた。
確かに、コレは深化かもしれない!
私がチラシを手にしたのは12月上旬。
すぐさま、12月の土日の予約状況を調べたのだが、さすがに私が行きたいと思っている新コースの予約枠にはもう空きがなく、12月の見学会への参加は無理だった。
それならば1月の見学会に参加しよう。
見学会の予約は参加希望日の1ヶ月前の午前0時にスタートする。
1月の最初の営業土曜日(1/12)を目指して予約開始時間である12/11の深夜0時にホームページにアクセスし、友人と私の分の2枠を確保した。
(写真、2020年1月14日以降の予約状況。水色部分が空席あり。土日はほぼ埋まっているが平日ならばまだ余裕のある日も・・・) -
そして、1/11土曜日の午後、友人と私は田んぼのど真ん中にある【国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所】の敷地へと降り立った。
4年前に来たときには公共交通機関でのアクセスが悪く、最寄り駅の南桜井駅から日に数本のバスしかなく駅から30分以上歩かねばならなかったのだが、最近は東武伊勢崎線(スカイツリーライン)の春日部駅始発のバス便(2本/1時間)ができ、アクセスも楽々。
春日部駅からは350円(WAON支払い可能)、所要時間30分弱で到着する。 -
少し早めに到着したので、友人に周囲を散歩しながら地下神殿について解説。
実は、今回参加した見学コースは以前に来たときよりも施設に関する概要説明時間が少なく、事前にある程度どのような構造になっているのかを頭に入れておかないと、せっかく見学しても、その説明内容が何を意味しているのか理解しにくい。
(写真は周辺を散策時に河川敷で見つけた看板。
発砲禁止・・・って、ここは山奥ではなく、埼玉ではなかったっけ?) -
建物前のグランドには説明パネルがあり、パネルを利用して地下神殿の構造や原理を友人に説明した。
-
そして14時、見学開始だ。
私が申し込んだのは3コースある中で、一番見てみたいと思っていた巨大な落とし穴の立坑を見学できる【迫力満点!立坑体験コース】。
所要時間は100分、落差のある階段を上り下りする体力を必要とするコースとなる。
現在申し込み可能な3コースを紹介すると、
1. 気軽に参加できる!地下神殿コース 50名/60分
2. 深部を探る!ポンプ堪能コース 20名/100分
3. 迫力満点!立坑体験コース 20名/100分
の3コースで、それぞれ参加料金が異なり、
コース1が1000円、コース2が2500円、コース3が3000円だ。
12月にネットで参加申し込みをする時、私はこの見学費用にちょっと躊躇した。
だって、4年前の2016年に見学来たときは1.の地下神殿コースのみしか存在しなかったが、費用は不要だった。
それなのに、今では無料だった見学コースも1000円の参加料が必要となっている。
私が見たかった3の立坑コースは、更にその3倍の3000円と土曜日でもそれなりのランチが食べられてしまうお値段だった。
ねえ、国土交通省さん、いくら物価が上がっているとはいえ、ちょっと荒稼ぎしすぎなのではないの?・・・
と思っているのは私だけでは無い筈だ。 -
まずは龍Q館と呼ばれる事務室や河川のコントロール・ルームがある本館で、説明員のお姉さんから地下神殿;首都圏外郭路の概要に関するお話;関東地方の地形の勾配のお話や首都圏外郭放水路の仕組みなどを聞く。
首都圏外郭放水路そのものと地下神殿と呼ばれる貯水槽に関する大まかな説明については以前に記した旅行記→https://4travel.jp/travelogue/11105015でかなり詳細に記録したので、今回の旅日記では省略。
この旅行記では、前回の見学会では遠くから眺めるだけで、今回、初めて足を踏み入れる、巨大な落とし穴の“立坑(たてこう)”をメインに書いてみたいと思う。 -
首都圏外郭放水路は全長6.3kmの川の道。
その水路は、川と川を繋ぐ国道の真下を走っている。
お天気が良いときは静かに眠っている首都圏外郭放水路。
その出番がやって来るのは、大雨や台風で荒川と江戸川の間を流れる4本の川がオーバーフローしそうになった時。
川がオーバーフローする寸前、川の警戒水位を超えた泥水は首都圏外郭放水路の落とし穴である立坑(たてこう)と呼ばれる茶筒状の縦坑へと流れ込む。 -
巨大な茶筒の中へと落ちた泥水は、そのまま首都圏外郭放水路のトンネルを激流となって走り抜け、第5立坑から順に第2立坑へと移動し、最後に巨大な茶筒である第1立坑へと溜まり、第1立坑の水位がある一定のラインを超えると、水は巨大な地下空間である地下神殿(調圧水槽と呼ばれている)の中に溜る仕組みになっている。
(写真は、左に第1立坑、右に地下神殿(調圧水槽)を配置した図) -
施設のどの部分も日本の土木技術の粋を集約して作られたのだが、日本らしいな・・・とちょっと思ったのが、オーバーフローした川の水が立坑へと流れ入る時の水の流入方向まで計算して作っていること。
強い水流の水が一気に流れ込むと施設に与えるダメージが大きいので、取水口である川面からグルグルと螺旋を描くように川の水は立坑の底へと導かれている。 -
建物の外にはなるが、首都圏外郭放水路の掘削に用いられた巨大な円盤掘削機の展示もある。
-
さて、そんな説明を受けてから、参加者20名は建物の外へ。
やってきたのはサッカー場を挟んだ龍Q館とは反対側の場所。
目の前に見えるのはただのサッカー場だが、実はここがポイント。
サッカー場のその真下が、地下神殿である巨大貯水槽(調圧水槽)となっている。 -
まずは厳重なセキュリティ・チェック。
地下神殿(地下ダンジョン)とくれば、異世界の魔物や怪物がつきものだ。
関係者以外立ち入り禁止と危険注意のなされた厳重に鍵を掛けられた扉の前で、地下世界で魔物から身を守るために守るべき掟のレクチャーを受ける。
セキュリティ・チェックの内容は、可燃性液体(ペットボトル飲料)やプラスチック爆弾(ガムなどの食べ物)を持っていないかどうか。
地下神殿内は飲食禁止で、基本的にこれらのモノは自己申告制ではあるが、テロ対策の意味もあるのかもしれない。 -
お姉さんが説明する-地下世界での掟とは・・・。
それは、地下世界へと下りる階段途中で立ち止まり、下をのぞき込んでの写真を撮らないこと。
地上の入口から地下世界の最下部までの高さは、ビル6階分。
116段の階段を下りるのだが、その階段には魔物が潜んでいて、彼らは人間の生き血が大好物。
立ち止まって地下神殿の写真を撮ったりしようものなら、魔物に背中を押され、遙か下にある地下神殿の奥底へと叩きつけられ、その死体もあっと言う間に魔物の餌食となり、その痕跡すら残さないらしい。 -
そんな訳で、次の写真は地下神殿に到着したところから。
簡単な施設説明を受けてから自由散策時間。
自由散策と云ってもその許された時間は、たったの10分間だけ。
その10分間の間にじっくりと地下神殿の内部を観察する。 -
1本500トンの列柱が並ぶ地下神殿。
ただの貯水槽なのだが、地下神殿にしか見えないところが凄い。 -
巨大な59本の柱が立ち並ぶその姿は圧巻で、ここへ来るのが2回目の私でも圧倒されてしまう荘厳さだ。
-
この地下神殿だが建物の地上部も地下神殿の部分も、子供の大好きなレンジャーもののTV番組の収録、歌姫の撮影に使われてきた。
地上部の龍Q館のコントロール・ルームなどはレンジャーモノの基地として子供達も知らず知らずに目にしていることが多いのだと思う。首都圏外郭放水路 龍Q館 美術館・博物館
-
昨年の大人気ドラマ“下町ロケット”でもこのコントロール・ルームは撮影に利用され、帝国重工のオペレーター・ルームという設定だったらしい。
-
昨年話題の映画では、地下神殿が【翔んで埼玉】の撮影場所にもなったようだ。
年末に旅した私は飛行機の中でお気楽に映画を見ようと思い、そのセレクトが【翔んで埼玉】だったのだが、地下神殿が撮影に使われていたとは露知らず、最後の最後で見知った首都圏外郭放水路に仁王立ちになる主演のGACKTさんの姿が大写しになり、思わず口にしていたコーヒーを吹き出しそうになるほど驚いた。
映画の撮影は地下神殿の調圧水槽、立坑と立坑を結ぶトンネル、そして、この日訪れる第1立坑で行われた模様だった。 -
10分間の地下神殿の見学を終えた私たちは魔物がいると云われる116段の階段を再び上がり、地上へ。
そして、新たな冒険の地へと向かった。 -
次の冒険は巨大な茶筒である第1立坑の探検。
地下神殿と第1立坑はその内部で繋がっていて地下神殿の中からもその茶筒の姿は垣間見えるが、第1立坑は立ち入り制限区間にあるため地下神殿の位置から見ることができるのは、そのほんの一部分だけ。
(写真:地下神殿(調圧水槽)から眺める第1立坑) -
私は地下神殿での10分間の滞在制限時間の内の半分以上を、この第1立坑の観察時間として使った。
地下神殿の中から見えるのは、茶筒の内側と遙か上にある地上から茶筒の底へと下りるための点検用通路の一部分。
ホームページのコース案内から、立坑の写真上部に見えるキャットウォークと呼ばれる第1立坑の上部を周遊する通路から大きな坑の中を覗き見ることはできるのは、知っていた。
でも、まさか・・・
見学者があの修理・点検用のオレンジの階段を下りることができるなんて話・・・ソレは知らなかった。
(写真:地下神殿(調圧水槽)から眺める第1立坑) -
私たち冒険者20名が案内されたのは、異世界下へと続くゲート。
この世界に棲むのは、先ほどの地下神殿の魔物よりも更にパワーアップした怪物。
その怪物は力が強く、その手で人間の頭をひねり潰すほどの力を有している。
だから、頭部を保護するためのヘルメットは必須。 -
そして、大人も子供も、腰へのハーネス着用が絶対条件だ。
-
第1立坑の怪物の間では、立坑のキャットウォークを歩く人間をつまみ上げ高さ71mの茶筒の上から遙か下に見える底へと投げ落とす遊びが流行っているとのことで、参加者は全員ハーネスを着用し、その躰を頑丈なロープで立坑の壁に固定しながら歩くことが義務づけられている。
-
さあ、準備が整ったらいざ出陣。
第1立坑の周囲を巡るキャットウォークへと出たら、即座に腰のハーネスに繋がった滑車を側面のレールに通す。
これで、一応の安全が確保され、たとえ怪物が襲ってきたとしても壁ごと壊されない限りは、奈落の底へと落とされる心配は無い。 -
始めは皆がキャットウォークの上を恐る恐る歩く。
巨大な71mの深さを持つ茶筒、スペースシャトル1台がすっぽりと入るような第1立坑の中をのぞき込む強者はなかなか出ない。 -
でもね、一人がのぞき込み歓声を上げたら、皆が一斉に手すりにつかまって下を見下ろすことに。
-
オトナは慎重に、恐る恐るゆっくりと覗き込む。
-
子供はかぶりつくように。
人工的なこんな深い立坑を見るのは、私も初めてで大興奮。
子供並みにかぶりついていたかもしれない。 -
キャットウォークは第1立坑の開口部を周遊しているので、坑の内側の様子をぐるりと観察できる。
半周位歩くと見えてきたのは、坑に開いた四角い開口部。
もしや、アレは・・・。 -
そう、そこは調圧水槽である地下神殿と立坑を結ぶ入口。
第1立坑の中でどんどん増えていった河川水の水量がこのラインを超えると、一斉に地下神殿に流れていく開口部分だ。
つい15分位前まで私はあの地下神殿の中にいて、立ち入り可能区域内からこの第1立坑を覗き見ていた。 -
イチオシ
地下神殿の中にいたときは、立坑の内側がこんな風になっていたとは想像していなかった。
そして、この写真に見える地獄の底へと下りる階段を、自分が歩いて下ることになるとも知らなかった。 -
「さあ、みなさん、腰のハーネスのローラーをレールから外してください。
作業・点検用の階段を下り、これから立坑の中へと下ります」
お姉さんのこんな言葉に、ざわめきが走る。
そりゃあ、そうだよね。
ハーネスと壁が接続されているからの安心感。
ソレを外してしまったら、いつ71m下の奈落の底に落ちてもおかしくない状況だもの。
もちろん、階段を下りずキャットウォークで待機するという選択肢もあるが、3000円を支払いここまでやって来る冒険者に、そんな臆病者はいない。 -
階段を一歩下る度に、自身が立坑の内側に取り込まれる。
-
さすがに危険なので私たちが下ることができるのは、地下神殿(調圧水槽)へと水が流れ込む高さまで。
その高さまで来たら、参加グループごとに写真タイムがある。
そこからは、一体、どんな景色が見えるの? -
撮影ポイントで私が見た景色。
それは、先ほどまでいた地下宮殿の中を立坑から俯瞰する絶景。 -
オーバーフローした川から流れ込んできた川水の泥がその開口部にこびりつき、未だにそこが湿り気を帯びているのが見えた。
2019年の秋から冬にかけて、関東地方は異常なほどの大雨に見舞われ、地下神殿もそのたびに稼働したそうだ。
その時の名残の泥なのだろう。
地下神殿の女神の勲章みたいなものだろうか。 -
イチオシ
私だけではなく、友人もかぶりつくようにその景色を眺めていた。
-
撮影ポイントから坑の底までは、もうすぐ。
キャットウォークの上から見ていたのとは距離感が全然異なる。 -
撮影ポイントで、友人と私たちも記念撮影。
二人は高校の同級生。
かれこれ35年にもなるだろう長い付き合いだ。 -
イチオシ
第1立坑の写真撮影だがスマホのカメラを使うと、ちょっと面白い写真が撮れる。
ソレがこの写真で、キャットウォークの足場の天板の丸い穴にスマホのレンズの一を合わせて撮影したモノ。
ドローン撮影っぽい雰囲気になる。 -
大雨が降った時、各河川から流れ込み第1立坑へと集められ地下神殿の女神の体内へと流れ込んだ川の水は、その後、どうなるのか。
川の水は飛行機エンジンの技術を応用した巨大ガス・タービンを用いて、施設のすぐ脇を流れる江戸川へと放流される。 -
江戸川へと水を流すだけならば、ただ流せば良いのではないの?と思うかもしれないが、水は高いところから低いところへと流れるもの。
だから、お皿のように土地が低い場所にある地下神殿と高い場所にある江戸川には高低差があり、そのままでは水の排出はできない。
故に、ポンプで強制的に排水を行っているそうだ。 -
その排水施設は見学コースには含まれないが、屋外にあるので好きに見学ができる。
-
そして、実際の江戸川河岸の水門の様子がこちら。
覗き込んでも水門までは見えないが、位置的に地下神殿と水路で繋がっていることは、分かる。
地下神殿と第1立坑の見学会の時間はほぼ120分。
申し込む時は3000円は高いな~と思ったが、これだけの施設を維持する為、そして、説明員の人件費を考慮するとまぁそれくらいかもしれないが、見学会が毎回定員一杯まで埋まっている状況から6万円/2時間の企業収入は、かなり黒字を出している気がする。 -
オトナの社会科見学は、首都圏外郭放水路だけで終わりではない。
放課後のアクティビティもプランニング済みだ。
春日部駅まで戻り、再び東武伊勢崎線の電車に乗り込んだ。
せっかくここまで遠出したのだから、もう一つくらい楽しみたいよね。
降りた駅は春日部駅から急行で1駅の東武動物公園駅。
駅舎の外では、藁細工の龍と虎がお出迎えしてくれた。 -
虎は東武動物公園にいるホワイト・タイガーがそのモチーフとのことで、その前足が今にも歩き出しそうな躍動感。
毎日動物を見て観察をしている飼育員さん達が監修した藁アートだから、ネコ科独特のしなやかさがその姿から滲み出していた。 -
駅から東武動物公園までは徒歩10分強。
東武動物公園は遊園地と動物園がコラボしたハイブリッド・レジャーランド。
冬の間は、イルミネーションでその集客率を上げている。
入園チケットは色々種類があるが、遊園地の乗り物は興味が無くイルミを楽しみたいだけなので、私が購入したのはイルミネーション・チケット(オトナ1200円)。
イルミネーション・チケット自身は15時から利用できるので、日中の動物園を楽しみたい場合は、明るい時間から訪れる方がお得だろう。(ちなみに、数年前は1000円だったので、いつの間にか値上げしたらしい) -
イチオシ
今年のイルミネーションのテーマは、【音楽と映像、光が融合した光のライヴ空間】ということでレーザー光線を使ったライブ会場のようなイルミが人気だったが、私的にはイマイチで、こんな風に静かに落ち着いたイルミの方が好きかな。
東武動物公園 テーマパーク
-
騒々しいイルミは心がザワザワする。
イルミネーションに何を求めるかによっても異なるのだろが、個人的には心落ち着けるイルミが好きだな。 -
赤・白・黄色・紫の色とりどりのお花畑も、かわいらしい。
-
説明板には薔薇の花をイメージとあったが、個々の花に近づいてみると、キレイだけれど、ちょっと薔薇とは違うかもね。
-
動物園もあるので、アフリカのシマウマやキリンをモチーフとしたイルミもある。
-
フラミンゴも青い光の湖でゆったりと時を過ごしていた。
-
でも、せっかく夜の動物園にやってきたのだからイルミの動物だけではなく、夜行性の動物を展示するNight Zooの方が、興味がある。
夜に見学できる動物は多くはないのだが、日中はいつも眠りこけているアムール豹が活発に動き回り、毛繕いをする様子を観察できた(彼らの習性を保護するために照明はなく、人間が目をこらして見る)のは、面白かった。
ペンギン舎ではちょうど夕飯の時間帯で、飼育員のお姉さんが一羽一羽に食事を与えていた。
日中は涼しい室内に閉じこもる皇帝ペンギンも気温が下がる夜には屋外へと出して貰い、あちらこちらを縦横無尽に散歩していた。 -
お腹がいっぱいとなったペンギンたちはその下腹部がタプタプと揺れて、歩くのすら大変そう。
だから、彼らは満腹したら水中で一運動の時間。
次々と水の中へと飛び込んでいった。 -
中にはあまのじゃくな奴もいて、柵の近くまでやってきて、私たちに「ごはん、ちょーだい!」のおねだり。
-
イチオシ
残念、私たちはお魚は持ってきていないんだ。
ごめんね~ -
ライオン舎ではライオンのご夫婦がまったり・モード。
メス・ライオンは、平地の石の上で。 -
オス・ライオンは高台の岩の上でテリトリーを見下ろしながら就寝前の毛繕い。
ご機嫌なのか、長い尻尾をゆらゆらと揺らしまるでハミングしているかの様子は、猫そのもの。
ライオンは、でっかい猫なのだと改めて思った。 -
ナイト・ズーの時間は動物への影響を考慮して19時までと長くはない。
イルミと夜の動物を楽しみたい場合は、先に動物舎へ向かう方が良いだろう。 -
動物舎からゲートへと戻るときも、イルミネーションを眺めながら。
-
イチオシ
白い観覧車がイルミネーションを反射し、夜空の中に怪しく光る。
-
青をメインとした海の様な電飾。
その真上で、満月がおぼろ月のように浮かんでいた。 -
私はちょうど10日前、米軍の無人爆撃機で司令官が殺害された渦中のイランにいた。
私たちが滞在中は、外務省が海外安全ホームページで公表するイランの危険情報はレベル1だったが、帰国して3日間の間に米国軍への反撃攻撃、イランによるウクライナ航空機誤爆事故もあり、その危険度はレベル3(渡航中止勧告)へと上げられた。
日本人は平和ぼけしていると云われるが、イランから帰国した直後の私には、その平和ぼけという感覚がよく分かる。
日本人が心配するのは灯油やガソリン価格の上昇等の自分たちの生活に直結することばかり。
戦地になるかもしれないと不安に駆られているイランの人たちのことまで想いが至らない。
この日、イルミネーションを見に来ようと思ったのは、イランに対する想い、何の罪もない人たち、ウクライナ航空の旅客機にその日乗り合わせてしまっただけの人への祈りのため。
悲しみの蝋燭を灯す代わりに、静かで穏やかな光が彼らの元にも届いたら良いな・・・そんな風に思った。 -
旅行記の最後に、首都圏外郭放水【地下神殿】の見学会情報を。
・予約ホームページ
https://www.gaikaku.jp/course/
・予約開始時期
1ヶ月前の午前0時開始
例 2/15に見学希望の場合は、1/15に日付が変わったばかりの午前0時が予約開始時間
・アクセス
公共交通機関利用ならば、春日部駅(東武伊勢崎線)発着の【イオンモール春日部バス】が便利
時刻表:https://busde.com/business/aeon_kasukabe/
・見学するならば、いつの時期がベスト?
雨の多い時期は施設が川水処理のために稼働する日も多く、また稼働直後は泥水が調圧水槽(地下神殿)内に溜るために見学が不可能となることがある。
見学予約をするならば雨の少ない冬がお勧め。
よほど運が悪くない限りは、施設稼働日には当たらないだろう。
・予約コースについて
3コースあり、それぞれ定員、参加代金が異なる。
1.気軽に参加できる!地下神殿コース 50名/60分 1000円
2.深部を探る!ポンプ堪能コース 20名/100分 2500円
3.迫力満点!立坑体験コース 20名/100分 3000円
お勧めは、旅行記で紹介した3の立坑体験コース。
世界唯一の施設をじっくり見学できる。
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この旅行記へのコメント (4)
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- yeppoon_loverさん 2022/07/25 07:08:56
- 参考になりました。
- ウェンディさん
おはようございます。
来月の夏休みに、龍Q館にお邪魔する計画をしておりまして、こちらの旅日記、事前に概要を把握する資料として、拝見いたしました。
大変、参考になります。
台風シーズンの中の訪問となりますので、計画がオジャンになることも考慮に入れつつ、当日を待ちたいと思います。
貴重な情報をありがとうございました。
yeppoon_lover
- ウェンディさん からの返信 2022/07/25 19:22:29
- お役にたてて良かったです。
- yeppoon_lover様
首都圏外郭放水路は世界的に見てもとても珍しい治水施設で、多分世界唯一だと思います。
国道の下に地下の川を作る計画や、田舎の地下に巨大な地下神殿を作る計画など、当時の日本の技術者の力をフルで活用し、できた施設。
見学時間は短いので有効に使って愉しんでいらしてくださいね。
台風による増水時期と重ならないと良いですね。
ウェンディ
-
- オカンカンさん 2020/01/13 22:15:27
- 首都圏外郭放水路
- ウェンディさん オカンカンです。
首都圏外郭放水路の旅行記と情報ありがとうございました。
私もずっと気になっていたのですが、バスツアーではよく見るけれど、個人で行くのは難しいのかなと思っていました。HPを確認してみます。
確かに冬の間に行くのが賢明ですね。
詳しい旅行記を参照に、暖かくなる前に訪問したいです。
ありがとうございました。
- ウェンディさん からの返信 2020/01/15 23:41:05
- Re: 首都圏外郭放水路
- オカンカンさん こんばんは。
地下神殿こと首都圏外郭放水路。
最近は、昨年の台風水害の時にも脚光を浴びていましたね。
以前は地味にほとんどアピールもせずにやっていた見学会ですが、どうやら国交省も本腰を入れた様子。
個人的な感想ですが、4年前の見学会の時と比べて1日の開催回数が増えたせいか、首都圏外郭放水路に関する解説が手抜き感が否めない部分もありました。
見学会に参加する場合は少し早めに龍Q館へ行き、展示パネルで事前学習する方が良さそうです。
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