2019/05/26 - 2019/05/26
84位(同エリア2099件中)
ウェンディさん
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- Q&A回答132件
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5月末の週末に京都に日帰り旅へと出かけました。
関東から京都へ日帰り旅とは無謀な計画に見えるかもしれませんが、早朝の新幹線に飛び乗れば朝の9時前には京都駅に到着し、ほぼ丸1日を京都で過ごすことができます
今回の日帰り旅のターゲットは、初夏の青モミジに彩られた京の奥座敷;鞍馬。
鞍馬と言えば、牛若丸伝説や源氏物語にも登場する由緒正しき歴史ある鞍馬寺が有名で、京都を訪れるのが20年ぶりの私は、京都駅に降り立った時からかなりハイテンションでした。
鞍馬山では鞍馬寺から貴船神社まで抜ける山道(修行道)を歩き、森の木々から放出されるエネルギーをタップリと浴び、心身ともにリフレッシュしてきたのですが、歩きながら感じたのは、何かが違う…と云う違和感。
違和感があったのは、鞍馬寺の本堂の風景や修行道沿いに建てられているお堂の様子。
山の中腹にある本堂の前には大きな魔法陣が埋め込まれ、観光ガイドが鞍馬が如何に凄いパワースポットであるかを力説し、列を成した観光客が魔法陣の真ん中に立ち写真を撮っていました。
そして、修行道の途中にある魔王殿と名付けられた仏教寺院も違和感の1つでした。
鞍馬を歩いたその日の夜、違和感の原因を探るべく鞍馬寺を“パワースポット”をキーワードに調べてみたら、出てくること、でてくること…。
種々の情報がありましたが、予想もしていなかったのがサナトクマーラと呼ばれる金星人の話です。
大魔王とも称されるサナトクマーラが金星から地球にやって来たのが650万年前で、世界各地に降り立った大魔王は日本の鞍馬にも降臨したと云われています。
そして、その大魔王は現在の鞍馬寺のご本尊の一人として崇められているという話でした。
サナトクマーラ(大魔王)の日本名は護法魔王尊。
護法魔王尊は秘仏でありその姿は公開されてはいませんが、伝承によるとその姿形は赤ら顔に高い鼻で、それはまさしく天狗の姿。
まさか、伝説の鞍馬天狗が金星からきた宇宙人だったなんて…、完全に想定外の情報でした。
私の脳内イメージでは、京の古刹であった鞍馬寺。
鞍馬に来てSF物語に出会うとは想定していなかっただけに、新たな鞍馬の一面を見た気がした京の1日でしたが、パワースポットをやたら強調する営業戦略には若干引く部分もあったことは否めません。
そんな訳で、初の京都旅行記は、京の奥座敷;不思議伝説が残る鞍馬を斜めに切った旅行記となりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 新幹線 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
5月末の京都旅。
この旅はただの観光旅行ではなくちょっとしたイベントの前哨戦で、この夏に一緒に海外に行く友人との打ち合わせも兼ねた旅だ。
友人と私は居住エリアが関西と関東で、一緒に旅に行くと言ってもそう簡単に顔を合わせて相談も出来ない。
だから、旅の計画や相談は、基本は文字ベース。
SNSが発達している現代では、インターネットを介した情報伝達のみでも意思疎通は充分なのだが、やはり古いタイプの人間である私たちは旅の前に一度はお互いに会っておきたかった。
私達が知り合ったのは、とある旅のサイトが縁で、初めて言葉を交わしたのがもう6年も昔の話。
6年間、お互いの情報は交換しつつも実際には会ったことの無かった私達だったので、海外に行く前に京都で会おう♪ということになった。
京都での待ちあわせは、朝9時の京都駅の中央口。
私を待っていてくれた彼女は、想像通り、元気で可愛らしい女性だった。京都駅 駅
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京の奥座敷である鞍馬へ行くためには、えいでん(叡山電鉄)でのアクセスが便利。
その為に京都駅から叡山電鉄の始発駅へと移動するのだが、移動手段として私達がとった方法は人力。
始発駅は、鴨川沿いの出町柳。
ということで、京都駅を出た私達は東へ向かい、七条大橋を降りて河川敷へと入り、鴨川の河川敷を歩き出した。 -
今回の京都1日観光での行先は、関西在住の友人のセレクト。
京都観光と云えばその定番は有名寺院や庭園巡りなのだが、京都に詳しい友人はそんな定番はあえて選択せずに、歩き始めとしてちょっとディープな鴨川歩きを提案してくれた。
鴨川の河川敷散歩は、私が自分で考えていたならばまずは思いつかないアイディアで、京都に詳しい友人ならではの思考だろう。
歩き始めた七条大橋の袂にあったのは、昔の七条大橋の橋の土台であったと思われる煉瓦の橋脚跡。
現在の七条大橋が掛けられたのは明治の末期から大正の初めにかけての頃(架設1913年)。
この煉瓦の橋脚はもう100歳を超えた大御所だ。 -
イチオシ
頭の上に架かる七条大橋の欄干の模様もなんだか可愛らしい花模様で、気になったのでパチリ。
帰宅後に調べて見たら、七条大橋の欄干模様は三十三間堂の通し矢をモチーフとして作られたとのことで、七条大橋は鴨川にかけられた橋の中で一番古く、現存する橋の中で唯一明治・大正の意匠を残した橋だそうだ。七条大橋 名所・史跡
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友人と話しながら川べりを歩くので歩くスピードは比較的のんびり。
そして、話しながらも私の目は珍しいものを見つけるとついついそちらに引き寄せられてしまい、なかなか先には進まない。
写真は河川敷の塀に咲いていた花で、スター・シャスミンだと思われる。
鴨川の河川敷にはあちこちに咲いていて、沢山咲いている場所では爽やかな香りが空中に舞っていた。 -
鴨川には大きな鯉や鮎の稚魚などの魚も沢山泳いでいて、そんな魚や水生昆虫を狙う鳥の姿も多かった。
子育ての時期なのでカモの親子の姿もあり、母鴨の周りを歩くよちよち歩きの雛の姿が可愛らしい。 -
鴨川の西岸には料亭や小料理屋さんが夏の川床に向けての準備万端。
川のせせらぎを聞きながら京料理を味わうのは優雅で大人の女性としては憧れではあるが、私達の懐事情ではちょっと手が出ないかな。鴨川 自然・景勝地
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友人と色んな事を話しながら歩いていたら、西岸に異国情緒あふれる建物を見つけた。
建物だけを見ていたら、昔の香港かマカオみたいな雰囲気。
「あの建物は?」と聞いたら、有名な中華料理屋さんとのこと。
建物が東アジアっぽいのに京都の景観との相性は悪くはない。 -
私達が京都を歩いたこの日は全国的な猛暑日で、日本各地で5月初の最高気温を記録した日。
鴨川公園の飛び石では子供だけでなく、大人も石に腰かけ足を浸して涼んでいた。鴨川公園 公園・植物園
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飛び石があるのは一か所だけではなく2か所に分かれていて、下流側は千鳥と舟形で、上流側が亀石。
この辺りは、ドラマや映画でもよく撮影に利用される有名な場所で、友人曰く「火サスの帝王、船越栄一郎と云えば…鴨川の飛び石」がまず連想されるらしい。 -
鴨川沿いを1時間ほどお散歩すると、最初の目的地である叡山電鉄の出町柳駅へと到着した。
でも、電車に乗る前にお少しだけ買い物の時間。
出町柳駅の斜め向かいには老舗のパン屋さん【ベーカリー柳月堂】があり、このパン屋さんは友人の一押し。
柳月堂の名物はクルミパン。
クルミが大好きな私は勿論、クルミパンも好き。ベーカリー 柳月堂 グルメ・レストラン
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クルミに目の無い私のお目当ては、いろんなタイプのクルミパン。
一番食べたいと思っていたのが、チーズ入りクルミパン。
とても楽しみにしてきたのだが、私達が到着した10時過ぎには、チーズクルミパンはもう売り切れだった。
お店の前には焼き上がり時間の目安表が貼ってあったので、お目当てのパンがある場合には焼き上がりに合わせて行く方が良さそうだ。
お目当てのチーズクルミパンはなかったがそれでも、シンプルなクルミパン、クルミ粒あんパン、クルミ・クロワッサンの3つをこの日の鞍馬ハイキングの昼食用に購入した。 -
駅で切符を買ったら鞍馬へGo !
叡山電鉄 乗り物
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駅にはちょうど観光列車の【ひえい】が停車していた。
出町柳駅 駅
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線路の雰囲気は鎌倉の江ノ電に、少し似ているのかな。
出町柳駅を出発した時には町中を走っていた車窓は15分もすると緑色に変わり、一気に京の奥座感が倍増。 -
乗車時間30分ほどで終点の鞍馬駅に到着。
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鞍馬駅の駅舎は、大正時代風なレトロな雰囲気。
鞍馬駅 駅
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鞍馬と云えば一番有名なのが、鞍馬天狗。
駅舎では、真赤なお顔の鼻高天狗と嘴のあるカラス天狗(木の葉天狗)がお出迎えしてくれた。 -
イチオシ
更に駅舎の外では大天狗が下界に睨みを効かせていた。
比較対象が無いのでサイズ感が分かりにくいと思うのだが、大天狗の鼻の長さは2.8m。
かなり巨大な天狗の顔だ。
平安時代、鞍馬寺のあるエリアは京に対して鬼門に当たり、鞍馬寺や貴船神社は鬼封じのために作られたとも言われている。
一見、観光用にも見える巨大な天狗の面だが、もしかすると陰陽道的な意味があるのかもしれない。 -
鞍馬駅から鞍馬寺までは歩いてすぐで、5分もかからない。
自然保護費としての愛山費300円を納め、寺の門をくぐる。鞍馬寺 寺・神社・教会
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まずは、山の湧水で下界の汚れと、心の澱みを落としてから。
気分的な問題なのだとは思うが、神社やお寺の聖水や神水(と言ってよいのかな?)で手を洗うと、なんとなくすっきりとする気がする。 -
参道へと入ると、コレぞ鞍馬という景色。
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イチオシ
春の柔らかな若葉から勢いのある夏葉へと変わりつつある木々。
そんな中を歩いていると身がキュッと引き締まる。鞍馬寺 寺・神社・教会
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鞍馬寺の境内は広く、
参道の途中には.由岐神社もある。由岐神社 寺・神社・教会
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由岐神社には樹齢800年高さ53mの大きな杉の木;大杉さんがあり、願掛けスポットだそうだ。
この神社には神様がお二人いらして、その内の、大己貴命(おおなむちのみこと)さんが絶大な縁結びパワーを持つとのこと。
だから、若い女性の方が多くいらしているのかな…と何となく腑に落ちた。
(後程、鞍馬の観光で若い女性が多いのは縁結びパワーだけが要因ではないことは判明したが…) -
神社の脇にはおみくじも有り、由岐神社のおみくじはちょっと珍しい天狗みくじ(500円は高いけどね)。
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天狗の頭(脳)の部分が器になっていて、その中には小天狗のキーホルダー。
そのキーホルダー1つ1つがおみくじで、小天狗の中に筒状におみくじが入っている。
形的にも目を惹くので海外の方には人気があるようで、私達の近くにいた海外からのゲストの方々もおみくじに手を伸ばしていた。 -
鞍馬寺は、寺と云うよりは山。
お寺にお参りと云うよりも、軽いハイキング的な要素が強い。 -
山の斜面からは岩清水が湧きだし、参道の脇には小さな池が出来ていた。
その中から聞こえてくるのは、ゲコゲコ…というまぎれもないカエルの鳴き声。
でも、声はすれども姿は見えずで、声の主が何処にいるのか分からない。 -
イチオシ
目を大きく見開いて探したら、ようやく動く物体を発見。
落ち葉に良く似た外観をしたカエルで、後ろ脚などは枯葉にそっくり。
緑の苔の上に動いてくれなければ、気づくことは出来なかった。 -
鞍馬寺の本堂があるのは山の中腹部分で、歩いて登ったら山門から20分~30分かかる。
だから、足腰の弱い方用にケーブルカーもあるのだが、私達は歩く目的で来ているので自分の足で登る。鞍馬寺 寺・神社・教会
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本殿までの参道で一番の難所が、九十九折の参道(鞍馬寺の公式HPの地図参照)で、準備運動もしないでいきなりこの道を歩き出すと息が切れてしまう程度のハードさがある道だ。
年配の方を同伴している場合などは、ケーブルカーを利用して九十九折の参道はショートカットするのがお勧めだ。 -
実は、この九十九折の参道は平安時代からほぼ変わらない構造を現代まで保っていて、あの有名な清少納言が随筆集【枕草子】の中で「近うて遠きもの」として「鞍馬のつづらおりといふ道」として挙げている。
清少納言が本当にこの九十九折の参道を歩いたかは定かではないが、多分、紫式部は取材のために歩いたのだろうな…。 -
ケーブルカーからの参道と九十九折の参道が合流した場所に、手水があり、そこでもう一度手を清める。
ついでにそっと顔も洗わせてもらう。
鞍馬は山なので京都の平地よりは気温は低めだったが、それでもこの日は30℃超えの気温で、山を歩いているだけで汗が噴きだして、タップリと塩気を含んだ汗は目に入ると沁みるし、顔も塩でジャリジャリしていた。
本殿の神様にご挨拶するのに、塩の葺いた顔では失礼だものね。 -
赤い灯篭と青モミジの階段を上ると、本殿がある。
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そして、辿り着いた本殿は朱塗りの柱が印象的で、荘厳な雰囲気。
確か鞍馬寺は奈良時代に鑑真和上のお弟子さんが開山の租だった筈…と昔に読んだ本の記憶を紐解きながらその景観を眺めていたのだが、ふと耳に入ってきたのが、団体観光客を案内するガイドさんの解説。
ガイドさんはいろんなことをお話していたのだが、私の耳に飛び込んできたのは、魔王とパワースポットという二つの単語。
“魔王”と“パワースポット”という二つの単語は京の古刹にはおよそ似つかわしくはなく、初めは私の聞き間違いかと思っていたのだが、ガイドさんはその言葉を何回も繰り返し説明していたので間違いなかった。鞍馬寺 寺・神社・教会
-
耳をそばだてて聞いたガイドさんの説明によると、本殿の前にある石で描かれた丸い円は金剛床と呼ばれる魔法陣であり、鞍馬山は京都で一番強いパワースポットである。
金剛床の中心にある△のスポットはその中でも強力な力を持ち、願掛けをするならばその場所で♪とハートマークがつきそうな勢いで話していらした。
更に話は鞍馬寺の本尊にもおよび、本尊は三位一体であり、その一つが護法魔王尊と呼ばれ、そのお姿は鞍馬に昔から存在するといわれるあるモノに似ていると続いていた。
確かに、本殿の前には四角い囲いがあり、その中には円形、更に星形の模様となっていて、確かに魔法陣のような造りで、その中央でお祈りをしたり、ひざまずいている方が多数いた。
でも、これって、本当に日本古来の仏教のスタイルなのだろうか。
鑑真の弟子が開いたと云われる鞍馬寺。
それなのに、パワースポットやら魔王尊やら半分SF的というか現代のパワースポットブームに肖ったような話って何か変ではないの?? -
とりあえず私自身も魔法陣が何であるのかを知りたくて魔法陣の中央まで行ってみたが、存在を疑ってかかるヤツにパワーなどが感じられる訳は無く、そのまま素通りとなった。
そして、お寺の説明を読んで全てが納得した。…というか、ちょっと呆れた。
現在の鞍馬寺は、実は鑑真の弟子が開山した奈良時代とは同じ宗派(天台宗)ではないというのだ。
鞍馬寺が現在の様なちょっと変わったお寺へと変わったのは昭和22年(1949年)。
現在の宗派は鞍馬弘教立教であり、その教義はかなりユニークな考え方をしている。
第二次世界大戦後に鞍馬弘教立教を立ち上げた初代管長の考え方は、「仏教とは、日本古来の古神道や陰陽道、修験道等などの宗派に捉われない多様な宗教であり、仏は1つではない」とするもので、現在の鞍馬寺のご本尊は千手観世音菩薩、毘沙門天王、護法魔王尊の三身一体で、総称として尊天と呼んでいるとのことだった。 -
更に驚くべき内容もあった(これは帰宅後にネットで調べた情報だが)。
尊天(御本尊)のおひとりである護法魔王尊は金星人のサナトクマーラで、別名;大魔王とも呼ばれ、そのサナトクマーラが初めて地球にやって来たのが650万年前。
その時に降り立った地の一つが京都の鞍馬だというのだ。
金星人のサナトクマーラはちょっと独特な顔相で、その特徴は赤ら顔で鼻が高い事。
そう、鞍馬山に居る鞍馬天狗に似ているらしい。
一説によると、サナトクマーラのクマーラが訛ってクラマ→鞍馬になったという話も…あるとのことだった。
この日、鞍馬寺に居る時は、本尊としてまさか金星人なんていう突拍子もないものが出てくるなんて思いもしなかったので、本殿ではお線香を供えて真剣にお参りをしていたのだが、金星人に私の祈りの言葉は伝わったのかどうかは微妙かな。 -
イチオシ
鞍馬寺の本堂で私が感じた違和感は、“今の鞍馬寺は生粋の仏教ではなく近年に生まれた新興宗教の1つで、そのご本尊が金星人であり、金星からのパワーがナンチャラと云うパワースポットを売りにしているお寺だった”と云うオチだったのだが、鞍馬山やお寺そのものは雰囲気も良く嫌いではない。
個人的には、朱塗りの本殿よりも昔ながらのシンプルな渡り廊下のある本坊の方が好みだけどね。 -
そんな鞍馬寺だったのだが、本殿から先にあるエリアが今回の旅の目的の1つなので、そのまま先へと進む。
鞍馬寺は山がそのまま寺の参道である修行の山。
本殿の裏からの参道は貴船神社へと繋がる修行道となっていて、ちょっとした山ハイキング気分が味わえる場所でもある。
今年の夏に訪れる友人との旅の後半は、軽いトレッキング。
鞍馬を今回の京都旅の旅先に選んだのも、プチ・トレッキング気分を味わえるからと云うのがその理由の一つだ。 -
山道の途中にはお堂があり、これは私が密かに期待していたものの一つだ。
と云うのも、紫式部の書いた源氏物語、その中で幼少の紫の君と光源氏が初めてであった北山の「なにがし寺」のモデルが、この鞍馬山の庵であったと云われているからだ。
けっして光源氏が好きなわけではないが、一大不倫小説の主題のモデルとなった場所と云うのはなかなか興味深い。
残念ながら、参道にいくつかあった庵の何処にも源氏物語の云々…という説明はなかったので、あくまでも「…と云われている」程度の信ぴょう性なのだろうが、私的には金星人のお話よりは現実味があるかな。鞍馬寺 寺・神社・教会
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紫の君に縁の庵は見つけられなかったが、面白いというか、何故にココまで学術的すぎる解説が・・・という看板を発見したので紹介。
山道のあちこちに立っていたのは、鞍馬山の地質を紹介する看板。
その看板は、地学が好きな私でも「なんのことやら…」と思うモノ多数で、その解説文は文字のみ。
カンブリア紀、ペルム紀、砂岩、黄泥…の地質用単語がオンパレードで、誰をターゲットとして、どのような目的で設定したのやらという感じ。
きっとお寺の関係者のどなたかが地質の専門家なのかもしれないが、もう少し子供が興味を持つような噛み砕いた書き方や絵や写真を入れないと、山の地質に興味を持ってもらうのは難しいかもしれない。 -
山道には階段道もあったが、自然の状態そのままが道となっている場所もあり、【木の根道】と呼ばれる木の根がボコボコと浮き出た道が面白かった。
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鞍馬山の一部では、岩盤が地表近くまで上がってきているために樹の根が土の下深くに潜ることができず地表近くを横に這い、このような景観が生まれたとのことだが、昔の人達は鞍馬天狗の妖力で気の根がこんな風になってしまうと信じていたらしい。
鞍馬寺 寺・神社・教会
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イチオシ
その昔、鞍馬山には鞍馬天狗と呼ばれる天狗が居て、平家打倒をもくろむ源義経が子供時代(牛若丸時代)にこの鞍馬寺に籠もり、山に棲む大天狗に武術の稽古を受け兵法を授けてもらったと伝説にはあるが、確かに毎日こんな足場の悪いところで修行をしていたらバランス感覚も良くなるだろうし、第一山登りで足腰だって強くなる。
天狗が師匠であろうとなかろうと体は鍛えられるかもしれない。鞍馬山 自然・景勝地
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この木の根道だが、私が事前にガイドブックで見た風景はもっと杉の木が密集した鬱蒼とした森だったと記憶していた。
しかし、私が訪れたこの日は倒れている杉も多く、山の中には木漏れ日が多くさし込んでいた。
実はこれは昨年秋に京都を襲った台風21号の被害の痕跡で、今年の1月末まで参道の復旧作業の為に山道をクローズしていたそうだ。 -
山道は木の根道を登りきると、そこからは貴船方向へ抜ける下り道へと変わる。
下り道の途中に義経堂があり、鞍馬の大天狗と義経が出会ったのがこの場所。
奥州で無念の最期を遂げた義経の霊魂は幼少の頃を過ごしたこの地に舞い戻り、今もこのお堂に居るという解説がお堂には書いてあった。鞍馬寺 寺・神社・教会
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そして山道のラスボスが、下り道の途中にある鞍馬山の中でも最強のパワースポット【奥の院;魔王殿】。
実際にこの場所を訪れた時は、魔王殿だなんておよそ仏教的な名づけ方ではないな…とは思いつつ参拝したのだが、まさかこの場所が金星パワーが集結した凄いパワースポットだったとは想像もしていなかった。 -
魔王殿の奥には小さな祠があり、その場所が650万年前に金星からはるばるやって来たサナトクマーラ(大魔王)が降り立った地だということだ。
鞍馬寺 寺・神社・教会
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更に魔王殿の周囲の木々は枝や幹が捻じ曲がっているものが多く、その原因は魔王殿から出される強力なパワーが影響しているとか、いないとか…。
金星パワーを信じるか信じないかは、訪れた人次第…なのだろう。
戦後に沸き起こった新たな宗教観に触発され、天台宗を離宗し、新たな鞍馬弘教(くらまこうきょう)を立ち上げた和尚様。
その方には時代を見る目があったのだろう。
これから先、宗教法人が生き残るためには従来の考え方やシステムのみでは不十分で、なにか人を惹きつけるアイドル的な存在が必要であると感じたに違いない。
そこで、鞍馬の地に民間伝承の一つとして語り継がれてきた鞍馬天狗=金星人説を取り入れ、陰陽道も神道も宇宙の神も何でもアリ的なオール・インクルーシブ宗教を生み出したのだと思う。
結果としては時代を先取りしたそのやり方は営業戦略としては大正解で、現代のスピリチュアル・ブームも後押しして、鞍馬寺の参拝者には若い方も多くいらした。
でもね…
鞍馬に金星人をわざわざ投入してパワースポットを強調する必要は、本当にあったのだろうか。
金星人のサナトクマーラ=天狗なのだから、昔からの天狗信仰を金星人信仰にイメージ・チェンジをしアピールしているだけ…という意見も分からなくはないが、あえて金星人という怪しさがを伴うアイテムを持ち出さなくても、鞍馬山には古からの深く清い気が宿っていると思う。
せっかくの自然がもつ大地のエネルギー。
それを金星人がぶち壊しにしていると感じるのは、私だけだろうか。 -
そんな想いを抱いた鞍馬山を下ると、貴船神社がある。
SF的なお話はココまでで、貴船からはもう少し現実的なエリアだ。 -
イチオシ
貴船神社の参道は青モミジの回廊。
貴船神社 寺・神社・教会
-
貴船の見所の一つは、朱色の灯篭が美しい参道。
梅雨に入る直前の5月末は、初夏の彩となった青モミジと朱色の灯篭のコントラストが綺麗だった。 -
神社の構造はシンメトリ構造であることが多く、それ故に心落ち着く場所だとする説を以前に見たことがあるが、確かにそうかもしれない。
左右対称に規則的に並ぶ朱の灯篭。
心が落ちつく→夢の中に引きずり込まれそうになる、感覚はなんとなく分かる気がする。 -
貴船神社で参拝をした後は、おみくじでちょっとお遊びタイム。
水の神である貴船神社のおみくじは水占みくじで、ちょっと楽しい。
友人と二人でチャレンジしてみた。 -
200円を納めたら、箱の中から、何も宣託の書かれていない紙を1枚選ぶ。
-
その紙をそっと神水の流れの上に浮かべると、何も書いていなかった紙に神のお告げが浮かび上がる不思議な占い。
これは、金星パワーなどではなく、現代化学的に説明ができる現象なので安心してほしい。
水占みくじのお告げは、当たっていると思ったのが、勉学についての項目。
最近、スポーツジムやら地域の仕事が忙しくて勉強をさぼりがちだったのだが、神様からのお言葉は「危うし、全力を尽くせ」。
どうやら、本気で勉強をしなければならないらしい。 -
京の奥座敷を巡る旅の締めくくりは貴船川に沿って歩き、貴船神社の奥社へ。
奥社への参道には、和泉式部が唄を詠んだ思ひ川もあった。
和泉式部は貴船に参拝する際に思ひ川で禊をし願掛けをしたそうだが、その願いは、浮気性の旦那が再び自分に振り向いてくれますように・・・という内容だったという話だ。
平安時代の通い婚の風習では、旦那さんが本妻以外のお宅に行ってしまう事も良くある話で、本妻の和泉式部としては願掛けをしてでも旦那の心を取り戻したかったのだろうな。
因みに貴船神社は【牛の刻詣で】の発祥の地と云う事でも知られている。
もしかして、その最初は和泉式部だったりして…と云うのは深読みのし過ぎか。 -
龍がその地下深くに眠ると云われる貴船の奥社は、静かな森の中。
貴船川沿いには川床料理のお店が立ち並び賑やかだったのだが、奥社まで来るとその喧噪も聞こえてこない。
奥社で最後のお参りをしたら、京の奥座敷巡りはお終い。
河川敷や山の中をゆっくりと見学をしながら歩いたので、朝9時に京都駅を歩き出して貴船駅に辿り着くのに歩いた時間は正味5時間。
碧が美しい京都をタップリと味わった1日となった。 -
日帰り旅なので夜の新幹線で帰るのだが、その前に旅の最終打ち合わせを京都駅近くのヒイヅルCafeにて。
夏に友人と訪れるのはインドのラダック。
友人は2回目インドで、私は初インド。
それなのに旅先としてラダックを選ぶとは、かなり敷居が高いのは分かっている。
抜けるように青い空にはためく5色のタルチョ。
ゴンパに静かに佇む昔ながらの仏像。
にこやかな笑顔で畑仕事をされる農村部の人達。
一度ラダックの写真を見てしまった私たちには、ラダック以外の他の場所は考えられなかった。
旅の後半で予定している標高4900mを超えるトレッキングは、私も初めての経験。
景色を眺めながら、のんびり、ゆっくり歩いて、楽しめたら、それでいい。
そんな風に思っている。
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この旅行記へのコメント (3)
-
- nksssさん 2019/06/29 00:50:34
- 久しぶりに金星人の話!!!
- ウェンディ様
こんばんは。
ご無沙汰しております。
海外の辺境、国内の津々浦々を訪問して深い洞察の旅行記楽しませて頂いてます。
そして、久しぶりに金星人の話しありがとうございます。
今回は鞍馬神社と比較的一般的なスポット訪問かと思いきや、やはりウェンディさんの場合は、金星まで話しが飛んでしまうのですね(^^)
我らが?ヒーロー?アダムスキーさんが金星人と交流を持ったのは、半世紀前。ツングース隕石も金星から飛んで来たUFO説もありましったっけ・・
なのに650万年前に鞍馬天狗として、すでに日本に降臨していたとの伝説は知りませんでした。(金星は温暖化する前は地球と同じだったという説もあり、大昔に金星人が地球に来た方が理にかなってます:650万年前に鞍馬山があったのかどうかは不明ですが・・)
「はやぶさ」の影に隠れて、文字通り影の薄い「あかつき」(しばらく太陽系放浪のあと、現在は当初の任務遂行中とのこと!!WoW)の観測結果から金星の歴史がわかれば、鞍馬天狗=金星人説も日の目を見る日もくるかもですね!
nksss
- ウェンディさん からの返信 2019/06/29 06:20:18
- Re: 久しぶりに金星人の話!!!
- nkSSSさん こんにちは。
鞍馬寺は今年の夏旅の前哨戦的な感じで足慣らしが目的で旅行記も書くかどうかは決めていなかったのですが、現地で感じた違和感の原因を探っていく内にまさかの鞍馬天狗=金星人説にぶち当たり、そこから頭の中でストーリーの組み立てが始まり、こんな形の旅行記になりました。
まさか古くからある京都のお寺が昭和に宗旨替えをしているなんて知らなく、本堂前の魔法陣やらを見た時には、どういう事!?と目が白黒でしたが、真相を知ってみれば納得のお寺でした。
旅行記を仕上げた後に他のお寺も調べて見たら、有名どころでは、お江戸の浅草寺も比較的近代の1950年代に天台宗から離宗して聖観音宗という新興宗教を立ち上げているのですね。
(さすがに宇宙人は出てこないのでインパクトは薄いですが…)
宗教は知らないことがありすぎて、面白いです。
さて、今日から鞍馬へ一緒に行った友人と、秘境へと旅立ちます。
集合は現地空港。
さて、どんなストーリーの旅が待ち受けているか私にも未知数ですが、楽しんできます。
ウェンディ
- nksssさん からの返信 2019/06/29 10:11:59
- Re: 久しぶりに金星人の話!!!
- ウェンディ様
おはようございます。
返信ありがとうございます。
鞍馬の金星人の怪しい遺跡は旅の序章でしたね。
ウェンディさんは、金星人の秘密を暴露したので、世界中の隠れ金星人達は大喜びだと思います。
初インド、怪しい金星人がコンタクトして来るかもしれないので、お気をつけて!!!
nksss
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