神秘的なブルーと素朴なサンドカラーが美しい東洋文化と西洋文化の交差路 in ウズベキスタン★2019　08　5日目【BHK】

2019/08/09 - 2019/08/18

旅行5日目、中編。　　
彫刻が施された胡桃の木柱が美しいハーン（王）専用：ボロハウズ・モスクの向かいに建つ、アルク城へ移動する。
このアルク城辺りが古代ブハラの発祥の地と言われていて、最初に城が造られたのは少なくとも2500年以上前なのだそう。
“城塞”を意味するアルク城はアラブとの戦い、モンゴル軍との戦いなど…外敵からの破壊と城再建が繰り返され、歴代のブハラ・ハーンの居城だった。
現在は一部がブハラ・ハーンゆかりの品などを展示した資料館になっていて、多くの見学者が訪れる。
その後は遅めのランチをするため、カラーン・ミナレット前のレストラン“Chashmai Mirob”へ。
3階のルーフトップからカラーン・ミナレットとカラーン・モスクを見渡すことが出来るから、景色を楽しみながら美味しい料理を楽しんだ。

エリア ブハラ(ウズベキスタン)

• 同行者: カップル・夫婦
• 交通手段: 徒歩

ボロハウズ・モスクのハウズを越えて大通りを渡ると、少なくとも紀元前4世紀頃から存在していたと言われる、どっしりとしたアルク城の姿が見えた。

アルク城 城・宮殿

現在残る城は18世紀に再建されたもので、立派な城壁がどこまでも続いている。
夜はライトアップされるようで、城壁にはラクダのシルエットを形どった電飾があった。

アルク城 城・宮殿

正面入口・左右には、盾と槍を構えた門番像が待ち構えている。

アルク城 城・宮殿

チケットは、この少し高い位置にある小部屋に座る人から購入する。
大人1人：30000スム。

アルク城 城・宮殿

雨の日なら滑りそうな石畳みの坂を上っていく途中に、大砲と球のモチーフが飾られていた。

アルク城 城・宮殿

入場チケットはレシートのような小さな紙で、QRコード・人数・日付などが印字されている。
各地の入場チケットをコレクションしている人には味気ないかもしれないけど、無駄がなくて良い。

アルク城 城・宮殿

坂道を進んでいくと連続した柱が見えてきた。

アルク城 城・宮殿

モスク跡のジャミー・モスク。
さっき見たばかりのボロハウズ・モスクと違って柱が少なく、軒裏の装飾も無かった。

アルク城 城・宮殿

金属加工品を販売する土産物屋の脇で少年が実演をしていたら、観光客の幼い兄弟が釘付けになったらしく、親が何度も「行くよ？」と声をかけても全然動かなかった。

アルク城 城・宮殿

もっと近くで見たくなったのかどんどん距離感が縮まり、帽子のつばが刺さる程まで接近。
金属を叩いているから邪魔だし危ないので、親が必死で剥がそうとしたけど、金切り声ですごく抵抗して暴れて近づくため、何度もこの状態が続く。
作り手の少年は、兄弟がまるで存在しないかのような態度で手を止めることなく作業を続けていて、はた目から見るとおかしかった。

アルク城 城・宮殿

兄弟が諦めたので私も近づいて見せてもらうと、金色の金属プレートに先端が尖った釘のようなものを当て、金槌で叩きながら模様を造っていた。
これは夢中になって見ちゃうよね。

アルク城 城・宮殿

モスク跡の中はリアルなミフラーブが再現されていて、コーランやミンバル（礼拝の先達をする導師が座る階段状の説教壇）など、モスクに関連した展示を間近で見学することが出来た。

アルク城 城・宮殿

鮮やかなブルーと金色の縁取りがされた美しいコーラン。

アルク城 城・宮殿

外に出てゆるやかな坂を上っていくと、左手に通路が見えたので入ってみる。

アルク城 城・宮殿

この場所はあまり人気が無いのか、誰もいない。

アルク城 城・宮殿

床まで伸びるビニール簾の間を抜けて中に入ると、エアコンが効いてないどころか扇風機なども無く拍子抜け。
もしかしたら防砂対策？

展示されていたのは壊れた壺や皿。
全部現地の言葉で書かれているので読めないけど。

アルク城 城・宮殿

歩いていくと、鳥類を集めた剥製が展示されていたり…

アルク城 城・宮殿

綿花（写真から察するにヒヴァ周辺で盛んな綿花栽培に関する展示かも）がガラスケースに納められていて、その奥に部屋は明かりがなく真っ暗で、写真に写っているくらいのギリギリ見える薄暗さだった。
スイッチを探したけど見当たらなかったので目を慣らして見学すると、ウズベキスタンに生息する動物（熊・狐などの哺乳類）の剥製がズラリ。
周囲に誰もいないし、捕食しているポーズを取らされ超リアルだし、暗いから結構恐怖を感じる展示だったけど、後で夫に話すと「俺は絶対見ないよ、動物たちに呪われそう」と、見ても無いのに怯えていた。

アルク城 城・宮殿

外に出ると、入口近くに猫が寛いでいた。

アルク城 城・宮殿

さっき入った時は気づかなかったけど、剥製や壺などが展示されている建物の手前に入口があり、奥にも建物が建っている。

アルク城 城・宮殿

こちらはブハラの人々の生活に関連する展示が集められていて、ウズベキスタンの伝統的な衣装や…

アルク城 城・宮殿

ウズベキスタン人の昔ながらの生活を再現した居室が展示してあった。
壁には大きなスザニが、カーテンの様にアトラス模様のシルク織が窓の日差しを遮り、写真には写っていないけど蓄音機や楽器も置かれていて、布が掛けられたミニ炬燵のようなテーブルの上には生活に欠かせないティーポットがあった。
炬燵の存在に、一気に親近感が湧く。

アルク城 城・宮殿

隣の部屋は、男性用・女性用が並んだ豪華な服装だったので婚礼衣装だと思う。

アルク城 城・宮殿

同じ部屋に展示されていた嫁入り道具らしき大皿は、ウズベキスタンというよりはプラナカン文化を思わせる色合いで、中国風の絵付けがされていた。

アルク城 城・宮殿

メイン通路に戻って、また緩やかな坂を進むと…

アルク城 城・宮殿

左手に謁見の間があった。
謁見の間の入口すぐに壁があって中が見えないようになっているけど、脇から抜けるとこんなに広い空間が広がっている。
中央に見えるのはハーンが座っていた玉座で、現在は小上がりを利用して青空スザニショップが展開されていた。

アルク城 城・宮殿

玉座にはハーンに変身できる衣装が置かれていて、ウズベキスタン人の少女が王冠とガウンを纏い、母親に何枚も写真を撮ってもらっていた。
玉座の背面にはムカルナスを思わせる蜂の巣状の装飾が施されている。

アルク城 城・宮殿

玉座から眺める謁見の間はこんな景色。
この高さから民を見下ろす気分を想像してみる。

アルク城 城・宮殿

メイン通路に戻って階段を上がると、突き当りに建物が見えた。

アルク城 城・宮殿

この建物は博物館と資料館を合わせたような展示がされていて、2階建てになっている。

アルク城 城・宮殿

1階には古い時代の陶器や、書物が飾られていて…

アルク城 城・宮殿

長方形の部屋の1番奥には、色褪せて変色した状態の悪い壁画が展示されていた。
どうやら紀元前のものらしいけど、詳しい研究はまだ進んでいないみたい。

アルク城 城・宮殿

一旦外に出て2階に上がると、左右2か所ある部屋両方共がハーン（王）関連の展示になっており、実際に使用していた調度品・日用品・衣装などを見ることが出来る。

アルク城 城・宮殿

まだ上階へ続く階段があったので上がってみると…

アルク城 城・宮殿

小さなテラスからは、遠くにブハラの街並みが臨めたけど、高い建物が無いので空が大きく見える。
メイン通路を戻る途中（謁見の間の反対側）に何もない大きな広場があって、そこからも街並みが見えた。

アルク城 城・宮殿

入口の石畳坂道の両側はガラス張りになっていて、壺などが展示されていた。

アルク城 城・宮殿

外から眺めるアルク城壁。
歩いている人間の大きさと比較すると、いかに立派な城だったかよくわかる。

アルク城 城・宮殿

角を曲がっても角のないカーブを描いた見張り台が続いていた。
城壁をよく見ると、一定間隔に壁から梁のようなものが飛び出ていて、これを足掛かりにすれば敵が登れるんじゃ？とも思ったり。

アルク城 城・宮殿

アルク城から10分ほど歩くと、カラーン・モスクが姿を現す。
その手前にXALQ BANKがあったので、意外にウズベキスタンスムの消費が速いからもう少し両替しておこうと思ったけど、クレジットカードのキャッシングは何度試しても利用できなかった。
仕方が無いので銀行の両替窓口を確認したところ、日本円も対応していたもののあまりにレートが悪く（TAS空港は1円＝81スムだったけど、銀行は1円＝70スムだった）、今回は見送ることに。
カラーン・モスク手前の通りから車両通行禁止になっていて、係の男性が手動で柵を動かして通してくれた。
カラーン・モスクの壁に沿って、地面に敷物を敷いただけの土産物屋や地元の人向けの日用品を販売する露店がずっと続いていてにぎやかだった。

カラーン モスク 寺院・教会

カラーン・モスクの広場向かいに建つ“Chashmai Mirob”に到着。
遠目には立派な石造りの外壁に見えるけど…

チャシマイ ミロブ カフェ

実はこれ、工事のカモフラージュ用シート(笑。
案内板が出ていたので小さな入口から中に入る。

チャシマイ ミロブ カフェ

工事で足場がガタガタの先には、こんな立派な建物が広がっていた。
緩やかな坂道を登っていくと…

チャシマイ ミロブ カフェ

レストランの入口到着。

チャシマイ ミロブ カフェ

スタッフに声をかけると上階へ促されたので、階段を上がっていくと…

チャシマイ ミロブ カフェ

2階に上がってすぐ、この景色が広がっていてテンションが上がった！
カラーン・ミナレットを正面に見たとき左手に建つ、16世紀から現在まで現役の中央アジアで最も有名な神学校：ミル・アラブ・メドレセが見えた。

ミル アラブ メドレセ 史跡・遺跡

対する右手側はカラーン・モスク。
下から見ただけじゃわからないけど、屋根には小さな288個のドームが形成されているのが確認できる。

カラーン モスク 寺院・教会

更に螺旋階段を上ってルーフトップへ。

チャシマイ ミロブ カフェ

ルーフトップから眺めるミル・アラブ・メドレセとカラーン・モスクとカラーン・ミナレットは最高だけど、1番良い席は強烈な日差しがガンガン降り注ぎ、尋常じゃなく暑かったので不人気だった。

チャシマイ ミロブ カフェ

ルーフトップはこんな感じ。
夜はカラーン・モスクがライトアップされるので、ここで食事が出来たら素敵かも♪

チャシマイ ミロブ カフェ

文字がプリントアウトされただけのManu表なので、選ぶのに時間がかかる。
ところで1番下に記載されている“Service 20％”は旅行中ダントツの高さだったけど、やっぱり場所代？
向かいの席に20-30代くらいの日本人男性2人組の旅行者がいて、同じタイミングでMenu選びをしていたら、先輩風の男性が「俺が欲しいのはこの中に無い！俺が欲しいのは麦茶なんだよ！」と大きな声で駄々をこね始め、年下の男性が「〇〇はどうですか？▲▲もシュワッとスッキリしますよ？」と宥めいていて可笑しかった。
この後、同じタイミングでサマルカンドに移動したようで、ビビハニム・モスク近くのレストラン・市場・空港でも遭遇したので、1度も話したことは無いけどすれ違うと会釈する仲になり、私たちは「麦茶さん」と呼んでいた。

チャシマイ ミロブ カフェ

ルーフトップの高さは3階にあたるので、ミル・アラブ・メドレセのドームもしっかりよく見える。
気持ちの良い風が通り抜けて、あっという間に汗がひいた。

ミル アラブ メドレセ 史跡・遺跡

食事を済ませたらカラーン・モスクを見に行く予定だけど、その前に高い場所から全体像が把握できて良かった。

カラーン モスク 寺院・教会

【Sarbast Beer Special】25000スム
このレストランはSarbast Beerが3種類揃っていて、まだ飲んだことなかったSpecialをチョイス。

チャシマイ ミロブ カフェ

【Green Tea】5000スム
夫は「飲めばいいじゃん、吐かないし痛みも落ち着いたんでしょ？」と勧めるけど、私は大事を取って、このランチまではお茶だけで過ごす。

チャシマイ ミロブ カフェ

【Cecils（Meat Ball Soup）】20000スム
肉団子・じゃがいも・人参・ディルが入っていてスープのコクがすごい反面、肉の油もたくさん浮いていて、私は胃に負担がかかりそうだったから1口でギブ。

チャシマイ ミロブ カフェ

【Dolma(Steamed with Rice・meat)】25000スム
ひき肉とゴハンをブドウの葉で巻いた料理で、煮込むのが一般的みたいだけどココのは蒸してあったので脂っぽさがなくとても美味しかった。
周りには赤・黄パプリカと茄子と人参が添えられていて、見た目も華やかな1皿。

チャシマイ ミロブ カフェ

葉はシャキシャキで玉ねぎも入っており、旨味が凝縮されていて（我慢したけど）お酒が欲しくなる味だった！
合計：96000スム。
この後は向かいのブハラ最大といわれるカラーン・モスクを見学して、4本のミナレットをもつチャル・ミナルを訪ねて、ディナーでやっと私の飲酒解禁。
続きは09へ。

チャシマイ ミロブ カフェ