2019/10/05 - 2019/10/05
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ウェンディさん
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曼珠沙華の花に逢いに出かけました
深紅の川の如く咲き誇る秋の花
狂おしいほどに華麗で、妖艶な花園に
心、乱されました
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2019年の秋の訪れはちょっとゆっくり
いつもならば9月下旬に咲く彼岸花も今年はその発芽が遅く、2週間以上遅れた10月初旬に、やっと見頃を迎えた。 -
しかし、せっかく開いた曼珠沙華の花の寿命も、高い気温が続くと、あっという間に尽き、干からびてしまう。
だから、私の訪れは、朝。
お日様が緩やかに彼岸花を目覚めさせる朝7時に、権現堂桜堤へとやってきた。 -
9月のシルバーウィークの後半、今年はどこの曼珠沙華を見に行こうかと色々と考えていたのだが、夏の異常気象の影響なのか、9月の中旬では有名処のどこもまだ芽すら大地から顔を出していない状態で、真っ赤な絨毯なんてどこにもなかった。
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曼珠沙華が三分咲きになった・・・と聞こえてきたのは、もうすぐ10月になろうかという頃。
権現堂の公式ホームページで見頃を迎えたと案内があったのも、9月末日のことだった。 -
そして私が権現堂へと行くことができたのは、曼珠沙華が見頃となってから5日目の土曜日。
花の命も短く儚いが、会社員だって仕事をサボればその首をチョンと切られてしまう。
日本の会社では、「お花がキレイに咲いたので、休暇をいただけますか」なんて口が裂けても言うことはできない。
満開の時期と仕事がお休みとなる日が重なることは希で、5日目のこの日の天気が朝から快晴だったことだけでも、ありがたいと思うべきなのだろう。 -
朝7時過ぎの権現堂。
第1駐車場の車も20台位と多くはなく、桜の時期に比べたら圧倒的に空いていた。 -
曼珠沙華の森に射し込む柔らかな朝日。
優しい光の中に浮かび上がる深紅の花は、ふんわりエアリー。 -
関東圏には曼珠沙華が有名なエリアはいくつかあり、埼玉県幸手市の権現堂桜堤もそのひとつ。
権現堂桜堤の曼珠沙華の見所は、その花の植えられている場所。 -
イチオシ
曼珠沙華;彼岸花というと開けたエリア一面や、棚田の縁に植えられているのが一般的だが、権現堂では土手の斜面を利用して植栽し、曼珠沙華が流れる紅い川のように見える。
2019年 権現堂の曼珠沙華 エリア拡大! by ウェンディさん権現堂桜堤 名所・史跡
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紅い流れの中にアクセントのようにある白い曼珠沙華。
以前にボランティアの方にお話を聞いたところ、基本は赤を植えているのだが、時折、白い花が混じってしまうとか。
でも、赤の中に浮かび上がる白い花も絵的には素敵だよね。 -
イチオシ
さすがに見頃から5日も経過しているので、曼珠沙華のほとんどの蕾は開いていたが、それでもいくつかは今朝、開花したばかりの花もあった。
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曼珠沙華の花は、開花直後が落ち着いた紅色のベルベットを思わせる花弁で、日数を経過するとその花色が朱色に近くなる。
1枚前の写真の花は、今朝咲いたばかりで、最後の蕾が今まさにほころび始めたところだ。 -
白い花はよく見ると、花弁の付き方が紅い曼珠沙華とは異なっていた。
色違いなだけで同じように見える紅花と白花だが、実はこの2つは別の種類で、紅花は曼珠沙華、白花はシロバナマンジュシャゲ(姿そのもののネーミング!)との名前がある。
白花曼珠沙華はそのほとんどが終わりかけだったが、日陰が多いエリアに、まだ幾本かの元気な姿があった。 -
イチオシ
ピンクの曼珠沙華は人工的な掛け合わせ種のように思えるが、自然の中で産まれる白花からの変異株だそうだ。
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のんびりと歩いて、時刻は7時半。
朝の権現堂は静か。
ゆったりと落ち着いて曼珠沙華の花を眺めることができた。 -
ただひとつ、今朝の権現堂で気になったのが、柵でガードしてある曼珠沙華の植栽エリア内へと入り込んで自撮りしている方々がいたこと。
敷地内の看板には「植栽エリアには入らないで!」とはっきりと記してある。
多分、昔にだって常識にちょっと欠ける方々は居たと思うが、今と昔では状況が違う。
誰も見ていないから、ちょっとだけ入り込んじゃおうか?なんていうのは、昨今では通用しない。
スマホのカメラでだってその証拠写真を撮れてしまうし、多分その写真は拡大すれば、顔だって十分識別できるレベルの画質だろう。
さらにSNSという良くも悪くも便利すぎるツールも発達しているから、心が痛むことはしない方がよいと思うのは私だけではないだろう。 -
紅の炎を具現化したかのような曼珠沙華
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風がそよぐと、その蘂がさざめくように揺れていた。
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秋空の透き通る青と曼珠沙華の紅のコラボ。
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このコラボを見られるのも今日が最後か、明日が最後か。
日中の最高気温が、10月としてはあり得ない32℃が予想されていたこの日の午後。
彼岸花は暑さを耐えることができたのだろうか。 -
権現堂桜堤の土手を中川方向に向かって降りると、そこではトラクターが農作業中。
こんなところに畑があったかしら???
おじさんが耕しているのは畑には間違いないのだが、野菜を植える畑ではなく、春に一面の菜の花を咲かせるための畑。 -
秋の曼珠沙華のシーズンには、ただの何もないスペースだが、春になると一面の黄色の菜の花畑がこのエリアには出現する。
(写真:2019年4月の権現堂桜堤) -
権現堂は、毎年毎年、少しずつその曼珠沙華の植栽本数を増やしてグレードアップしている。
たしか2016年が300万本、2017年が350万本・・・そして、2019年の今年はなんと一気に500万本の曼珠沙華が植えられたそうだ。 -
500万本といえば日高の巾着田の曼珠沙華の株数と変わらない規模となる。
500万本の秋の使者 見頃ギリギリ by ウェンディさんさって曼珠沙華まつり 祭り・イベント
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2年前の350万本から増えた曼珠沙華はどこに植えられているのかというと、今まで秋は芝生地帯だった中川に面した土手。
桜の木々の葉が茂るその下には、真っ赤なカーペットができあがっていた。 -
春の桜並木の土手もフワフワの淡い桜色が印象的だったが、
秋のしっとりとした曼珠沙華の色合いもなかなかのものだ。
(写真:2019年4月の権現堂桜堤) -
両斜面の曼珠沙華の花を堪能した後は再び土手の上へ登り、この堤へ来たときには必ず手を合わせに行く石碑へと足を向ける。
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この石碑は巡礼の母娘のために建立されたもので、その昔、暴れ川であった中川の水龍を落ち着かせるために生け贄となった母娘の慰霊碑だ。
伝説では、巡礼中に通りがかった母娘が困り果てた村の人たちのために自らその身を水龍に捧げるための人柱となったとされているが、そんな都合の良い話はそうそうある筈はなく、また、子供を、それも年頃の娘を連れた母親が、娘もろとも人柱に志願するなどとは考えにくい。
時期の悪いときにこの地を通りがかった巡礼の母娘が、無理矢理に人柱として川に投げ込まれたと考える方が自然だろう。伝説の背後に隠された歴史 by ウェンディさん県営権現堂公園 公園・植物園
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毎年、梅雨の時期になると橋を落とすほどの水量となる暴れ川。
川から溢れ出た水は土手を越え、村の家々を押し流し、多くの村人がその命を失い、植えたばかりの田の稲が流される年も多かった。
そんな年が続いていた時に、この村に一晩の宿を求めてやってきた巡礼の母娘がいた。
聞けば、彼らに身よりはなく、母娘のみで支え合って巡礼の旅を続けているという。 -
村の男たちは、巡礼の母娘の身の上話を聞き、静かに心の中で考えたに違いない。
毎年毎年、洪水が起きていたのでは将軍様に納める年貢すら取れなくなり、この村の皆はいずれ、食べ物さえ手に入れられなくなり、餓死するだろう。
もう、荒れ狂う水龍を止める手段は一つ;貴重な命という対価を持って、龍の怒りを静めたもうしかない。
しかし、村人の多くは洪水に巻き込まれ、今では残っているのは半数もいない。
かくなる上は、身寄りのないあの母娘。
彼女たちならば、消えてしまっても誰も探す人もいないだろう。 -
そんな話し合いがもたれたとしてもおかしくない歴史が、深紅の花がひしめく権現堂には残されている。
-
死人花とも呼ばれる彼岸花。
その根茎に毒があるから、
墓地の近くに自生するから
そのような名前がついたともいわれているが、 -
その狂おしいまでの紅の色は、もっと生きたかったと主張する生への強い憧憬、執着のようにも思えてくる。
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紅く流れる曼珠沙華は、生ける血潮。
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イチオシ
紅の曼珠沙華は、晩秋には土へと還り、
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春に花をつける桜の木々の栄養となる。
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巡礼の母娘の命が礎となった権現堂桜堤
そこに曼珠沙華が植えられたのには、意味があったのかもしれない。 -
ススキの穂が風に揺れる秋、
曼珠沙華が流れる川に、思いを馳せた。
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この旅行記へのコメント (6)
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- morino296さん 2019/10/06 18:35:12
- 権現堂の彼岸花が巾着田を抜くことに
- ウェンディさん
こんにちは。
権現堂の彼岸花、年々増えているのですね。
どうやって数えるのかは謎ですが、今年は、巾着田と同じ500万本ですか、凄いですね。
この調子で行けば、来年は、権現堂の彼岸花が、巾着田を抜くことになりそうですね。
今年は、彼岸花の発芽が遅く、なかなか花も咲かない状態が続きましたが、やっと10月になって見頃になりましたね。
花を見頃に楽しむには、お天気とお休みも合わないといけないので大変ですが、昨日はばっちりでしたね。
私も権現堂へ出掛けたかったのですが、タイミングが合わず諦めましたが、ウェンディさんの旅行記で楽しませていただけて良かったです。
morino296
- ウェンディさん からの返信 2019/10/06 22:51:47
- RE: 権現堂の彼岸花が巾着田を抜くことに
- morino296さん こんばんは。
権現堂の彼岸花の本数;500万本という数字ですが、HPで見かけたときには私もびっくりしました。
そして現地へ行き、桜堤の上から斜面を見下ろして、納得。
今年は新しい斜面にもびっしりとレッド・カーペットが敷き詰められていました。
しかし、500万という数、どうやって数えたのでしょうね。
数え方によっては、1割くらいの誤差はあるのかもしれません。
morino296さんが行かれた高麗の巾着田も今年は開花(芽が出るのも)遅く、9月下旬ではまだまだというHPの案内でしたが、あっという間に満開を迎えたようですね。
権現堂も今年は発芽が遅かった上に、見頃を迎えてから見頃を維持できていた期間が非常に短く、私が訪れた日も日当たりの良い堤の上や中川サイドの土手は、完全に見頃を過ぎていました。
願わくば、あと2日遅く、花開いてほしかったのが本音です。
曼珠沙華の写真は独特の赤をその通りに表現するのが難しく、また、お日様が強すぎても白く色が飛んでしまい、毎回苦労ししています。
露出をすこしずつ変えてチャレンジしますが、毎年、撮っている割に全然上達できないでいます。
morino296さんの日高の写真、とてもキレイでした。
ウェンディ
-
- mireiraさん 2019/10/06 10:55:01
- とっても綺麗な花
- 昔を思い出します。彼岸花畑の畦道に、咲いていました。そこにあげはちょうが蜜を吸ってた。とっても綺麗だけど毒があります。
ありがとうございました!目の保養になりました。
- ウェンディさん からの返信 2019/10/06 22:35:23
- RE: とっても綺麗な花
- mireiraさん こんばんは。
彼岸花、曼珠沙華、天蓋花、死人花・・・
いろいろな名を持つ彼岸花ですが、昔から日本の田舎での秋の風物詩の風景ですね。
最もその昔、田舎の田んぼや畑の畦に植えられていたのは美的な目的ではなく、根茎が有する毒でモグラなどの田畑に害を及ぼす小動物を寄せ付けないようにするのが狙いだったようですので、現代の鑑賞目的とは用途が異なっていたようです。
曼珠沙華の紅の花とクロアゲハや赤とんぼは秋の定番ですが、そんな風景を目にするようになると、ようやく夏が過ぎ去ったのを感じます。
ウェンディ
-
- スイカさん 2019/10/06 07:40:17
- 目標は。。
- 750万本じゃないでしょうか。
500万本とはすごい数ですね。
300万→350万→500万本
1m2に◯本だから~とか数えるんでしょうね。
1m2じゃ数えるの大変だから、10cm2かなσ(^_^;)
すごい誤差がありそうですが、なんとなく目標があるような気がします。
750万本
埼玉県の人口が730万位のようですから。
ちなみに、幸手市の人口は5万人ですから、恐らく最初からぶっちぎりで抜いてます。
スイカ
- ウェンディさん からの返信 2019/10/06 18:34:21
- 1万本/1市民
- スイカさん こんばんは。
権現堂の曼珠沙華の株数の500万本という数。
人口と比較してみるのは考えてもいませんでした。
幸手市が人口5万人ということは、1万本/1市民となるのですね。
権現堂そのものは県営ですが、実際に四季折々の植物のお手入れを主だってやってくれているのは、幸手市のボランティアの方々。
市民が全員ボランティアに参加して植栽に協力しても一人1万株を担当すると考えると、球根を植えるだけでも、どれだけ大変な作業なのかが想像できますね。
で、スイカさん推測の目標株数が750万株。
県民一人あたり1株ちょっと。
これくらいならば、埼玉県民の私にもお手伝いできそうなので、是非チャレンジしてみてほしいです。
ウェンディ
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