2019/04/23 - 2019/04/30
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旅人のくまさんさん
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タジキスタンのルダーキー博物館の展示品紹介の続きです。ルダーキーの呼び名は、ペルシア文学最初期の詩人で、940年頃に活躍したペルシャ語詩人の名前に因みますが、今でも人気が高いようです。
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タジキスタンの民族衣装の展示光景です。推測ですが、男性用と女性用の晴れ着のようにも見えました。左が男性用で、右が女性用です。殊に女性用の衣装は、カラフルで、ダイナミックな文様です。丈が同じでしたから、二着とも女性用の着物かもしれません。3種類の帽子も置かれていました。
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こちらも、タジキスタンの民族衣装の展示光景です。同じく推測ですが、男性用と女性用の晴れ着のように見えました。左が女性用で、右が男性用です。足元に、それぞれ3種類の帽子が置かれていました。冬用の着物でしょうか、マフラーがセットになっていました。
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イチオシ
同じく、衣装と、背後に飾られたタペストリーのような織物の光景です。タジキスタンの主要民族は、タジク人が75%弱、2番目の次のウズベキ人を合わせると95%余りになります。現代のタジク人は、イラン人とルーツが同じとされます。
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同じく、壁掛けや敷物の絨毯などの展示光景です。タジキスタン出身の人は、公式国家表現によればすべて『タジキスタン人』ですが、民族としてのタジク人は、単に『タジク』と表現されるようです。
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四つの飲み物容器と、中央に置かれたどっしりとした蓋付容器の展示です。それぞれに精緻な模様が施してありました。蓋付容器は、下部が黄色みが強い黄銅らしく、蓋の部分は銅の素地色でした。彫金技術で文様が施されているようです。左側の二つの容器も彫金技術で文様が施されていましたが、他の金属も使われたような不思議な色合いでした。
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同じく、銅製品の展示光景です。点字品は、中央の広口の容器の周りに、4個の水指し風の容器が並べられているようでした。これも、使い込まれた実用品のように見えました。
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4個の銅製品と、中心に置かれた『マーブル・ディッシュ(大理石皿)』です。陽刻の文様が施されていました。白い札に19~20世紀の製品であることが表示されていました。周りの4個の銅製品は、水指しや、水煙草の容器のようでした。
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民族楽器らしい弦楽器等が纏めて展示されていたガラスケースの光景です。床にも金属弦が張られた楽器がありました、上部に見える丸い楽器は、正式名は調べていませんが、タンバリン風です。
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イチオシ
20世紀に制作された、陶磁器です。ペルシャ三彩か唐三彩の系統を持つ作品かも知れません。唐三彩は、中国唐代(7~10世紀初)の三彩陶の総称とされ、盛唐三彩と中・晩唐三彩とに大別されます。貴族文化を象徴する盛唐の三彩は、安史の乱(755~763年)によって終止符が打たれ、それ以後の三彩陶は大きく性格を変え、おもに食器を中心とする日常の器皿に用いられました。中・晩唐の三彩は、海外へも輸出され、宋三彩、遼三彩、元三彩、明三彩、法花(フアーホワ)、交趾焼へと受け継がれ、盛唐の三彩は日本に奈良三彩、新羅国に新羅三彩、渤海国に渤海三彩となり、更に晩唐三彩はイスラム圏にイスラム三彩を誕生させました。
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三彩とは、一つの器に鉛を媒溶剤とした色釉を施して低火度で焼成した軟陶です。褐釉と緑釉をかけ合わせた始源的な三彩は、すでに漢代に先例をみますが、素地に純白色の粘土を選んだところに唐三彩の特色があります。盛唐の三彩は、透明釉地に各種の色釉を垂らし込む技法や、蝋抜き技法、暈(ぼか)しや滲(にじ)み染め釉法や、文様にあわせて三彩の色釉を賦彩する一種の色絵法も編み出しました。これにより、比較的じみな装飾法だった陶磁器に、絢爛たる装飾美の世界が開かれ、陶磁史にとっては空前の一出来事となりました。
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ペルシャ三彩、唐三彩、奈良三彩で思い出すのが、『三彩』の保持者として人間国宝だった陶芸家の加藤卓夫(1907~2005年)さんです。加藤卓夫さんは、世界で初めて、ペルシャ(イラン)のラスター彩を再現されたことでも、世界的に有名な陶芸家した。父は5代目加藤幸兵衛、子は7代目加藤幸兵衛を名乗っていますが、ご本人は、6代目を名乗られませんでした。略歴を見ますと、『1945年(昭和20年):徴兵された広島市で被爆。白血病を発症し約10年間、闘病生活を送る。』の項目があります。そのこともあり、東京芸術大学長を二度務められた、同じ被爆者の平山郁夫さんとの繋がりが深かったようです。
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加藤卓夫さん御略歴では『1965年(昭和40年):フィンランド工芸美術学校に留学。そこからイランの窯址を訪ねペルシャ陶器の研究に尽力した。』との項目もあります。世界で初めて再現されたラスター彩は、ご子息の7代目加藤幸兵衛さんが技能を引き継がれています。ラスター彩のほか、青釉、奈良三彩、ペルシア色絵、正倉院三彩なども再現された陶芸家でした。宮内庁からの委嘱を受けて再現されたと記憶している奈良三彩、青釉展や、平山郁夫さんとの人間国宝二人展なども鑑賞しました。
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『セラミック・ベッセル(セラミック容器)』
(20世紀)
クロスに描かれた、ダイナミックな緑色の文様が印象的な焼物です。茶色との二色の彩色でした。 -
『セラミック・ベッセル(セラミック容器)』
(20世紀)
濃い茶色が基調の焼物で、緑色がアクセントになっていました。 -
『セラミック・ベッセル(セラミック容器)』
(20世紀)
薄い茶色が基調の焼物で、緑色がアクセントになっていました。 -
『セラミック・ベッセル(セラミック容器)』
(20世紀)
耳が二つ付いた、コーヒーセットのようです。スープ容器かもしれません。さらにも三彩で模様が描かれていました。 -
『セラミック・ベッセル(セラミック容器)』
(20世紀)
纏めて紹介する、三彩の壷と皿です。 -
『セラミック・ベッセル(セラミック容器)』
(20世紀)
同じく、纏めて紹介する三彩の壷と皿です。先ほどとは反対側からの撮影になります。全部で9点の展示品でした。 -
国に尽くしたらしい、28名の方の顔写真です。民間人らしい人達がほとんどでしたが、軍人も混じっていました。いずれも数多くの勲章などを胸に着けていました。民間人らしい数人は、女性でした。
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国に尽くしたらしい、28名の方の顔写真の下の台に並べられていた、勲章や冊子などの光景です。左端の冊子には、『Belikaja Otecectbennaja:1941~1945)』のタイトルがありました。『Belikaja(ベリカヤ)』は地元を流れる川の名前にもなっているようです。表紙の戦車と年代から言って、第二次大戦時の記録のようです。
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同じく、国に尽くしたらしい、28名の方の顔写真の下の代に並べられていた、勲章や冊子などの光景です。右端には、畳まれた軍服らしいものもありましたが、階級章などが内容ですから、民間人が着用した服かもしれません。
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タジキスタンで功績があった女性の紹介パネルのようです。キリル文字で記されたタジク語のようでしたから、読み解くのは諦めました。左上の女性の『OHa』(1901~1980年)さんは、ラテン語表記では『Ona』さんになるようです。右下の写真は、大戦中に亡くなった人の墓のようです。
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現在生産されたり、輸出などに使用されている葡萄酒やブランディなどのリキュール類の展示のようです。事業に功績があったらしい人の顔写真も添えられていました。一瞥しただけですが、赤ワインがメイン製品のようでした。
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床に絨毯が敷かれた、展示室内の光景です。部屋の中央のテーブルやケースには、ウズベクの帽子や民芸品が展示してありました。ウズベクの帽子は、バザールなどでも見かけました。
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カーテン超しの光で、展示品を鑑賞することができた展示室の光景です。展示してあったのは、青銅器類をはじめ、民族楽器や民族衣装などでした。壁には、いくつかの絵画が展示してありました。
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博物館ですから、動物や鳥類の展示もありました。この一群の展示は、鳥類です。『Lark』や『Indigo bunting』などの名札がありました。『Lark』は、『ヒバリ(雲雀)』、『Indigo bunting』の和名は『ルリノジコ』、ホオジロ科の鳥で、雄は美しい蓋色をしています。
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この一群の展示も鳥類です。一番左のツートンカラーの鳥はわかりませんでしたが、その右側には『Seagull』、中央の鳥には『Skylark』の名札がありました。『Seagull(シーガル)』は、カモメ類を指すようですが、足ひれもなく海鳥には思えませんでした。『Skylark(スカイラーク)』は、『ヒバリ(雲雀)』です。
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左側の鳥には『Bustard』、右側の二羽には『Cranes』の名札がありました。『Bustard(バスタード)』の和名は『ノガン(野雁)』、『山七面鳥』の別名を持ちます。『Cranes』は鶴、あるいは鶴に類似の『オオアオサギ(大青鷺)』などを指すようです。
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棚の上に展示された四頭には、『Jungle Cats』の表示がありました。『ジャングル・キャット』という名前から、熱帯雨林に生息していそうなイメージがありますが、このジャングルは草や低木の密生する『やぶ地』を指します。 中近東からインド、パキスタン、アフガニスタンにかけて分布する野生の猫です。
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イチオシ
これで、『ルダーキー博物館』の紹介はおしまいです。最後に振り返って眺めた正面玄関付近の光景です。940年頃活躍した、ペルシャ語の詩人のルダーキー名前に因む記念博物館でした。ルダーキーは、ペルシア文学最初期の人物であり、『ペルシア詩の確立者』、『ペルシア文学の父』、『ペルシア詩人のアダム』、『詩人の帝王』などと称されています。『ルーダキー』との日本語表記もあります。
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