冬の東北（１１）教訓を【熱く】ゆりあげの語り部さん～悲劇をもう繰り返さない！

2017/12/10 - 2017/12/10

びゅうバスの復興関連バスツアー「ゆりあげ港朝市と名取・亘理復興語部号」
の続きです。

ゆりあげ港の朝市を見て回ったあと、会場内のお店でおいしい海鮮丼を頂きます。
市場の周りを歩いて見ると、被災した建物がそのまま残っています。更地になってしまった土地に慰霊碑や神社が。

そしてゆりあげ港朝市共同組合理事長さんが自ら語り部となって熱く話してくれました。
「とにかく逃げろ！」「命が助かりたかったら家・現金・車を捨てろ！」「自然に勝とうなんて思うことが間違っている！」「せめて子供たちの命だけでも大切に！」と震災で被ったあまりにも大きすぎる犠牲を出した苦い経験を元に、厳しく強い口調だけれども優しさのにじみ出る言葉で、本音から出た教訓が熱く語られました。

エリア 宮城野・若林・名取(宮城)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• グルメ: 5.0
• ショッピング: 5.0
• 交通: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

１２月１０日。お昼前。宮城県名取市のゆりあげ港朝市会場内にあるメイプル館。

ゆりあげ港朝市 名所・史跡

メイプル館の名の通りカナダの建材を利用した建物です。

なんでこの場所でカナダ？と疑問が湧きましたが、カナダの木材のお仕事に携わっていた方が、被災時に朝市組合からの食糧支援で助けてもらったご縁が元でカナダ政府からの木材が寄贈されることにつながったと後で伺いました。ここにも絆が垣間見られました。

メイプル館の中の浜やというお店で昼食です。

おいしい海鮮丼。新鮮な海の幸がたっぷり。
（昼食はバスツアーに含まれていました）

メイプル館ではスイーツを食べたりお土産を買ったりと、土地のものに親しむ楽しい時間を過ごさせてもらいました。

浜や ゆりあげ港朝市メイプル館 グルメ・レストラン

メイプル館内にはモニターが設置され、震災時の映像が繰り返し流されていました。
特に津波の映像は生々しく衝撃を覚えずにはいられません。
常に何人かの人が座って画面を食い入るように見ていました。

この場所でゆりあげ港朝市協同組合理事長の櫻井さんが語り部となって震災の教訓を熱く話してくれました。

津波の映像に櫻井さんの解説が加わってより生々しく。
「映っているこの車は流された」

「（映像中）逃げている数人の内助かったのは先頭の一人だけだった」

「仙台空港には驚くほど短時間で津波が押し寄せてあっという間に飛行機が流され浸水した」

とか。

そこから多くの教訓を伝えようとしていることがよくわかりました。

冒頭に書いたことと重複する部分もありますが、とっても大切なことなので繰り返します。

内容を要約すると（話している内容を急いでメモしたので一部お話された言葉と違っているかも知れません)

「無知が多くの犠牲を出した。津波はリアス式海岸だけに来るわけではない。地震の時、ほとんどの人は津波が来るとは思っていなかった。だから地震から１時間経っても逃げない人がいた（その後に津波が来た）」

そして大切なこととして強調されていたことは
「とにかく津波から逃げろ！」時速６０Ｋｍで押し寄せた

「命が助かりたかったら家・現金・車を捨てろ！」

「自然に勝とうなんて思うことが間違っている！」

「せめて子供たちの命だけでも大切に！子供が学校にいれば安全でいられるようにしておくこと」

「町内会での避難訓練は本気でまじめにやれ！」

などでした。

私も海から遠くない場所に住んでいますが、まさか津波は来ないだろうと、勝手に思い込んでいました。でも、居住地の海抜や海からの距離を考えると決してひとごとではない、と気づかされました。
それよりも海から遠くない場所にたくさんの都市がある日本。危険な場所はそこらじゅう至る所にあるにもかかわらず、「自分の町だけは大丈夫だ」と信じ込んでいる人が多いのではないかということに気づかされ愕然としました。

櫻井さんは交通費さえ出してもらえれば日本中どこにでも講演に行くと最後におっしゃっていました。
震災で被ったあまりにつらく苦しい教訓を、できるだけ多くの方に伝えて、二度と大きな犠牲を出したくないという強い思いがあるように見受けられました。

櫻井さんのお話を聞いて

被災地のために復興支援することももちろんとっても大切なことで、これからも小さなことでも続けていかねばならないのは当然ですが。

それだけではなく
あらたな被災地を出さなくて済むように。
あらたな犠牲者を出さなくて済むように。
考えて行動につなげていくことが
あまりにも多すぎる尊い犠牲を無駄にしないことなのだ。

と初めて思い知らされました。

この場所に来てお話を聞くことができたことに感謝しています。
そして、このブログを通じて一人でも二人でも三人でも・・・多くの人に、伝えることができることを心から願っています。

時間は前後しますが、自由時間を利用して朝市会場の外へも行ってみました。
近くには被災して破損した建物が生々しい姿で残されていました。

更地になってしまった場所には「東日本大震災慰霊碑」の文字が

慰霊碑

慰霊碑

慰霊碑

閖上の文字が元気に！

日和山

日和山の上には神社

日和山 自然・景勝地

小さな祠です

富主姫神社

閖上湊神社

日和山に鎮座していた富主姫神社、近くにあった閖上湊神社ともに被災し、この日和山の上に復興再建。その際にクラウドファンディングで復興支援を受けたことが記されていました。

閖上湊神社が被災し移設されたことが記されていました。

「また来てね」の文字が
機会を作ってまた、訪ねたい、と思います。

【決して忘れないために。見たものを。聞いたことを。】

（つづく）

この旅行記へのコメント （2）

• senseさん 2018/12/28 11:42:52

  こんにちは、senseです、

  とても貴重な時間を過ごされ、わたしも、あの悲劇を思い出しながら、、心に響くものがありました。
  やはり、実際に自身の眼でみ、感じて来なくてはいけませんね、反省しました。
  でも、HAPPINさんのリアルな投稿に、深い思いで見入ってしまい、、私も少しだけ、現状をかいまみれたおもいです、
  ありがとうございまーす！、
  
  ところで、ドルフィンスイム、ハワイ編拝見！素晴らしい！イルカ大好き、しかも、いっしょに泳ぐなんて、。羨ましい！
  じつは、私も数回しかないですが、、それに、野生でないのですが、、イルカと泳ぎ、あまりの感動 と、可愛いさで、もう、すっかり病み付きになり 沖縄に通いましたー。
  イルカさんと、初体験の時に、素晴らしいドラマがありました！
  今度は、野生のイルカと、、と夢見たものの、ダイビングのライセンスないし、、道のりが遠く、、未だに、夢のまま、、
  だから、HAPP I Nサマーっていう感じ！
  あなた様に寄せて、目に星 浮かべちゃいます。笑笑
  素晴らしい！
  
  これからの投稿も楽しみにしています、
  寒波の折。年末、、お身体ご自愛ください、
  良いお年をお迎えくださいね
  来年も宜しくでーす、笑
  
  

  HAPPINさん からの返信 2018/12/28 16:23:25

  Re: こんにちは、senseです、

  senseさん、コメントありがとうございます(*^-^*)
  
  語り部さんたちのお話は本当に心に響きました。それだけで終わらせてはいけないと今回の記事では少し詳しく書かせていただきました。
  このようなコメントを頂いて、書いてよかったと思っています。ありがとうございます。
  
  
  話は変わって、ドルフィンスイム。ほんとに癒されますね。ハワイ島、オアフ島ではダイビングライセンスがなくてもシュノーケリングで野生のイルカと泳げます。ただ野生動物保護の観点からドルフィンスイムを禁止しようとする動きもあるように現地で聞きました。話が出ては立ち消えにを繰り返しているみたいなのでいつなのかはわかりませんが。
  
  沖縄では久米島ダイビング中に海中でイルカに遭遇する幸運に恵まれました。
  船の上でイルカが並走してくれることは時々あるのですが、海中でイルカを見上げる経験をしたのは初めてでした。
  
  その他ライセンスなしでも体験ダイビングを行うこともできますので。
  ただ野生のイルカはなかなか難しいかもしれませんが。
  
  あっ！そんなに褒められてしまうと、天狗になってしまいます(笑)
  
  機会があれば過去のハワイや沖縄旅行記も復刻していければと思っています。
  どうぞ、引き続きよろしくお願いいたします。
  
  
  Ｈａｐｐｉｎ