2018/06/15 - 2018/06/16
4位(同エリア40件中)
クッキーさん
メリダは、現在は一地方都市にすぎませんが、ローマ帝国時代には、イベリア半島は、東、西、南に3分割されており、その西部のルシタニア地方を統括したのがメリダであり、トレド~リスボン、サラマンカ~セビージャを結ぶ接点として栄えたため、スペイン最大のローマ遺跡が残っています。「銀の道」の重要中継地でもありました。
わずか半日の滞在でしたが、少し歩くたびに ローマ時代の遺跡に出会えるという、「小ローマ」と称されるメリダの街での 遺跡巡りを満喫しました。
ちなみに 旅行前の情報収集の折 「メリダ」と入力すると、たびたびメキシコの「メリダ」が現れました。メキシコは スペインの植民地だったんですね。日頃は意識することさえない過去の歴史を振り返る思いでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
メリダのバスターミナルに着いたのは21:50
ゆっくり歩く夫を横目に、ターミナルの外へと急ぎます。おそらく多くはないであろうタクシーを確保しなくては・・・
ここでも幸運に恵まれたようで、ちょうどターミナルの前に停まったタクシーを捕まえることができました。
写真は 翌日にズームでとらえたバスターミナル(多分)。この日は列車でカセレスに向かうので、ターミナルには戻りません。 -
当初 予約しておきながら、旅程の都合で 一度はキャンセル。
旅程の見直しで セビージャ2泊を1泊に変更して メリダでの宿泊を決めたのでぎりぎりになって再度予約した ホテル・エミリタエ。1泊85ユーロ。
コンパクトにまとまったダブルルーム。部屋の外には (無駄に)広いテラス。室内は禁煙ですから、夫は もちろん喜んでいました。
館内には自販機があり、夕食代わりにビールを1本買い、テラスでのんびり寛ぎました。 -
ロビーの奥にある中庭にもベンチが置かれていましたが、忙しい旅人には 寛ぐ時間はありません。
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フロントでいただいた地図。
黄色で色付けされた辺りを歩くと、ローマ時代の遺跡に出会えるようです。
スタッフに 駅への方向を聞き、 -
早朝のメリダの旧市街。
駅までは歩けることも確認。 -
この時は ちゃんと地図を見ましたよ、というより メリダの駅前を通過して西へ向かう通りを歩いて行くとすぐに右手に見えてきました。
ロス・ミラグロス水道橋です。水道橋は鉄道をまたいで両側に建っています。
地図には載っていませんが、鉄道の下に歩行者用のトンネルがあるので、鉄道の反対側まで行って見学することが出来ます。これは リサーチ済み。 -
9:00
どうしても見ておきたかった水道橋ですが、こんな風に朽ちかけているし、わざわざ見に来るようなもの好きは私くらいかと思っていたら…
いましたよ、同類が。アジア系の旅行者が3人訪れていました。
逆光も また素敵な雰囲気。 -
しばらく前までは整備されていなかったので、ただの荒れ地だったそうですが、今では きれいに整備されています。
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水道橋に沿って 歩けるところまで歩いて行きたいのですが 午後にはメリダを離れるので、この目で見たということに満足。
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セゴビアの水道橋とは異なり レンガが使われているような色合いです。
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手前の広場では ちょうどイベント会場の設営中でした。
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これまで ほとんど見なかったコウノトリが それぞれ 柱を領土のようにして巣作り。
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入り口のまわりが重厚。
テラスのようにも見える出窓?の文様が素敵な建物。 -
9:40
El Arco de Trajano(アルコ・デ・トラハノ)
パラドール近くにあるこのアーチは、凱旋門ではなく、約1世紀に建設された皇帝崇拝の巨大寺院にアクセスする巨大門だったそうです。
残念ながら、現在ではその巨大寺院は残っていません。その跡地はオルギン通りで1983年に発見されたのだとか。 -
アーチはその袂から約15mの高さで、花こう岩の切石でできており、当時は大理石に覆われていたそう。
現在は 袂のみ大理石に覆われているということですが、その違いは よく分かりません。
アーチの足元の敷石は すり減っていて丸みを帯びており、時の流れを窺わせます。当時の地面は 現在の位置よりかなり低かったようです。 -
当時は両脇に1つずつ小さなアーチがあったそうですが、現在ではそのうちの1つだけが残っているのだとか。1つだけでも こうして残されているのは すごいことですね。
朝から少し歩いただけなのに、ローマ時代の遺跡に 次々に出会えます。 -
街歩きの途中にも ローマ時代を思わせる建物が散見。
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ロムルスの像は 姉妹都市ローマから寄贈されたもの。
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10:14
市庁舎前のスペイン広場で見つけたオープンカフェで 遅めの朝食。3ユーロ。 -
ローマ橋のたもとにあるアルカサバの城壁。
835年建築のイスラム城塞、スペインに残されるイスラム建築初期のもの。 -
紀元前25年頃に造られたというローマ橋。
全長783m?792m?。現在は歩行者専用の橋。
2000年あまりの年月を経て 今なお健在の橋を歩くと 感慨深い思い。 -
堅牢な橋げた。70のアーチで構成されているそうです。
向こうに見えているのは 昨夜 バスを降りた後、タクシーで渡ってきたルシタニア橋。 -
通りから見えるアルカサバ。
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通り沿いに見えた水の流れ。
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スペイン広場の近くの 街角の建物。
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11:04
円形劇場に向かう途中、探すまでもなく 行き当たったディアナ神殿。 -
ローマ神殿の遺跡。風雪に耐えてきた古典様式の柱列が保存されています。
上部に見える補修部分は 少し残念な趣。 -
足元の遺跡部分。
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アンダルシアを思わせる植栽に惹かれて。
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11:10
少し歩くと現れた ローマ時代の遺跡。
Portico del Foro Municipal de Augusta とあります。 -
古代ローマ時代の集会所のポルティコ。
ローマのアウグストゥスのフォルムをもとに造られたという。 -
ポルティコとは 建物の玄関に導く、あるいは柱列として拡がるポーチのこと。
柱の上部にある 円形の中の顔はジュピター、メドゥーサとのこと。 -
ずいぶん朽ちていますが、ローマ時代からのものだと思うと、それなりの趣。
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11:36
円形劇場とローマ劇場の共通チケットは 2人で30ユーロ。 -
チケットを購入した建物にあった円形劇場の模型。
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紀元前8世紀に建てられた市民最大の娯楽施設である円形劇場は、直径100mはある かなり大きなものです。
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収容人数1万4千人という壮大な建物で、剣闘士同士の戦いが行われたり、闘技場に水を張って模擬海戦が行われました。
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奥に見えるのはローマ劇場。
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中央部にある窪みに水を張って 模擬海戦が行われたのだとか。
観客席はだいぶ崩れてしまって 保存状態はあまりよくありません。
高い入場料だと思いましたが、これらの修復に使われるのだと思うと 納得のお値段かも。 -
競技場に続くトンネルがあちこちに見られます。
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紀元前から残っている 丈夫なアーチ構造は、土木技術に長けたローマ帝国の遺産。
剣闘士や猛獣が ここを通ったのでしょうか。 -
観客席に続く階段?
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当時の想像図。
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剣闘士たち。
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剣闘士たちが待機した場所?
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階段状になった円形闘技場は身分によって席が分けられ、人々に身分制度を意識させる役割を果たしたといわれています。
トリブナルと呼ばれる特等席には皇帝や町の有力者が座り、座った権力者の指の合図で負けた剣闘士を生かすか否かが決まっていたのです。それによって全ての決定権を誰が握るかを民衆に知らしめる場でもありました。 -
闘技場の中から、
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観客席を。
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こちらが 本来の円形劇場の入り口のようです。
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その脇の階段だったかな?
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ローマ劇場に移動中(のはず)。
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この階段を上がると、
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12:01
ローマ劇場の観客席へ。
紀元前24年にアウグストゥス帝の娘婿アグリッパによって築かれたもの。
大理石の柱が神殿のように並び、古代ギリシャ神殿風の舞台が特徴。
デジャブ感があると思っていたら、トルコのエフェス遺跡にあるケルスス図書館に似ていました。 -
半円形の観客席の収容人数は6千人、音響技術に優れた劇場で、舞台から客席までマイクがなくても生の声が鮮明に聞き取れる設計がされているのだとか。
現在もオペラ、演劇などが時々公演されているそうです。
座席が 現代風になっていたのは そのためなんですね。 -
帝や女神の彫像が飾られた舞台壁。
これらの像はレプリカで、オリジナルは国立ローマ劇場にあるそうです。 -
ローマ劇場の外へ。
19世紀の終わりごろまでシエテ・シジャス(7つの椅子)と呼ばれる観客席以外は土に埋もれていたといいます。
外壁の上部は いつ崩れ落ちてもおかしくないほど。 -
2000年の歴史。
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外の庭にある 建物の床のモザイク画。
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舞台壁を外から。
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庭園の全景。
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遺跡の基礎部分が 点在。
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12:25
列柱の柱頭飾り。 -
12:40
国立ローマ博物館のすぐ前にあるオープンカフェで ランチ。12ユーロ。 -
13:15
国立ローマ博物館が、円形劇場・ローマ劇場の入口手前にあります。
1985年建築の近代的な博物館。 -
入場料は2人で6ユーロ。
メリダから発掘されたローマ時代の考古学品が展示されています。 -
まず 地下にある発掘現場へ。
階段をおりていくと、クリプタ(地下室)があります。
博物館の地下自体が、ローマ時代の遺跡になっています。 -
壁面の模様も わずかながら残されています。
-
ローマ時代のお墓の遺構。石棺がならんでいます。
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彫像は ローマ劇場を飾っていたもののオリジナル。
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数々の彫像。
この地が スペインであることを忘れてしまいそうです。 -
ち密なモザイク画。
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かつてのメリダの模型図がありました。整然とした街づくり。
左上に見えるのが 先ほど訪れたミラグロス水道橋で、右上に見えるのが サン・ラサロ水道橋のようです。
下に延びているのがローマ橋。 -
当時の家屋の復元想像図?
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ローマ時代の遺物の展示品の数々。
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天井にまで届くかと思われる 柱。
ローマ劇場のオリジナル? -
陶器やガラス製品。
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一つずつ丁寧に見て回る時間がない中、特に気に留めた品々。
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床のモザイク画も 見事です。発掘場所から移築されたのでしょう。
ローマ時代という はるか昔の遺物を こうして立派に保存しているスペインという国に対して これまでのイメージが覆えされる思いです。 -
精緻な模様のモザイク画に嘆息。
驚くばかりに色鮮やか。 -
モザイク画に 目が釘付け。
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胸像。
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壁面一杯に飾られた モザイク画。
あまりにも保存状態が良いのですが、レプリカ? なのかもしれません。 -
モザイク画。
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ローマ劇場の復元想像図。
未だ訪れていないローマなのに、そのローマ時代の遺跡を イギリス、フランス、スペインなど かつてのローマ領土の各地で見学しているという…不思議な感覚。 -
ローマ時代の彫刻や装飾品、陶器、モザイクなどのコレクションが充実していて見応えがありました。なかでもモザイク壁画が素晴らしいものでした。
-
14:10
移動時間が気になって 早々と見学を切り上げましたが、時間が許せば ゆっくり見学したい博物館でした。 -
ホテルに戻ってキャリーケースをピックアップ、時間もまだ余裕があるので 珍しく駅まで歩きました。
メリダからカセレスまでのチケット。
4/20 にrenfe で予約。2人で14.7ユーロでした。 -
この路線は マドリードとメリダを結んでいます。
15:25発の予定が少し遅れて発車。 -
15:33
車窓から見える水道橋を目に焼き付けて、メリダを後にします。
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旅行記グループ シニア夫婦のスペイン・ポルトガル周遊;スペイン編
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