東海道本線歴史的痕跡探訪記 ～大垣-垂井-関ケ原間編 明治頌歌～

2019/03/31 - 2019/03/31

該区間は、明治１７年（１８８４年）５月２５日開通である。

第３代工部卿 佐々木高行（ささき たかゆき）（文政１３年（１８３０年）１１月２６日～明治４３年（１９１０年）３月２日）（明治１４年（１８８１年）１０月２１日～明治１８年（１８８５年）１２月２２日在任）は、明治１６年（１８８３年）８月２０日附を以って、第３代岐阜縣令 小崎利準（おざき としなり）（天保９年（１８３８年）２月２日～大正１２年（１９２３年）１月３１日）（明治６年（１８７３年）１２月２８日～明治２６年（１８９３年）３月２２日在任）に対し、関ケ原-大垣間鉄道建設に要する土地買収を命令し、該命令を根拠に小崎岐阜縣令は計１６町１反５畝１７歩を取得したが、該土地買収に要した金額は 計６５３７円５５銭と算出された。

関西方面は明治１８年（１８８５年）６月２５日より断続的に降雨が続き、特に、同月２９日より本格的集中豪雨、更に、翌７月１日より、暴風を伴ふ土砂降状態となり、此の為に、琵琶湖水位が上昇し溢水状態となった事から、瀬田川、更に、該河川下流域たる淀川沿岸各地に於いて決壊し各地で大洪水状態が発生した。

該県内に於いても例外では無く、垂井川（現 相川）が大洪水を引起した事が原因で各所で決壊し、大垣-垂井間に存在する垂井川（たるいがわ）橋梁橋脚が損傷傾斜被害が発生した為に列車運行が不可能になったが、復旧作業の結果、翌１１日に上り線のみ仮復旧し暫く単線運転を余儀無くさせられたが、下り線橋梁を含めた本格復旧は意外と時間を要し明治３８年（１９０５年）１月である。


濃尾大震災発生で該区間も不通になったが復旧は早く、垂井-関ケ原間は同年１０月３０日、大垣-垂井間も同年１１月３日開通した。

明治２２年（１８８９年）１１月１２日に、不破郡福田村（現 大垣市福田町）村民より、該郡長、岐阜縣を経て内閣鐵道局に対し請願書が提出された。
即ち、該区間開通以来、大雨の都度、該村一帯が冠水状態が現出する事から、該線築堤に対し水抜設備設置を求めた内容で、該省に依る調査の結果、該請願内容は事実と認定され、冠水防止の為に、明治２４年（１８９１年）３月に東猫ヶ尻、同年４月に西猫ヶ尻、兵下、及び、井町に避溢橋を設置した。


鐵道唱歌
第３５番
父養しないし養老の
（ちちやしないし ようろうの）
瀧は今なほ大垣の
（たきは いまなほ おおがきの）
三里を隔て々流れたり
（さんりを へだてて ながれたり）
孝子の名誉ともろ共に♪
（こうしの めいよと もろともに）

第３６番
天下の旗は徳川の
（てんかの はたは とくがわの）
帰せりしいくさの関ケ原
（きせりし いくさの せきがはら）
草むす屍いまなを
（くさむす かばね いまもなを）
吹くか伊吹の山おろし♪
（ふくか いぶきの やまおろし）
歌詞に関ケ原の合戦を忘れていない。


大正８年（１９１９年）７月２９日２２時４８分頃、該駅構内に於いて重大事故が発生した。
即ち、８９００型旅客用蒸気機関車牽引の神戸発東京行１２等急行第４列車は、該駅通過時に上り本線上に停車中の補助機関車に追突し、該牽引機関車は垂井川築堤上に脱線転覆し、続く、郵便車、１等寝台車が脱線大破したが当時の客車は純木造構造故に文字通り粉砕状態だった。
事故原因は、本来は補助機関車が該駅到着時に側線に入線させるべき処、当務助役が酷暑が原因で注意力散漫となり、該作業を失念した上で保安装置たる双信閉塞を解除した為に、隣接駅たる関ケ原駅は該閉塞解除を受け第４列車を通過させ追突事故が発生した。
該事故で旅客１名即死、１１名が重傷被害が発生したが、当該死亡旅客弟は 内田信也（うちだ のぶや）（明治１３年（１８８０年）１２月６日～昭和４６年（１９７１年）１月７日）だった。
内田は、第１次世界大戦好景気に依る船成金として知られ、後に鐵道大臣に就任したが、たまたま母兄同伴で神戸から東京への移動中の災難だった。


昭和８年（１９３３年）１１月２７日１時４２分頃、関ケ原駅構内に於いて追突事故が発生した。

即ち、静岡発米原経由富山行旅客第７２３列車Ｃ５１５８蒸気機関車牽引１１両編成は、大垣駅に於いて該列車後部に補助機関車 Ｄ５０４９３蒸気機関車を増結し、垂井より関ケ原に至る登り勾配を登攀していたが、該列車は関ヶ原駅停車にも拘らず、補助機関車機関助手が迂闊にも停車を通過と勘違いし、該機関車前部の自動連結器開放装置を操作し開錠した為に、該列車は分離し直後に切離された編成が制動始動した為に該列車に対し該補助機関車が追突状態となった。
該事故に依り、旅客１９名が重軽傷を負った。


南荒尾-新垂井-関ケ原間は、昭和１９年（１９４４年）１０月１１日開通した区間である。


大垣-関ケ原間は、大垣-垂井間が平坦区間に対し、垂井-関ケ原-柏原間には勾配が介在し、特に、垂井-関ケ原間には２２～２５／１０００‰の連続急勾配が存在する事から、該区間開通時より補助機関車増結を余儀無くさせられていたが、大正末期頃より列車本数は増加の一途を辿り、当時の東海道本線に於ける東の山北-御殿場-沼津間、西の大垣-関ケ原間と称される程の難所と化し、此の為に、鐵道省は当時の最強出力を有したＤ５０型蒸気機関車を大垣機関庫に集中配置して対処し、特別急行列車と云えども大垣駅停車を必要としていた。

他方、我が国は 日華（にっか）事変（昭和１２年（１９３７年）７月８日～昭和１６年（１９４１年）１２月８日）勃発以降、平時体制から戦時体制へと移行した事から客貨列車増加の結果、昭和１５年（１９４０年）当時に於ける南荒尾-関ケ原間上り線は、客貨定期列車７５本、軍用列車１０本に加え、登攀用補助機関車回送が４８本、計１３３本運転と云う列車本数として１日２４時間に於ける運転可能本数限界超過逼迫状態を現出し、線路保守時間さえ無くなっていた。

此の為に、鐵道省は抜本的対策として、最大勾配１０／１０００‰の下り線専用迂回線を設置する事で補助機関車増結を廃止し、本務機関車単独で登攀可能な該問題を解決せんとし、本省に於いて決定後、現地測量を昭和１７年（１９４２年）１２月に開始し、該測量は翌昭和１８年（１９４３年）２月に完了し、該測量に基き同年４月に工事を起工した。
該区間途中に隧道６箇所、更に、高築堤設置を要した事から、鐵道省は付近に存在する稲葉山を買収し、該山産出土砂を該建設工事現場に至る約１ｋｍに亘りトロッコで移送運搬した。

該区間開通に必要な軌条類は、時節柄資材不足の為に、御殿場線全線単線化で捻出発生した５０ｋｇ軌条を転用敷設させた。

新垂井経由の新線開通に依り、既成南荒尾-垂井-関ケ原間下り線は不要施設とされた為に撤去され、必要軌条、及び、枕木は、同時期に建設された新逢坂山追加線大津-山科-京都間敷設に転用された。


大東亜戦争中、該区間に於ける空襲被害は、
昭和２０年（１９４５年）
　 ７月２８日　第２０航空軍 第３１４航空隊 Ｂ２９戦略爆撃機９０機
大垣大空襲
　警戒警報発令 ２２時１５分
　空襲警報発令 ２２時２０分
　空襲開始 　　　０時５２分
　空襲警報解除 　２時５０分
　警戒警報解除 　３時２０分
　 線路破壊大垣-南荒尾-垂井間３箇所計５０ｍ 枕木焼損計１２本
復旧 ２９日１２時５２分


大東亜戦争終結後、垂井住民救済を目的として垂井線下り線復活が決定され、昭和２１年（１９４６年）１０月３０日に復旧工事が完成し、同日を以って垂井駅経由の普通列車が復活し垂井町民の利便回復が実現した。


該区間は、稲沢-米原間として昭和３０年（１９５５年）７月２０日に直流１５００Ｖ電化が実施されが、明治期に該区間開通以来、武豊-大府-名古屋-関ケ原間運転のC１１型蒸気機関車牽引小運転旅客列車は武豊線未電化の為に個々分離運転を余儀無くさせられる事になり、此の為に、大垣電車区にモハ１４型＋モハ４０型電車が配置され大垣-関ケ原間区間運転用に導入された。


令和２年（２０２０年）２月１日現在、東海道本線所属駅本屋建築で昭和２０年（１９４５年）以前建築物は計１０駅を切った。



表紙写真は、昭和１９年（１９４４年）建築 関ケ原駅本屋





東海道本線歴史的痕跡探訪記
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～汐留-濱松町-品川間編 明治頌歌～
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～膳所-稲荷-京都間（廃止線）編 明治頌歌～

～膳所-山科-京都間（現行線）編 大正浪漫～
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～京都驛編 明治頌歌～

～京都-向日町間編 明治頌歌～

～向日町-高槻間編 明治頌歌～

～高槻-茨木間編 明治頌歌～

～茨木-吹田間編 明治頌歌～

～吹田-淡路-大阪間（廃止線）編 明治頌歌～

～吹田-新大阪-大阪間（現行線）編 大正浪漫～

～大阪駅周辺編～

～大阪-西宮間編 明治頌歌～
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～西宮-灘間編 明治頌歌～
https://ssl.4travel.jp/tcs/t/admin/
～灘-神戸間編 大正浪漫～
https://4travel.jp/travelogue/11245946

エリア 関ヶ原・垂井(岐阜)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス 新幹線 JR特急 JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

大垣（おおがき）駅



該駅は、明治１７年（１８８４年）５月２５日開業である。
即ち、開通当時は、滋賀県長濱を起点として中仙道鉄道建設の一環として関ケ原-大垣間路線延長工事が完成したものである。
然し、該駅隣接駅たる垂井から柏原に至る１５．９ｋｍ区間は、岐阜県から滋賀県に至る県境に於ける連続急勾配区間が存在し、既に、明治期に於いて路線変更が１度のみならず２度に亘り余儀無くさせられた区間であり、該区間下り列車は特別急行列車と云えども該駅に於いて列車後部に勾配登攀用補助機関車を連結しなければならず、此の為に、東の山北沼津、西の大垣と称される様になり、大垣は江戸期に於ける城下町から鉄道の街へと変貌を遂げ、当然ながら該区間開通時から該駅構内に機関庫が設置され、該区間開通当時は英國製２１２０型タンク式蒸気機関車、大正末期には９９００型（Ｄ５０型）が配備され、更に、膨大な鉄道関係職員が配置された。
開業当時の駅本屋は老朽化が進行し、手狭な状態になった事から改築が決定し、第２代駅本屋が昭和１５年（１９４０年）１１月に竣工した。
該線沿線は撚糸産業が盛んな地であり、該線開通以降は該線各駅に該産業関係工場が次々と立地開設したが、昭和１０年代後半以降、該工場群が軍事産業関係施設へ転換した事から、大垣は軍事産業重要拠点として位置付られた為に、大東亜戦争末期、連合国軍は該地をして軍事目標殲滅を目的として、昭和２０年（１９４５年）７月２８日未明にＢ２９戦略爆撃機９２機に依る大規模空襲を受けた。
該空襲に依り、大垣市内中心部は壊滅的被害を蒙ったが、該駅構内では、貨物ホーム上屋、及び、職員官舎２２戸が全焼したが、駅本屋は１／３が焼失したに止まり、残存施設を修復し使用可能な状態だったのは不幸中の幸いと言えた。
戦後、駅本屋は継続して使用されたが、三河大地震（昭和２０年（１９４５年）１月１７日）に依る該駅本屋各部の弛緩も有り、且つ、該線稲沢-米原間電化が昭和３０年（１９５５年）７月２０日に実施時に改築が決定され、第３代駅本屋が同年５月６日竣工した。
該駅北側には出改札口が存在せず不便極まりない状態だった事から、近江撚糸工場用地を活用し、昭和３３年（１９５８年）１２月２５日に北口出改札口が開設された。
現第４代駅本屋は、昭和５９年（１９８４年）８月に着工し、翌昭和６０年（１９８５年）１２月１日竣工の鉄骨鉄筋５階建駅ビルである。
http://railway.jr-central.co.jp/station-guide/tokai/ogaki/index.html

大垣駅 駅

大垣-南荒尾間



大垣車両区
該区は、明治２５年（１８９２年）１２月に、名古屋機関庫大垣分庫として設置されたものが嚆矢である。
即ち、垂井-関ヶ原-柏原間下り線２５／１０００‰急勾配登攀の為に、補助機関車連結解放の為に設置された。
その後、名古屋機関庫米原分庫が米原機関庫として独立時に、該区も米原機関庫大垣分庫に所属変更された。
鐵道省が初めて開発した キハニ５０００型 ガソリン動車配置時に、名古屋鐵道局管内に於いて該区に配置された。
最盛期には、Ｄ５０型蒸気機関車多数が配置されていたが、昭和１９年（１９４４年）１０月１日に、新垂井経由新線が開通した事で、最大勾配も１０／１０００‰に緩和された為に、補助機関車連結が不要となり、該区も一時は衰退も懸念された。

大垣市南一色町
養老鉄道室駅 徒歩１分

大垣-南荒尾間



大垣車両区
神戸方

大垣市南一色町
養老鉄道室駅 徒歩１分

大垣-南荒尾間



３１３系電車

大垣市南一色町
養老鉄道室駅 徒歩１分

大垣-南荒尾間



大垣車両区
南側基地

大垣市南一色町
養老鉄道室駅 徒歩１分

大垣-南荒尾間



大垣電車区乗越橋
車両基地名は変更されたが、乗越橋は架橋当時の名称。

大垣市南一色町
養老鉄道室駅 徒歩１分

大垣-南荒尾間



赤坂川（あかさかかわ）橋梁
全長８４．４０ｍ
１２．０ｍ×２＋１６．０ｍ×２＋２２．０ｍ×１

大垣市南一色町無番地
養老鉄道北大垣駅 徒歩３分

大垣-南荒尾間



赤坂川橋梁
支間２２．１０ｍ
上り線側
現在の河川名は杭瀬川（くいせがわ）。

大垣市南一色町無番地
養老鉄道北大垣駅 徒歩３分

大垣-南荒尾間



赤坂川橋梁
下り線側

大垣市南一色町無番地
養老鉄道北大垣駅 徒歩３分

大垣-南荒尾間



赤坂川橋梁

大垣市南一色町無番地
養老鉄道北大垣駅 徒歩３分

大垣-南荒尾間



西猫ケ尻川（にしねこがしりかわ）橋梁
６．７０ｍ×１
下り線側
該区間開通時に該橋梁は存在しなかったが、地元の要求に依り、明治２４年（１８９１年）４月に設置された。

大垣-南荒尾間



西猫ケ尻川橋梁
下り線側

大垣-南荒尾間



西猫ケ尻川橋梁
上り線側

大垣-南荒尾間



新杭瀬川（しんくいせがわ）橋梁
支間６．５０ｍ

大垣市福田町８５４
養老鉄道北大垣駅 徒歩１８分

大垣-南荒尾間



新杭瀬川橋梁
上り線側
赤坂川分流河川として設置。

大垣市福田町８５４
養老鉄道北大垣駅 徒歩１８分

大垣-南荒尾間



熊野川（くまのがわ）橋梁
支間６．５０ｍ

大垣市福田町
養老鉄道北大垣駅 徒歩２０分

大垣-南荒尾間



熊野川橋梁
下り線側

大垣市福田町
養老鉄道北大垣駅 徒歩２０分

南荒尾信号所



場内信号機

大垣市熊野町
東海道本線荒尾駅 徒歩５分

大垣-南荒尾間



宇留生（うるう）架道橋
４．７５ｍ×２ ＋ ５．５０ｍ
全景

大垣市赤坂町
東海道本線荒尾駅 徒歩５分

大垣-南荒尾間



宇留生川（うるうがわ）橋梁
５．５０ｍ
但し、該河川は廃川に依り橋梁としての機能は喪失。

大垣市赤坂町
東海道本線赤坂駅 徒歩５分

大垣-南荒尾間



宇留生橋梁
橋台
神戸方

南荒尾（みなみあらお）信号場



該信号場は、大正８年（１９１９年）８月１日開設である。
即ち、美濃赤坂に至る新路線１．９ｋｍ分岐の為に設置された。
因みに、常識的に考えて、該分岐線設置工事は該信号場設置以前に開始していたものと推定される。
該信号場開設当初は、荒尾聯絡所と称した。
その後、鐵道省は、大垣-美濃赤坂-西濃鐵道赤坂本町間にガソリン動車運転を決定し、該動車運転開始に鑑み、地元請願に依り、昭和５年（１９３０年）１２月１日附で荒尾（あらお）驛が開設される事になった為に、同日附で該信号場名は現名称に改称された。
大東亜戦争末期、垂井-関ケ原間連続２５‰登り勾配解消の為に、別線開設に依り解消させる事に決定し、該信号場を分岐地に決定し、昭和１９年（１９４４年）１０月１１日に下り線列車用新垂井経由別線が開通した。

大垣市赤坂町
東海道本線荒尾駅 徒歩５分

南荒尾信号所



兵下（ひょうした）避逸橋梁
煉瓦積拱橋
該区間開通時に該橋梁は存在しなかったが、地元の要求に依り、明治２４年（１８９１年）４月に設置された。

大垣市赤坂
東海道本線荒尾駅 徒歩４分

南荒尾信号所



兵下避逸橋梁
近接

大垣市赤坂
東海道本線荒尾駅 徒歩４分

南荒尾信号所



新垂井線
６５３系電車

南荒尾信号所



垂井線
３１１系普通電車
東海旅客鉄道は、今年から数年計画で２１１系、２１３系、及び、３１１系電車を廃車にし３１５系新型電車投入を発表。

南荒尾信号所



右 下り垂井経由
中 下り新垂井経由
左 上り線

南荒尾信号所



右 新垂井線
左 垂井線

南荒尾信号所



信号所構内

南荒尾信号所



右 新垂井線
左 垂井線

南荒尾信号所



立体交差部

南荒尾-垂井間



上下線分離地点

大垣市長松町
東海道本線荒尾駅 徒歩８分

南荒尾-垂井間



長松川（ながまつかわ）避逸橋

南荒尾-垂井間



垂井川仮乗降場跡
該地方は、明治１８年（１８８５年）６月２５日より断続的に降雨が続き、特に、同月２９日より本格的集中豪雨、更に、翌７月１日より、暴風を伴ふ土砂降状態となり、此の為に、垂井川（現 相川）が大洪水を引起した事が原因で各所で決壊し、大垣-垂井間に存在する垂井川（たるいがわ）橋梁橋脚が損傷傾斜被害が発生した為に列車運行が不可能になった為に臨時乗降場を設置し、旅客は徒歩を以って連絡させた。
復旧作業の結果、同月１１日に上り線のみ仮復旧した為に該臨時乗降場は廃止された。

南荒尾-垂井間



相川（あいかわ）橋梁
２５．４０ｍ×１＋６６．００ｍ×２＋２５．４０ｍ
単線型プレートガーダー３並列。

不破郡垂井町垂井２３６５
東海道本線垂井駅 徒歩８分

南荒尾-垂井間



相川橋梁
明治３６年（１９０３年）７月１０日に該地方は集中豪雨に依り、該橋梁新橋方橋台、及び、橋脚傾斜の為に損傷し不通となったが、復旧作業の結果、翌１１日に上り線のみ仮復旧し暫く単線運転を余儀無くさせられた。
然し該橋梁損傷程度は著しく、本格復旧は、明治３８年（１９０５年）１月である。

不破郡垂井町垂井２３６０
東海道本線垂井駅 徒歩８分

南荒尾-垂井間



相川橋梁
その後、初代橋梁は老朽化が著しく、同時に建設省に依る該河川改修工事対象河川に指定された事から、該橋梁架替が決定され、新橋梁工事は昭和４７年（１９７２年）９月１２日着工し、昭和４８年（１９７３年）５月１１日竣工し現新橋梁切替。

不破郡垂井町垂井２３６５
東海道本線垂井駅 徒歩８分

垂井駅



上り線保守作業時間取得の為に、上り普通列車を下り線を使用して運転する為に、下り線側にも出発信号機が建植されている。

垂井駅



構内配線
蒸気機関車時代、補助機関車駐留場が存在した為に中線が長い。

垂井駅 駅

垂井（たるい）駅



該駅は、明治１７年（１８８４年）５月２５日開業である。
関ケ原-大垣間延長に伴い開設された。
該駅-関ケ原間には連続２５／１０００‰登り勾配が存在する事から、該区間開通時は、該駅に於いて列車後部に補助機関車を連結を要した為に、該駅周辺は一時期鉄道の街を形成するに至った。
大正８年（１９１９年）７月２９日２２時４８分頃、該駅構内に於いて重大事故が発生した。
即ち、８９００型旅客用蒸気機関車牽引の神戸発東京行１２等急行第４列車は、該駅通過時に上り本線上に停車中の補助機関車に追突し、該牽引機関車は垂井川築堤上に脱線転覆し、続く、郵便車、１等寝台車が脱線大破したが、当時の客車は純木造構造故に、文字通り粉砕状態だった。
事故原因は、本来は補助機関車が該駅到着時に側線に入線させるべき処、当務助役が該作業を失念した上で双信閉塞を解除した為に、隣接駅たる関ケ原駅は、該閉塞解除を受け、第４列車を運行させた事から追突事故が発生した。
該事故で旅客１名即死、１１名が重傷被害が発生したが、該死亡旅客弟は 内田信也（うちだ のぶや）（明治１３年（１８８０年）１２月６日～昭和４６年（１９７１年）１月７日）だった。
内田は、第１次世界大戦好景気に依る船成金として知られ、たまたま母兄同伴で神戸から東京への移動中の災難だった。
https://railway.jr-central.co.jp/station-guide/tokai/tarui/index.html

垂井駅 駅

垂井駅



駅本屋
近接
現駅本屋は第３代目で、平成７年（１９９５年）３月４日竣工。
https://railway.jr-central.co.jp/station-guide/tokai/tarui/index.html

垂井駅 駅

垂井駅



駅構内

垂井駅 駅

垂井駅



第１番旅客ホーム
客車時代の段差が残存。

垂井駅 駅

垂井駅



駅構内
３１３系電車

垂井駅 駅

垂井駅



駅構内
第２番旅客ホーム
明治２２年（１８８９年）７月１日附竣工。

垂井駅 駅

垂井駅



機関車駐留地跡。
該駅周辺は開設当時湿地帯だった事から重量を要する機関車庫を含めた駅構内拡張は困難と判定された為に、大正中期より補助機関車連結は大垣駅で実施。

垂井駅 駅

垂井駅



南口
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垂井駅 駅

垂井駅



駅構内
東京方
俯瞰

垂井-関ケ原間



駅構内
２０／１０００‰勾配開始地点。

垂井－関ケ原間



登り勾配開始地点
２０／１０００‰登り勾配。

垂井-関ケ原間



朝倉川（あさくらかわ）橋梁
石積橋台

垂井-関ケ原間



特急ひだ号気動車
嘗て、該区間にはディーゼル気動車列車が多数運転されていたが、現在は大阪-岐阜-高山間運転の該列車１往復のみ。
乗車率低迷の為に存続先行き予断許さず。

垂井-関ケ原間



上下線信号機
該区間は上り線保守の関係で一部普通列車は下り線運転される。
該例は山陽本線下関-門司間関門隧道に於いて存在する。

垂井-関ケ原間



垂井線
背後の築堤は新垂井線。

関ケ原駅



駅構内
東京方
信号機群

関ケ原駅



駅構内
東京方

関ケ原駅 駅

関ケ原（せきがはら）駅



該駅は、明治１６年（１８８３年）５月１日開業である。
即ち、長濱-関ケ原間開通に伴い設置され、初代該駅本屋は、現在の関ヶ原町役場庁舎付近に設置された。
明治２２年（１８８９年）７月１日に深谷-長岡（現 近江長岡）間が開通したが、該区間は伊吹山（いぶきさん）標高１３７７ｍ南側麓、及び、岩倉山鞍部間を標高２３０ｍで通過する事から、該地は太平洋側気候 対 日本海側気候合流点に位置する為に、冬季ともなると雪害、雪溜が集中する為に列車運行上に於いて障害多発区間と化してしまい、日清（にっしん）戦争（明治２７年（１８９４年）７月２５日～明治２８年（１８９５年）４月１７日）勃発に依る軍事輸送に於いて冬期に於ける輸送障害が深刻な状態となった事から、明治３２年（１８９９年）１０月１５日に関ケ原-長岡（現 近江長岡）間開通時に駅本屋も含め現位置に移転した。
現第３代駅本屋は、新垂井線開通に伴う該駅構内改修に伴い、昭和１９年（１９４４年）１０月に改築当時の第３代建築。

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



出改札口
自動改札機以外は昭和１９年（１９４４年）改築当時の姿を留める。

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



駅本屋
待合室

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



旅客ホーム連絡通路
改築当時は開放型構造だったが、後年、冬期防寒対策として密閉式に改造された。

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



鐵道唱歌碑
当該の如き碑石は、通常は駅前広場に存在するが、珍しくも該駅は改札口内に存在。

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



鐵道唱歌碑
天下の旗は徳川の
帰せりしいくさの関ケ原
草むす屍いまなを
吹くか伊吹の山おろし♪

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



旅客跨線橋
階段最上連絡部に段差が存在するのは電化工事時に架線吊架の為にジャッキアップした為。

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



旅客跨線橋
階段
平成初期まで階段部分も木張構造だった。

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



旅客跨線橋
通路

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



旅客跨線橋

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



旅客跨線橋
電化時に架線吊架の為に通路部分のジャッキアップ跡。

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



第１番旅客ホーム上屋
昭和３２年（１９５８年）１月建築。
軌条間溶接接合多数。

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



第１番旅客ホーム
側壁
現１番線は、昭和１９年（１９４４年）１０月開設。
煉瓦積では無く石積構造。

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



旅客第１番ホーム
側壁
現２番線は、旧１番線だったが、新垂井線開通に依る着発線増設に依り改番。
煉瓦積構造。

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



旅客第１番ホーム
神戸方

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



旅客跨線橋

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



第２番旅客ホーム

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



第２番旅客ホーム

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



第２番旅客ホーム
側壁

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



第２番旅客ホーム
側壁
拡大
英國積

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



旅客第２番ホーム

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



旅客ホーム上屋
古軌条支柱群

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



旅客ホーム上屋
古軌条支柱

関ケ原駅 駅

関ケ原駅



第１番旅客ホーム上屋
古軌条支柱

関ケ原駅 駅

関ヶ原駅



旧貨物取扱施設跡

関ケ原駅 駅