2015/08/23 - 2015/08/23
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kojikojiさん
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「大英博物館」を出てラッセル・スクエア近くのバス停からストランド通りまで移動します。ロンドンの移動は本当にバスが簡単で眺めも良いので楽しいです。バスを降りて「コートールド美術館」へ行く前に王立裁判所前のトワイニングの本店へ立ち寄りました。小さい細長い店ですが紅茶専門店なので買い物はしやすいですが、意外なほどに混んでいました。買い物を済ませると妻はホテルが近いので帰ることにしました。コートールド美術館の前でお別れです。買い物したものは妻が持って行ってくれるので助かります。コートールド美術館は今回訪れた美術館の中で唯一寄付制では無く、入場料が決まった美術館で7ポンド約1,300円です。1階には独立した部屋があり、初期ルネサンスの宗教絵画の名品が並んでいます。それから螺旋階段を上がりながらフロアごとに印象派絵画からバロック絵画とルネッサンス絵画と順繰りに見学していきます。途中描き掛けの絵画を集めた展示は非常に興味深いものでした。画家がどこから絵を描き始めるのか、どういう事を考えて描いているのかがよく分かりました。どの部屋も空いているのも良かったです。大英博物館から来たのでそう思ったのかもしれませんが、ほとんど見学者もいないので貸切のように思えました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 船 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- エティハド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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「大英博物館」近くから乗ったバスはストランド通りに出る手前で降りました。王立裁判所に沿って歩くと通りの反対側に小さな間口の店がありました。
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この幅だけがトワイニングの本店の店先です。フォートマム・メイソンに比べると見劣りするほど小さい店ですが、奥の試飲コーナーに行くと多少広くなります。
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こんな感じで紅茶が延々と並んでいます。箱に入った物はお手頃の値段なのでお土産用に大人買いします。この後コートールド美術館に行きますが、妻はパスしてホテルに戻るので持って帰ってもらうことにします。
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高級な茶葉は量り売りもしてくれます。ここは店というよりも建物と建物の間に屋根を渡して店にしたという感じがしました。
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店の前は「王立裁判所」ですがまるで城館のようです。建物の外観で行ったらロンドンの旅で見た中で一番素晴らしいかもしれません。
ストランド通りに向かって歩き、サマセットハウスの前で妻とお別れです。ホテルまでは約100メートルなので1人でも帰れる距離です。 -
「コートールド美術館」は1932年に実業家のサミュエル・コートールドのコレクションを元に設立された美術館です。コートールドは当時まだあまり注目されていなかった印象派を中心に収集していたそうで、その後いくつかの個人コレクションを加えて現在の形が形成されました。この美術館に収蔵している数点の絵を見たかったので今回外せない場所でした。
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入り口正面のカウンターで7ポンドの入場料を支払います。今回の旅で寄付以外で入場料が決まっている博物館や美術館はここだけでした。右手に中世からルネッサンスにかけての宗教画を中心にした展示室があります。
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2枚のプルデラ画がありました。プルデラとは衝立の事でそこに嵌められた絵の部分ということです。題材は「マギの訪問と礼拝」と「東方三博士の礼拝」の場面です。
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「聖セバスティアン」
マルコ・ゾッポ
セバスティアンはこれだけ矢で射られながら死んではいません。聖イレーネは彼の遺体を埋葬するためにやってきますが、まだセバスティアンに息があるのに気づきます。イレーネは自宅へ彼を連れて行き健康になるまで介抱します。ディオクレティアヌス帝の前で熱弁を繰り広げますが、最後は死ぬまで殴打されて亡くなります。 -
「3枚のプルデラのためのパネル」
フラ・アンジェリコ
プルデラ(衝立パネル)のために描かれた細長いパネルです。周囲は金彩が施され、それぞれ円形の中にイエスや聖人の姿が描かれています。中央に降架後のイエスの姿と左右にマグダラのマリアと洗礼者ヨハネの姿があります。 -
こちらはアレクサンドリアの聖カタリーナと聖アグネスです。一緒に描かれたものがアトリビュートなので誰だかが分かります。
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ドメニカ修道院の修道女と聖セシリアです。
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「法王 聖ペテロ」
リッポ・ヴァンニ -
イチオシ
特に有名な画家ではありませんが、描き込みの緻密さには驚かされます。細かい宝石も埋め込まれています。イエスは「わたしはあなたに天の国の鍵を授ける。あなたが地上でつなぐことは、天上でもつながれる。あなたが地上でも解くことは、天上でも解かれる。」という言葉から手には大きな鍵を持っています。
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「聖母子と天使たち」
クエンティン・マサイス
今回の旅ではマサイスの作品はナショナル・ギャラリーの「醜女の肖像」が印象に残りました。パリのルーブル美術館の「両替商とその妻」も素晴らしいです。ブリュッセルの王立美術館にも同じ絵がありました。 -
後ろから赤い花を差し出す天使の姿がとても愛らしいです。
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「聖母子と寄進者の二連祭壇画」
ブリュージュの画家
5月から6月にかけてベルギーからオランダの旅をしたばかりなので、フランドルの絵画には目が止まってしまいます。 -
「キリストの生涯の二連祭壇画」
1350年頃にパリで造られた携帯用と思われる見開き中にキリストの生涯が克明に彫刻されています。 -
中段はユダの裏切りの場面で、下段はマリアの生涯の場面です。
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中段はキリストの磔刑で下段が東方三博士の礼拝の場面です。
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「聖母子の三連祭壇」
北フランスかイタリアで1325年頃造られた祭壇飾りです。中央に聖母子像と左のパネルに受胎告知と三博士の礼拝、右のパネルには寺院の奉納と誕生の場面が彫られています。製作されたころは彩色されていたので綺麗だったことでしょう。 -
歩き疲れたのでエレベーターで3階に上がって、印象派の絵画から見学します。
「松の木とサン・ビクトワール山」
ポール・セザンヌ -
20代の頃までは印象派の絵画はあまり好きではありませんでした。初めて南仏を旅した時にアルルからモンペリエへ戻る列車の車窓から眺めた景色を見て、あぁ印象派の絵画ってこういう事なんだなと納得して以来好きになりました。
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「アヌシーの湖」
ポール・セザンヌ -
スイスのジュネーブに近いアヌシー湖の風景です。スイスの山間部の湖はとても美しく、この絵を見ていたらカンデルシュテークにあるエッシネン湖を思い出しました。麓からリフトで登った山の中にある湖ですが、初めて見た瞬間は息が止まるほどの美しさに感動しました。鏡のような湖面が重なって見えました。
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「靴ひもを結ぶ女性」
ピエール・オーギュスト・ルノアール
地中海の海岸の家で描かれた最後の絵だそうです。1918年の制作ですから亡くなる1年前に描かれたものです。 -
スーラの作品が6つ展示してありました。
「ラインダンスの練習」
ジョルジュ・スーラ
点描の筆のタッチや絵の具の置き方がよく分かります。画集では分からない、美術館でしか分からない事もあると思います。 -
「グラヴリーヌの海岸」
ジョルジュ・スーラ
グラヴリーヌは北海沿いのほとんどベルギー国境の町です。 -
6月にデン・ハーグ近くのスヘフェニンゲンの海岸を思い出しました。同じような日差しで穏やかな波のあまり無い日でした。その海岸でこの海の向こうにはイギリスがあると思い、今回のロンドン旅行になりました。
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「釣り人」
ジョルジュ・スーラ -
イチオシ
夕方の柔らかい日差しの中で釣りをする男性の姿が風景に溶け込みそうです。「たそがれ」は江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さの事です。「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いでしょう。
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「クイーンズロード駅」
ウォルター・シッカート
現在のバイスウォーター駅はかつてクイーンズロード駅でロンドンで出来た地下鉄の最初の駅でした。プラットフォームでベンチに座って地下鉄を待つ男性の姿が暗いタッチで描かれています。当時のプラットフォームは木製で、地下を走るのに機関車だったので煤煙も多くこのような印象になったのでしょう。 -
「ブラックフライアーズ橋」
C.R.W.ネヴィンソン
1927年当時のロンドンのブラック・フライアーズ橋の風景を描いた絵です。 -
右に見える橋がウォータールー橋で、左奥に国会議事堂とビッグ・ベンの姿が確認できます。産業革命時の工場の煙突の煙の酷さが感じ取れます。
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「花を生けた花瓶」
クロード・モネ -
ベルギーのゲントの美術館で観た児島虎次郎の絵を思い出しました。今年中に倉敷の大原美術館に行きたい気持ちが大きくなってきました。
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未完成の絵画を集めた展示室がありました。これは画家がどのような考えで絵を描いたのかがよく分かってとても面白かったです。
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「パラソルを持った女性」
エドガー・ドガ
最初は黒の濃淡で描いて、白で修正して構図を決めてから描いていたのでしょうか。ここから色が乗せられていくのだと思うと楽しみな気になりますが、この絵が完成することは無いのですね。 -
「回り道」
ポール・セザンヌ -
風景画の場合は下描きよりも色のバランスに重点を置いて構図を決めているような気がします。こんな具合に絵がかけたら素晴らしいですね。スケッチと考えたらこれで完成でも良いくらいです。
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「聖家族と洗礼者ヨハネ」
ペリーノ・デル・ヴァーガ -
作者についての知識はありませんが、16世紀の画家だという事です。素人考えですが同じ時代のダ・ヴィンチの未完成の絵画に似ているように思えました。
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「風景の中でくつろぐ女性」
ヤコボ・パルマ・イル・ヴェッキオ -
この絵に至ってはもう完成されているようにしか見えないのですが。
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「オーヴァル」
エドゥアール・マネ
モデルはベルト・モリゾなのではないかと感じました。 -
イチオシ
この先描き進んで行くと「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」みたいな絵になったと思うと残念な気もしますが、描いていく過程の画家の心象を覗き見ているような気がします。
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「ドン・キホーテとサンチョ・パンサ」
オノレ・ドーミエ -
完成したらミュンヘンのノイエ・ピナコテークに収蔵されている「ドン・キホーテ」のようにもう少しカラフルになったのでしょうか。構図も非常に似ています。
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「窓辺の女性」
エドガー・ドガ -
まだ下描きの段階でも絵画として完成されているように見えます。輪郭しか無い顔なのに影の中にある顔が想像できそうな気がします。
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「桜の木と少女」
ジェームス・マクニール・ホイッスラー -
「青と金のノクターン-オールド・バターシー・ブリッジ」のような浮世絵からインスピレーションを得たジャポニスムの印象が強い画家でしたが、こんな絵も描いていたのですね。完成されていない絵なのであまり紹介されることも無いのでしょう。
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この美術館の螺旋階段はとても綺麗でした。
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1フロア下に降りると展示室の印象も変わります。この部屋に並ぶ作品はビックネームばかりで驚かされます。
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「ソロモン王とシバの女王」
ピーテル・パウル・ルーベンス -
シバの女王はソロモンの知恵を噂で伝え聞き、自分の抱える悩みを解決するためにエルサレムのソロモン王の元を訪れます。その旅には大勢の随員を伴い、大量の金や宝石や高価な乳香や白檀などを贈り物を携えたそうです。これはどこかの天井画の下絵でしょうか。
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「聖パウロの改宗」
ピーテル・パウル・ルーベンス -
ルーベンスはダマスカスへの道中でパウロがキリスト教への改宗する場面をドラマチックに描いています。雲の間からキリストが出現する効果を上げるため夜の場面として描いています。2人の兵士がパウロを助けようとする間に馬は倒れ、兵士は落馬します。そして神の光によって盲目になります。
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劇的な明暗と圧縮された画面構成は1608年にイタリアから戻った後のルーベンスの特徴です。
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「アキレスの死」
ピーテル・パウル・ルーベンス -
アキレスが生まれると母テティスは息子を不死の体にするために冥府を流れる川ステュクスの水に息子を浸します。そのときテティスの手はアキレスの足首を掴んでいたためにそこだけは水に浸かりませんでした。その部分だけか不死とならず、矢で射抜かれて命を落とします。
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アキレスはトロイアのスカイアイ門の前で戦っていましたが、急所のアキレス腱をトロイアの王子パリスに射られ瀕死の重傷を負って倒れます。オーストリアの皇后だったエリザベートはアキレスを愛し、ギリシャのコルフ島にアヒリオン・パレスという別荘を建てるほどです。アヒリオンとはアキレスの事で吹き抜けの階段の壁面には馬車に乗ったアキレスの雄姿の絵がかかり、庭には瀕死のアキレスの像が置かれています。
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「キリストの降架」
ピーテル・パウル・ルーベンス -
これはまさしくアントワープのノートルダム大聖堂の祭壇の脇に掛かるルーベンスの「キリストの降架」と同じ構図です。下絵と呼ぶには描き込みも素晴らしいです。
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大聖堂の絵は高さ4.6メートルもありますが、この絵は1メートルもありません。教会堂の高い場所に掛かった大きな絵よりも目の前にある絵の方が迫力を感じました。
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「ヤン・ブリューゲルと家族」
ピーテル・パウル・ルーベンス
この優しい肖像はブリューゲルの家族との友好を感じさせます。ヤン・ブリューゲルとルーベンスが友人だったことは知っていましたが、その家族まで描いた作品があるとは知りませんでした。 -
イチオシ
妻カタリーナは後妻だったそうですが、2人の子供たちのピーターとエリザベスを連れています。そしてアントワープの裕福な市民らしく家族は非常に高価な衣装を着ています。ルーベンスの友人を想う気持ちが溢れていると感じるとともに、アントワープのルーベンスの家で見た家族の肖像画を思い出しました。
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「エジプトへの逃避途上の風景」
ピーテル・ブリューゲル(父)
東方からやってきた3人の博士たちが幼子イエスを拝んで帰ったあと、猜疑心を持ったヘロデ王が幼子殺害を決意します。この事態に主のお使いが夢で養父ヨセフに現れ、「幼子とその母を連れてエジプトに逃げなさい。」と言われます。 -
イチオシ
ヨセフはその夜のうちにイエスとマリアを連れてエジプトへ旅立ちます。その道中の風景はこの世のものとは思えないどこにも存在しない美しい風景です。 -
「キリストと不倫した女性」
ピーテル・ブリューゲル
律法学者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて来て真ん中に立たせイエスに尋ねます。「この女は姦通をしている時に捕まりました。こういう女は石で打ち殺せとモーセは律法の中で命じています。あなたはどうお考えになりますか?」 -
イエスは身を起こして言いいます。「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」
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「アダムとイブ」
ルーカス・クラナッハ
旧約聖書のアダムとイブの失楽園の場面です。当惑したアダムにイブは禁断の木の実を手渡しています。鳥と動物の豊かな楽園には雄鹿や雌鹿に羊、ノロジカの雄とライオン、とイノシシ、馬やコウノトリとアオサギが周りで2人に寄り添います。 -
イチオシ
木の幹の上の蛇は2人を見ています。その下にクラナッハの紋章の一部と1526の年号が描かれてあります。クラナッハはマルティン・ルターの親友でもあったので彼や彼の家族の肖像も多く残しています。しかしブドウの木が絶妙な枝振りで股間の辺りに生えています。
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「ジェームス1世の恩恵」
ピーテル・パウル・ルーベンス
この絵はロンドンのホワイトホール宮殿のバンケティングハウスの天井のために描かれた擬人化した9つの寓話をルーベンスが描いた下絵です。この女性は恩恵を表し、肩に担いだ豊穣の角の中には果物や金貨と国王の笏と王冠が入っています。 -
チャールズ1世はルーベンスにこの寓話を父王ジェームズと前スチュアート王朝の寛大さと繁栄を賛美する内容で依頼しました。皮肉にもチャールズ1世は1649年バンケティングハウスの前で公開処刑で斬首されます。チャールズ1世が見た最後の芸術作品がこの部屋の天井画でした。
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コレクションも素晴らしいですが、建物のインテリアも品が良いです。
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「アランフェスのサン・パスカル・バイロン教会のための5枚の油彩スケッチ」
ジョバンニ・バティスタ・ティエポロ -
スペインのアランフェスの教会の祭壇画の為にティエポロが描いた下絵ですが、その完成度には驚かされます。バロック的な躍動感と優美なロロコ的な雰囲気も感じます。
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「栄光の聖アロイシウス・ゴンザーガ」
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ -
「雄弁さの力の寓話」
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ -
「聖ロッシ」
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ -
「聖クレメントの殉教」
ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ -
「La Loge(桟敷席)」
ピエール・オーギュスト・ルノアール
ルノアールの初期の重要な代表作「桟敷席」です。第1回印象派展に出品されたなかで批評家たちから好評を博した数少ない作品の中の1点でもあります。 -
イチオシ
モデルはニニ・ロペズとルノアールの弟のエドモンです。男がオペララスで見ているのはステージでは無く、上階にいる著名人を覗き見ているようです。
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「ステージで踊る二人の踊り子」
エドガー・ドガ -
まるでボックス席に座って舞台を眺めているような気分になってきます。ドガは舞台裏を観察するための許可証を購入していました。そして彼の絵と彫刻の多くはステージを離れてダンサーに集中します。
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イチオシ
印象派の画家たちにとって劇場や駅などは絵画の重要なモチーフだったそうです。
自然光では無い電灯の光をここまで劇的に描いたのはドガくらいではないでしょうか。 -
イチオシ
桟敷席の絵の中のニニ・ロペズは白黒の縦ストライプのドレスを着て、それを観る現代の女性は黒いパンツに横ボーダーの服を着ています。お互いの視線が重なっているように見えました。
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「アンティーブ岬」
クロード・モネ
アンティーブの街はフランスのニースとカンヌの間にあります。地中海沿いの風光明媚な観光地です。その海岸に立つ1本の松。東京都美術館で開催されていた「新印象派 光と色のドラマ」の展示会に出ていました。 -
「夢」
ポール・ゴーギャン -
ゴーギャンの描いた女性像には今まで魅力を感じませんでしたが、この絵の女性の表情は違って見えました。
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「ネヴァモア」
ポール・ゴーギャン
絵のモデルはゴーギャンのタヒチの妻のパフラで2回目のタヒチ滞在中の屈指の名作だそうです。 -
アメリカを代表する小説家兼詩人エドガー・アラン・ポーによる詩「大鴉」に記された「二度と無い(ネヴァモア)」と鳴く神秘の鴉との明らかな関連性が指摘されている作品ですが、ゴーギャン本人は否定しているようです。画面上部左側の窓に「悪魔の鳥」として象徴的で平面的な青い鳥が描かれており横たわる裸婦を見張っています。
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「アンブロワーズ・ヴォラールの肖像」
ピエール・オーギュスト・ルノアール
仏領レ・ユニオン島のサン・ド二で生まれたアンブロワーズ・ヴォラールは、19世紀末から20世紀初頭のフランスでもっとも重要な美術商の1人です。 -
有名無名の多くの美術家たち(その中には、ポール・セザンヌ、パブロ・ピカソ、ポール・ゴーギャン、フィンセント・ファン・ゴッホ、ジョルジュ・ルオー、アリスティード・マイヨールら印象派やポスト印象派の画家がいる)に対して物質的と精神的な援助を行い、個展を開いて世界に知らしめたことで知られた存在です。
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「フォリー・ベルジェールのバー」
エドゥアール・マネ
1882年に完成した油絵でマネが完成させた最後の作品です。1869年開業のミュージックホール「フォリー・ベルジェール」の中にあるバーが題材の写実主義絵画で、フランス最初のミュージックホールの雰囲気が醸し出された作品と言えます。 -
バーテンダーの女性が中心に立ち、左右にシャンパンやビールが描かれています。後ろの鏡に映っているのはシャンデリアの下で客が飲食している店内です。鏡に映った女性と彼女に話しかけているように見える男性の客の影が右側に写っているのが特徴で、この客は実際は画家の視界の外にいてバーテンダーを見てはいません。
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この絵はマネの友人のエマニュエル・シャブリエが所蔵していたそうです。手持無沙汰な女性バーテンダーの虚ろな眼差しが印象に残ります。
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イチオシ
この美術館で観たいと思っていた作品の1つです。
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グラスに入ったバラの花二輪だけでも1枚の絵になります。
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「草上の昼食」
エドゥアール・マネ -
1863年のサロンに出品しましたが「現実の裸体の女性」を描いたことが「不道徳」とされ落選します。その後、同サロンに落選した作品を集めた落選展にも展示されたが、同様の理由で批評家たちに批判されるなどスキャンダルを巻き起こした作品の第2バージョンです。有名な第1作はパリのオルセー美術館に収蔵されています。
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「女性の肖像」
ベルト・モリゾ
マネの絵画のモデルとしても知られる19世紀印象派の女性画家で、マネの弟ウージェーヌ・マネの妻でもあります。モリゾと言えばオルセー美術館で観た「ゆりかご」が印象に強く残っています。 -
「ムーラン・ルージュの入り口のジャンヌ・アヴリル」
トゥールーズ・ロートレック -
ジャンヌ・アヴリルは1889年にはキャバレームーラン・ルージュに出演して、数年後にはシャンゼリゼの有名なカフェ・コンセールのひとつジャルダン・デ・パリで主役を務めています。狂想曲の宣伝のためロートレックがポスターにジャンヌの肖像を描いたためエンターテイメント界における彼女の名声をさらに高まりました。
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「耳を切った自画像」
ビンセント・ファン・ゴッホ
ゴッホが彼自身の耳を切断していた病院から帰った直後に、この自画像は描かれました。巻かれた包帯はこの事件の前後関係の重要性を示しています。ゴッホは自身のアトリエでオーバーコートを着て帽子を被っています。 -
左の空のキャンバスはより多くの仕事が来る願いを示唆し、右の上の日本の浮世絵は彼にとっての大きな芸術的な興味の領域を表しています。
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これは佐藤虎清の浮世絵でゴッホが所有してアトリエの壁にピンでとめたものです。 彼自身の顔を構成するためにゴッホは右の方へ富士山を移しています。アルルはゴッホの想像力の中では日本のような場所でした。
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「花の咲いた桃の木」
フィンセント・ファン・ゴッホ
ゴッホが1888年にフランスの南部で落ちついてからしばしば描いたアルル郊外の平野の風景です。 彼は画家ポール・シニャックに手紙で日本の風景について語っています。 -
この風景にも日本的なものを感じていたのでしょう。右奥の白い雪を頂いた山は富士山のようで、手前の桃の花も日本的であります。以前シチリア島を旅していて、エトナ山をバックに咲き誇るアーモンドの白い花の絵葉書をニューヨークの友人に富士山と桜と偽って送ったことを思い出しました。
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「化粧をする若い女性」
ジョルジュ・スーラ
この絵はスーラの点描画家としてのテクニックを実証しています。 壁の上の光と影の変調は、様々な集中と強さで並置されるきれいな色の小さな点を使って完成されています。 -
スーラの描いた若いモデルは彼の愛人であるマドレーン・クノブロッフでした。彼女は彼との間に2人の息子をもうけました。この絵は非常に個人的な絵画であったと感じさせます。
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これで4日間に渡るロンドンの美術館と博物館めぐりは終わりです。家に戻ったら整理しないとベルギーとオランダで観た絵画との境界が曖昧になって来ていました。見たかった作品が幾つか観られなかったのは残念ですが、新しい驚きや勉強になったことも数多く充実した旅でした。
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暫らくサマセット・ハウスの中庭で噴水を眺めながら休憩しました。
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噴水には強弱があり、1人の女の子が反対側まで行って戻ってきました。途中噴水の水が強くなり彼女はびしょ濡れになりました。友達とキャアキャアいう声が中庭に響いています。
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我家の夏休みももう終わりです。ロンドンだけでも5泊では短すぎました。またいつか再訪したいものです。妻の待っているホテルへ戻り最後の晩ご飯に出掛けましょう。
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