近代建築散歩　池袋編　自由学園明日館・立教大学

2013/11/30 - 2013/11/30

街なかに残された古き良き建物を訪ねながら東京の街を散歩をする。
それが何も予定のない休日の私の過ごし方のひとつ。
今回は、小江戸川越の街歩きのあと、乗り換えの池袋で近代建築を眺めながら散歩しました。
フランク・ロイド・ライトと彼の日本人弟子の遠藤新とのコラボ作品、自由学園明日館はあいにく結婚式で貸切のため中を見ることができず、代わりに立教大学内のチャペルや校舎を見てきました。
今回はいつも使用中で中に入ることのできなかったチャペルをじっくり見ることができて大満足でした。
キャンパスの隣接地にある江戸川乱歩邸にも行きたかったのですが、ここも公開日が月・水・金の３日間で表からしか見ることができませんでした。

エリア 池袋(東京)

• 旅行の満足度: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: JRローカル 私鉄 徒歩

川越を散策した後、久しぶりに自由学園明日館を見ようと思い池袋で下車。

駅から歩いて１０分ほどの西池袋にある明日館に向かったのですが、あいにくこの日は結婚式の披露宴のため貸切で中に入れず。

外観だけしか見ることができませんでした。

こちらの建物は、私の大好きな建築家の一人でもあるアメリカの巨匠フランク・ロイド・ライトの設計による、日本の残っている数少ない遺構のひとつ。

シンメトリーな外観は奈良の平等院鳳凰堂をイメージしたのだとか。

ライトは建設途中でアメリカに帰国してしまい、向かって右側のこの教室棟は、そのあとを引き継いだ遠藤新による設計。
子弟のコラボ作品になっているわけですね。

道路の向かいにある講堂は２年後に建てたもの。

こちらは遠藤新の設計ですが、このあたりを見るといかにもライト建築といった印象を受けます。

向かいあっている建物なので意図的に同じような意匠にしているようです。

建築散歩としてはちょっと消化不良のため、近くの立教大学のキャンパスへ移動

まずはチャペルから。

♪蔦の絡まるチャペルで　祈りをささげた日♪

そんな歌がありましたね
何だったろう？

そうだ「学生時代」でした

でも、そのチャペルはここではなく青山学院大学のベリーホールでした。

いつも使用中で中に入ることのできなかったこのチャペルですが、ようやく中に入ることができました。

このチャペルは、正式な名前は立教学院諸聖徒礼拝堂

大正９年にマーフィ・アンド・ダナ建築事務所の設計、清水組の施工により
建てられました。

清水組は今の清水建設の前身ですね。

キャンパス内に同じような煉瓦の建物がいくつもありますが、こちらのチャペルはモリス館、２号館、３号館、第一食堂よりも２年後に建てられています。

実施設計はマーフィ・アンド・ダナ建築事務所によるものですが、基本設計はどうやらJ.M.ガーディナーによるものだそうです。

東京を代表するミッションスクールの立教大学。

池袋の駅周辺の喧騒を抜けてわずか１０分かからない距離にあるキャンパス

都心とは思えない雰囲気と静けさを保っていますよね。

こうした煉瓦の校舎が集まっているキャンパスは希少な存在ですよね。

この第一食堂
この日はＯＢのイベントをやっていて中に入れませんでしたが、たぶん日本でいちばんおしゃれでおいしい学食ではないかと思います。

前回来たときはリゾットとコロッケのランチを食べましたが、すごくおいしくて確か３５０円でした。
いつもは一般にも開放しているので、ワンコインでおいしいランチを食べることができるのでお勧めですよ。

池袋のキャンパス内のレンガ造りの古い建物はすべて大正７年と大正９年に造られていますので、もうすでに１００年近くの歳月を経た建物

今の新しい校舎と違って風格がありますね。

一見シンメトリーに見える本館のモリス館よく見ると左右に伸びた塔の部分の高さが違います。
なんでだろう・・・？

こちらの２号館と３号館はもともと教室ではなく寄宿舎として使われていたそうです。

レンガの壁に蔦が絡まると絵になりますね。

私は近代建築の中でも大学建築が大好きで、日本全国の大学のシャンパスに出かけていますが立教大学は好きな建物の一つ

関東ではここ立教大学と白金にある明治学院大学が好きでよく来る場所です。

関西に行くと結構好きな大学がたくさんありますが、なんといっても一番好きなのは、私の大好きなヴォーリズが設計した西宮にある神戸女学院と関西学院大学

そして京都に行くと、いま八重の桜で毎回出ている同志社大学。
ここは京都大学とともに京都に訪れると必ず訪れる場所の一つです。

レンガの外壁に絡む蔦も紅葉してますね

モリス館の中に入ってみるとこんな感じ

こんな感じ

レンガの外壁にイチョウの黄葉も映えますね

人の少ない週末のキャンパスはのんびり散策するにはもってこいの場所

天気がいいのでイチョウの黄葉が一段ときれいに見えますね

立教の創設者のチャニング・ムーア・ウィリアムズ主教の銅像がチャペルの西側にあります。

旧図書館は入り口が閉鎖されて改修工事中でした。

そういえばキャンパス内に江戸川乱歩が住んでいた住宅があるはず。
いつも来るたびに気になっていたのですが今日こそ探してみましょう。

６号館の北側に建っているタイル張りのこの洋館が乱歩邸でした。
週に３日、月・水・金は公開されているそうですがこの日は休館日。
外から眺めるだけ.
「怪人二十面相」で有名な江戸川乱歩は、東京だけで２６回も転居した引越摩だったそうですが、移り住んでからは亡くなるまで動くことはなかったそうです。
よほどこの場所が気に入ったんでしょうね。