2011/10/18 - 2011/10/18
33位(同エリア60件中)
サンルカさん
丘の上の一軒宿で迎える朝。
窓の外はどんよりとした曇で覆われていました。
そして数日前から朝夕がめっきり冷え込むようになりました。
どうやらイタリア全土に寒波がやってきているようです。
でも雨の心配は無さそうなのでまったく問題なし。
さて今日はルネッサンスの理想都市ウルビーノを訪ねます。
このウルビーノを訪れるのは実はこれが3度目?
でも町中を歩くのはこれが始めてという謎な訪問でしたが……。
とにかくウルビーノで心置きなくルネッサンスを堪能?
できたかどうかはこの際置いておくとして、
まずはどうしても行ってみたい場所があったので、
そこを目指して歩いていきます。
それにしてもこの町の坂はどうなっているの?
これだけ上り下りがきついと、あちこち探索もできません。
イヤイヤ、あの急坂には参った!!
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ウルバーニアで迎えた朝。
うっすらと明るくなってきた今朝の空は、ちょっと厚めの雲で覆われています。
窓からは昨日見つけた隣村の姿が見えています。
地図によればペーリオという名前のよう。
後ほど訪ねてみることにしましょう。 -
朝ご飯まではまだちょっと時間があるので、宿のまわりを散歩でもしましょうか。
東の空が明るく照らし出されると、
暗闇の世界から景色が浮かび上がってきました。 -
こちらはバスルームにある窓からの景色。
お隣の建物にオーナーさんのご両親が住んでいます。
オーナーさんはマルケ州の職員をしているそうで、
お住まいはウルバーニアの町中にあるとのこと。
宿泊者がいるときだけここまで通ってくるそうです。
ここはウルバーニアの町から2キロほどの場所。
クルマでたった5〜6分くらいの距離なんだけど、
まるで高原の隠れ家宿にでもいる気分が味わえます。 -
ここは2階にある宿泊者の共有スペース。
誰も使わないのがもったいない贅沢な作りです。
建物は最近リノベーションが終わったばかりで、
どこもまだ真新しく清潔さが残っています。 -
そしてここがレセプション兼用の朝食ルーム。
将来的にはレストランとしてでも使えそうな設計となっているのかな?
奥のトビラの先が本格的なキッチンになっていて、
「自由に使っていいよ」ってことでしたが、
周辺に美味いものが溢れているマルケに来てまで、
自炊しようかという発想は浮かんできません。
そういえば今日は珍しく我々以外にも宿泊者がいるみたい?
昨夜、夜ご飯を食べに出かけている間にみなさん到着していたのでしょうね。 -
テーブルにはおばあちゃんが焼いた美味しそうなケーキやタルトが並んでいます。
これこそ典型的なイタリア式の朝食ですね。
それにしてもこんな何種類も用意してくれるとは。
テーブルのセッティングからすれば、
たぶんこの日の宿泊は5人だと思うのだけど……。
イタリアの朝はやっぱりこれに限ります!!
素朴な味わいですが、どれも美味しく朝から最高!!
でも「もっといっぱい食べてね!!」って言われても、
朝からそんなには食べられません。 -
奥のテーブルはこんな感じ。
申し訳程度にサラーミやチーズも置かれてますが、
こちらの人々は誰も朝から手を付けません。
寝起きにそんなもの食べるのは健康に良くない
というのが欧州での常識とされてます。
でもこれらはお父さんの手作りだとのことで、
街中のホテルで出される業務給食用とは違います。
ひとくち味わってみてもよかったかな?
手作りジャムは美味しかったです。 -
カッフェ・エ・ラッテをおかわりしたら、そろそろ本日の行動開始。
未舗装のデコボコ道を走って丘を下りてくると、
見えてきたのはウルバーニアの見どころのひとつ
パルコ・ドゥカーレ・オ・バルコ。
昔はウルビーノの公爵たちの狩り場だったのだとか。 -
でも、そんな有名で大逸れた建造物よりも、
こんな名もない廃墟? のほうに興味が引かれます。
住民がいるようなので廃墟ではありませんが、中を探検してみたくなってきます。 -
廃墟はさておき、今朝最初にやってきたのは
ウルバーニアから北東方向に12キロほどの隣町、
芸術と文化があふれるウルビーノです。
バス停がある広場の駐車場は有料なので、
高台にある無料の駐車場にクルマを停めて……。
あれ? 今日は市場の日?
丘の上の道にはずらりと市場が出ていて、
クルマを置いておく場所が空いていません。
狭いスペースになんとかクルマを押し込み駐車完了。
さあ町へ繰り出しましょう。
駐車した通りの近くからはこんな風景が望めます。 -
青空市場は全国各地でやっているいつものやつ。
安かろう悪かろうの品揃えで興味はありません。
見て歩くのも時間の無駄なので脇道をパスします。
この辺りは歴史地区が一望できる公園になってます。
こんな景色を脇に見ながら町へと急ぎましょう。 -
ここがラッファエッロ通りというのでしょうか?
この坂を下ってここまでたどり着きましたが、
振り返れば転げ落ちそうなぐらいの急勾配。
帰りにまたこれを登るかと考えるとゾッとします。
そして、さすがにイタリアを代表する観光地。
世界中からわんさかとやってくる観光客、それに
大学もあるので人出が凄いことになっています。
昨日のウルバーニアとはえらい違い!? -
田舎の小さな町とはいえさすがにウルビーノ。
華やかさと威厳さが町中に溢れています。
で、ここは町の中心となるレプッブリカ広場。
観光地らしいおしゃれなカッフェやお土産屋さんが、
狭い広場を囲むように軒を並べています。
お隣のウルバーニアとはえらい違い!? -
ビッグな観光地が苦手な我々がここにきた目的は、
そうです、大学の訪問だったのです。
といっても勉学のためではありませんが……。
こっそりと建物内部を見せてもらいましょう。 -
周囲と調和する古めかしい建物に一歩入れば、
中はこんな感じでアーティステックな雰囲気。
教室が丸い中庭を取り囲んで並んでいます。 -
トイレの扉も美しくデザインされています。
とうぜんバリアフリーなどどこ吹く風?
使いやすさよりも美と存在感が最優先なのです。
我が国なら真っ先に誰かがクレームを言いだし、
足元の段差は即座に削り取られることでしょう……。 -
コンクリート打ちっぱなしの階段もどことなくスペース的なデザイン?
ちょうど授業中だったのでまわりに人がいないのを良いことに、
上に行ったり下に降りてみたり……。 -
見てみたかったのがコレ!!
ガラス張りのテラスです。
今どきこんなデザインは珍しくありませんが、
これはたぶんその走りなのかな?
建築に詳しいわけではないので、定かではありませんが……。
歴史あるウルビーノの古い景観の中に、
みごとに調和する?? 現代建築なのです。 -
見る角度を変えるとこんな感じです。
当時はいろいろと物議を醸したのでしょうね。 -
外にも出てみましょう。
中世と現代とのミスマッチな感覚。
これもまた良し……。 -
設計者が誰かって?
それは知りません!!
ついでに、いつ頃作られたのかも知りません。
それは拙いということで少し調べてみたところ、
ジャンカルロ・デ・カルロって設計家の作品で、
1970年前後に作られたということが分かりました。
彼は1964年にウルビーノ都市計画をスタートさせ、
町づくりにも大きく関わっていたようです。
現代建築を見るのは好きなのですが、
知識はまったく持ち合わせていないもので……。 -
町の外れの高台に建設されているので、ここからの眺めもなかなかのもの。
ということはこの建物も遠くからよく見えるはず。
ウルビーノのランドマーク的存在なのでしょう。
現代建築にこれっぽっちも興味がない人からみれば、
きっと目障りな存在なのでしょうね。 -
これはこれでなかなか良い雰囲気でしょう?
中世に作られた教会等も良いのですけど、
そればっかりではさすがに見飽きませんか?
そんなときはイタリアン・ミッドセンチュリー。
各地に感動的な作品がたくさん建てられていて、
最近はそっち系を巡ることが多くなってきたかな。
また、骨董市なんかでは60〜70年代の
コンパソ・ドーロ物を見つけては買い集めたり……。 -
ランドマークをじっくり堪能させてもらいました。
ってことでウルビーノでの目的は達成!!
では次に行ってみましょうか。 -
ドゥオーモのあたりまで戻ってきました。
この建物がドゥオーモだったのでしょうか?
そういえば中に入らなかった……。 -
その代わりにドゥカーレ宮殿に立ち寄りました。
通路を通って中庭にまで行こうとしたら、建物内から係の方が駆け寄ってきます。
「チケットはこっちで売ってますよ」って。
タダで入れるところだけ見て帰るつもりでしたが、
そんなケチな考えの人は滅多にいないのか、
「この先ではチケットは買えませんよ」と
我々の二度手間を心配して親切に教えてくれます。
「チケットはあとで……」とか何とか言って
その場はお茶を濁しましたが……。 -
宮殿内は美術館になっているとのことで、とうぜんのごとく入場料が必要です。
日本でも美術館などまず行かないというのに、
旅行に来たからってにわか絵画ファンにはなれず、
ましてお金を払ってまで見たいかといわれると?
恥ずかしながらフィレンツェには何度も行ってますが
ウフィツィには足を踏み入れたことがありません。
宮殿の建物への興味は無きにしもあらずですが、
あちこちで見てきたのでそろそろ飽き気味!?
ということで、タダで入れる宮殿の地下を見学。
これだけでも充分迫力があります。 -
思ったよりも広い範囲が見学可能。
フェラーラやその他で見たお城もそうですが、
この手の建物の地下部分は台所や洗濯場のような
水仕事を行う場所となっていたようです。
それにしてもひとつの空間が広い。 -
小さな扉の奥にこんな小さな空間が。
ここは礼拝堂だったのでしょうか?
壁や天井には細かな装飾がきれいに残っています。 -
光が差し込む大きな窓も雰囲気ばつぐん。
対岸の小高い丘がクルマを停めた辺りかな?
宮殿を訪れる人々は多そうですが、地下にまで降りて来る人は少ないのか、
のんびりと探索してまわることができました。
そろそろ地上に戻りましょう。
あとでチケットを買うとは言ったけど、上の階の絵画館にはやっぱり入りません。
嘘をついてしまってごめんなさい。 -
宮殿をあとにしてレプッブリカ広場方向へ。
高貴な絵画はあんまりだけど、この手のストリート系は案外好きかも?
で、そろそろお昼の時間になりました。
でも広場周辺はさすがに観光地だけあって、
まともな食事処がまったく見当たりません。
お値段だけは一人前でも味はきっとダメ……。
そんなこんなで今回は妥協をして、
メイン通りの店でピアディーナを買ったのですが。
これでこの地方の名物と言われても……。
残念ながら、こんなものはピアディーナじゃない!!
覚悟はしていたけどやっぱり観光地クオリティー。 -
美味しいもので溢れているはずのマルケですが、やっぱりウルビーノは観光地?
急坂に行く手を阻まれ、体力と気力を奪われ、妥協したのが敗因でしたね。
食事にこだわるなら、とっとと観光地を離れて郊外で探さなかったのは大失敗!!
イタリアって、感動的な味を提供するお店と、
観光地のインチキなお店との差が大きすぎます!!
そんなこんなで再びあの急勾配を、
息も切れ切れで登りきってクルマまで戻ります。
美味しい食事にありつくことはできませんでしたが、
そろそろウルビーノをあとにしましょう。 -
来たときとは違うルートでウルバーニアへ戻ります。
その途中で通過したフェルミニャーノの町で、こんな気になる風景に出会いました。
何かの工場でしょうか? -
近くにクルマを停めてちょっと町を見学。
14世紀頃に作られたという石橋を渡って塔の麓にまで行ってみます。
でもそこには工場らしき建物へのアプローチはなし。
あちこちウロウロとしてみましたが、
どうも工場の間近には近づけないみたいです。
現在稼働中なのかも不明でした。
お昼休み中で町に人気もありませんし……。 -
気持ちを切り替えて次にいきましょう。
朝、部屋の窓から見えたペーリオにやってきました。
想像していたとおりの面白そうな丘の上の集落です。 -
村の中心広場です。
ここにはバールが一軒オープンしていますが、
暖かな太陽に照らされてとても居心地が良さそう。
周囲のお店はお昼休み中で静まりかえっています。 -
頂上に建つ塔を目指して歩いていく途中の路地。
ひっそりとして、とても良い雰囲気。
建物の壁にはなにやら絵が描かれています。 -
あらら、なんか良い感じですよ。
のんびりブラブラと路地裏散策を続けます。
なんちゃら国立美術館とかでかしこまって絵画を鑑賞しているより、
芸術はこんな風に気楽に触れる方が好きです。 -
教会の裏手に出てきました。
丘の上のランドマークとなっている小さな塔が建っているのはこの先の高台の上。
崖の急坂を登ればあと一息でたどり着けそう。 -
ようやく塔の麓まで到着できました。
丘の頂上は広々とした芝生の広場になっています。
塔のてっぺんには月を盗もうとする人がいますね。
ここは芸術家の村なのでしょうか? -
塔の広場からの眺め。
起伏ある大地が360°眼下に広がっています。
手前にある屏風らしきものも、
きっと誰かの芸術作品なのでしょうね。
この手の作品が村のあちこちにありました。 -
同じくウルバーニアの町方向の眺め。
町はメタウロ川渓谷の低地を中心に
形成されていることが良くわかります。
次の予定もあってペーリオ探索もこれにて終了。
機会があればゆっくりと過ごしてみたい村でした。
さぁ、次にいってみましょう!!
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