江南の郭洞・郭洞古鎮・幽装如洞・１/２

2011/07/03 - 2011/07/03

山奥にある、風水の最良のくぼ地。賑やかな自由市場を通り抜け、２０分ほど進むと、バスは左に曲がり狭い山道に入った。さらに１０分ほどで視界が開け、両側に民居や酒屋と思われる建物が見え始めた。前方が郭洞だ。三方を山に囲まれている郭洞は、緑の森に隠れているかのようで、人々はかつて「山環如廊、幽装如洞（山にかこまれた洞窟のような村）」とその地形を形容した。「郭洞」という村名も、もちろんそこから付けられた。郭洞の住民の姓は「何」が大多数で、往々にして想像する「郭」ではない。約６００年前、何寿之という役人の子供が、祖母の暮らす郭洞の美しく静かな環境に魅せられ、家族で移住してきた。その後、郭洞では何姓の子孫が実力者となり、先住民だった趙氏と呉氏は没落していった。現在、村には２０００人余りが暮らしているが、８０％以上が何姓だ。
（中国・江南　古鎮遊）より

エリア 中国

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

バスターミナルの周りには朝飯を準備している。

中国人は皆、朝飯は買って済ませるようだ。

焼そば、豆腐。計５元。

キップ売り場や待合室等の建物は有りません。

時刻表、運転席にあった物を写しました。７時３０分発
８時着、３.５元。

入口脇の林、太い木が残っています。

郭洞村の文字が薄く残ってます。

地元の人が入場券の検札をしています。石を積み重ねて造られた大門から村に足を踏み入れると、郭洞の最初の景勝地、水口がある。上の横額には「古泉双里」とある。

郭洞の水場は、江南地方の古村の中でも代表的といえる。橋、廟、池、山など、自然と人工的なものが融合し、模範的だ。池の向こう側は、郭洞の水車による米つき臼の遺跡だ。

大きな木製の歯車が回転し、臼をまわす。

手動式の臼も展示されている。

大きな木製の歯車が回転し、杵を上下する。

池から水車を回した水は下の川へと流れ落ちる。

回龍橋は、錠のような役割を果たす。ここを流れる小川をせき止め、郭洞の人々に幸運をもたらす風水の地形に鍵を掛けている。回龍橋の周辺は絶景で、雲と霧に包まれた緑の龍山が向こう側に見える。

この橋は郭洞史上、最も古い建築物で元朝時代に造られた。清康熙六十年重建。言い伝えによると、かつては「石虹（石の虹）と呼ばれていた。

回龍橋は半円形の橋で、中央に亭（東屋）がある。

天井の絵も綺麗です。

橋げたには「石虹三駕」の四文字がある

反対側の文字は判読できません。

石柱は四角く、梁には蓮の花と雲雷紋が刻まれている。

この石碑は回龍橋の建築にあたった人たちを記念して作られたという。地元の人によると、回龍橋の建設にまつわる歴史を記した際、あまりに紆余曲折が多く、石碑に全容の記録は無理ということで、思い切って何も刻まない石碑を残すことにした。

道教の観、

中には関羽が祭ってありました。関帝廟です。

中には何もありませんでした。

回龍橋から龍山を仰ぎ見ると、郭洞がまるごと、龍山の麓に貼り付いていることがよくわかる。

もし龍山に雨が降り山崩れが起きれば、村が壊滅するほどの災害に見舞われる。そのため郭洞の祖先たちは約束事を作った。「いかなる村人も、山木を伐採してはならない。龍山の大木を伐採した者は片腕を切り落とし、小木を伐採した者は指一本を切り落とし、枝を折った者は爪一枚をはぐ

険しい山道に分け入って龍山に登ると、空はたちまち暗くなった。郭洞が薄暗い洞窟とすれば、ここはまさに洞窟のなかの最も奥まった場所といえる。

太い古木が何度も肩をかすめ、童話の世界の森林の衛兵のようだ。山林のすがすがしい空気の中、湿った冬の雨が頬に当たり気分爽快になった

龍山の茂みのマイナスイオンは、都市部の室内の１００倍以上で、飛びぬけて良質だ。

村には六つの井戸があったと言う。

何氏宗祠の門は、とことん工夫がこらされている。その彩色画と対句にも手抜きがない。

門には二人の文官が描かれている。これは郭洞の人々が子孫に対して、学問を深め官僚の道を歩んで欲しい切実に願った事の表れだ。

明朝時代の万暦年間に建てられ、４００年以上の歴史があるが、当寺の姿を保っている。

何氏宗祠の戯台は、似た類の舞台と比べて大きいとはいえないが、風格と精巧さは希少価値といえる。鮮やかな色彩画と精巧に造られた梁には、この数年来の観光開発の痕跡もあるが、戯台の骨組みは昔のままだ。

何氏宗祠の最大の特徴は、額の多さだろう。広間の梁にすべて掛けられ、一見すると重なり合った花のように見える。４０幅以上の額があるそうで、いずれも歴代の官僚や著名人が郭洞の人に贈ったものだという。

典型的な微式様式で、高くて真っ白な塀に囲まれ、塀に使われた煉瓦は炭のように黒く、何層かの美しいラインを描いている。塀全体がまるでシンプルな水墨画のようだ。中には何家の先祖の位牌を安置している。

何氏宗祠の中庭には樹齢４００年以上の柏（檜）の古木がそびえている。

同時に、郭洞の人は学問のみならず武術の習得にも時間を割いた。村にはかつて武術館があり、明朝と清朝時代、３５人の武秀才を輩出し、武挙人も一人育てた。

これも祖先を祭るものでしょう。

何氏宗祠にある郭洞の地図です。ネットで探しても見つから無い物です。

３０元、老人票は２４元でした。

郭洞の地形は独特だ。三方を山に囲まれ、まるで天然の壁がそびえているかのようだ。村の入口で２本の小川が合流し、山里は他にはない雰囲気をかもし出している。

この旅行記へのコメント （5）

• ぶーさん 2013/07/02 10:38:00

  参考になります

  はじめまして。ぶーと申します。
  今年の8月に古鎮観光をしようと思い、こちらにたどり着きました。
  それぞれの古鎮の様子や行き方などが、とても参考になります。
  これからすべての記事をじっくり拝見して、どちらに行こうか決めたいと思います。今の所、この郭洞がいいなあと思っています。
  素晴らしい旅行記を公開してくださり、誠にありがとうございます。

  中国の風景さん からの返信 2013/07/02 11:43:15

  RE: 参考になります

  こんにちわ、ご覧いただきありがとうございます。
  江南の古鎮を回りましたが江南古鎮３４の内、三門源、廿八都、新葉、林杭、皤灘は行っていません。今度回って完成させたいと思っています。回りましたらぜひ交通手段、格安ホテル等をお教え下さい。
  私のホ−ムページをご覧ください。
  http://members3.jcom.home.ne.jp/masa-aze3377/
  です。
  バスの本数が少ない為苦労するかと思いますが頑張って行って来てください。「中国の風景」江南古鎮３４

  ぶーさん からの返信 2013/07/02 13:06:52

  RE: 参考になります

  ご返答ありがとうございます！
  さっそくホームページ拝見しました。とても見ごたえがありますね。市販のガイドブックよりずっと参考になります。
  たくさんの情報をありがとうございます。

  中国の風景さん からの返信 2013/09/23 04:29:13

  RE: 参考になります

  
  ぶーさんへ
  ご無沙汰いたしております。８月の郭洞古鎮へは行って来ましたか？
  ぜひ旅行記を拝見させていただきたいと思います。
  マイナーな所なので旅行記が少ないのでぜひ投稿してください。
  ９月２６日より残った５ヶ所をなんとか廻りたいと準備中です。

  ぶーさん からの返信 2013/09/23 11:55:16

  RE: 参考になります

  こちらこそご無沙汰しております。
  郭洞、行ってまいりました！今回、他にも上海、西塘、湖北省の武当山に行きましたが、郭洞がいちばん素敵な場所でした。しとしと雨が降っていましたが、それがまた似合う、風情のある静かな村でした。
  行き方については、中国の風景さんのサイトで十分予習できていたので、スムーズに行くことができました。改めてありがとうございます。それに、中国の方にもバス停に案内してもらったり、降りるバス停を教えてもらったり、とても助けてもらいました。
  今度改めて旅行記をまとめてアップしたいと思います。
  今後とも中国の風景さんの投稿も楽しみにしております。(^^)