江南の楠渓江・蓬渓古鎮・山水詩

2011/07/05 - 2011/07/05

詩人の子孫が住む小さな桃源郷。蓬渓は詩人、謝霊運を抜きには語れない。この古村には、彼の子孫が今もたくさん住んでいるからだ。謝霊運の一生は、愛するこの大自然と共にあった。当時、役人の腹黒い駆け引きの中で、この永嘉の美しさだけが、彼の心を限りなく癒した。彼は曲がりくねった山道をずっと、ずっと、ずっと歩き続け、そして山奥の果てのこの地で歩みを止めた。その瞬間、山も谷もシーンと静まり返り、詩人が詩を詠むのを待った。現在、蓬渓へ向かうには、バスでくねくねと曲がった道をひた走る。村の入口のそびえる楠の古木が視界に入れば、そこが美しい蓬渓だ。（中国・江南　古鎮遊より）

エリア 温州(中国)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 2.0
• グルメ: 3.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 高速・路線バス
• 旅行の手配内容: 個別手配

岩頭のバスターミナルより鶴盛行に乗る。７時１５分発、７時４５分着。４元。

後で周った芙蓉古村で手に入れる。蓬渓には案内所も看板も何もありません。観光客など来ない静かな村です。

バス通りに建つ、村の入口を表す牌楼です。現在道路拡張工事中楠渓江の支流沿いの崖を削り舗装工事をしています。今後は快適に村を訪れる事が出来るでしょう。でもここは自然のまま残して置きたい場所です。「蓬渓村」「山水詩宗」の額がある。

牌楼脇に立つ謝公霊運像。楠渓江は浙江省温州(永嘉)郊外の景勝地です。 山水詩の元祖と称されている偉大なる詩人謝霊雲(385-433)の故郷であります。広州で殺害された後、棺を永嘉へと運び込んだ子孫が、北宋の時代、一念発起して鶴盛渓の畔に移住、村を開墾し、祖先が愛したこの地で暮らし始めた。

山水画は世界的な芸術の一つ、そして山水詩は山水を文字で描いた文学です。その祖とされる南朝の詩人謝霊運（385?433）は、左遷された永嘉（現在の浙江省温州市）の自然にふれてその美に魅了され、山水詩創作を開始しました。誰もが謝霊運の描いた自然を見てみたいと思いながら、謝霊運の時代は古く。また描いた自然は山水の奥深くであったため、これまで訪れた人は多くありませんでした。

古桟道に建つ道教の観、風水的にも良い場所です。昔、その絶壁の上に村民は一里ほどの小路（古桟道）を造ったが、それは唯一の村の出入口だった。

偉大なる詩人謝霊雲が山水詩で詠んだ鶴盛渓の景色です。東から西へ流れる鶴盛渓は楠渓江の支流だ。この周辺では、かつてツルがよく見られたことからこの名がついた。、

船崖摩崖。桂林の景色にも負けていません。鶴盛渓に隣接する蓬渓は、楠渓江中流で最も美しい古村といえる。東西と南の三面を山に囲まれ、谷間にある細長いむらは、まるで小さな桃源郷だ。

船崖摩崖。崖の上に建つ東屋、絶景が見られます。

村の入口にある楠の古木の下から鶴盛渓を眺めると、穏やかな水面に周囲の静謐な山が逆さまに映り、まるで桃源郷の入口に立っているようだ。

関帝廟の前がバス停です。ここが蓬渓古村への入口です。

沈下橋。増水すると沈む橋。

橋の袂では地元の人たちが洗濯をしています。

楠の古木に覆い隠されるように関帝廟が鎮座しているが、これは水口の安全を祈願して村人が築いたものだ。風水は村の安全と繁栄に関わる重要事項で、村人は真摯に取り組んでいる。

関帝廟前の広場は、村人が集い文化的な活動を行う場所だ。旧正月や祝祭日には、龍灯や獅子舞、あるいは賑やかな歌劇なども行われる。

廟のどの柱にも対句があるが、旧正月の時に村人が自発的に貼ったものだ。

春秋を読む関羽。

関羽のいる所に必ずいる周倉。歴史上実在していません。小説の中に出てくる人物ですが、墓もあり祭られています。

関羽の養子、関平。三人一セットで祭られています。

桃園の誓いで兄、劉備。二弟、関雲。三弟、張飛。として兄弟の契りを結ぶ。その後、魏の曹操を大いに震撼させた。

２００７年に修復を終えたばかりです。地元の人々の寄付金です。謝青法さんの壱万元を筆頭に殆んどが謝姓の方の名前が並んでいます。村の住民の大半が謝姓です。

生きていた時は将軍で、死んでから皇帝となり、更に神となった。

三国志でお馴染みの話で、漢室再興を掲げ、劉備を助け蜀の国を興す。義を重んじた忠義の人です。

関帝廟の先にある宗祠。

何故か地元の人々がテレビを見ていた。集会所なのか？祭っているのは福禄寿です。

康楽亭は村人の憩いの場。前方は広々と開け、大通りが交差する場所だ。

第十二世太祖、謝公の画像が掛かっている。

宗祠の前は蓬渓村の大通り。

村の南側の裏山に近い「近雲山舎」に辿り着いた。

中庭に入ると、右手に青煉瓦で造った透かし彫りの壁がある。これは村人が最も誇りに感じている遺産だ。

壁の幅約６ｍ、高さ約２ｍで、精微な図案が繊細に彫り込まれている。

貴重なのは、それぞれが独立した図柄で、かつ一体化している点だ。

ぱっと見は似ている花瓶の彫刻であっても、詳細に見比べると違いがわかる。

これだけの図案が、一つとして同じではないとして、当時の職人がどれほど心を注いだかが想像出来る。

依頼主である家主が職人を選んだ基準は、仕事の早さではなくその逆、遅い職人だったという。

あまりに仕事の早い職人は、解雇してしまったそうだ。

かつて蓬渓はこのような大邸宅が楠渓江一帯で最も多く、それは村に大地主が沢山いたからだという。残念なことに、大邸宅は文化大革命の時に破壊されてしまった。

現在まで保存されてきたのはそのほんの一部だ。とはいえ、近雲山舎のような少数の例から、当時の蓬渓の繁栄ぶりをうかがうことができる。

村には宋朝時代の状元（科挙の首席合格者）である李時靖の邸宅が残っている

陽光が差し込み、農家の中庭にも豊作の喜びが満ち溢れるのが目に浮かぶ。

他にも著名な建築物が残っている為、近年、多くの専門家や学者らが研究や参観に訪れるようになった。

今後どれだけのものが保存できるかが問題です。

クランク型に曲がる村の小路。

中庭部分が池になっている古民家。

山からの川を引き込んだのか？

水利権を持っている本家なのか？