2015/03/14 - 2015/03/14
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ウェンディさん
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関東地方の冬。
その大気は雪国の湿った温もりのある空気と異なり、研ぎ澄まされたナイフのように尖っている。
そんな空気の中に身を置いていると、心の底まで冷えてしまいそうな気持ちになる。
だから今年の春は、冷え切った心を解凍するために、濃紅色の河津桜が織りなす春の彩を見に行こう♪と、かなり早くから決めていた。
でも、桜が満開を迎えた週末は無情の雨。
行く事は叶わなかった。
しかし、そんなことでめげる私ではない。
それならば、第二案を実行するのみ。
かくして、築地の鮪・オークションから始まる42時間・眠らぬ旅がスタートした。
☆★☆★☆★☆★☆ 42時間・眠らぬ旅 旅行記☆★☆★☆★☆★☆
東京の中の外国☆築地・マグロの競りの見学会に潜入!
http://4travel.jp/travelogue/10990910
谷根千さんぽ☆昭和・大正レトロと出会う旅
http://4travel.jp/travelogue/10993128
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
PR
-
河津桜がきっかけで始まった42時間眠らぬ旅。
深夜の光の演出を楽しみ、築地のファミレスで夜を明かし、マグロの競りを見学した後は、朝から参加表明の友人と築地で豪華海鮮丼の朝ご飯♪
そして、此処からの旅はお江戸の下町めぐり。
浜離宮恩賜庭園で日本離れした庭園風景を楽しみ、谷根千でレトロな景色と出会う旅。
大正・昭和の薫が色濃く残る町並みを歩き、ノスタルジックな雰囲気にどっぷりと漬かってきた。 -
午前九時、浜離宮の開園に合わせる様に入場する。
関東地方に居住して20年以上経つが、浜離宮に来るのは今回が初めて。
入場料300円を支払い、エントランスでオーディオ・ガイドを借りる。
レンタル料は試験運用期間中のため無料。
オーディオ・ガイドはGPSが内蔵されていて見所に差し掛かると自動的に音声が流れるシステムなのだが、位置感知の感度が若干悪く、まともに音声を聞けたのは見所の半分程度でまだまだ改良の余地がありそうだ。
エントランスから左へ抜けると、そこには一面の菜の花畑。
黄色の絨毯が広がる世界があった。
そして、菜の花の背後には梅の木々。
桜と菜の花のコラボは良く目にするが、梅と菜の花とは珍しい。 -
イチオシ
菜の花畑の真ん中で立ち止まり、歩いてきた方向を振り返る。
汐留の摩天楼が菜の花の背後に広がっていた。 -
今から300年ほど昔の江戸時代ならばお江戸の海辺に広がる菜の花畑も納得だが、現代において、こんなところに菜の花畑が広がっているとは。
しかし、背後の無機質な雰囲気たっぷりの高層ビル群と菜の花のコラボ、なかなか相性は良いようだ。浜離宮恩賜庭園 公園・植物園
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浜離宮の梅の木々は、最盛期は過ぎているものの、まだまだ見頃。
日本各地に日本庭園はあるが、摩天楼の風景を借景とした日本庭園を眺めることが出来るのは此処・浜離宮だけかもしれない。 -
園内を歩き、海側に出ると遠くにレインボーブリッジが見える。
レインボーブリッジ 名所・史跡
-
浜離宮の庭園内には、池がいくつもあり、その池には水鳥が多く飛来している。
そして、池の周囲にはお茶室もあり、この写真の茶屋は徳川家斉(11代将軍)の時代に建てられた【松の御茶屋】を復元したもの。
ただの記念碑的な茶室かと思って室内を覗いてみたら、廊下の床は使用感がかなりある状態だった。
そういえば、先日、英国のウィリアム王子が浜離宮でお茶会を楽しんだとのニュースを耳にしたが、その場所がこの松の御茶室だったのかもしれない。 -
松の御茶屋の建物の上部には千鳥の模様が彫り込まれている。
江戸時代の時からこの庭園は、水鳥の楽園だったのだろう。
水鳥…と言えば、ここ浜離宮は徳川家の鴨場としても利用されていた場所でもある。
庭園内には、鴨を呼び込むための池が掘られ、池の中には飼いならされたアヒルが放たれ、鴨を呼び込むためのカモとなっていたそうだ。
鴨場…という単語から私がイメージする様子は、イギリス的な雉狩りの様な猟銃で鴨を狩る感じだ。
しかし、ここ浜離宮の鴨場で行われていた鴨狩りは、もう少し穏やかな手段だったようだ。
〜江戸時代の鴨狩のやり方〜
1.アヒルを調教する。
アヒルが覚えるべきことはただ一つ;板を鳴らす音がしたら、それはエサの時間。板が鳴らされたら、細い水路の奥へ泳いで行く事。
2.調教されたアヒルを池に放つ。
(池の周囲には奥に向かっていくほど細くなる水路が何カ所か作られている)
3.鴨が上空から飛来し、アヒルがのんびりと池に浮かんでいるのを見て安心し、池に降りてくる。
4.鴨がアヒルと十分仲良くなった頃を見計らって、鴨狩りの狩人は木の板をカンカンと鳴らす。
5.木の板の音はエサの時間。
アヒルは池の中から伸びる細い水路の方へ移動し、エサ場へと向かう。
アヒルとすっかり仲良くなった鴨は、安心してアヒルの後ろについて細い水路へ…。
水路の奥では物陰に隠れた狩人たちがアヒルに先導される鴨の到着を今か今かと待っている。
そして、アヒルのエサ場まで誘導された鴨たちは、狩人たちの手にする網や刺又(さすまた)で捕えられる。
この方法は血を見ない穏やかな狩猟方法だが、微妙に姑息だ…と思うのは私だけだろうか。 -
イチオシ
庭園内の築山へ登り、全体を見渡す。
池には庭園の木々、そして、庭園の周りにそびえたつ摩天楼の姿が写りこむ。
やはり、この日本庭園としてはあり得ない組み合わせをあえて合わせてしまった風景は面白い!
あと2週間もすれば桜の季節。
池の周りの桜の木々の枝先は蕾が膨らみ、ほんのりピンク色。
池の水面には淡いピンク色の櫻の精の姿が映し出されるのも、もうすぐだ。 -
瀬入りの池の真ん中にあるのは【中島の御茶屋】。
お茶屋さんへの橋は【お伝い橋】と呼ばれている。
この橋の上での写真撮影は観光客に大人気みたいだ。浜離宮恩賜庭園 公園・植物園
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池の真ん中にあるお茶屋さんへと向かう。
英国の王子を真似る訳ではないが、私たちもここで一服の休憩。
10時のおやつタイムだ。 -
中島の茶屋のお品書きには、抹茶のみ、抹茶と茶菓子のセット、抹茶と茶菓子のセット・デラックスの3種類がある。
私と友人のセレクトは抹茶と茶菓子のセット(510円)。
この日はそんなに寒くなかったので、屋外で春風を感じながらのお茶タイム。
浜離宮の【濱】の字が焼き付けられたおまんじゅうも美味しかった。
抹茶は少し薄味かな。
もう少し濃い目のお茶の方が私的には好みだ。中島の御茶屋 グルメ・レストラン
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浜離宮をゆっくり歩いて約2時間。
此処へ来るまでは、浜離宮が江戸城の出城であった事や将軍家の別邸であった事なんて、全く知らなかった。
でも、2時間かけて歩き回り園内の説明書きを読み、沢山の事を学習した。
特に鴨狩りの方法なんて、あまりの手法に…となってしまった。
東京都には、まだまだ訪れていない場所が沢山ある。
たまには、こんなのんびりとした庭園散策も楽しい。
浜離宮の写真の最後に、庭園内で咲いていた春の花を少しだけ紹介。
桜が咲く前の浜離宮は、空いている割には春の花を楽しめる場所としてお勧め♪だ。 -
日本庭園を堪能した後は、昨晩に思いがけないプロジェクション・マッピングを目にしてしまった築地本願寺へと寄り道する。
夜目にみても日本の寺院らしくないと感じたその建物の形だったが、日中にあらためて見てもインドやイスラムの寺院の様に感じられる外観だ。
本願寺といえば京都にある西と東が有名だが、この築地本願寺はその建物の異形さからも全くの別宗派なのかと思いきや、正真正銘の浄土宗本願寺派のお寺だということ。
お堅いイメージのある仏教界だが、こんな異形の寺院を作っても許されてしまう寛容さがあるとは…驚いた。
インドの石窟寺院の様式に似せて作られた築地本願寺の中央のドームには蓮の花が彫られ、インドネシアのボロブドゥール遺跡に似せてデザインされた部分もあるという。築地本願寺 寺・神社・教会
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本堂へと続く階段の下には、狛犬ならぬ翼の生えたグリフォンの姿。
このグリフォンは階段の左右に1対で座していて、狛犬のように阿形(口を開けている)と吽形(口を閉じている)の顔をしている。
このグリフォンのデザインの元はアフリカのライオン。
実は、沖縄のシーサーや神社の狛犬のデザインも元を辿ればシルクロードを伝って日本へとやって来た獅子のデザインへと遡ることが出来る。
獅子は昔から寺院や宮殿の守護神として多用されている動物で、エジプトのスフィンクスも体のデザインはライオンだ。 -
そして階段を登ると、本堂への扉の色は鮮やかなトルコ石の青で、さらに内扉には蓮池の様子がステンドグラスで描かれている。
日本の中でも異色の寺院建築物である築地本願寺。
この寺をデザインしたのは建築家の伊藤忠太さん。
中東地域の曲線美を意識した彼の建築物は、独特の雰囲気を醸し出す物が多いとのことだ。
今回は、寺院の中で法要を営んでいたのであまりキョロキョロと見学できなかったが、もう一度ゆっくり訪れて細部まで観察したい建物だ。 -
築地駅から地下鉄に乗り、少しばかり移動をして千駄木駅へと向かう。
ここ、千駄木へ来た理由。
それは、谷根千(谷中・根津・千駄木)といわれる下町エリアを散策するため。
谷根千には猫が沢山いる…という噂もあり、一度、歩いてみたかった。
また、千駄木には以前から気になっていた建築物があった。
その建築物とは、【旧安田楠雄邸庭園】で、週に2回(水・土)しか公開されていない。
折しもこの日は土曜日で、旧安田楠雄邸庭園の開園日。
そんなこともあり、この日の街歩きは谷根千と決まった。
旧安田楠雄邸庭園は、千駄木駅から徒歩約5分で、入場料は大人500円。
自由には拝見することが出来なく、案内人と共に屋敷内を巡るスタイルだ。 -
旧安田楠雄邸庭園を見学する時にはいくつかの守るべきルールがある。
ルール1:必ず靴下着用。
ルール2:手提げかばん等は入り口で預け、貴重品は貸し出される巾着袋の中に入れて持ち運ぶ。
ルール3:ズボンの裾は一折して、床と接触しないようにする。
これらのルールは邸宅内を人間がつける傷から守るためのルール。
邸宅内には建設当時である大正時代からの調具類もあり、歴史的価値が高いモノも多い。
また畳にも貴重なモノがあるため、ズボンのすそを捲り畳を保護し、靴下を履いて足の汚れが床に付着するのを防ぎ、手荷物は持たずに見学し手荷物による破損事故を未然に防止している。
この写真の藤の襖絵は、建築当時の襖絵の藤の花を金箔を用いて修復したもの。
藤の花は当時の当主であった藤田氏の家紋であり、主玄関を入ってすぐの控えの間の襖に藤の花は描かれている。
(旧安田楠雄邸庭園の建築主は豊島園の創始者である藤田好三郎氏。藤田さんが数年居住した後に、旧安田財閥;現在の明治安田生命保険の創始者である安田善次郎氏が買い取った) -
邸内には見所も色々あり、その一つが照明器具。
天井のランプシェードは見逃してしまいがちだが、邸内のところどころに施されている装飾性の豊かなランプは大正浪漫の溢れる造りだ。 -
邸内は昔ながらの奥に長く続く建築で、最初に現れたのが応接室。
椅子のカバーはさすがに張り替えられてはいるが、窓辺のカーテンは建築当時のモノがそのまま残っている。
一面の窓ガラスに囲まれた造りのこの応接室は採光も良く、大正時代としてかなり画期的な造りだ。
嵌められているガラス自体も歪みのある手吹きガラスで、そのガラスを通してみる庭の風景が微妙に歪み、レトロな雰囲気満載だ。旧安田楠雄邸 名所・史跡
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応接室の柱には動物の木彫りがある。
幸せを象徴するリス、賢者の象徴であるフクロウ、魔よけを象徴する猿が柱には彫り込まれていた。 -
部屋を結ぶ渡り廊下は畳敷きの部分と板敷きの部分に分かれている。
二種類の材質に分かれている理由は、家人用と客人用の区別。
当時、家人は板敷の部分のみしか歩くことを許されていなく、畳敷きの部分は客人専用だったそうだ。 -
部屋と部屋を繋ぐ欄間には鳳凰の彫り物。
細かな細工があちこちに施されている。 -
和室の障子にはガラス窓が嵌められている。
この障子は雪見障子の一種だが、一般的な雪見障子と異なるのはガラスの嵌められている位置。
普通の雪見障子では障子の下部半分がガラスなのだが、こちらではその位置が中途半端な場所に窓がある。
この窓の位置は、畳に座り日常生活を過ごすという日本独特の生活スタイルから生まれている。
畳に座り、火鉢に当たりながら庭を眺める…その時の目線の位置にガラスが嵌め込まれている。 -
イチオシ
明るい天窓が印象的な台所は当時としては画期的なアイランド・キッチン型。
安田さんが結婚される時に奥さんのために改築したそうだ。 -
台所の手前にあるのが木製の食器棚。
格子柄の扉がいい味♪
食器棚の上には天窓があり、天窓の下はよく見るとメッシュ状の格子になっており、現代でいう換気システムが作られている。 -
もう一か所、格子状の換気システムが作られている場所がある。
それは、お風呂場だ。
お風呂場といえども、その建築には手を抜いていない。
天井が格子状に木が組んである。 -
二階へと上がると、庭の景色が良く見える。
こちらの部屋は、可愛らしい毬の模様。
女性の方の部屋だったのかもしれない。 -
この旧安田楠雄邸庭園は関東大震災や第二次世界大戦などの被災を免れて、現在に残っている。
戦後には引揚者などの会社関係者がこの屋敷を一時的な仮住まいとして滞在し、多い時では50人以上の人達がこの屋敷で生活していたそうだ。
そしてその後も安田家の方が大事に使い続け、平成8年まで住居として使われてきたお屋敷だ。
そんな安田家の方が大事に使ってきた建物であるからこそ、現在にもその姿を留めている。
二階の廊下からは、庭のしだれ桜の優美な姿が見える。
4月の初旬には淡いピンクに彩られた景色がこの庭から眺められるのだろう。 -
二階の部屋にはちょっと変わった置物が置いてあった。
何と形容してよいのか難しいのだが、不思議な形の置物だ。
実は私たちが訪れた日は東京芸大の学生の作品展を実施していて、この窓辺の作品もその一つだ。
雷雲と、雷雲から伸びる稲妻を盆栽風に表現したもの…という事だ。 -
旧安田楠雄邸庭園の見学は所要30分ほど。
本当の事を言えばもっとゆっくりと見学したかったのだが、案内をしてもらっている都合上そんなにユックリは見ていられない。
帰りがけに屋根瓦を振り返ると、安田家の家紋の七つ輪違紋が彫り込まれていた。 -
旧安田楠雄邸庭園を出たところで、通りすがりのおじさまに声をかけられた。
「この近くに、高村光雲の家があるのだけど知っているかい?」と。
高村光雲???…って誰だっけ…という状態だったのだが、せっかく教えてもらったのでそこまで足を伸ばしてみた。
高村光雲さんは東京芸大の教授であった方で、江戸時代から伝わる木彫りの技術を現代へと橋渡しした芸術家で、代表作には上野公園の西郷隆盛像や老猿(東京国立博物館所蔵)がある。
そして、智恵子抄で有名な高村幸太郎さんの父だそうだ。
その高村光雲さんが住んでいた屋敷が今もなお残っている。
写真の竹の後ろの家がその家だが、改築され、現在は昔の面影は残っていない。 -
イチオシ
タップリと大正浪漫の薫の残るお屋敷を拝見した後は、下町の谷根千歩きの始まり。
まずは【ヘビ道】と呼ばれる道を起点に歩き始めることとする。
ヘビ道…とは何とも恐ろしげなネーミングで、鬼が出るか蛇が出るか…と云う人形師の口上を思い出してしまうが、ここでのヘビ道はそんなに怖い道ではない。
ヘビ道は、藍染川を地下水路にして埋め立てた道で、川の形のままに道を作ったのでその道は蛇のように蛇行している。
そんな道の様子からヘビ道と名前がついたそうだ。
ヘビ道はその名のとおり5m先の道路の様子が分からないようなクネクネと曲がった道で、その先の様子が予期できないところに面白味がある。
そして、クネクネ道を曲がったところで、可愛いモノを発見した。
最初にみつけたカワイイものは、塀の上のニャンコ。
ピンと立った尻尾が素敵だ。 -
次に見つけたのは。たわし屋さん。
その店名もカメノコタワシ。
天然の棕櫚で作られた各種たわしを扱っているお店だ。
躰洗い用のたわしもソフトからハード迄各種取り揃えてあるのだが、どれも私には若干肌当たりが強すぎるようだったので、結局購入はしなかったが、たわし専門店とは珍しい。 -
ヘビ道沿いには個性的な喫茶室もある。
この写真の喫茶室はレトロなオーラを放ちまくりのお店で、とても気になったのだが、あまりにそのオーラが強すぎて、中を覗くことすらためらわれてしまった場所だ。 -
こちらの【丸ヒ】の看板が付けられた路地の中の一軒家は、実はカフェ。
ランチタイムにはボルシチセット(1000円)を提供している。
路地の端に出ていた看板に惹かれて店先まで行ったのだが、残念ながらこの日のランチは売り切れだった。根津ギャラリー マルヒ 美術館・博物館
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様々な個性的なお店があるヘビ道を抜けたその先に、またまた昔懐かしい…と云う頭言葉が似合うような喫茶室風の食堂を見つけた。
いつもならば、この手の食堂はあまり入らないのだが、なんだかこの日は友人も私もこの食堂に呼ばれて気がして、入ってみることにした。
この食堂は八丈島出身の御主人が家族で経営している食堂で、店の名は寿(ことぶき)。
ランチセットがワンコイン(500円)で食べられてしまうお店だ。
店内は地元の人で賑わっていた。ことぶき グルメ・レストラン
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私は【いもむぎ汁定食】、友人は【明日葉(あしたば)ラーメン】をお願いする。
500円だからそんなに量は多くないかなと思いきや、サラダに菜花の煮びたし、そして島寿司に、いもむぎ汁と量はたっぷり。
さらにご主人のご厚意で島寿司の追加サービスまであった。
いもむぎ汁の味はおふくろの味的な優しい味付けで、島寿司のマグロはトロトロだった。
ワンコインの定食でこんなに美味しいものと出会えるなんて、と感動の友人と私。
お店のカウンターには御主人特製の明日葉のおやきや八丈島の郷土料理が小分けパックで置いてあり、購入することも出来る。
おやきが大好きな私が、おやきと聞いて買わない訳はない。
そして、そのおやきは家族にも大好評のお味だった。
個性的なお店が沢山ある下町の千駄木・根津だが、そんな中からこの八丈島料理のお店を引き当てた私たちって幸せだね〜と、友人と顔を見合わせた。 -
お腹いっぱいになったので、谷根千歩きの続きへ出かけよう!
次に向かったのは根津神社。
根津神社は日本武尊(ヤマトタケル)を祀った神社として始まった社で、1900年にも及ぶ歴史を持つという歴史ある神社だ(ホームページ情報より)。
大変古い歴史を持つ神社らしい。
だけれど…。
ちょっと待って…。
その頃の関東地方ってヒトも住まない荒地だったと思っていたのだが…。
そんなに文化的な生活をしていたんだ。
1900年前といえば西暦100年頃。
西暦100年の頃の日本は歴史年表上では弥生時代で、卑弥呼の時代の少し前の頃の筈。
そんなころから、関東地方にそんな文化があったんだ!
少し驚いた。根津神社 寺・神社・教会
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根津神社は落ちついた朱色の唐門の外観も見ごたえがあるが、目についたのは唐門の庇に着いている卍模様。
卍模様といえば、地図記号ではお寺を表すシンボル。
それがなぜ、神社の紋として描かれているのか分からないが、神仏習合の時の名残が卍という神紋で残ったのかもしれない。 -
根津神社で有名なのはツツジの花と、乙女稲荷神社へと続く千本鳥居。
まるで伏見稲荷の鳥居のミニチュアの様だ。 -
そして、この乙女稲荷神社の社殿の梁にはキツネと蕪(カブ)の彫り物があった。
カブの周りでは狐たちが戯れて遊んでいるし…。
なんだか楽しそうな彫り物で、その謂れがとっても気になる。
キツネとカブって、いったいどんな昔話がこの乙女稲荷神社には隠されているのだろう。根津神社 寺・神社・教会
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続いて向かったのが、根津にある木造教会の根津教会。
この教会は度重なる震災や空襲でも焼けずに残り、大正時代の洋風建築の姿を今に伝えている。根津教会 寺・神社・教会
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日暮里(谷中)方向へ向かって歩いて行くと、竹に囲まれたなんだか怪しげな空間が現れた。
どうやら【ねんねこ屋】という猫をモチーフにした料理を提供するカフェらしいのだが、雑然としている感じが私好みではないのであっさりと通過。ねんねこ家 グルメ・レストラン
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しばらく行くと、三叉路に大きな杉の木が見えた。
この杉はヒマラヤ杉で高さが20m、幹回りが3mになる樹齢90年の大木だ。
この角にあるミカドパン店の店主のおじい様が鉢植えのヒマラヤスギを植えたのが始まりで、地植えをしたところすくすくと育ち、こんな大木になったという。
寺町・谷中のシンボルでもあるヒマラヤ杉だが、一時は開発業者による伐採の危機もあったという事だ。(もしかしたら、今現在もその危機は継続中かもしれない)
寺町の人に安らぎの木陰を作り、地域の人を見守るヒマラヤ杉の大木。
いつまでも、地域のシンボル的存在であってほしいと願ってしまった。みかどパン店 グルメ・レストラン
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谷中霊園に向かって歩いている途中に、ユニークなお堂を見つけた。
お堂の壁にデザインされている物…コレはどう見てもシャモジだ!
このお堂は、安産しゃもじ寺としてその名が知られている七面山祖師堂。
難産の女性の腹に日蓮上人が経を書いたしゃもじを乗せたところ、無事に赤ちゃんが生まれたという昔話があると云う。 -
谷中霊園を通り抜ける。
お彼岸も近いせいなのか、霊園の中は比較的混雑していた。
霊園の通り沿いには桜の木が並び、桜の時期には観桜の人で賑わうだろうことが容易に想像できる。
そして、道端には、【桜を見るのは構わないが、酒盛りはしないでほしい】と書かれた看板があり、墓地で酒盛りをする強者も世の中にはいるのだな〜と妙なところで感心したり…。
霊園を出て暫く歩いていたら、グルーミングに余念のないネコちゃんに遭遇した。
そういえば谷根千の路地には猫が多いと聞いていた気がするが、そんなに多くのネコには会えていない気がする。谷中霊園 寺・神社・教会
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暫く歩くと築地塀のある通りへと出た。
築地塀とは、瓦と土を交互に積み重ねた土塀に屋根瓦を葺いた塀で、この築地塀があるのは赤穂浪士の供養塔がある観音寺だ。
現在の築地塀は関東大震災後の修復後の姿だが、赤穂浪士が江戸にいたころの風情を思い起こさせる風景だ。観音寺 寺・神社・教会
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谷中の商店街のアーケードへと入って、最初に目に入ってきたのは屋根の上に鎮座する白猫ちゃん…といってもこの猫は造りものだが、可愛らしさというよりはリアルさを追求して作られている。
谷中の商店街は、地元の人、そして私たちの様な観光客で大混雑でイモ洗い状態。
お茶をしようかな。と目指してきたカフェも店の外にまでヒトが溢れる様な大盛況ぶりだった。
谷中のアーケード街は、土日に来るところではなかったらしい。
人ごみの中に居ると頭が痛くなってきそう…。
友人も私もそろって人ごみは苦手なので、谷中の商店街の散策は切り上げてもう一度、谷中霊園を抜けて上野を目指すことにする。 -
上野に向かう途中で煉瓦つくりの素敵な建築物を見つけた。
その建物は東京芸大の校舎で、その門は未だに木造だ。
校舎の外観を見学したかったのだが、見学は平日のみという事で、残念。
大きな門の中の小さな木戸が可愛らしい。東京芸術大学 名所・史跡
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道沿いに小さな西洋様式の建物を発見!
多分、今までずっとここにあった建物だったのだろうが、今まで気に留めたことがなかった。
今までどうして気が付かなかったのだろう?と不思議なほど味がある建物だ。
四角いキューブ型であるこの建物は、一体なんなのだろう。
この建物はかつて上野公園にあった京成電鉄本線の博物館動物園駅の駅舎で、現在は駅としては使われていないが、トンネルの非常用階段の出口として残されている。
昔に駅として使われていた頃は昭和初期の建築様式を残したロマンあふれる内装であったということだ。
現在は建物内へ入るのは不可能だが、建物内部の駅のホームの様子を眺めることが出来る秘法があるらしい。
その秘法とは、上野から京成線の下りの電車に乗ること。
電車がこの駅のあった場所を通過する時、トンネル内を照らす灯りの中に、今は無き博物館動物園駅のホームの浪漫溢れる佇まいを見ることが出来る…と云う。
なんだか見てみたい気もする。博物館動物園駅跡 名所・史跡
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夕方5時過ぎ。
上野公園も夕焼けに包まれ、噴水の色もほんのり夕焼け色だ。上野恩賜公園 公園・植物園
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イチオシ
上野迄わざわざ来た理由。
それは、とっても気になるカフェがあったから。
そのカフェでは、カフェ・オ・レを頼む時にあるお願いをするとサプライズなカフェ・オ・レを供してくれるという。
で、私たちはそのお願いをしてみた。
そして、出てきたカフェ・オ・レがこの写真。
私たちがお願いしたこと。
それは、「カフェ・オ・レを二つ。パンダ・アートで…」
年甲斐もなく…とは思うが、上野のカフェだからこそのパンダ・アートだ。
素敵なパンダ・アートに友人も私も思わずにっこり。
1日中歩いた疲れ(前日の朝から寝ていない疲れかも)が、このカフェ・オ・レで吹き飛ぶ感じだ。
友人との旅で恒例の万歩計チェックタイム。
朝6時半に築地で会ってからの歩いた総歩数は…3万2千歩!!
全くこの日もよく歩いた1日だった。シーズカフェ ecute上野店 グルメ・レストラン
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イチオシ
カフェ・オ・レを飲み終えた私たちはそれぞれの帰路に着く。
寝ていない私は、帰りの電車の中ではかなりフラフラ。
でも、寝たら寝過ごしそうなので、必死に耐えて…自宅へ。
そしてPCに写真をとりこみ、昨日からの長かった1日を振り返る。
ちょっとだけ写真の整理をしようかな…と作業を始めたら、あっという間に夜中の12時。
42時間寝ずに過ごした1日も、さすがに終わりの時間。
旅行記の1作目を投稿したら、寝なくっちゃ…ね♪
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この旅行記へのコメント (7)
-
- みかりさん 2015/03/30 01:38:31
- 大充実の1日?2日?
- ウェンディさん、こんばんは!
42時間お疲れ様でした〜。もうタフすぎて尊敬です。
ウェンディさんはもちろんだけど、朝に築地に来て一緒に
お付き合いしているお友達も、とてもタフですよね〜。
今回周られたさんぽコース・・・実は私が訪れた事が無い場所ばかりなんです。
前を通ったり、バスで通り過ぎたりはしているんですが、自分の足で
歩いた事が無い場所ばかりなんで、興味津々で拝見しました。
特に谷根千は前から行ってみたいんですよね〜。
坂道がちょっぴり嫌だなと思いつつ、町並みも素敵で歩きがいがあるなと。
ランチもお得でしたね。ワンコインであのボリュームにはビックリ。
最後はパンダラテで、ほっこり。あの一杯で疲れが取れるなんて
まだまだお若いですネ。 私なんて最近疲れを数日ひきずりますから。(笑)
徹夜明けで3万歩オーバー・・・ホントにお疲れ様でした。
みかり
- ウェンディさん からの返信 2015/03/30 23:44:57
- RE: 大充実の1日?2日?
- みかりさん こんばんは♪
谷根千は、私も今回が初めてでした。
下町情緒あふれる街並みはノンビリ歩いているだけでも、とっても癒される場所なのでお勧めですよ♪
ただ、土・日は日暮里駅(谷中銀座)に近づくほど、息切れするほどの人ごみでした。
お目当てのカフェも外までヒトが溢れていたので、夕焼けだんだんのノンビリした景色を見たい場合には土・日は避ける方が良さそうです。
私の無謀旅に付き合ってくれた友人は、高校の同級生。
たまたま私と彼女のベクトルが似通っていて、考え方・価値観に共通点が多く、一緒に歩いているといつも面白いものを見つけてくれる友人です。
彼女も歩くのが苦にならないタイプなので、毎回の旅で、歩いた歩数の記録を更新中です。
ウェンディ
-
- mayたんさん 2015/03/24 21:20:24
- お疲れ様でした!
- ウェンディさん、タフですね(^◇^;)
ワタシは寝ないとダメな人なので、無理かも…
ブラ旅楽しそうですね。
特に好きな一枚はヒマラヤ杉だなぁ♪
立派な巨木と味のある三叉路。
開発を逃れて生き残っている巨木は
、本当大事にしなきゃですよね。
歩くだけで、楽しそうな町並みでした。
mayたん
- ウェンディさん からの返信 2015/03/24 23:34:28
- RE: お疲れ様でした!
- mayたんさん こんばんは♪
この年齢になるとさすがに42時間起きているのは厳しくって、いつもならば激しい頭痛に襲われるところですが、今回は早朝からの海鮮丼の効果があったのか何故か元気いっぱい。
友人も私のタフさ加減には驚いて(呆れて)いました。
ミカドパン屋さんのおじいさんのヒマラヤスギ。
東京都の文京区にあんな大きなヒマラヤスギとは驚き、そして感嘆しますよね。
地域の皆さんが護っているヒマラヤスギ。
そして、地域の方に安らぎの場所を提供しているヒマラヤスギ。
折角、観光資源としても役立っている杉の木ですので、開発業者さんも杉の木を生かす方向で住民の方と共に街づくりが出来るといいのでと思いますが、オトナの事情はなにかと難しいのでしょう。
谷中銀座は夕方に行ってしまったので、あまりの人ごみに閉口してゆっくりとは下町風情を愉しめませんでした。
根津近辺には文豪の住居跡や碑が色々あるので、また再訪できれば…と思っています。
ところで、話は変わって、あと1か月ちょっとでmayたんさんが訪れたトルコへ母と共に旅立ちます。
行先はイスタンブールとカッパドキアの2か所のみに絞り込み、現地密着型の旅が出来れば…と考えています。
4月に入ったら最後の情報収取にmayたんさんの旅行記に遊びに行きますね♪
ウェンディ
- mayたんさん からの返信 2015/03/27 20:37:25
- Re: お疲れ様でした!
- ワタシは巨木好きなので、いつまでも大事にして欲しいなぁ。
この前、愛知県で樹齢ナント1000年のクスの木も通りがかりで見たんですが、幹がすごかったです。
むかしはクスの木の樹林帯だったと看板に書いてあって、ちょっと淋しい気持ちになりましたT^T
そしてウェンディさん、トルコ行かれるんですか!
四月だときっといい季節かな?
楽しんで来てくださいね♪
いいなぁ、ワタシもやっぱりGW海外行きたくなってきました…
旅行記楽しみにしてます!
mayたん
-
- TKさん 2015/03/23 11:27:53
- 谷根千いいところですね。
- ウェンディさん
築地からの谷根千への42時間連続ブラリ旅。素晴らしい。
実は家内が、安田邸で説明員のボランティアを週一でやっていますので、実物も見学したし、安田邸の素晴らしさをよく聞かされています。
ウェンディさんが、安田邸を訪問された日は、所用で出勤していませんでしたが。。
私も、自然と、昔の家の各場所に工夫された気品のある工芸修飾について、知識が増えました。TV番組「百年名家」も良く見ていますよ。
「京成電鉄の上野動物園駅」懐かしい。
私の卒業した高校が上野公園内にあるので、高校時代は、毎日その前を歩いて登校していました。
これからも世界の良い所の情報をお願いいたします。
by TK
- ウェンディさん からの返信 2015/03/23 22:50:19
- RE: 谷根千いいところですね。
- TKさん こんばんは。
奥様が安田邸で解説員のボランティアをなさっていたとは…。
ビクトリア滝の旅行記でにっこり笑ってMopani Wormを食した奥様に、是非ともお会いしたかったです。
私は虫に関しては若干チキンなモノで、まだ白蟻レベルから上は食べたことがないのです。
是非、奥さまから心得等を教えて頂きたかったです。
安田家の邸宅は応接室の絹のカーテン等、よくぞ今まで保存してきたものだ。と唸るような物ばかりでした。
棟上げ式の時の柱(立札かしら?)も木本体が黒光りしてオーラを放っている様で…。
また、時期を変えて庭が緑や紅葉の頃に訪れてみたいです。
安田邸の説明を聞いていて面白かったのが、説明員の方のちょっとした小話。
〜このテーブルは元からここにあったわけではなくって、古物商で見つけた掘り出し物なんですよ〜なんて話も面白かったです。
TKさんは京成電鉄の博物館動物園駅が現役でバリバリだったころにあの辺でお勉強されていたのですね。
今はもう駅の中は見ることが出来ませんが、昔の写真をネットで見ると、なかなか面白い構造の駅だったみたいでした。
その内に京成に上野から乗って、是非動物園駅のホームの様子を眺めてみたいと思っています。
ウェンディ
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