おじいさんの木

4.0
旅行時期：2015/03（約11年前）

谷根千クチコミ：8件

東京の下町である谷中には、樹齢が90年にもなる大きなヒマラヤスギが生えている。
この杉は、寺町である谷中の小さな商店の男性が鉢植えから育て、地に植えたモノ。
その男性とは、ヒマラヤ杉の隣に位置する【みかどパン屋】の現在の店主のおじいさん。

おじいさんが丹精込めて育てた杉の木は、谷中の三叉路に大きくその腕を広げ、夏には心地よい木陰を、冬には木漏れ日のある暖かみのある空間を地域の人達に提供している。

そんな地域の人達に親しまれてきた杉の木だが、一時は伐採の危機にさらされていた。
杉の木のある地域を買い取った再開発を請け負う業者が木を切り倒す計画をしていたのだ。
地域の方々の杉の木の延命を求める声、そして全国からの応援により、現在は一時的に危機を脱しているが、地域の再開発…はこれから先にも必ず出てくる話だ。
オトナの事情があるのは理解できるが、せっかく観光資源ともなっているこの杉の木を生かす方法で再開発がすすめられれば良いと思うのだが。

おじいさんの想いを抱き、大きく育ったヒマラヤスギの木。
これからも谷中の地に大きな枝を広げていて欲しい。