2026/03/01 - 2026/03/01
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+mo2さん
ポーラ美術館で開催されている「SPRING わきあがる鼓動」に行ってきました。ポーラ美術館の開館以来はじめて「箱根」という土地そのものに焦点を当てた初の展覧会で、箱根町立郷土資料館が収蔵する貴重な浮世絵コレクションや町指定重要文化財の絵画を皮切りに、箱根をはじめとした東海道の風景から触発された表現を、江戸時代から現代に至るまで横断的に紹介されていまし
た。展覧会は5章からなりますが、旅行記(1)では、プロローグと第1・2章を紹介します。
※作品解説は、ポーラ美術館HP、箱根町立郷土資料館HP等参照しています。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
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プロローグ/大巻伸嗣「Liminal Air Space-Time」2025年
約50万年前に火山活動が始まり、3000年ほど前に現在の姿となった箱根。火山地形の博物館とも呼ばれるこの土地には、国内で有数の多様性豊かな自然が広がっています。この自然の中にたたずむポーラ美術館は、「箱根の自然と美術の共生」をコンセプトに、これまで数々の展覧会を開催してきました。本展覧会のプロローグでは、豊かな景観を映し出す森とアートの共演を楽しむことができます。ポーラ美術館 美術館・博物館
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大巻伸嗣による布と空気の流れを用いたインスタレーションは、上昇と下降、膨張と収縮によって絶えず形を変えながら、大地を動かすような巨大なエネルギーを想起させます。鑑賞者はその動きに呼応しつつ、作品と一体となる感覚を味わうことができます。
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第1章 はじまりの山ー箱根
険しい山々と富士山を望む芦ノ湖周辺は、修験道の場として人々の信仰を集め、やがて街道の要衝として宿場が整い、湯治(とうじ)や旅の文化が発展しました。歌川広重の「箱根越え」の浮世絵には、夜明け前に小田原を発ち、提灯やたいまつの灯火を頼りに急坂を進む旅の過酷さと緊張感が刻まれています。19世紀後半には外国の旅行者も訪れ、箱根は国際的リゾートのさきがけとなります。日本の絵師だけでなく、海外から箱根を訪れた旅する画家たちは、高揚感とともに箱根を絵画化し、だれもが憧れる景勝地のイメージを形成していきました。とりわけ富士山の風景は、浮世絵や水彩、油彩画、写真など、さまざまなジャンルにおいて取り組まれており、アーティストたちが日本の美のシンボルに挑んだ多様な成果をパノラミックに紹介します。 -
初代歌川広重「東海道五拾三次 箱根」1831-44年(天保後期)箱根町立郷土資料館
「狂歌入東海道」と呼ばれる揃物です。隷書東海道と同様、夜中の松明登りの様子が描かれており、駕籠や松明を担ぐ人々(雲助)を連想させる、「ことわさに 雲ともいへる 人なれや かゝる山路を 夜るも越ゆく」の狂歌が添えられています。箱根町立郷土資料館 美術館・博物館
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初代歌川国貞「東海道五十三次之内 箱根之図」1836年(天保7)頃 箱根町立郷土資料館
役者絵や美人画で人気を博した初代歌川国貞による「美人東海道」と呼ばれた揃物です。旅姿の女性の背景は、初代歌川広重の保永堂版東海道「箱根 湖水図」と酷似しています。 -
三代歌川広重「東海道五十三次 十二 箱根山中」1871年(明治4) 箱根町立郷土資料館
雨中の伊豆・相模の国境で、足を滑らせる旅人が描かれてます。2人の表情はどこか滑稽であり、『東海道中膝栗毛』の弥次さん喜多さんを連想させます。 -
五雲亭貞秀「東海道箱根山中図」1863年(文久3) 箱根町立郷土資料館
芦ノ湖畔を進む大名行列を描いたものです。湖畔にある石仏・石塔群が、現在もその一部が残る「賽の河原」です。今ではその多くが失われていますが、当時の様子が分かる貴重な作品です。画面手前には、当時五軒あったという地蔵堂の屋根も見えます。また、右側には箱根権現も描かれています。 -
初代歌川広重「冨士三十六景 はこねの湖すい」1858年(安政5)ポーラ美術館
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初代歌川広重「冨士三十六景 東都一石ばし」1858年(安政5)ポーラ美術館
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初代歌川広重「冨士三十六景 駿河薩タ之海上」1858年(安政5)ポーラ美術館
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初代歌川広重「冨士三十六景 相模七里か浜」1858年(安政5)ポーラ美術館
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初代歌川広重「東海道五十三次之内 箱根 湖水図」1833-34年(天保4-5)
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「東海道図屏風(右隻)」江戸時代中期(18世紀) 箱根町立郷土資料館
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初代歌川広重「東海道 十一 五十三次 箱根 夜中松明登り」1847-52年(弘化4-嘉永5)箱根町立郷土資料館
初代広重が描いた東海道もののうち、「隷書東海道」と呼ばれる揃物の1枚です。松明の明かりをたよりに石畳を登る一行ですが、日没後は箱根関所の通行ができませんでした。急を要する夜中の公用通行か、あるいは夜明け前の「朝まだき」に小田原宿を出発して、薄暗い街道を登る箱根越えでしょうか。 -
平木政次「富士」1897年(明治30)静岡県立美術館
沼津市内浦から、牛伏山ごしに富士を望んだ図。冬の澄んだ、冷たい空気が画面全体に満ちている。きりりとしまった画面は、明治初期から後期への洋画史に位置する平木の、こなれた油彩表現を存分に伝えるものです。自宅近くの風景画です。静岡県立美術館 美術館・博物館
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渡辺文三郎「富士遠望」1868-1912年(明治元-45)頃 府中市美術館
府中市美術館 美術館・博物館
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チャールズ・ワーグマン「富士の見える宿場」福富太郎コレクション資料室
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アルフレッド・イースト「富士山」1868-1912年(明治元-45)頃 府中市美術館
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チャールズ・ワーグマン「箱根風景」福富太郎コレクション資料室
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チャールズ・ワーグマン「富士遠望図」1867-1890年 (慶応3-明治23)頃 静岡県立美術館
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コンスタンス・フレデリカ・ゴードン=カミング「箱根の大地獄(硫黄温泉)を望んで宮ノ下へ向かう」
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ウォルター・フェイン「地蔵と富士山」1874年(明治7)
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杉本博司「富士図屏風、大観山」2024年
本作は、2024年1月1日の夕刻、箱根の展望地点から長時間露光で撮影されたものです。 -
文窓・弄花「七湯の枝折」1811年(文化8) 箱根町立郷土資料館
箱根七湯それぞれの効験、効果的な利用方法など、「湯治」を再認識させることを目的につくられた、十巻仕立ての巻子本。他にも周辺の景観や名所旧跡も紹介されるなど、地誌としても優れています。多くの写本が確認されていますが、底倉つたや旅館に伝存した本資料が、作者の手による浄書本として知られています。 -
初代歌川広重「七湯方角略図」1855-57年(安政初期)箱根町立郷土資料館
画面中央に湯本温泉を配し、箱根の山々や箱根七湯などが記された、いわば箱根の案内図です。「福住九蔵板」とあるように、湯本温泉の福住旅館が版元となり、初代広重に制作を依頼したもので、自らの旅館を宣伝する目的から、同温泉の中心に「福住」と記されています。同旅館の当主福住九蔵(後の正兄)は、二宮尊徳の高弟としても知られ、国学や和歌にも通じた人物で、箱根に滞在した広重とも親交がありました。 -
二代歌川広重「箱根七湯一覧」1861年(文久元)箱根町立郷土資料館
大判三枚続に箱根山全体を描いており、三枚橋手前から箱根を一望する構図です。中心には湯本温泉が大きく描かれ、周囲には箱根地内の各名所も描きこまれています。 -
豊原国周「箱根七湯之内 塔之澤」1864年(元治元)箱根町立郷土資料館
前面に描かれた男女は役者のように華やかで、美人画や役者絵を得意とする国周らしく、その姿は歌舞伎の一場面を思わせるかのようです。一方、背景に描かれた塔之澤温泉は、初代歌川広重の「箱根七湯図会」のものとよく似ています。 -
初代歌川広重「箱根七湯図会 塔の澤」1852年(嘉永5)箱根町立郷土資料館
塔之澤温泉を描いた作品で、手前に架かる橋は玉の緒橋です。同橋は江戸時代、同温泉の入口に当たりました。また、画面左手、祠の建つ小高い丘は、熊野神社が祀られていた勝驪山です。 -
初代歌川広重「五十三次 箱根 とうじば」1852年(嘉永5)箱根町立郷土資料館
「人物東海道」と呼ばれる、初代広重が手がけた東海道ものですが、ここでは湯治場の光景が題材に選ばれています。女性が見つめる滝には「白糸のたき」と記されていることから、堂ヶ島温泉を描いたもののようです。 -
五姓田義松「温泉の図」1868-82年(明治15)頃
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中澤弘光「山の湯」1913年(大正2)
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初代歌川国貞「金時」1818-29年(文政年間)箱根町立郷土資料館
大木を担いだ金太郎が、熊と猿を踏みつけています。枕詞には「頼光朝臣の近臣四天王の一人にて、剛勇天下に双ぶ者なし。父ハ北面の武士坂田時行、母の伝記詳ならず。一説山姥の子にして、幼名を怪童丸といひしといふ」とあります。 -
歌川国芳「源頼光上洛相模国足柄山怪童をゑ給う後に坂田金時といふ」1837年(天保8)
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揚洲周延「東絵昼夜競 坂田金時」1886年(明治19)箱根町立郷土資料館
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初代歌川広重「忠孝仇討図会 箱根霊験記」1846-47年(弘化後期) 箱根町立郷土資料館
忠臣蔵をはじめとする有名な仇討物語を題材に、初代広重が手掛けた揃物の1枚です。仇敵滝口上野を追う途中、病により足の自由を失った飯沼勝五郎と、彼を車に乗せて引く初花が箱根に辿り着いた場面で、「ここらあたりは山家ゆえ、紅葉のあるに雪が降る」の台詞で知られる、物語中の名場面です。その情景を、風景画を得意とした広重らしい筆致で表現しています。 -
歌川国芳「箱根霊験躄之仇討」1830-36年(天保前期)
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三代歌川豊国「東海道五十三次の内 箱根 初花」1852年(嘉永5)箱根町立郷土資料館
滝口の横恋慕のため、初花は人質となった母を助けるために降り、殺されてしまいます。それでも仇討を果たさんがため、夫の勝五郎の前に現れた初花は、箱根山中の滝に打たれてその成就を願います。滝に打たれる彼女の姿は、格好の題材でした。 -
月岡芳年「和漢百物語 下部筆助」1865年(慶応元)
幕末・明治に活躍した浮世絵師、月岡芳年(1839-92)が日本や中国の怪異譚を元に描いたシリーズ『和漢百物語』です。慶応元(1865)年、芳年が27歳の時に出版されました。 -
第2章 ストーリーズ/イケムラレイコ、丸山直文
イケムラレイコ 「始原 I」2014-17年 ポーラ美術館 -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
古来より神話や民話の舞台となってきた箱根は、現代のアーティストにとっても尽きることのない創造の泉であり続けています。イケムラレイコは、歌川広重《東海道五十三次》との対話を経て、不可思議な生き物や精霊たちが生息する、幻想的な山あいの湖畔を描き、時空を超えた物語の詩的な情景を提示しています。 -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
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イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
忘れてもなみぎわに打ち寄せる ふるさとのしかばね うららかな春の日 -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
稲妻刈り 預言者を恐れて 乳を吸う -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
ころがる大真珠 存在のすがたか ときのたつのもわすれて -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
泣くな島国の子よ 明日がないのよ 骨をしゃぶって 旅じたく -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
想うに優しい村の子どもたち 戦いをひかえてもまだあそぶ -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
我が伊勢の浜辺 蝉の声もなく なびく風もなく -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
穴の中の微風 なまめかしく 遠くに吠える大砲 -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
あの世とこの世を縫って 微風 -
イケムラレイコ「Hiroshige series」2013年
密通の細道 ひそかに 暮れる -
丸山直文「水を蹴る・仙石原(そこでは)」2023年 ポーラ美術館
丸山直文は、豊かな水脈を地中に抱く、箱根の仙石原を取材し、萌え出る光と色彩に満ちた瑞々しい風景を描出しています。両者の絵画は、土地に宿る物語と自然のリズムを織り込みながら、鑑賞者を憩いや漂泊へと誘います。 -
丸山直文「puddle in the woods 4」2010年 ポーラ美術館
丸山直文「puddle in the woods 5」2010年 UESHIMA MUSEUM COLLECTION -
丸山直文「水を蹴る・仙石原(あたりに)」2022-23年
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