2024/06/15 - 2024/06/15
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+mo2さん
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東京国立近代美術館で「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」を見た後、アーティゾン美術館で「ブランクーシ 本質を象(かたど)る」を見ました。20世紀彫刻を代表する作家としてブランクーシの名は知られながらも、その彫刻作品を主体とする大規模な展覧会は、これまで日本の美術館で開催されておらず、本展が初めての機会にあたります。
※作品解説は、HPを参照しています。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 新幹線
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11時頃アーティゾン美術館に到着
アーティゾン美術館 美術館・博物館
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「ブランクーシの肖像」1933-34年頃 東京都写真美術館
ルーマニアのホビツァに生まれる。ブカレスト国立美術学校に学んだ後、1904年にパリに出て、ロダンのアトリエに助手として招き入れられるも、短期間で離れ、独自に創作に取り組み始める。同時期に発見されたアフリカ彫刻などの非西欧圏の芸術に通じる、野性的な造形を特徴とするとともに、素材への鋭い感性に裏打ちされた洗練されたフォルムを追求。同時代および後続世代の芸術家に多大な影響を及ぼしたことで知られる。 -
「プライド」1905年 光ミュージアム
ルーマニアの美術学校で彫刻を学んだブランクーシは、1904年にパリに出て、国立美術学校に学び始めます。その時期の作「プライド」は、モデルの顔立ちの明瞭な表現に、アカデミックな様式が顕著にうかがえます。光ミュージアム 美術館・博物館
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オーギュスト・ロダン「カミーユ・クローデル」1889年
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「苦しみ」1907年 アート・インスティテュート・オブ・シカゴ
本作品には、折り曲げた左腕を含めて胸までが表された第1ヴァージョンがある。そこでは、少年が首を捻り、身を捩るポーズがまさに苦悶の表現となっているのに対し、本作品では、肩から下の部分が省かれることで、感情の表出の効果は弱められている。代わりに際立つのは彫像の表面の滑らかさで、本作品でブランクーシが、モデルの身体の具体的形態や顔の表情の表現よりも、素材の特性に即した表面の仕上げを重視していることは明らかである。 -
「ブランクーシの肖像」1933-34年頃 東京都写真美術館
東京都写真美術館 美術館・博物館
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「犬のいるセルフポートレート」1925年頃 カスミン・ギャラリー
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「眠れるミューズ」1910?11年頃 大阪中之島美術館
*5月12日まで展示(Trio展にて撮影)
本作品は、1909年頃に制作されたルネ・フラションの肖像彫刻(いずれも現存せ
ず)に基づいています。記録写真によれば、それらはまず、粘土による写実的な表現から始まり、次に石を素材にアフリカの仮面を思わせる大胆なデフォルメが試みられており、卵形の頭部と面長の端正な顔立ちを題材に、ブランクーシがフォルムの研究を重ねていたことがわかります。本作品の卵形という普遍的な形態、そして作家の手の痕跡をほぼ残さない仕上げは、ブランクーシの彫刻の主眼が完璧なフォルムの探究へと移行したことを示しています。大阪中之島美術館 美術館・博物館
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「うぶごえ」1917年(1984年鋳造)名古屋市美術館
表面に外形の特徴をとどめつつ、その内部に思念や夢想の観念を想起させる卵形の頭部は、次第に生命や誕生のシンボルとして、抽象性を高めていきます。1910年代のブランクーシの創作は、頭部をモティーフとする、観念とフォルムとの関係の追求に牽引されていきます。名古屋市美術館 美術館・博物館
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「鏡を見る女」1909年頃 東京都写真美術館
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「マイアストラ」1919年頃 東京都写真美術館
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「接吻」1907-10年
1907年作の直彫りによる石のヴァージョンをもとに、1910年までに石膏で制
作された。愛情の象徴たる接吻を主題に、一個の石塊を活かして、男女の固い結びつきを彫り出しています。素材の質感を表面にニュアンス豊かに残しながらも、互いを抱きしめる腕をはじめとして柔らかな曲線に富んだ造形は、直彫りならではの素朴さと親密さをたたえています。 -
「接吻」(別方向から)
それまで単身像を手がけていたブランクーシにおいて、形式、主題ともに画期をなす作品です。1913年にニューヨーク他で開催されたアーモリー・ショーへの計5点の出品作品のうちの一点。 -
「眠る幼児」1907年(1960/62年鋳造)豊田市美術館
豊田市美術館 美術館・博物館
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本展では、ブランクーシによる絵画作品や写真作品も紹介します。一貫して彫刻を創作の核に据えながらも、異なる手法でそれを相対化していく横断的なアプローチは、近代的なものといえます。他方、彫刻作品にみられる、素材の性質への鋭敏な意識は職人的といえるもので、こうした創作者としての多面性にも光が当てられます。
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アメデオ・モディリアーニ「若い農夫」1918年頃
モディリアーニは、フィレンツェやヴェネツィアの美術学校で学んだ後、パリに出ました。当初は、ブランクーシの影響下に彫刻制作に励みますが、やがて貧困と健康上の理由から絵画制作に専念するようになります。その作品の大半は人物像で、少し傾いた頭部、アーモンド形の目、丸みのある細長くしなやかな身体など、独特の形態的特徴を持っています。この作品は、転地療養のため南仏に滞在したモディリアーニが、現地で出会った農夫をモデルに描いたものと思われます。独特な人体表現の中に、モデルの内面性も塗り込められているようです -
「眠れるミューズII」 1923年(2010年鋳造)個人蔵
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(左)キャサリン・ソフィー・ドライヤー「コンスタンティン・ブランクーシ」1924年
(中)ジャンヌ・ロバート・フォスター「コンスタンティン・ブランクーシ」1921年
(右)アンリ= ピエール・ロシェ 1922年5?6月 カスミン・ギャラリー -
「ミューズ」1918年(2016年鋳造)ブランクーシ ・エステート
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「頭部」1920年頃(1992年鋳造)ブランクーシ ・エステート
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マルセル・デュシャン《マルセル・デュシャンあるいはローズ・セラヴィの、または、による(トランクの箱)シリーズB》1952年、1946年(鉛筆素描)
マルセル・デュシャンは、伝統的な西洋美術の価値観を揺るがす作品を生み出し、20世紀の美術に多大な影響を与えたフランスの芸術家です。1930年代半ば、デュシャンは自分自身の作品を複製して自らの作品を再考することを思い立ち、「トランクの箱」として知られる作品のミニチュアからなる、「携帯できる美術館」の制作に着手しました。小さな箱の中には、美術界に衝撃を与えた様々な作品で溢れています。1941年に最初の箱が制作されて以来、長い時間をかけて多くのエディションがつくられましたが、オリジナルの素描が含まれているのはごく限られた箱です。このトランクにはデュシャンの愛人マリア・マーティンの足が描かれた素描が箱の裏蓋に収められています。これは、シュルレアリスムの画家エンリコ・ドナティとその夫人に捧げられました。 -
1907年よりパリ左岸のモンパルナスを拠点としていたブランクーシは、1916年に同じモンパルナス地区の西寄りに位置するロンサン小路の集合アトリエに入居します。
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この空間は創作の発展とともに拡張し、完成作とともに、制作中の作品や台座、石材や木材などの素材に埋め尽くされた、ブランクーシの創作の象徴となっていきます。
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「自在鉤」1928年頃 ブランクーシ・エステート
これら2点の作品は、1927年に移ったアトリエに設けた鍛冶場で錬鉄により制作
されました。友人で、その作品に錬鉄をしばしば用いたスペイン人の彫刻家、フリオ・ゴンザレスから影響を受けた可能性も考えられます。ブランクーシがその生涯にわたって多様な素材を用いたことの証しというべき作品です。 -
「標識」1928年頃 ブランクーシ・エステート
1948年、ブランクーシの制作のアシスタントを務めていた同じルーマニア出身の若い芸術家、アレクサンドル・イストラティとナタリア・デュミトレスコに、作家自身から贈られました。 -
「洗練された若い女性」(ナンシー・キュナールの肖像)1928?32年(2013年鋳造) ブランクーシ・エステート
本作品は、ブランクーシの友人であった芸術家、ナンシー・キュナールから着想を得た「肖像」です。その姿は、一風変わった、完全に抽象的な卵形へと簡略化されており、それは体を捻った動作を暗に示しています。そのタイトルに当初、ナンシー・キュナールの名が付けられていたとしても、この彫刻は古典的な意味での肖像ではありません。それは、自 由と才気、洗練、そして奇抜さの象徴であるこのミューズの精神から、さらに別の普遍的な形を作り出そうとする試みなのです。 -
「王妃X」 1915?16年(2016年鋳造)ブランクーシ ・エステート
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「若い男のトルソ」1924年(2017年鋳造)ブランクーシ ・エステート
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ブランクーシは自らの到達点を確認するかのように、その空間を日常的に写真に記録しています。
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「若い男のトルソI」1922年 東京都写真美術館
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「若い女のトルソ」1922年(2017年鋳造)ブランクーシ ・エステート
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オシップ・ザツキン「ポモナ(トルソ)」1951年
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「若い男のトルソII」 1924年(1973年鋳造)豊田市美術館
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(左)「花束」1930年
(右)「花束」1930年
カスミン・ギャラリー -
(左上)「白い黒人の女I」 1923年
(左下)「白い黒人の女I」1923年
(右上)「ブロンドの黒人の女」1926年
(右下)「ブロンドの黒人の女」1926年頃
東京都写真美術館 -
「レダ」1926年(2016年鋳造)ブランクーシ ・エステート
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(左上)「新生II」1933?34年頃
(左下)「魚」1933年
(右上)「接吻の柱」(部分)1930年頃
(右下)「接吻の門」のマケット1935?37年頃
東京都写真美術館 -
「魚」1924?26年(1992年鋳造)ブランクーシ ・エステート
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イサム・ノグチ「魚の顔No.2」1983年
短期間ながら助手としてブランクーシのもとで直彫りを学んだノグチ。
パリのユネスコ本部の庭園設計プロジェクト《ユネスコ庭園》(1956?58年)に用いる石を探したことを契機に、ノグチは花崗岩の彫刻に取り組み、1960年代後半以降、制作の中心は石の彫刻となります。高硬度の花崗岩である庵治石の産地、香川県牟礼のアトリエと、ニューヨークのアトリエとを拠点に制作に打ち込んだノグチは、石の中に宇宙観をとらえ、石の本質とそこに潜む輝きを見出し、時の経過にかかわらず残る普遍性を形にしようとしました。ノグチがこの作品で探求した石の姿は、自然のままの表面と、彫刻が施された部分との組み合わせによって体現されています。 -
「雄鶏」1924年(1972年鋳造) 豊田市美術館
上昇の感覚。台座の上の三角形のフォルム。階段の形にも通じる、ノコギリ形をし
た燃え上がる炎のような羽。本作品は、雄鶏の姿形の三つの主要な特徴を、鶏冠の輪郭を示す独特のフォルムへと要約しようと試みたものです。ブランクーシは、雄
鶏の姿の垂直性、そしてその象徴的な卓越性の感覚を、完璧といえる三角形を通じて強調しています。「雄鶏とは私のことだ」と口にすることもあったブランクーシにとって、この雄鶏の姿形はきわめて特殊な意味をもっていました。 -
フランシス・ピカビア「アニメーション」1914年
ピカビアはダダとシュルレアリスムにかかわり、フランスとアメリカで活動した画家です。初め印象派の影響のもとに自然主義的な画風を示しましたが、1912年に詩人ギヨーム・アポリネールを通してオルフィスムを知り、色彩豊かなキュビスム的な作風に移行。やがて純粋な創意による抽象的な画面を生み出しました。1913年には、ニューヨークで開催された現代美術展アーモリー・ショーに参加するために渡米。これはその頃に描かれた作品で、発展著しい都市のスピード感に溢れる喧騒に霊感を得て、形象の断片がリズミカルな色彩のグラデーションで構成されています。 -
「アトリエの眺め、《空間の鳥》」1923年 東京都写真美術館
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「鳥」1930年 ブランクーシ ・エステート
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「空間の鳥」1926年(1982年鋳造)横浜美術館
ルーマニア伝承の民話を出発点とする鳥の主題は、ブランクーシにおいて自由と上昇の観念と関わるものです。そこに、同時代の産業技術の粋たる航空機への関心が結びつき、1920年-30年代にかけて発展を遂げていきます。《空間の鳥》のしなやかに円弧を描くフォルムは、まさに空間を切り裂くようで、天空を志向する飛翔の運動自体に焦点が当てられています。横浜美術館 美術館・博物館
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「無限柱」1926?27年 カスミン・ギャラリー
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マルセル・デュシャン「各階水道ガス完備」1959年
独自の道を歩んだようにみえるブランクーシの創作ですが、時々で他の芸術家との間で関係を結んでいます。パリに出て間もない時期に造形への関心を共有したモディリアーニ、キュレーターおよびエージェントとしてブランクーシのアメリカでの受容に尽力したデュシャン、そして、短期間ながら助手としてブランクーシのもとで直彫りを学んだノグチなど、同時代との間にみられるさまざまな接点を、具体的な作品のうちにうかがいます。
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