2024/03/10 - 2024/03/10
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2024/03/10
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ポーラ美術館で開催中の「モダン・タイムス・イン・パリ 1925 ― 機械時代のアートとデザイン」に行ってきました。
展覧会HPより~
1920年代、フランスの首都パリをはじめとした欧米の都市では、第一次世界大戦からの復興によって工業化が進み、「機械時代」(マシン・エイジ)と呼ばれる華やかでダイナミックな時代を迎えました。
本展覧会は、1920ー1930年代のパリを中心に、ヨーロッパやアメリカ、日本における機械と人間との関係をめぐる様相を紹介します。特にパリ現代産業装飾芸術国際博覧会(アール・デコ博)が開催された1925年は、変容する価値観の分水嶺となり、工業生産品と調和する幾何学的な「アール・デコ」様式の流行が絶頂を迎えました。
日本では1923年(大正12)に起きた関東大震災以降、東京を中心に急速に「モダン」な都市へと再構築が進むなど、世界は戦間期における繁栄と閉塞を経験し、機械や合理性をめぐる人々の価値観が変化していきました。
コンピューターやインターネットが高度に発達し、AI(人工知能)が人々の生活を大きく変えようとする現代において、本展覧会は約100年前の機械と人間との様々な関係性を問いかけます。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車
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第1章 機械と人間:近代性のユートピア
1918年に第一次世界大戦が終結すると、機械文明は生活の利便性を高めるために大きく発展します。特に自動車や航空機が普及し、機械時代(マシン・エイジ)と呼ばれる時代の象徴となりました。芸術家やデザイナーも機械の進化が理想的な新しい時代をもたらすと信じ、機械をモティーフにした作品を制作しています。ポーラ美術館 美術館・博物館
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「蒸気機関模型 エリオット・ブラザーズ社」 1870年代 東京大学総合研究博物館
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(左)機構模型「ラチェット」 東京大学総合研究博物館
(右)機構模型「歯車を用いた往復運動機構」 東京大学総合研究博物館 -
(左)機構模型「差動歯車機構」 東京大学総合研究博物館
(右)機構模型「ウォーム歯車機構」グスタフ・フォークト社 東京大学総合研究博物館 -
クロード・モネ「サン=ラザール駅の線路」1877年
19世紀の半ば頃、鉄道は著しく発達し、都市の人々は田園や海辺で休日を過ごすようになります。パリのほぼ中央に位置するサン=ラザール駅はパリで最初に建設された駅で、フランス北西部ノルマンディーの海岸に向かう路線の発着点であり、当時、フランスでもっとも多くの人々に利用されていた駅でした。モネは、戦争を避けてロンドンに亡命していた1870-1871年に目にしたターナーの作品に影響を受け、1877年の1-4月にはアルジャントゥイユを一時離れてパリに滞在し、サン=ラザール駅の連作を制作しています。この連作は、同年の第3回印象派展に出品されました。三角屋根の駅舎に発着する汽車が吐き出す煙と蒸気の様子が、力強く、いきいきとした筆使いでとらえられています。鉄道や駅をテーマとしたこのような絵画は、風景や風俗にみられる同時代性、近代性を表すものとして高く評価されています。 -
キスリング「風景、パリ-ニース間の汽車」1926年
パリとニースの間の、おそらくは南仏の緑の崖の横を白い煙をあげて走り抜ける汽車。南仏コート・ダジュールのニースは、世界でも有数の保養地、観光地である。18世紀の後半にイギリス人の避寒地であったニースに1864年に鉄道が開通すると、19世紀後半から20世紀初頭に観光地として発展し、都会から多くの人々が押し寄せるようになりました。1922年12月には、貨客列車「ブルー・トレイン」が運行を開始し、パリのブルジョワたちの憧れの的となりました。キスリングはこの南方の旅へと誘う、パリからニースへ向かう汽車がプロヴァンスの渓谷を走る風景を、あざやかな緑と白、赤のアクセント、強い明暗のコントラストで描いています。 -
エットーレ・ブガッティ「ブガッティ タイプ52(ベイビー)」ブガッティ社 1920年代後半から1930年代 トヨタ博物館
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シトロエン社の工場
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航空機用星型エンジン(80馬力モデル9C)W.ベルウィック社(ル・ローン社) 1920年代
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航空機用星型エンジン(80馬力モデル9C)W.ベルウィック社(ル・ローン社) 1920年代 株式会社青島文化教材社
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「航空機用プロペラ 」株式会社青島文化教材社
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コンスタンティン・ブランクー「空間の鳥」 1926年 滋賀県立美術館
滋賀県立美術館 美術館・博物館
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アレクシス・コウ ポスター「オッチキス」 1925年 トヨタ博物館
トヨタ博物館 美術館・博物館
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ルネ・ヴァンサン ポスター「サルムソン 10HP」 サルムソン社 1925年頃 トヨタ博物館
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ルネ・ヴァンサン ポスター「エナゴール オイル」 エナゴール社 1930年 トヨタ博物館
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ロベール・ドローネー「版画集」1969年(初版1922-1926)福岡市美術館
福岡市美術館 美術館・博物館
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第2章 装う機械:アール・デコと博覧会の夢
1925年にパリ現代産業装飾芸術国際博覧会(通称アール・デコ博)が開催され、この時代の流行が一堂に会しました。ガラス工芸作家ルネ・ラリックは、自動車を飾るカーマスコットや、幾何学的な建築空間に合わせた室内装飾、香水瓶などのデザインを手掛け、カッサンドルは、単純化した造形と大胆なグラデーションを活かして豪華客船や鉄道のポスターを制作しています。作家たちは、機械や工業製品の美を称揚し、未来を感じさせるイメージを作り出したのです。 -
フェルナン・レジェ「鏡を持つ女性」1920年
1920年代には、自動車や航空機という人間の力を大きく凌駕する機械が急速に普及します。レジェやブランクーシ、そしてシュルレアリスムの作家など、この時代のアーティストによる機械への賛美や反発を、AI(人工 知 能 )が 人 類の知 能を超える「シンギュラリティ」( 技 術 的 特 異 点 )が 到 来しようとする現 代と重ね合わせて見なおします。 -
フェルナン・レジェ「女と花」1926年 東京国立近代美術館
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フェルナン・レジェ「青い背景のコンポジション」1930年 個人蔵
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フェルナン・レジェ「木の根のあるコンポジション」1934年 個人蔵
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フェルナン・レジェ「《ラ・グランド・パレード》のための習作」1952年 個人蔵
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フェルナン・レジェ「サンバ」1953年 ヤマザキマザック美術館
ヤマザキマザック美術館 美術館・博物館
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ロベール・ドローネー「傘をさす女性、またはパリジェンヌ」1912年
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ロベール・ドローネー「リズム 螺旋」1935年 東京国立近代美術館
東京国立近代美術館 美術館・博物館
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ワシリー・カンディンスキー「複数のなかのひとつの像」1939年
モスクワに生まれたカンディンスキーは、法律と経済学を学んだ後、30歳で画家を志し、ミュンヘンへ移住しました。1909年には「ミュンヘン新芸術家協会」を設立する。1910年頃に事物の再現にはとらわれない絵画を模索し抽象にむかい、後に抽象絵画の創始者として認められました。1911年にはクレーやマルクらとともにドイツ表現主義を代表するグループのひとつ「ブラウエ・ライター」(青騎士)を組織し、独自の抽象絵画論『芸術における精神的なもの』(1912年)を発表。第一次大戦の開戦を機にいったんソヴィエトに帰国するが、1921年に再びドイツへ戻り、建築家グロピウスにより創設された総合造形学校「バウハウス」(1919-1933年)で1922年から閉鎖にいたるまで教鞭をとり、その後パリへ亡命しました。 -
ワシリー・カンディンスキー「支え無し」1923年
この「支え無し」では、白を基調とした背景がさまざまな元素を含んだ雲のように色彩を帯び、幾何学形態のモティーフを浮遊させ、ピラミッド型の安定した構図のこの絵画を、絶えまなく変動する空間へと仕立てています。その空間にはじつに多様な世界が共存しています。画面左には、猛々しい馬の首のような褐色のシルエットが突き伸び、中央には三原色に塗られた円が求心力を発揮し、画面のあちらこちらで赤、緑、黄の三角形が高揚感のなかに漂っています。 先進的な芸術活動の拠点だったバウハウスで、カンディンスキーは絵画、版画の制作と芸術理論において空間の思考を深めており、本作品を制作した頃には、とりわけ線のもつ無限の可能性に関心を抱いていました。カンディンスキーはすぐれた理論家でもあったのですが、この作品に描かれた幾何学形態とダイナミックな線は、あるものは高みにむかう精神性の希求を表わし、あるものは詩情溢れる有機的なエネルギーを発散し、観念や理性ではとらえることのできない深遠な世界を繰り広げています。 -
モホイ=ナジ・ラースロー「フォトグラム」 1925-1928年(1929年頃) 個人蔵
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蓄音機(H.M.V. リュミエール460卓上型)グラモフォン社 1924-1925年 東京大学総合研究博物館
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蓄音機(H.M.V. 32型) グラモフォン社 1927年 東京大学総合研究博物館
東京大学総合研究博物館 美術館・博物館
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蓄音機(ポケット・フォノグラフ)ミッキーフォン 1924年 東京大学総合研究博物館
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ロベール・ボンフィス ポスター「PARIS-1925 アール・デコ博」1925年 京都工芸繊維大学美術工芸資料館
京都工芸繊維大学 美術工芸資料館 美術館・博物館
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マリー・ローランサン「黄色いスカーフ」1928年頃
ローランサンは、画塾アカデミー・アンベールでブラックと出会い、ピカソをはじめとする「バトー=ラヴォワール」(洗濯船)に住む画家たちと親交を結びましだ。1907年、ピカソの紹介によりキュビスムの理論家だった詩人ギョーム・アポリネールと知り合い、恋愛関係となります。この頃、ローランサンはキュビスムの影響を受けた平面的な色面構成や先史美術とのかかわりをうかがわせる作品を制作し、キュビストの展覧会に参加しています。1912年にアポリネールと別れ、1914年にドイツ人のヴェッチェン男爵と結婚し、第一次大戦勃発時には戦禍を逃れてスペイン、ドイツで生活を送りました。しかし夫のアルコール依存症が原因で離婚した後、1921年にパリに戻り、淡い色彩とやわらかいタッチによる甘美な情緒を湛えた幻想的な画風を確立し、夢見るような表情の少女たちを描き続けました。また、彼女は肖像画家としても成功し、パリの社交界の人々を描いた肖像画も数多く手がけています。 -
マリー・ローランサン「ヴァランティーヌ・テシエの肖像」 1933年
本作品は、女優ヴァランティーヌ・テシエ(1892-1981)の全身像を描いた肖像画です。彼女は気品のある薄紫色のドレスと、ローランサンの後期の作品によく見受けられる真珠のアクセサリーを身に着け、舞台上で演技をしているかのような優美なポーズで描かれています。テシエは、1920年代には有名な舞台女優となり、数々の舞台やジャン・ルノワール監督の「ボヴァリー夫人」(1934年)などの映画に出演しました。1960年以来、歿するまで住み続けたポワティエ近郊リグジェには1999年6月25日、彼女の名を冠した通りが開通しました。 晩年は愛人シュザンヌ・モローとひっそりと暮らしていたローランサンですが、遺言によりアポリネールからの手紙を胸に彼と同じ墓地に葬られました。 -
リチャード・ル・ガリエンヌ著、ジョルジュ・バルビエ画「香りのロマンス」発行:リチャード・ハドナット
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香水瓶「1925」、ロジーヌ 1925年
1920年代を代表する装飾スタイル「アール・デコ」は、異国趣味や古典回帰、現代主義(モダニズム)など、多くの価値観が混在して生み出されました。 -
香水瓶「ニュイ・ド・シナ(シナの夜)」、ロジーヌ 1913年
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ルネ・ラリック 香水瓶「アンブル・アンティーク」(古代の琥珀)、コティ 1910年
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ルネ・ラリック 香水瓶「ナルシス/エレガンス」、ドルセー 1922年頃
ルネ・ラリックは、19世紀から20世紀のフランスのガラス工芸家、金細工師、宝飾デザイナー。アール・ヌーヴォー、アール・デコの両時代にわたって活躍しました。 -
ルネ・ラリック 香水瓶「ル・リス(百合)、ドルセー 1922年
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ルネ・ラリック 香水テスター「レ・フルール・ドルセー」(ドルセーの花)、ドルセー 1925年頃
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ルネ・ラリック 香水瓶「ミスティ」、[ボトル名:ランティキュレール・フルール(花文扁豆型)]、L. T. ピヴェール 1920年頃
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ルネ・ラリック 香水瓶「ミスティ」、[ボトル名:ランティキュレール・フルール(花文扁豆型)]、L. T. ピヴェール 1920年頃
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ルネ・ラリック 香水瓶「スカラベ」、L. T. ピヴェール1922年
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香水瓶「ロクロワ(黄金の夢)」、L. T. ピヴェール 1925年
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ルネ・ラリック 香水瓶「ダン・ラ・ニュイ」(夜中に)、ウォルト、紺中 1924年
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ルネ・ラリック 香水瓶「ダン・ラ・ニュイ」(夜中に)、ウォルト、透明 1924年
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ルネ・ラリック 香水瓶「ジュ・ルヴィアン」(再来)、ウォルト 大・丸蓋 1929年12月2日
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ルネ・ラリック 香水瓶「ジュ・ルヴィアン」(再来)、ウォルト 小 1929年12月2日
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ルネ・ラリック 香水瓶「ラ・ベル・セゾン」(美しき季節)、ウビガン 1925年3月3日
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ルネ・ラリック 香水瓶「リラ」、ウビガン 1925年8月1日
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